どうもご無沙汰しております、右近です。
プロローグ、南武潜入編、特別編に続き今回から横島修行編になります。
この編でルシオラの復活か道筋を付けるまで書けたら良いなぁ~と思っております。
少し短めですが、第9話のスタートです。
12時を少し過ぎた頃、横島は妙神山の登山口に立っていた。
妙神山に行くには、電車で東京駅に向かい、そこから私鉄を乗り継いで最後はローカル線に乗り終点で降りる。電車だけで5時間掛かり、そこから徒歩1時間で漸く妙神山の登山口に到着する。
前回、雪之丞と来た時は、道すがらバトルを仕掛けられ、そのせいで野宿をするハメになったりと散々な目にあったが、今回は警察と鬼ごっこで遊んだだけで概ね時間通りであった。
「貴女の忠夫が今行きまーす!!待ってて下さい、しょーりゅーきさまー!!フォォォォオ!!」
部屋から文珠で転移も考えたが1秒で却下。貴重な文珠を移動で使うのは勿体無い。何より行き先が妙神山で麗しの女神様が
横島が警察と鬼ごっこをしていた時、美智恵は雪之丞に報告を受けていた。
「ご苦労様。それでどうだった?」
「アイツら地下じゃなくて、異界に造ってたぜ」
「異界ですって!?」
雪之丞の言葉に声を荒げてしまう。地下に施設があると考えていたが現実は更に進んでいた。
「詳しくはこれに書いてるが、地下に魔法陣があってそれで異界に転移している」
言い終えると雪之丞は報告書と施設で入手した書類を渡す。
「ご免なさい、私達の調査不足だったわ」
「モグリなんてやってると依頼内容よりハードになるなんてしょっちゅうだ。気にしてもしょうがねー」
読みの甘さを謝るも雪之丞は全く気にも止めてない。美智恵はふぅーと一息つくと話を続ける。
「それで敵はどうだった?」
「犬のゾンビとその後に元GSのゾンビだ。後は…報告書に書いてるから見てくれ!!それじゃっ」
雪之丞は質問に答えるが、最後を言う時に、おぞましい記憶が甦えってしまい震えながら足早にオカルGメンを後にした。
「ちょっと!?なんなの全く」
美智恵が呼び止めようとしても雪之丞は既に居ない。仕方無く報告書を読み始める。
「報告書はこれだけね。読みづらかったけど」
1時間後にざっとではあるが報告書を読み終えた美智恵の感想だった。
出来事を詳細に書いているのは有難いが無駄な部分も多い。今度、書類仕事も特訓させようと決める。
「やっぱり人造、この場合は再生魔族ね。それを造っていて、しかもルシオラまで…」
重い空気に包まれる。復活したルシオラが街を破壊していたかも知れない。横島に彼女の除霊を依頼していた可能性もあった。
「今回は何とかなったけど早くしないといけないし、後は西条クンには悪いけど当分は秘密だわ」
横島が絡むと最適な判断が出来なくなり、最悪施設を破壊しかねない。折角ルシオラ復活の手掛かりを失いかねないので暫くは秘密にしておく事にした。
美智恵は背伸びをし、時計に目をやると時間は11時を回っている。疲労が溜まっている西条を昼出勤にしたが、横島が居ない今、令子にモーションを掛ける為に事務所に居るだろう。少し早いが代わってもらう為に美智恵はオカルトGメンを後にする。
時間は戻り、妙神山の山道を駆け上がっていた横島は、山の中腹で休憩を取っていた。
「ふぅ~。ここまで来たら後少しだな。美神さんの荷物も無いし、雪之丞に襲われる事も無い。1人って良いなぁ~、1人って・・・・・ふふふ・・・・はっはっは・・・・アーハッハッハ。1人と言う事は、誰にも邪魔されずに小竜姫さまと熱い夜ガッ!!アバンチュールを官能セヨとの御神託ダッ!!」
言うや否や横島の体は走り出していた。休憩してから数分しか経っていないが体力、気力共に満ち溢れている。恐るべき煩悩パワーで一気に駆け登り、妙神山最速登頂記録(非公式)を打ち立てた。
「どうせこんなことだとおもったよ。チクショーー!!」
修行場を目の前にした魂の叫びである。
そこには汗水垂らして働く男達の姿があった。
ヒストリアX~妙神山再建の軌跡~
【BGM 希望の星】
逆天号の攻撃で消滅した妙神山修行場の再建は困難を極めた。何しろ山もろとも無くなっている。会議では移転の話も出たが地脈の関係上、元の場所以外の選択肢は無い。途方に暮れたその時、
ずどーん、ずどーんと地響きがした。驚いた男達は慌てて外に出ると、大きな影が山を押している。その光景に呆気に取られていたが、影は何事も無い様に、妙神山跡地に山を動かし、忽然と姿を消した。
『ダイダラボッチだ…』
男は呟いた。信じられない出来事が目の前で起こった。こんな事が出来るのは国作りの神の1柱しかいないと。
『そうだ!!神様も俺達に協力してくれたんだ。弱音を吐いてどうする?』
男達は動き出した。
「そんな事はどーでもエエっちゅーねん!!」
横島のツッコミが入る。
端的に言えば小竜姫と2人きりの修行を期待していたが、修行場は再建中で土建屋の人達が大勢働いていたのである。
「あら、横島さんじゃないですか」
プレハブ小屋から小竜姫が出て来て横島を見つけて声を掛ける。
「しょーりゅーきさまー!!ご無沙汰してましたー。早速、愛を確かめあいましょー!!」
声を掛けられた横島は、小竜姫を視界に捉えると次の瞬間にはお姫様抱っこで小竜姫を抱えて駆け出していた。
「きゃっ!?」
横島の動きに反応出来なかった小竜姫は、可愛い悲鳴を上げ成すがままになっていたが次第に落ち着いて横島にビンタを喰らわした。
「もう、毎回何をしているんですか貴方は」
無事撃墜に成功した小竜姫は怒りつつも、頬が朱色に染まっている。武神である彼女はお姫様抱っこなどされた記憶など無い。いくら神でも女性である。嬉し恥ずかし初体験に鼓動は高鳴っていた。
「いやースンマセン。小竜姫さまを見たら身体が勝手に」
右の頬に大きな紅葉マークを付けた横島が素直に謝る。裏表の無いスケベ心全開の謝罪に小竜姫も半ば諦めている。
「ところで、今日はどう言った用件ですか?」
「実は、隊長に妙神山で修行をしてきなさいとの命令でして…」
横島は、ここに来るまでの経緯を話した。
「そうですか…しかし困りましたね。修行場はご覧の通り再建中ですし、出来るのはウルトラスペシャルデンジャラス&ハード修行コースですが横島さんは既に修めてますし」
う~んと2人して唸っていると、恰幅の良い男性が近づいて来た。
「どうだボウズ、ウチで働かねーか?」
「へっ?」
どうやら男性は現場を仕切っている土建屋の親方で、いきなり仕事に誘う。横島は急な事なので素っ頓狂な返事しか出来なかった。
「驚かせてすまんな。女神様も横槍を入れて申し訳ない」
2人に詫びを入れると話を続ける。
「2人の会話を聞いてしまってよ、ここまで来たのに帰すのは俺達も忍びない。だったら霊能の事はさっぱりだが、体は鍛えられると思ったわけよ。もちろんバイト代は弾むぜ」
言い終わると親方はニカッと笑って返事を待つ。小竜姫は提案を含めて考えているが、横島は首を横に振っていた。
(ここまで来てどうしてオッサンに混じって仕事せにゃならんのだ!!イヤじゃー、むさいオッサンに囲まれる何てイヤじゃー!!」
「…コホン。横島さん、声に出てますよ」
「がはっは、なかなかの言われようだな」
心の叫びを披露する横島に小竜姫は平静を装いつつ指摘し、親方は元気が良いと笑い飛ばす。
「しまったー!!また何時もの癖がー!!」
おがーんと喚き散らす横島を見て、もう少しだけでも常識を身に付けてくれればと小竜姫は思う。このままだと私自身はおろか、老師に妙神山修行場までも評判が落ちる。何せ彼はアシュタロス事件解決の立役者であり、ここ妙神山の最難関も修めたGSで注目の的なのだ。今までの様に自由奔放では困る。小竜姫は少し思案したのち横島に修行内容を話し始める。
「そうですね。折角の提案ですし横島さん、日中は再建のお手伝いをしてもらい、夜は座禅です」
小竜姫が修行内容を決めて告げると横島はこの世の終わりだと言わんばかりに抗議するが華麗にスルーされ、親方と小竜姫で話を詰める。
「では横島さん、今日は仕事の見学と座禅です。明日からは頑張って下さい。期待してますよ」
まさに女神の微笑みをもって横島を送り出す小竜姫。横島は何時もの様に飛び掛かろうとするが身体が動かなかった。
「よしボウズ、今日は大体の仕事を覚えてくれ」
そう親方にガッチリとホールドされていたのだ。
横島の叫び声は親方の笑い声に書き消されてズルズルと引っ張られて行き、横島の修行?がスタートした。
読んで下さり有り難う御座います。
修行と言っても内容がアレですから、YOKOSHIMAにするのは考えていません。
強いて言うなら、本題の争奪戦が少しだけ動き始めるところだと思います。
あと今回の題名は、全く関係ありません(爆)
何時もは話を書いてる途中に題名が決まるのですが、今回は出来上がっても良いのが思い浮かばず適当に決めました。
次回は修行風景と美智恵さんの行動を書いて行く予定ですので、 それまで暫しのお別れです。