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ちょくちょくやらかすと思うので、指摘してくださると有難いです。
横島修行編の2話目です。
今回は修行風景と美智恵の行動を書いています。
横島の修行風景より美智恵の行動がメインですが、もともと修行自体美智恵の提案なのでこうなりました。
それでは第10話のスタートです。
横島の修行は順調に進んでいる。初日に現場の見学をしただけで大方は覚えてしまった。もともと何かを作る事に関しては天才的で、1を聞いて10を知る横島は1週間で主戦力になり、工程の遅れを取り返している。
肉体労働の後は小竜姫と向き合い座禅をしているが、思いの外上手く行ってない。
座禅を始めて5分もすると目の前に居る小竜姫にちょっかいを出そうとしては寸前で阻止される。この繰り返しを延々と5時間もやっているのである。
普通なら肉体労働後の座禅は睡魔との闘いになるが、横島にしてみれば現場作業など楽過ぎる。それに加え、妙神山の生活は規則正しく体力と煩悩は漲る一方で、これには小竜姫も身の危険を感じて就寝時は異空間に移動したほどだった。
一方美智恵は、報告書に書いてある施設を見てみたいと思い、何時もの様にひのめを令子に預けて1人魔鈴の店にやって来た。
時刻はPM2時。ランチタイムを終えたつかの間の休息時間。
「いらっしゃいませ」
カランコロンとカウベルが鳴り入店を知らせる。
「ごきげんよう魔鈴さん」
「あら隊長さん。今日はお一人ですか?」
カウンターから出てきた魔鈴に美智恵は軽く挨拶をすると、魔鈴も気さくに話しかける。
「ええ、貴女に聞きたい事があるの。今、大丈夫かしら?」
「それならカウンターにどうぞ」
客が少ない時間帯とは言え店は営業中なので、他の客にも対応出来る様に美智恵をカウンター席に案内する。
「それで、何を聞きたいですか?」
「そうね、とりあえずホットを貰えるかしら?」
おしぼりとお冷やを置くと早速質問する魔鈴をくすっと笑うと美智恵は先に注文をした。
サイフォンから珈琲の香りに、美智恵は自然と気分が落ち着く。
暫くして、魔鈴がどうぞと言いながら珈琲を出す。美智恵も有り難うと返すとカップを手に取り一口飲む。
「では改めて、聞きたい事とは?」
魔鈴は珈琲を出すと、カウンター内の椅子に腰掛けて、美智恵に訪ねる。
「異界にある施設の事よ」
横島は今、真剣に図面を書いている。昼休憩の合間を縫って少しずつ手を加えていたが、時間が残りわずかになっていた。その場所は・・・
風呂場の図面だった。
親方衆から絶大な信頼を勝ち取り今や現場を仕切るまでになっていた横島は指示を出すのに工程表に目を通すと2週間後に風呂場の工事が始まる事を知り、これ幸いと隠し通路及び覗きスポットの設計を始めた。
あーでもない、こーでもないと色々と書いてみるも、直感的に動く横島は意外にてこずる。風呂場は母屋と繋がっていて、出入り口の位置や通路の距離に覗き場所。これ等を違和感なく建物に紛れ込ませる。難題だがこれさえ出来ればいつでも安全に桃源郷を、湯けむりの向こうにある神の領域、魅惑の双丘を拝める。
静かに研ぎ澄まされる精神。嗅覚が、触覚が、聴覚が、脳内で風呂場を忠実に再現していくにつれ、手の動きも速くなる。目は血走り鼻息も荒い。今、横島の眼には小竜姫の身体が湯けむりで隠れているだけ。
そして図面を書き終わると同時に煩悩の向こう側に達した。
妄・想・全・開!!
今までの煩悩では、美女美少女の裸は想像出来てもその先は無かった。しかし、極限まで高めた集中力で裸の先、シュチュエーションが追加された。
「ふぅ~、何とか間に合ったな。これでさえ完成すれば当分は…」
ふぅーと一息完成した図面をを眺めグフフと笑みを溢し、湯けむりの隙間から覗く小竜姫の身体に思いを馳せるが何かが引っかかる。
「当分ってなんだ?これで良いのか?」
自分の信念に反している気がする。覗きとは闘いだ。己の鍛え上げた全てを駆使して行う崇高な行為のはず。このまま施工すれば簡単に拝めるがこれでは相手を侮辱していないか。
「これやないんや!!ワイの求めてるもんは、困難に打ち勝ってこそなんやッ!!」
雄叫びを上げて書いた図面をゴミ箱に捨て午後の仕事に向かった。
「そうですね…」
魔鈴は自分が見た事を丁寧に話し始める。自宅のある異界が、何時もより騒がしかった事、その場所に向かうと多数の淡い光が消えていき2人が倒れていた。介抱するために運んだ施設が非合法オカルトの研究施設だと目覚めた2人から聞き、立件出来る様な証拠を集めて後にしたと一通りの流れを話す。
「施設の状況はどう?」
美智恵は報告書通りの流れであったので、更に詳しく訪ねる。
「所々壊れてましたけど、全体的に綺麗でしたね。使われなくなってまだ間もない感じで、後は動力は判りませんが電気は通ってました」
「でも、異界に電気なんて通ってないはずよね?」
話を聞いて綺麗なのは理解出来るが、電力をどうやって調達してるかが気になる。令子達に聞いた話では、魔鈴も異界に自宅を構えている。彼女はどうしてるかそれとなく聞いてみた。
「通ってませんよ。私は霊力コンデンサに自分の霊力を貯めて、それを電気に変換してます。日中は殆ど店に出てますからそれで十分なんです」
「コンデンサね。施設の規模だとどんな大きさか想像も付かないわ。可能性が無いとは言えないけど、別の線の可能性も考えないと」
話を聞いて美智恵はオカルトGメンの仕事を装うが、頭の中ではルシオラ復活の道筋を立てている。
未来の自分に託された方法は現状危険極まりない。横島に修行を命じたのも少しでも早く文珠14文字の制御が出来る様にする為だ。しかし施設が使えるなら話は違う。現に南武グループは復活に成功している。その施設が使えるならば使うだけ。目的の為なら何でも使う。令子も受け継いだ美神の教え。
「私も施設を見ておきたいのだけど、連れてってくれるかしら?」
ここからは時間を無駄に出来ない。西条や南武グループに知られては施設を破壊するおそれがあり、マスコミだとネガティブキャンペーンのエサになる。それでも準備を怠る訳にはいかない。
「良いですよ。ちょうど私も行こうと思ってましたから」
「え?」
魔鈴の予想外な返答に目を丸くしてしまう。
施設に何の用があるの?お姉さん、言ってる意味が判らないわ。と目で訴えている美智恵に対し
「確かにお若いですけど、流石にお姉さんは無理があると思います」
きっぱりと言い切った。師匠である神父でも口が裂けても言えない禁句を平然と言われ、顔を引き攣らせながらも笑顔を絶やさない。
(ここが正念場よ!!今、この子の機嫌を損ねたら異界に行くチャンスが無くなるの!!堪えるのよ美智恵!!)
「そ、そうね。以後気を付けるわ。ところで行くって言ったけど施設に忘れ物でもしたの?」
心の叫びはおくびにも出さず、一番疑問に思った事を、今度はちゃんと口に出して聞く。次、同じ様な事を言われたら我慢出来る自信が美智恵には無かった。
「施設と言うより、自宅から施設までの道に貴重なオカルト植物が自生してたのでそれを採りに行こうと思ってたんです」
「それならいつ頃がいいかしら?」
魔鈴の理由を聞いてほっとする美智恵。限りなくゼロに近いが可能性は捨てきれなかった。彼女に施設を取られてしまうのではないかと。白き魔女と言えど魔女である。しかし心配は杞憂に終わりそのまま予定を決める。
「明後日は休業日にしてるのでどうですか?」
「それで良いわ。何しろ連れて行ってもらうのは私だから」
日にちを決めた美智恵は会計を済ませ店を後にする。事務所までの道のりで覚悟を決めた。無責任な大人の無責任な行動で無責任なけじめ。横島がどう感じようと気にしない。
私がしたいから
周りも巻き込んで
ルシオラを復活させる!!
美智恵に半ば強引にひのめの子守りを任された令子は
「なんで今日に限ってひのめの機嫌が悪いのよーーー!!」
所々煤けた事務所内で絶叫している。
「早く帰って来てぇーーー!!おキヌちゃーーーん!!シローーー!!タマモーーー!!」
学校に行っているおキヌと人狼の里に里帰りしているシロと暇だから付いて行ったタマモを呼んでいた。
「早く帰らないと事務所が大変な事に」
「少し寄り道して帰ろうと思うのでござるが」
「さんせい」
帰る場所の心配をするおキヌに、自身の安全を心配するシロとタマモが居たそうな。
『ママも私を裏切るのね!!これは宣戦布告よ!!最後に笑うのはこの私!!』
0歳児の宣言であった。
如何だったでしょうか?
修行なので、一応パワーアップしてますが、詳細は次回以降に。
美智恵さんも美神の女なのでこんな仕上がりです。
最後の部分は本編で未登場だったけものっ娘コンビを登場さす為の完全後付け設定です(きっぱり
これでも一応原作アフターですから(汗
ひのめは初登場が産まれたばかりで、サザエさんシステム非対応でしたが、その辺りは大人の事情で。
最後になりましたが、評価有り難うございます。
筆者のほぼ処女作にここまでの評価を頂けるとは思っていなかったのでかなり驚き、また励みになりました。
これからも精進致しますので、お付き合いお願いします。
其では次回も宜しくお願いします。