GS横島争奪大作戦   作:右近

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生きて居ました右近です。
前回の投稿から約7ヶ月
今回もタイトル通り、美智恵さんのターンです(汗)
話し合いしかしていないので、殆ど進んでいません。
語彙力が欲しい(涙)

泣き言はこれくらいにして
第12話の始まりです


第12話~交渉人 美神美智恵~

「今日はどうなるかしらね」

 

昨日用意した資料を手にして玄関を開ける。どうなるかと考えてはいるが、失敗するとは思っていない。美智恵が考えているのは、何処まで条件を呑ませれるかを考えている。

 

何時も通りひのめを令子に預けるとそのまま車に乗り込み、横島の通う学校に向かう。

 

美智恵が自宅を出た頃、高校の職員室は混沌としていた。

昨日の電話で急遽決まった面会の相手があの美神美智恵で、オカルトGメン日本支部の事実上トップである。会談で機嫌を損ねでもしたら永田町や霞が関のお偉いさんが足並み揃えてやって来る可能性もあり、ある教師は内申書の改竄をし、別の教師は買ったばかりの胃薬を飲み干し、教頭に至っては抜け毛の数を数えていた。

 

 

 

しばらくして校門前に1台の車が停まり、運転席から美智恵が降りる。校舎を眺め笑みを浮かべるとそのまま校門を潜った。

 

 

ーコンコン

 

軽やかなノックが職員室に響くと、騒がしかった教師達は一瞬で静まり、視線を入り口に集める。

 

「失礼します。昨日お電話した美神美智恵です」

 

職員室の扉が開き美智恵が姿をみせると数人の教師が倒れたが、そんな事はお構い無しに続ける。

 

「校長先生はどちらに?」

 

美智恵の問い掛けに、美術教師の暮井緑(ドッペルゲンガー)が応対した。

 

「少々お待ち下さい」

 

そう告げると暮井は校長に連絡をする。

 

「ええ…」

 

その姿を見た美智恵は一目で正体を見破るも、ピートや愛子、タイガーが普通に受け入れられている学校だったと思いだしスルーした。

 

「お待たせしました。此方へどうぞ」

 

暫くすると戻ってきた暮井が案内すると2人で職員室を出ると、後ろからバタバタと音がする。

美智恵のプレッシャーに耐えていたが緊張の糸が切れ、倒れた教師多数。結局学校全体で8割の授業が自習になったと言う。

 

閑話休題

 

「校長、美神美智恵さんをお連れしました」

 

校長室の前で暮井が美智恵を案内してきた事を告げ、中に入る。

 

「ようこそおいで下さいました。校長の目暮です」

 

「ICPO超常犯罪課日本支部の美神です。本日はお忙しいところ恐れ入ります」

 

簡単な挨拶を交わした後、校長と美智恵は応接セットに腰を掛け、暮井は校長室を後にした。

 

「早速ですが、本日はどう言った御用件で?」

 

最初に切り出したのは校長。

先手を取られては、終始美智恵のペースで進められるのを避ける為に話だした。

 

「そうですね、こちらの学校ではヴァンパイアハーフのピート君をはじめ、種族を問わず受け入れておられます。先程の教員もそうでしたわね」

 

美智恵も校長の思惑などお見通しだが、敢えて気が付いていない振りをして話しだす。

 

「私達オカルトGメンは、人と人ならざる者の共存が目的です。先の大霊障で人々の心に深い傷を残しました。現在は平穏ですが、それがこの先何らかの原因で暴発し、世界中が排除の流れに傾くかもしれません」

 

一旦話を止め校長の顔を窺う。

予想外の話と規模の大きさ。校長が呆気にとられているのが好く判る。主導権を確保した美智恵は外堀を埋めていく。

 

「そうなると机妖怪の愛子さんや先程の教員は勿論、ピート君まで迫害の対象になります。この学校も対応を迫られるでしょう。先生はどうなさいますか?」

 

「ど、どうと言われましても」

 

急に話を振られてたじろぐ校長。美智恵もこの質問は、即断即決出来る様なモノでは無いと解りつつも敢えて訊いている。以前の自分なら人類の為と切り捨てていただろうが今は違うと胸に秘めて。

 

「どうでしょう、一緒に足掻いてみませんか?」

 

「えっ!?」

 

美智恵が何を言っているか全く理解出来ていない校長は、すっとんきょうな声を出してしまう。

 

「先程申し上げた様に、オカルトGメンは共存を目指しています。その一端を担いませんか?」

 

「一端ですか?」

 

「そうです。こちらの学校に六道にある霊能科を作りませんか?幸いピート君はオカルトGメンに就職がほぼ決まっています。その為に通っていますから」

 

「はぁ」

 

「更に、横島君も免許を持ってますし、タイガー君も今年の試験で合格すると思います。一般の高校では異例で、言わば霊能科の下地は既に出来ています」

 

「そうなんですか!?」

 

今まで曖昧な返事しかしなかった校長に変化が現れる。公立高校とは言え実績は欲しい。そんな心の揺れを美智恵が逃すはずがない。

 

「もちろん、こちらも最大限の支援をしますし、実績のある六道女学院の理事長にも協力してもらう様に伝えます」

 

「あの人が協力してくれますか?」

 

美智恵の話しにいつの間にか陥落した校長はもうノリノリである。

 

「六道理事長は私の先生でもあり、後進育成の為に六道女学院を作られました。しかし現状は男子まで手が回っていない状況です。理事長はそれを何とかしたいと思っています」

 

美智恵は確信している。この話しを本人に伝えれば、確実に乗る事を。

 

「それに今回のお話を了承していただけるなら、もう1人優秀なGS見習いを紹介する事も可能です」

 

雪之丞の事が本命なのだがそれを言う筈も無い。美智恵は霊能科設立の特典として扱う事で、雪之丞の価値を高めている。

 

「もう1人ですか?」

 

「はい、年齢は18才ですがGS免許習得する位なら、今すぐにでも首席合格も可能な逸材です」

 

「その様な子が!?しかし…」

 

話しを聞いた校長は黙り込んで考え始めた。

 

(GS資格取得試験は毎年32人しか通らない最難関の国家資格で在校生2人が所持している。あの六道女学院でさえ前例が無い事だ。更に霊能科を作ればもう1人増えるのは確実で、学校の評判は右肩上がりで良くなるだろう。自分の評価も上がり、後々は教育委員会の幹部は間違いない。現在霊能科は六道女学院だけで、ノウハウも無ければ初期費用も無い)

 

ん~と唸る校長を横目に美智恵は電話を掛け始める。

 

「もしもし、ご無沙汰しております先生。美智恵です」

 

「あら~久しぶりね~美智恵ちゃ~ん。今日はどうしたの~?」

 

間延びした独特の話し方、美智恵が掛けた相手は六道理事長本人だった。

 

「先生にご協力願いたい事が有りまして…」

 

美智恵は簡単な説明をして、可能かどうか訊いてみる。

 

「そうね~、大体の事はわかったわ~。可能だけど~流石に~今すぐ決めるのは~無理よ~」

 

「そうですか。では後程お伺いしても宜しいですか?」

 

「ええ~いいわよ~」

 

「それでは、また連絡します」

 

「待ってるわ~」

 

電話を切り内容を話そうとしたが、校長は気が付いていない。その様子から美智恵は、後一押しでチェックメイトだと察する。

 

「先生、校長先生」

 

「あっ、すいません。ちょっと考え事をしていたもので。それでどうしましたか?」

 

「六道理事長に少し聞いてみたのですが、前向きな返事を頂きました」

 

呼び掛けに考え事をやめる校長。美智恵はそれを見て、電話の内容を話す。

 

「そうですか。しかし、資金面や公立校なので行政が直ぐ認めてくれるか問題です」

 

「確証は無いので言い切れませんが、大丈夫だと思います。六道理事長の想いもありますから」

 

普通の公立校の提案だと行政は取り合ってもくれない。校長の懸念もわかるが、美智恵は楽観的な回答をするが、滞りなく進むのを確信している。

政財界は自分と六道理事長で何とでもなるからだ。

 

校長はまた考える。現状は少子化が囁かれ出し今後の運営も厳しくなるだろう。他校と差別化を計りたいところに今回の提案を受けた。追い風か向かい風か、はっきりとは判らないが校長は決断する。

 

「判りました。お請け致します。私にもその一端を任せて下さい」

 

「有り難うございます。それではこちらの契約書を」

 

校長の決断を聞いた美智恵は、用意していた契約書を渡す。準備がいいのは、予想出来ていたからだ。

 

「拝見します」

 

受け取った契約書に不備が無いか確認しサインをした。

 

「有り難うございます。こちらは一応本契約になりますが、六道理事長との交渉で多少の変更があるかもしれません。その時はもう一度お伺いさせてもらいます」

 

サインされた契約書を確認して美智恵は改めて礼を述べる。その時僅かに口角が上がったが、校長は気が付かない。

 

「こちらこそこのような機会を頂いて有り難うございます」

 

校長も礼を述べると、立ち上がり美智恵に握手を求めると、美智恵も応える様に立ち上がり握手をした。

 

「そう言えば、横島君の事は?」

 

「留年の事ですね。ウチの娘も関係してるのですが、仕方ない事です。もしかして、取り消しの要求で来たと思いましたか?」

 

サインをし終えるとホッとしたのか校長は最初に思っていた横島の事を訊ねるが、美智恵はさらっと仕方ないと答え、茶目っ気たっぷりに聞き返した。

 

「えっ、いっいや」

 

美智恵のギャップにドキッとしてしまい、言葉に詰まる。

二児の母とは思えない、むしろ二十歳の長女と姉妹と言われれば納得してしまう程若々しい容姿に、大人の色香を装備している。そんな女性が魅せた可愛らしい一面がクリティカルヒットした。

 

「そうだ今晩、ご飯など一緒にいかがですか?今後の話もしたいですから」

 

「ではこれで。今から六道理事長と話し合いをするので失礼します。変更がありましたらご連絡します」

 

校長が下心丸出しでデートに誘うが、美智恵は完全にスルーで何事も無かった様に校長室を後にする。

その後、美智恵が帰ったのに校長室から出てこないのを不安に思った教師が様子を見に来るまで校長は愛を囁いていた。




読んで下さり有り難うございます。
交渉って難しいですねー(棒読み)
当初の予定より大分削りました。(全部書いていたら終わらない)それでも1話丸々使ってたしまったのは反省です。
そして次は、美智恵VS六道理事長を軽く流して、横島の修行を書けたらと思いますが、またもや交渉事なので今でも恐ろしいです。
次回が何時になるかわかりませんが、その時は宜しくお願いします。
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