GS横島争奪大作戦   作:右近

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現代?過去?の話が漸くスタートしました。
今回も美智恵のターンです。
進展も、何時も通り遅いのは勘弁して下さい。
何時に成ったら生き返るのかとクレームが来そうですが、

第2話のスタートです。


第2話~美智恵の選択~

ひのめを寝かし1人自宅のソファーに腰を降ろす。

昼間に出会った未来から来たと言う横島から渡された手紙を見つめ

 

「何が書いてあるのかしらね」

 

捨てようとはしたが、やはり気になる。意を決して中身を確認する。1枚の写真と手紙。写真には令子と横島君の結婚式が写っている。

 

「なっ、何よこれ。2人が結婚?未来に何があったの?」

 

今の2人を見ると、仲は良いが男女の関係に成るとは想えない。横島はともかく、令子が自分の気持ちに素直になるとは考えにくい。

 

「令子には絶対見せたら駄目ね。話がこれ以上ややこしくなるわ」

 

写真をテーブルに置き手紙を見る。確かに美智恵のサインだ。読んでいくうちに、顔が青ざめる。

 

「いったい何なのよ‼写真といい、手紙の内容といい、私にどうしろと言うの?」

 

トンデモな内容に頭が混乱する。2人の結婚にルシオラを生き返らせる方法。あまりの事に目眩がする。水を飲み一息入れて、続きを読む。

 

『貴女がどうするか私は判らない。でも、忠夫君に全てを押し付けて終わりでは、あまりにも酷すぎる。見殺しにした事実は消えないけど、忠夫君の手で生き返れらせれば罪悪感は多少なりと軽くなると想っているの。神魔族はデタントで何も出来ないなら、私は忠夫君を救う為に、その切っ掛けを託します。丸投げで申し訳無いけど、忠夫君を導いてあげて。私は私自身を信じています。』

 

手紙はこう締め括られていた。

 

「ふぅ、魔族を生き返らす手伝いなんて。未来の私も誰かさんに毒されたみたいね」

 

ため息をつき写真を見る。幸せそうな横島の顔を。

 

「私自身の考えだもの。その切っ掛けはしっかりと繋ぐわ。令子には悪いかも知れないけど、貴女も美神の女。戦って勝ち取りなさい」

 

視線をこちらも満面の笑みを浮かべる令子に移す。美神の女に不戦勝は似合わない。敵前逃亡(戦術的撤退は別)なんてもってのほかだ。まだ、誰にも言えない決意を固めて美智恵は考える。

 

「でもこの方法、確率は高いかも知れないけど、危険すぎるし横島君を更に傷付けかねないわね。何かもう1つ有れば」

 

過去に行くのは現状では不可能だろう。10年後から来たと言う横島位の制御が必要だ。それに、手紙には飛散した霊基構造を集めると書いていたが、報告書には直ぐベスパが回収に眷族を遣わしていると書いていた。それより早く集めるとしたらもう一度、今度は目の前でルシオラを見殺しにしなくてはならないし、助けたら平行世界が出来て横島が帰れなくなる。美智恵は数日間人知れず悩むのであった。

 

 

 

そんなある日、何時もの様に令子の事務所に居た美智恵を西条が訪ねて来た。

 

「令子ちゃんおはよう。先生は居るかい?」

 

「あら、お兄ちゃんいらっしゃい。ママなら向こうでひのめと遊んでいるわ」

 

「そうか。なら、待たせてもらってもいいかい?」

 

「良いわよ。お兄ちゃんブラックで良かった?」

 

「あぁ、すまないね」

 

西条がソファーに座り、令子は珈琲を淹れにキッチンへ向かう。西条は1人になった事で、思い返す。

 

 

時は少し遡る。

 

昨夜、西条はアシュタロス事件の事後処理に追われ徹夜の毎日が続いていた。美智恵は過去に帰り、事件に直接関わった現職公務員は西条1人になった。内閣や省庁等の国内機関から、ICPOや国連の国際機関に加え、バチカンからも報告書の提出を求められている。更にテレビやラジオ、雑誌に新聞のインタビュー。幾ら優秀な西条と言えども、限界があり、現状は大きく越えている。対応が雑に成っても仕方ないが、そうなると報道機関の扱いが悪くなる。世界を救った英雄の裏の顔と題してネガティブキャンペーンが始まり、今ではオカルトGメンまで対象に成っている。

 

「とてもじゃないが1人では捌ききれない。唐巣神父にでも協力要請したいが、向こうも忙しいしな。頼みたくは無いが、やはり先生に復帰してもらうしか」

 

美智恵の体験では5年前の事件であっても当事者には変わり無い。それに、曖昧な部分は神魔族が作成した報告書もある。美智恵なら不利になる事は言わないだろう。

 

「適任だが、ひのめちゃんが産まれて直ぐなだけに頼みづらいな」

 

他の案を考えるも妙案が浮かぶ訳でもない。

 

「とにかく明日、先生に相談しよう。こんな状態じゃ、僕が潰れてしまう」

 

徹夜続きの体を休めるために、仕事を早々に切り上げ、久しぶりにホテルへと帰るのであった。

 

 

話は戻り、応接室に、珈琲の香りと共に美智恵がやって来た。

 

「お早う西条君。私に用があるみたいだけと、何かしら?」

 

2人分のカップをテーブルに置き向かい側に座る。

 

「先生、お早う御座います。実は、オカルトGメンの事で相談がありまして」

 

この時、美智恵に復帰を頼むか決まっていない。とりあえず当面の課題、人員不足の話をする。

 

「アシュタロス事件の事後処理が忙しすぎて、僕1人では対処出来ないとこまできてまして、先生のツテで入ってくれそうな民間GSは居ないでしょうか?」

 

美智恵自身が超一流のGSであり、アシュタロス事件では総指揮官を任される位の信頼がある。その美智恵の頼みなら数人はオカルトGメンに入ってくれるだろうと考えたのだ。

 

「そうねぇ、居るには居るけど、西条君が望むレベルに達して居ないのが現状だわ」

 

フリーでGS免許持ちなど多くない。引退した高齢者が大半を占める中、現役世代は皆無に等しく、その殆どは研究者や学者等の、GSを生業にしていない者で、残りは三流以下や裏と繋がりを持つ者だけである。美智恵が知っているのは、三流以下のGS数人で到底戦力に成るとは思えなかった。

 

「それでも構いません。連絡先を教えていただけませんか?」

 

今は、質より量だと連絡先を聞く西条。書類整理だけでも、代わってもらえる人物が欲しい。そんな西条を見て美智恵が思い出した様に言う。

 

「ねぇ西条君。事務系の仕事は並以下だと思うけど、実戦だったら一流の人なら知っているわ。」

 

「実戦って。先生、今は霊症なんて皆無に等しいのに、戦闘要員を雇う程、暇では無いです」

 

美智恵の提案に何おかしな事を言ってるんだと言いたげな西条に

 

「そんな近視眼的視野じゃこの先また、人員不足に泣くわよ。確かに平時に英雄は要らないけど、有事に備えないのは愚か者よ。特にオカルトGメンは何時あるか判らない事態にも対応出来る様にしておかないと」

 

優しく話し掛けられた言葉には反論の余地は無い。普段なら判っている事も余りの忙しさに、大局的に考える余裕が無かった。

 

「すいません。ところでその人物は…まさか」

 

的確なアドバイスに謝る。そして美智恵の言う人物は、1人だけ該当者がいる事に気が付く。

 

「別に謝らなくても良いわよ。ちょっとしたアドバイスだから」

 

軽くウィンクをして微笑む。今度はこの事に囚われそうな西条に向かって

 

「そう、伊達雪之丞君よ」

 

「やはりそうでしたか。でも彼はOKしてくれますかね?強くなる為に修行に明け暮れているそうじゃないですか」

 

雪之丞がオカルトGメンに入るとは思えない。

 

「だから勧誘しやすいのよ。オカルトGメンは公的機関よ、充実した訓練施設に高難度な霊症もあるわ。その機会を彼に示せば、話位は聞いてもらえると思うわよ。それに、ピート君はオカルトGメン希望でしょ?ピート君の事も話せば、更に良いと思うわよ?」

 

美智恵が話した理由は西条が聞いても雪之丞には渡りに舟な内容だった。

 

(流石は先生だ。やはり先生にオカルトGメンに復帰してもらいたい)

 

「先生にお願いがあります。どんな形でも構いませんので、オカルトGメンに復帰して下さい‼」

 

ひのめの事もあるので常勤は頼めないが、美智恵なら空いた時間に仕事をしても非常に頼りになる。

 

「えっ私!?私はもう無理よ。現役を退いて5年にもなるし、アシュタロス事件で貴方を含めた若い力に痛感させられたわ。確かに指揮官は私だったけど、殆ど役に立た無かったわ」

 

西条の頼みに驚くも、直ぐに淋しい顔をして話す。自分の時代は終わっていると。

 

「令子ちゃん達の活躍で事件は解決したかもしれませんが、先生の指揮が無ければ、初期の段階で負けてました。神魔族の援護が殆ど無い状況で持ちこたえれたのは先生の功績です。それに先程先生が言ったじゃ無いですか、備えないのは愚かだと。ですからぜひ‼」

 

美智恵の言い分も判らなくもないが、西条も引かない。アシュタロス事件の功績やみ美智恵の言葉を引用して説得する。

 

「そこまで言われたら断れ無いわね。ひのめも居るから非常勤になるけど良いわね?」

 

「有り難う御座います先生。それで構いません。」

 

美智恵の了承を聞いて、笑顔で礼を言う西条。

 

これで非常勤ながらもオカルトGメンに美智恵が復帰した。




美智恵さん頑張ってます(笑)
主人公が美智恵なのか作者自身判ってません(おぃ
前回の後書きにも書きましたが、未だルシオラを生き返らせる前段階です。
今回は仕事が忙しく為るために、短めで切りました。
次回は仕事の都合上、遅くなると思いますのでご了承下さい。
それでは、次回まで暫しのお別れです。
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