お待たせしました。第4話になります。
前回の時より色々と忙しくて、続きを書けませんでしたが、漸くアップ出来る長さになったのでアップしました。(おぃ
それでは、第4話のスタートです
雪之丞は目的地に着くと、直ぐに周辺を見て回る。
施設内や建物の外回りの怪しい場所を見るも地下に繋がっている様な場所は見当たらなかった。
「ふぅ~そう簡単に見つかる訳無いよな」
ペンチに座り、缶ジュースを飲みながら呟く。
「後は従業員用通路だが、逆に無いな。幾らなんでも怪しすぎる」
ジュースを飲み干し、缶をゴミ箱に捨て再び歩きだす。
「これなんか弓に似合いそうだな」
ふと目に止まったアクセサリーに足を止める。シルバーで出来たイヤリングだった。しかし、値札に目を移すと
「たっ高すぎるじゃねーか。こんな値段のモン買えねーぞ」
今度、デートの時に渡そうとか誕生日のプレゼント、ホワイトデーのお返し(バレンタインは貰えると勝手に確信している)に等と妄想していたが現実は非情だった。雪之丞には到底手の出せない値段に落ち込みその場を離れる。現実の厳しさに依頼を忘れて帰ろうとエレベーターの前に着く。
「何でここだけ使えないなんだよ。節電か何かは知らねーが営業時間中にすんなよ‼」
普段なら気にもならない事だが、雪之丞は歩いているうちに、沈んだ気持ちが段々と不満に変わり、そして目の前の貼り紙が決定打となり、不満は怒りに、更に怒りは頂点に達していた。
「何が節電だ。しっかりと動いてるじゃねーか」
怒っている時は些細な事でも気にくわない。微かに聞こえるエレベーターの音を雪之丞は聞き逃さなかった。
「でもなんで動いてるんだよ?」
依頼は未だ忘れているが、不可解な現状に霊能者特有の直感が働き冷静さを取り戻す。
「地下に開発施設があって、一般客も使うエレベーターでしか降りられないなら、他の場所に入り口が無い筈だ」
考える事数分、依頼の事も思いだし1つの可能性にたどり着く。
「ここしか入り口が無いなら、俺だけじゃ厳しいな。さすがに壊せないし、派手にやり過ぎると証拠が掴めなくなるよな」
商業施設で霊波砲など被害が甚大なのは明らかで使えない。しかし雪之丞は派手な攻撃を得意とし、隠れたりすり抜け等の隠密行動は苦手だった。
「手伝ってくれそうなヤツは…横島かピートだよなぁ~」
単独での依頼完遂を早々に諦め、助っ人を選びだす。
「横島は…ダメだ、美神のダンナにバレたら何を要求されるかわかったもんじゃない。ここはピートしかいないな。あいつなら、バンパイアミストで地下に行けるだろう」
横島と考えると令子の顔がちらつく。タダで仕事の手伝いならまだ良いが、金銭の要求だとケツの毛まで毟り取られる可能性が非常に高い。それどころか両方だってあり得る令子に横島は諦めピートに頼む事にし、懐から携帯電話を取り出した。
─カチャ
「はい唐巣です」
呼び出しコールが数回鳴ってから神父が出た。教会と兼用の電話なのだが、正式な教会じゃないと言う事で神父は教会と名乗らない。
「神父か。雪之丞だ。ピートは居るか?」
「雪之丞君か。事件以来だね。部屋に居るがピート君に何か用かい?」
雪之丞は名乗ると挨拶もせずにピートが在宅か確認する。神父はそんなことは気にせず要件を聞く。
「あぁ、ピートに頼みたい事があってな。代わってくれるか?」
「それは構わないが、仕事の手伝いなら私にも話してもらわないと出来ないよ。彼はまだ見習いで私の弟子だ。何かあってからでは遅いからね」
ぼかして話す雪之丞だったが、神父は先に釘をさす。横島達若手は、能力は高いが判断力はまだまだ甘い。そんな彼らを導く事が自分の使命だと神父は思っている。
「わかった。今からそっちに行く。話はそれからで良いだろ」
雪之丞は返事も聞かずに電話を切り、一路教会へ向かう。
修行を命じられた横島は家に帰り机の上に置いてある蛍?に話しかけている。
「俺、留年してしまったよ。それで隊長から2ヶ月間、妙神山で修行しなきゃならん。こんなことじゃ何時になったらお前とまた逢えるんだろう。なぁルシオラ」
横島は蛍?に話し掛けると目の前にルシオラが居るような感覚になる。
『私はもうすぐ逢える気がするわヨコシマ。だから頑張って』
ルシオラの声が聞こえた気がする。幻聴なのだが、横島の調子が良い時に話し掛けると、蛍?が微かに光り、声が聞こえる。同化した霊基構造と蛍?が共鳴しているのだろう。
「魔族のもうすぐはめちゃくちゃ長いからな。何時になるかわからんが、ルシオラに言われちゃぁやるしかないよな」
横島は気合いを入れ直して、明日の準備を始める。
教会に着いた雪之丞は2人を前に今回の依頼を話始める。
「依頼人はオカルトGメンで、南武グループの商業施設に心霊兵器開発の施設があるみたいだ。そこに潜入して開発の証拠を取ってくるのが受けた依頼だ。後は俺1人では、難しかったから、ピートに助っ人を頼んだんだ」
「オカルトGメンの依頼だって!?言葉は悪いが、無免許の君に依頼するとは。それに勝手に助っ人を頼むなんて」
「僕は雪之丞なら1人でも問題ないと思いますが」
雪之丞の説明に唐巣は否定的に、ピートはフォローするように答えた。
「アンタ達一流のGSはアシュタロスの事件で顔が割れてるだろ。俺やピートはまだマシだからな」
「確かに私や美神君は有名になり過ぎたようだね。でも、君とピート君だけなら私は賛成出来ないよ」
唐巣はオカルトGメンの人選に納得するも、まだ否定的である。
「雪之丞、どうして僕に助っ人を頼んだんだ?」
ピートは自分に助っ人を頼んだ事が不思議でならない。
「横島と迷ったんだが、横島だと美神のダンナにバレでもしたらケツの毛まで毟り取られそうだったからな。それとお前、卒業したらオカルトGメンに入るんだろ?俺もこの依頼が成功したら入るつもりだ。だから将来の予行演習になるだろ」
考えた事を素直に話す。将来の事を考えていたとは意外だったが、雪之丞らしい率直な理由にピートは
「先生‼僕からもお願いします。やらせて下さい‼」
瞳に炎を宿らせ唐巣にお願いする。雪之丞の語った卒業後の話に、ピートは明確な目標が出来た。雪之丞に負けてられない。
「ピート君」
唐巣はピートの熱い眼差しに世代交代を感じる。今まさに巣立ちの時を迎えた若者達に最後の質問をする。
「判った。それで、私も着いていくが良いかね?」
「構わないぜ。もしもの時に直ぐ動ける足が有った方が良いしな」
雪之丞も了承して、現場まで3人で行くことが決まった。
「侵入場所は判っているのかい?」
唐巣も認めたとは言え、着いて行くと決めたからには知っておく必要があると判断して作戦内容を聞く。
「入り口は一般客も使う施設内のエレベーターだな。節電の為使えないって書いてたんだが、動いてやがった。施設内を見て回ったが、怪しい場所は無かったから間違いない筈だ。」
「一般客が使えないエレベーターにどうやって入るんだい?壊して強硬突破は流石に無理がある」
雪之丞の話に唐巣は、彼の性格ではそれも有り得る事なので釘をさす。
「一般客に被害が及ぶのはマズイだろ、そんな事俺もしねーよ。だからピートか横島だったんだ」
「僕か横島さんですか?」
雪之丞の人選が未だに理解出来ないピート。
「あぁ、横島なら文珠で何とかなりそうだし、ピートならバンパイアミストで中に入れるからな」
「そう言う事か。やっと納得したよ」
「そうでしたか。判りました」
訳を聞き漸く理解した。雪之丞の成長を目の辺りにし、改めて淋しい気持ちになる唐巣と、自分も頑張らなきゃと気合いを入れるピート。
「その先はどうなってるか侵入してみなきゃ判らんが、何とかなるだろ。それより早く行こうぜ。閉店したらそれどころじゃないからな」
言い終える時には雪之丞は立ち上がって玄関へ歩き出す。唐巣とピートも着いていく。
(逞しくなったが、やっぱり雪之丞君だ)
(潜入捜査なのに、何時もより楽しそうだな)
雪之丞の後ろ姿に微笑ましくなる2人だった。
何時も通りの長さになりましたが、続きを書くとアップするのが更に遅くなりそうだったので今回はここで切りました。
次回はバトル開始予定ですが、上手く書けるか、はたまた先送りになるのかは、次回のお楽しみと言うことで
それでは、次回までしばし待て