GS横島争奪大作戦   作:右近

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どうもご無沙汰しておりました。寝落ち奉行です。
前回から今回までの間、色々ありましてようやく最新話があがりました。
今回、初戦闘も書いてますが…
まだまだ未熟者ですが末長いお付き合い宜しくお願いします。
それでは第5話のスタートです。


第5話~ヤングあぶない警察~

唐巣の運転で現地に向かう車内で雪之丞が

 

「悪いが俺とピートの2人で行く。神父は車で待ってくれ」

 

「どうしてだい?3人で行った方が危険は少ないはずだが」

 

雪之丞の指示に唐巣は、自分も着いていくつもりでいた。

 

「さっきも言ったが、一流のGSが潜入したとバレたら、相手もかなりの戦力で潰しにくる筈だ。それこそ戦闘になったら施設を壊してしまう」

 

雪之丞は真っ当な理由を述べるが内心では

 

(神父まで来ちまったら、俺が活躍出来ねーじゃねーか。本当は1人でやって、弓に俺の武勇伝を聞かせるつもりなのによー)

 

「どうしたんだ?雪之丞」

 

1人の世界に入っていた雪之丞を呼び戻したのはピートだった。今から仕事だと言うのに、締まらない顔の雪之丞を見て、不安になったのだろう。

 

「あっ、いや何でもない。それより、もうすぐ着くぜ。気合い入れてけよピート」

 

何事も無かったように振る舞う雪之丞。現場に近かった事が幸いして強引に話を終わらす。

 

「あっ、もちろんだよ雪之丞」

 

それ以上聞く事が出来なくなったピートも表情を引き締める。将来はコンビを組むであろう雪之丞とオカルトGメンの仕事だ。非好戦的なピートでもワクワクしている。

 

(2人共逞しくなったね。これじゃぁ僕の出番は無いはずだ。無事に帰って来てくれ)

 

神父は2人のやり取りを聞き感傷に浸っている。

 

 

 

 

「ピート、バンパイアミストはどれくらい持つんだ?」

 

「1人だと10分位だけど、2人だと短くなるよ。しかも相手がGSなら霊力の影響を受けるからどうなるか判らないけど、それがどうかしたんだ?」

 

施設の前に到着した車の中で雪之丞はバンパイアミストの効果時間を訪ねる。ピートも答えるが理由を聞き返す。

 

「出来ればここから霧で移動したくてな。中だと監視カメラも有るからバレるかもしれん」

 

「成る程そう言う事か。だったら最短距離で向かおう。雪之丞、入り口の場所は覚えているか?」

 

「当たり前だ。そっちこそしくじるんじゃねーぞ」

 

「もちろん。それでは先生、行ってきます」

 

2人は簡単な打ち合わせを終え唐巣に出発を告げると霧状になって車から出ていった。

 

 

 

雪之丞の先導で例のエレベーターの前に着いた2人。

霧状なのでここまではスムーズに来たがここからが問題だった。

 

「どうする、雪之丞。このまま侵入するのか?」

 

「待て、エレベーターがどの階にあるか判らないし、入ったはいいがエレベーター内にもカメラは有るぜ」

 

「あっ、ああ。判った」

 

何時もと逆の立場に戸惑いを感じるピート。慎重に事を進める雪之丞に焦りを感じてしまう。

 

「どのタイミングで侵入するんだ?いくら霧状でも留まっているとバレる危険性があるよ」

 

「迂闊に、エレベーター内に入って人が居たら面倒だし、さっきも言ったがカメラも有る。それに箱の下だったらもっと悲惨だ。動いてるからタイミングをみて上に乗るぞ」

 

ピートの焦りも気にならない程冷静な雪之丞。何が原因でここまで変わったかピートには想像も付かない。

考えれば考える程焦ってしまう。そしてミスを犯してしまった。

 

「すまない雪之丞、限界が近い。後1分ももたない」

 

「いきなりかよ。しょうがない、一か八か入るぞ」

 

限界が訪れこれ以上はバンパイアミストを維持出来ない。今元に戻ってしまうと一般客の前で姿を晒してしまう。そうなれば、潜入どころでは無いし、騒ぎを聞いた南武グループは施設を別の場所に移動するはずだ。

考えている時間など無い雪之丞とピートはエレベーターの隙間から潜入した。

 

 

 

「一時はどうなるかと思ったが…次は頼んだぜ」

 

「すまない雪之丞。でも本当に助かったよ。これも主のお導きだね」

 

エレベーターの上に座り一息つく2人。幸運にも入ったと同時に下から上がって来たのだった。

雪之丞に少しだけ言われて謝るも、十字を切り主に感謝の意を表すピートに雪之丞の言葉は届いていたのかは不明である。

 

「人は乗ってないみたいだけど、どうする雪之丞」

 

「そうだな、地下に行くまでここで待とうぜ。どうせ今降りても見つかる可能性が上がるだけだしな」

 

急かす様なピートの問いにも慎重な姿勢を崩さない雪之丞。猪突猛進だった以前からは考えられない。

 

「雪之丞、何があったんだ?」

 

落ち着いたところで、やはり気になっていた事を質問するピート。

 

「何がって、何も無いが、いきなりどうしたんだ?」

 

思い当たる事は無い雪之丞は逆に質問する。

 

「いや、何だか急に慎重になったなって思って」

 

ピートのストレートな質問に

 

「この依頼を達成したら、表世界で胸張って生きて行けるからな。俺は別に気にしないが、将来の事考えるとやっぱりな」

 

雪之丞も正直に答える。将来の事と曖昧な言い回しだが、弓との事だとバレバレである。

 

「それより、もうそろそろたぜ」

 

相手がピートなので、そこまで問い詰められる心配は無いが、話題を変えて誤魔化した。

 

「わかった。もう一度バンパイアミストで中に入ろう」

 

「それが確実だな。頼むぜ相棒」

 

ピートの提案に頷く。そして、1人が多かった雪之丞は自然とピートの事を相棒と呼んでいた。

 

「…相棒」

 

ピートの瞳に怪しげな光が灯る。そう呼ばれて悪い気はしない。脳内を言葉が駆け巡り、導き出した答えから、どこから取り出したか判らないサングラスをかけ、雪之丞にも渡していた。

 

「あっ、あぁ…有り難う」

 

(何だよ。何でサングラスなんだ?どこに持ってたんだ?)

 

疑問は尽きないが、どうする事も出来ず、とりあえずかける雪之丞だった。

 

(僕達はまだ正式な隊員じゃ無いけど、将来はICPOオカルトGメン。心霊現象専門の国際警察の一員だ。命懸けの戦闘も沢山あるはず。そう、僕達は未来のあぶない警察なんだ‼)

 

妙なテンションになっているピートに若干引きつつも雪之丞は切り替えて作戦開始の合図を送る。

 

「ピート、始めるぜ」

 

ピートがバンパイアミストで霧状になり雪之丞を包む。そして、点検口の隙間からエレベーター内部に浸入した。

無人のエレベーターは地下へと無機質な音を立てて降りていく。普段は地下1階までだが止まる事なく下へ降りて行き、エレベーターは地下5階で止まった。

研究員らしき人物が乗り込む隙にエレベーターを出た2人は物陰に移動してバンパイアミストを解除した。

 

「危なかった。もう少しで時間切れだったよ」

 

開口一番ピートは今回も危なかったと言う。

 

「おい、またかよ。マジで頼むぞ‼」

 

それを聞いた雪之丞は少しキレ気味にピートに言うも

 

「雪之丞はまだ霊力を使って無いから判らないと思うけど、エレベーターが開いた瞬間から、力が制限されたんだ。多分何処かに結界があるはすだよ」

 

それまでは妙なテンションだったが、急に霊力を制限された事で冷静になれた。

 

「そっ、そうか。すまない」

 

「それより、先に進もう。ここでバレて戦闘になったらまともに戦えないよ」

 

ピートは辺りを見渡し、誰も居ない事を確認してから歩き出す。雪之丞も後に続く。

 

 

 

薄暗い通路を警戒しながら歩いて行く2人。時折動物の鳴き声が聞こえるが入り口が無いので今は先を急ぐ。

 

「そう言えば、どこに向かっているんだ?」

 

歩きながら雪之丞に尋ねるピート。

 

「場所は判らないが、取り敢えず奥に行こうぜ。証拠になるような書類なんて一番奥に置いてる筈だからな」

 

当たり前の様にサラッと答える雪之丞に、少しだけ安心したピートだった。

 

 

エレベーターから続く通路を歩く事数分、漸く扉にたどり着く。

 

「いかにもって感じの扉だな」

 

「確かに。何が出て来てもおかしくないよ」

 

目の前の扉を怪しげに見る2人。入らなければ先に進めないのだが、ピートは嫌な予感がする。

 

「どうせ入らねーと先に進めねーし、ここでじっとしてるよりマシだ」

 

ピートをよそに雪之丞は扉を開ける。心なしか震えている。

 

(やっぱり雪之丞も緊張している)

 

ピートの思いなど知らず、雪之丞は部屋に入る。

 

(部屋の中から、バトルの気配が凄いぜ!どんな奴が出てくるんだ?)

 

戦いが待ちきれないだけだった。

 

 

部屋の中は広めで今までと同じく薄暗い。そして後から入ったピートが気が付いた。

 

「外より結界が弱くなってる。全力には程遠いけどこれなら何とか戦えるよ」

 

「本当か!?どれくらいなんだ?」

 

バンパイアハーフのピートは雪之丞より結界等に敏感で、強力な物ほど肌で感じやすい。雪之丞の言葉で霊力を高めてみる。

 

「僕で30%位かな。でもどうして結界が弱くなっているんだ?普通は逆だと思うけど」

 

「そんなの決まってるだろ。闘わす為だ。ご丁寧に魔法陣が出てきたぜ」

 

雪之丞は嬉しそうに中央を指差した。そこには先程は無かった魔法陣が淡い光を発している。

 

「いつの間に!?」

 

驚くピートを横目に、魔法陣に向かって歩き出す。

 

「おい!見てんだろ。さっさと始めようぜ!」

 

何の躊躇無く魔法陣に入る雪之丞。すると辺りの景色が一変した。

 

『ヨウコソ シンレイヘイキジッケンジョウヘ』

 

床以外、魔界の様な景色になり、何処からともなく機械音声が2人を歓迎した。

 

「手ぇ出すんじゃねーぞ」

 

後ろのピートにそう告げると魔装術を展開し、一点を見つめる。

 

「あら、貴方達だったのね。また逢えて嬉しいわ。この前のお礼もあるし、今日はタップリと可愛がってア・ゲ・ル」

 

暗闇から聞き覚えのあるオゾマシイ声で全身に悪寒が走る。腰を無駄にクネらせながら出てきたのは勘九郎だった。

 

「おっお前、生きてやがったのか!?」

 

「そんな言い方しなくてもいいんじゃない?私は魔族よ。死んでも霊基構造がある程度残っていたら復活なんて造作も無いわ」

 

これにはさすがに驚く雪之丞。以前にも増して気持ち悪いその姿に腰が引ける。正直なところ闘いたく無い。そんな雪之丞を無視して勘九郎はこれまでの経緯を話し出しす。

 

「貴方に倒された私は消滅するのも時間の問題だったわ。身体が少しずつ消えて逝くのと比例して、意識も薄れて逝ったの。次に気が付いた時は培養槽の中よ。後から聞いた話しじゃ、あの時、悪霊や魔族の霊基構造を回収してた人間はかなり居たの。私もその1人に回収されたのよ」

 

話している最中もポージングを繰り返す勘九郎。

これ以上は目が腐る。それよりも、霊基構造があれば増殖も可能だろう。世界中に勘九郎が溢れ返る事態になりかねない。

 

「大体判った。ここでお前を消さなきゃならない事がな‼」

 

雪之丞は右手に霊力を集めだす。

 

「もう始めてしまうの?せっかちな人ね。でも、そんな不完全の魔装術で私を倒せると思っているの?!」

 

不敵な笑みを浮かべ挑発する勘九郎。霊力の制限で雪之丞の魔装術はGS試験時と同じ状態だった。

 

「てめぇこそ、そんな格好で勝てると思ってるのかよ‼」

 

雪之丞も勘九郎の格好にケチを付ける。何処ぞのHKよりも際どい、紫色の光沢があるブーメランパンツを両肩まで引き伸ばして穿いている。今にもおいなりさんがこぼれ落ちそうなほど色々と危ない。

 

「魔装術はね、極めれば極めるほど自分の思い描いた姿になるのよ。これでも貴方と比較にならない程強力よ」

 

両腕を広げて大の字になる勘九郎。雪之丞は集めた霊力を撃つ。

 

「喰らえ、霊波砲‼」

 

ードーン‼

 

霊波砲は勘九郎に命中し煙を巻き上げる。このまま消えてくれと願いつつも、前方を警戒する。

 

「いいわ。もっとよ‼もっと激しいのを頂戴‼」

 

やはりと言うべきか、煙の中から勘九郎の奇声が聞こえた。

 

「もっとだって!?ならお望み通りに、連続霊波砲‼」

 

ードドドドドドッ‼

 

「オラオラオラオラー」

 

触りたく無い一心で霊波砲を撃ち込む雪之丞。爆煙で視界無くなったところで手を止める。

 

・・・

・・・・

・・・・・

 

煙が晴れた目の前には無傷の勘九郎が立っている。一部は先程より大きくなっていたが。

 

「凄くいいわぁ~。ねぇ、もっと頂戴」

 

「あれをまともに喰らって興奮するなんて、初めて書く戦闘の相手にオカマを選ぶ作者位イカれてやがる」

 

勘九郎の姿に腰が引けるも戦意は失っていない。

 

「もう終わりなの?早すぎるわ。なら私の番よ」

 

物足りない表情の勘九郎だが、おもむろに腰を振る。

 

「逝くわよ。ブーメランカッター‼」

 

ーブン‼

 

腰から紫色の魔力刃が飛んでくる。腰が引けていた為に反応が遅れるも、生存本能が無意識に体を動かし紙一重でかわす。

 

「よく避けれたわね。でも、次はどうかしら?」

 

勘九郎が腰を激しく振ると、先程と同じ物が複数襲い掛かる。

 

「チッ、厄介な物を飛ばしてくるぜ」

 

カウンター狙いの紙一重ではなく、確実に避ける。相手の力量が不明な為、叩き落としもしない。それに何だか臭い。当たってしまうと精神的ダメージがキツそうだった。

 

「良いステップよ雪之丞。今夜は楽しめそうね」

 

「てめぇなんかと遊んでられるか‼」

 

勘九郎に時間を割いている余裕は無い。雪之丞は魔力刃を低姿勢で避けながら距離を一気に詰める。

 

「さっさと消えやがれ‼」

 

距離を詰めるのに走った勢いが全部乗った右ストレートを勘九郎に叩き込む。

 

ーバン‼

 

「&§*£@%◎◇*◎&§」

 

言葉にならない悲鳴をあげる勘九郎に、雪之丞は殴った場所を確認すると、そこはシンボルだった。

身長差に加え、見ずに殴った事から、出会い頭の事故だった。

その場から離れて距離を取る雪之丞は、バツの悪そうな顔をして頭を掻いている。

 

「何かその…すまん」

 

「いっ、今のは痛かった…痛かったぞーーー‼」

 

謝ってみるも勘九郎には聞こえていない。痛みで歪んで痛た顔が、次第に怒りに変わる。

 

「虫ケラの分際でよくも…」

 

勘九郎の魔力が上昇していく。あまりの激痛に我を忘れ

 

「グッオオオオオオオオー‼」

 

魔獣のごとき叫び声が響き渡る。

 




何がどうして相手が勘九郎になったか自分でも判りません。勢いって恐ろしいです。
そして、どうせならトコトン変態になってもらおうと思った姿があれでした。
魔装術に関しては、原作の雪之丞はウイングマンに見えたので、本人の強くてカッコいいと思う姿が具現化したと解釈しました。
希望を悪く言えば願望や欲望ですから、魔装術は欲の強い人間ほど極めれて、同時に魔族に堕ちやすくなると考えました。
次回はピートの戦闘も書く予定ですが、予定はあくまで未定ですので、続きをお待ち下さい。

それでは、次回の更新でまたお会いしましょう。


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