第八話からの三連投になってますのでご注意をーですーw
改めまして。颯乃依ですw
まぁとりあえず。どぞ。
in アチェールニ side
「とんでもないな…キルシュは…」
「あれって、どうやってるの?」
「ボクにはムリかも…」
キリトとキルシュ。
二人はとんでもない事をしているのだ。
ボスのソードスキルをソードスキルで相殺しているのだ。
口で云うほど易しくないのは想像に難くないだろう。
それでもキリトならばまだ納得はいく。
なんせ俺たちはβ時代最前線にいたのだ。
その際に刀を使うMobとは何度も戦ったのだ。
そのMobはかなり強敵で俺たちはそのフィールドで足止めを食らってしまったのだが…。
ふとキリトが云い出したのだ。
俺がソードスキルで相殺するからスイッチで倒そう、と。
それからキリトはひたすらにぶつかっていった。
キリトのプレイヤースキルはかなりのものだから最終的にはかなり良い感じにはなったのだ、が丁度その辺りでβの期間が終わり、結局流れてしまったのだ。
まぁそんな訳でその時の事を鑑みればキリトが出来るのは問題ない。
然し。キルシュが出来るのが納得いかないんだよなぁ…。
……まぁ、良いか。
いまはとにかく。こいつを倒して先に歩いていかなきゃいかないんだから。
(頼むぞ、二人とも)
in キルシュ side
これは…すごく…つかれますね…!
キリトさんはこんなことを考え付くなんて…!
この綱渡りは、間違いなく所謂システム外スキルですよね…。
誰かに聞いたことがあります。
システムに依らない、プレイヤーの技量によって成り立つ。
それが、《システム外スキル》。
(こんなに精神が磨り減るなんて…やっぱりキリトさんはすごいです…)
一瞬でも気を抜くと持ってかれそうなくらいシビアな選択の連続。
いつ果てることもわからない状態だけど、遂に限界が来たみたい。
「しまっ…!」
「っく…!キリトさん…!」
発動させかけたソードスキルをキャンセルしてキリトさんを庇うような位置に身を投げ出す。
「キルシュ!?やめ…!」
「きゃうっ!」
然し間に合わずまとめて攻撃を受けてしまった。
「あっ…!!」
「キルシュ!?キリト!!」
「よくもっ!」
みんなが動揺した声を上げたのが聞こえるが、私とキリトさんは辛うじて倒れ込むことなく膝を突き耐える。
が、その穴を埋めようとしたのか木綿季とアスナさんがボスに突っ込もうとしている。
嫌な予感がして叫ぶ。
「だめ…!」
「だめだ…!」
キリトさんも叫ぼうとしたが、声は掠れていた。
私も同じく声が掠れている。
「ユウキ!アスナ!下がれ!」
刀が紅く染まる。
(っく!動いて!お願い!!)
意志に反して体は動かない。
いや…いや…!!
「ぬぉぉ…!!」
太い雄叫びとともに緑色の巨大な光が二人の前を遮る。
あれは…!
「エギルさん…!!」
「あんたらがPOT飲み終えるまで俺たちが支える。ダメージディーラーにタンクさせちまったら立場ねぇからな!それにgirlに負担かけるのもよくないしな!」
「…有難うございます…」
「すまん…頼む」
言葉に甘えポーションを飲み下し少し後ろに下がる。
「大丈夫ですか?キリトさん?」
「あぁ、問題ない」
「全く。ヒヤッとしたよ…」
「よかった…」
「ふぅ…」
私とキリトさんは一度壁際まで下がり、キリトさんはここからボスの攻撃を見切り指示を出している。
兄様とユウキ、アスナさんは皆さんと一緒に攻撃に参加している。
指示が的確なため大分安定しているようだ。
これなら何とかこれ以上被害は出ないだろう。
(はぁ…なんとかなりそう…だね…)
然し、そう気を抜いた瞬間にそれは起きた。
順調にボスのHP削れ、そのゲージが赤く染まった、その時。
壁役の一人が足を縺れさせよろめいた。
そこはボスの真後ろだった。
「早く動け!そこから移動しろ!」
また、あの技…!?
「キルシュ!」
「ん、はい!」
剣を構え、蹴り足で飛び出す。
「「届けぇー!」」
ぎりぎりボスのソードスキルの発動前に左の腰を捉えた。
クリティカルヒットにてボスはそのまま落下し、バッドステータス《
何とか倒れることなく着地した私たち。その流れのままキリトさんが叫ぶ。
「全員─
「お…ぅおぉぉぉ!!」
皆さん一斉に最大のソードスキルで攻撃を開始する。
何とかこの間に倒しきれないと…また…!
然し、あと一歩足りなかったみたい。
皆さんの硬直が解けるかいなかのタイミングでボスが立ち上がる素振りを見せる。
「間に合わないか…!」
小さく叫び、そして私に。
「キルシュ、最後の攻撃を一緒にたのむ!」
「…!わかりました!」
応えると片頬で笑いかけてくれた。
キリトさんのタイミングに合わせ、同時に駆け出す。
前方では硬直が解けた瞬間に再び攻撃を放つ光景が見える。兄様たちも全力でソードスキルを放っている。
でも。少し。もう後ほんの少し。足りない。
「「はぁぁぁぁ!!」」
私とキリトさん。同時に斬りつける。
キリトさんは右肩口から。私は左肩口から。
重なるようにお腹までを斬り裂く。
HPは。残り僅か。
でも。私たちの剣はここで終わらない。
完全に同期した動きで。逆方向に斬り上げる!
光の帯が、ボスの体にVの字を刻む。
片手剣
その軌跡が消える寸前。ボスが硬直し、次の瞬間。
無数の破片となって爆散した。
ボスが消滅したのと同時に取り巻きのセンチネルも消滅したようだった。
暫し静寂が場を支配する。
ふぅ…
左上に斬り上げたままの剣をゆっくり下ろし、振り返り同じく右上に斬り上げたままのキリトさんの右手にそっと触れ優しく下ろさせる。
私は意識せずに笑みを浮かべて、一言告げる。
「お疲れ様です。キリトさん」
その言葉で確信してくれたのか、力の抜けた表情で息を吐く。
それを待っていたのかの様にシステムメッセージが全員の目の前にリザルトウィンドウを展開した。
周りの人たちもようやく理解が追い付いたのか。顔に生気が戻り、次の瞬間歓声が弾けた。
そんな中誰かが近付いてくる。
エギルさんだ。
「見事な指揮だった。そしてそれ以上に見事な剣技だった。congratulation!この勝利はあんたたちのものだ」
気持ちの良い笑顔でそう云ってくれた。
キリトさんは照れているみたいでなんと云えば良いかわからないみたい。
その時だった。
「──なんでだよ!!」
そんな、まるで泣き叫んでいるかのような、血の滲むような、声。
「なんでディアベルさんを見殺しにしたんだよ!?」
「見殺し…ですか…?」
「そうだろ!?だって…あんたらはボスの使う技を知ってたじゃないか!だからあんなに戦えてたんだろ!あんたらが最初からあの情報を伝えてればディアベルさんは…!!」
「そういえば…そうだよな…」
「攻略本にも書いてなかったのに…」
これは…良くない…ですね…。
不穏当な空気が流れて来て、徐々に不安が立ち込めてきてますね…その前になんとか…。
「オレ…オレ知ってるぞ!こいつらは元βテスターなんだ!だからボスの攻撃パターンも知ってたし旨いクエとか狩場とか、全部知ってるんだ!知ってて隠してるんだ!」
憎しみに澱んだ目をキリトさんと、私に向けてくる人たち。
これはもう、どうしようも出来ない…かな?
キリトさんをちらりと窺う。
すごく辛そうな
それはそうだろう。
隠したくて隠したわけではなく。そもそもボスが刀スキルを使うなんてキリトさんが知るはずもないのだ。
キリトさんがβテスターなのは間違いないと思う。ううん。間違いないのだ。
でも、彼らが云う様にある程度の情報は秘匿してるだろうけど、それは人命より重いものではないのだろう。
キリトさんにしても誰かが死んでまで隠すことはしない。
そもそもβの時と同じなら攻略本にも書いてあっただろう。
何故そこに思い至らないの?
そこで。
「でもさ、昨日配布された攻略本に、ボスの攻撃パターンはβ時代の情報だって書いてあったろ?彼らが本当にテスターならむしろ攻略本の知識とおなじなんじゃないか?」
「そ、それは…」
「あの攻略本がウソだったんだ…!アルゴってやつがウソを売り付けたんだ!タダで本当の事なんて教える筈がないんだ…!」
まずい…!アルゴさんや、下手したらアンジェリカさんは勿論これから先情報屋自体が…ううん。βの人たち全員が被害を受けちゃうかもしれない…!
どうしてこんな…!
(キリトさん…!)
つい、キリトさんに視線を向ける。
キリトさんならなにか出来るんじゃないかと、そう思ってしまう。
え…?
辛そうに、俯いていた…空気が変わった。
何かを覚悟したような雰囲気。
何かを見てる?
(リザルトウィンドウ…?)
そういえばきちんと見ていなかった。
私もそれを見やる。
(これ…?)
もしかして…キリトさんは…?
そう気付き、もう一度キリトさんを見つめる。
すると気付いたのか、しっかりと視線を合わせてきた。
(………)
多分…そう…。
ふぅ…何と云うか…キリトさんって損な性格してるのかも…。
(私には出来る…?私は…)
私たちが沈思してると今まで我慢してたのかエギルさんとアスナさん、木綿季が口を開こうとしてくれた。
「お前らなぁ…」
「あなたたちねぇ…」
「ちょっと待ってよ…」
それを私、とキリトさんが僅かな動きで制する。
まずキリトさんが前に出てぞんざいな態度と口調で切り出す。
「元βテスター…ね。俺をあんな素人連中と一緒にするなよ」
「な…?なんだと…!?」
続いて、私。
「良いですか?良く考えてみてください。SAOのβテストはとんでもない倍率の抽選だったんですよ?受かった千人のうち、どの程度本物のMMOゲーマーが居たと思うんです?」
「そういうことだ。殆どがレベリングの仕方も知らないニュービーだったさ。今のあんたらのがまだマシなくらいさ!」
明らかに侮蔑を含む私たちの言葉に皆さんが黙り込みましたね…。
やっぱりあんま気持ちの良いものではないですね…。
「でも私たちは違いますよ?」
「俺たちはβテスト中に他の誰もが到達できなかった層まで登った。ボスの刀スキルを知ってたのはずっと上の層で刀を使うMobと散々戦ったからさ。他にも色々知ってるぜ?アルゴなんて問題にならないくらいにな」
「なんだよ…それ…そんなのβテスターどころじゃねぇじゃんか…もうチートだろ…チーターだろそんなの…!!」
周囲からチーターだ、βのチーターだのと響き渡る。
そしてやがて混じり合い、《ビーター》という言葉が生まれた。
「《ビーター》…ですか…」
「…ふっ…良い呼び方だな、それ」
私とキリトさんは二人、悪意のある笑みを浮かべて、全員を見渡しはっきりと告げる。
「そうですね、私たちは《ビーター》です」
「俺たちは《ビーター》だ。これからは元テスター如きと一緒にしないでくれよな」
(これでいいんですよね?)
(あぁ、問題ない。でもキルシュまで付き合う必要はなかった…)
(良いんです。私がそうしたいと思ったんです。それに…キリトさんは誰かが居ないと…どこかに行ってしまいそうですから…)
(…はは、そうかもしれないな…。すまない…)
(云いましたよ?私がそうしたいからだって?)
(だな。…ありがとう…)
(どういたしまして。独りになんて…しませんから!)
(りょーかい)
in キリト side
─これでいい。
当初は独りで被るつもりだったがキルシュにも付き合わせてしまった…。
だが勝手な言い分だが、心強いな…。
独りじゃないってのは意外に嬉しいもんだな。
これによって現在四~五百人ほどの元βテスターは更に二つのカテゴリに分かれるだろう。
大多数の《素人上がりの単なるテスター》とほんの少しの《情報を独占する汚いビーター》に。
これでいいんだ。
これでいい、筈なのに。
俺はキルシュにも罪を着せてしまったんだな…。
俺だけならソロで活動するのは問題ない。
でもキルシュは…。
(キリトさん。私は大丈夫です。一緒に歩いていかせてください。私がキリトさんと一緒に居るって決めたんです)
その言葉が。なによりも心にしみていく。
(…はぁ。解った。ならとことん付き合ってもらうぞ?)
(ふふっ…はい!)
そして俺たちはメニューウィンドウを開き、装備フィギュアを操作する。
それぞれ外套として装備していたものが光の粒子になり。
その代わりに、俺はボスのLAボーナスであるユニーク品《コート・オブ・ミッドナイト》に。
キルシュも同じくLAボーナスのユニーク品《コート・オブ・ムーンリット》に切り替える。
すると俺たちの体を小さな光が包み、艶やかな漆黒の革コートと月明かりを思わせる神秘的な革コートへと変化した。
二人とも造りは同じようだ。
丈は大分長く膝下まである。
そのロングコートを翻し、背後の二層への扉に向き直った。
「二層の転移門は俺たちが
歩き出そうとする俺たちを、ルニ、ユウキ、アスナ、エギルがじっと見つめてきた。
みんな、何もかもわかってる、という目をしている。
ルニとユウキはキルシュと見つめ合い、お互いに頷く。
そしてこちらに視線を向け、やはり一つ、頷いてきた。
俺も微かに頷き返し、キルシュと視線を合わせ、歩き出した。
長い螺旋階段を黙々と登っていく。
その間、会話はない。
多少気まずく思っていると。
「キリトさん。もしかして、後悔してますか?」
「…ん。いや、そうじゃない…かな」
「なら、どう思ってます?」
こちらを下から覗き込み、上目遣いに聞いてくる。
その表情は今まで見たことがない位に豊かに見える。
今は、そう。小悪魔チックな表情だ。
「そうだな…嬉しいよ。こんな道には誰も付き合わせる訳にはいかないと思ってたから。だから、素直に嬉しいと思ってる。でも…」
「でも?なんです?」
「…あぁ。一度だけ、これが最初で最後にする質問だ。良いか?」
「なんでしょう?」
こちらが真面目に悩んでる…というか真剣なのに向こうはニヤニヤしててなんか悔しいな…。
まぁでも。これははっきりさせとかないとだしな。
「聞くぞ?良いのか?俺と一緒で?」
「………」
「これから先…もしかしたら二度とギルドにも、パーティーにも入れないかもしれない。もっと云えば不快な思いもするかもしれない。ほんと今さらだけど…よかったのか…?」
「………」
笑みを引っ込め、俺の前に歩み、足を止める。
「キリトさん。私は頼りになりませんか?私は…いない方がいい…ですか?」
表情は見えないにも関わらず。その声は泣きそうな…哭きそうな声をしていた。
(そうか…そう…なんだな…)
なにかが腑に落ちた。そんな感覚が俺の心に拡がる。
まだそれがなにかは掴めないけど。
急がなくても良いと…そう思える。
今必要なのは。
「キルシュ。俺は君が一緒に来てくれて嬉しかったよ。ボス戦の時もあんなに安心して戦えたのは初めてだった。だから…一緒に来てくれるなら…嬉しいよ…」
「………へへっ……」
「キルシュ?」
「…ん!一緒に歩いていきましょうね?キリトさん!」
振り返った彼女は。
日溜まりのような笑顔で、俺に微笑んでくれたんだ。
今日。この日。
西暦2022年十二月四日日曜日。
このデスゲームが開始されてから実に二十八日が経過して、初めて一層の攻略が完了し二層への切符を手に入れることが出来たのだ。
残る階層は99層。
どれだけ掛かるか。それすらも想像の埓外だ。しかし、一歩。ようやく一歩を刻めたのだ。
この大事な一歩が、やがてこの世界から解放される、最後の一歩を刻むまで。
俺たちは歩き続けよう。
精一杯生き抜いて。絶望することなく。
まだ見ぬ出会いにより、様々に色を変えるここ《アインクラッド》で。
俺は、俺たちは。運命の出会いを知っていくことになる…。
ふひぃぃぃぃ…orz
つっかれたぁ…w
三連投の締めですのw
いやぁ…汗
なんか変にスイッチ入ってなんか知らんがバースト状態入っちゃいまして一気に三話分書き上げてしまった…(´Д`)
わたすはいったいどうしたというのか………!!
まぁ前話辺りでもかきましたが確認作業はできてないです。
ぼちぼち直していくかもですのでそんな感じでw
取り敢えずプログレッシブ編はこれにて終了。
次回からSAO アインクラッド編 原作レールカッコ逸脱版に入っていく…はずですw
まぁおさっしの通り亀なものなので気長に御待ちくださいませw
ではまた!
(…あ、あれ?オリジナルソードスキルはどこいったんだろー…マーイーカーw)