早速お気に入りして下さった方! ありです!
ゲームスタートです。
どぞ。
蒼桜サイド
「とうとう今日だね? 準備はばっちりかな、蒼桜さん?」
音邑医師が声を掛ける。
「そうですね。 やっとこの日が来ました」
静かな興奮を感じさせる声音で云う蒼桜。
(やっと兄様と一緒に…)
「楓君も相当やり込んだみたいだしね。 蒼桜さんもうずうずしてたもんね。 こっちまで楽しみになってたよ」
「あはは…すみません…」
恥ずかしそうにする。
「いや、良いって。 あんなに楽しそうにしてた蒼桜さんは見たことなかったから、地味に嬉しかったよ?」
「もう! やめてくださいよ…」
顔を真っ赤にして怒る。
それでも微笑ましく見えるのか笑みを浮かべたまま、暫し頷いている音邑医師。
「…はぁ、もう良いです。 っと、そろそろですね」
「おっと、本当だ。 じゃぁ、目いっぱい楽しんでおいで」
「はい、じゃぁ行って来ます!」
ナーヴギアの具合を確かめ、ベッドに横たわり言葉を発する。
【リンクスタート!】
楓サイド
「ようやくこの日が来たか…」
待ちに待ったSAO正式サービスの開始日。
俺は運よくβテストに当選して実際にプレイをして一ヶ月。
ひたすらにプレイを続けた。
幾つか理由はあるが、一つは蒼桜の為。
やはり俺は兄だからな。 良い所を見せたいのは当然だ。
もう一つの理由は何よりこのゲームがものすごく面白いからだ。
初めてあの世界に降り立ってから、一発で魅せられた。
あの世界で、俺は相棒と誰よりも先に進んだ。
正式サービスが始まったら、俺たちであの城を踏破するんだ!
そこにはきっと蒼桜も居る筈だ。
小さい頃の様に、一緒に冒険が出来る。
あいつともやってけるだろう。
これから始まる冒険が楽しみだ。
「お? そろそろ時間か。 んじゃぁ、行きますか!」
そして俺は期待に胸を膨らませ、その言葉を発する。
【リンクスタート!】
楓は街へと降り立つ。
「帰ってきたな・・・」
そう小さく云い、辺りを見渡す。
一つ頷き、ある場所を目指し駆け出す、と。
「あ、お兄さん! ちょっといい?」
振り向く。
「お兄さんてβテストやってた人だよね? 良かったらレクチャーして欲しいな」
そこには少女が一人居た。
物怖じせずに青年へと話しかける。
「あぁ、構わないぞ? 俺はアチェールニだ。 お前は?」
「ボクはユウキだよ! ヨロシクね!」
「せやっ!」
盛大なSEと剣に纏った光と共に
「プギィ!」
そんな情けない鳴き声を上げ、一瞬硬直。 次の瞬間ポリゴンが爆散する。
「ナイス!」
そう
「へっへぇ! どんなもんだい!」
ガッツポーズ。 その流れで近付いて来たアチェールニとハイタッチ。
「なかなか飲み込み早いな。 スポーツでもやってたのか?」
「ううん、特にはやってないよ?」
「ってことは才能か…」
「ん? 何か云った?」
聞こえてなかった様で聞き返す。
「いや、ユウキは強くなるな、と思ってな」
「ホント? アチェールニに云ってもらえるのは嬉しいな!」
素直に喜ぶユウキ。
満面の笑顔だ。
「あぁ、ルニで構わん。 云い難いだろう?」
「良いの?」
「あぁ、良いぞ」
「わかった! 改めてヨロシク、ルニ!」
「それにしても…すごいね」
周りを見渡し、感激した様子の声で云うユウキ。
「だな…これが本当の仮想世界、って感じだ」
「そうだね。…あ、そういえばルニ?」
「どうした?」
急にしおらしくなり、上目でアチェールニに声を掛ける。
「うん。 もしかして誰かと待ち合わせしてたり、した?」
「なんでだ?」
何故そんな事を云うのか。 不思議そうに問い返す。
「えっと、何度か周りを見てたし、誰かを探してる様子だったよ?」
「気付いてたのか…あぁ、実は約束してるのがいる。 っていってもお互いに名前を教えてないがな…」
「え? 名前を知らないのに約束してるの?」
疑問も当然だろう。
「ん。 向こうは教えてくれないし、俺が教えようとすると耳を塞いでな。 結局互いに知らないままだ」
「でもどうやって会うの?」
「特徴は聞いてる。 小さめの背格好で白髪、青いリボンをしてるらしい」
と云いつつ辺りを見回す。
「んー…」
ユウキも探す。
と。
「あ、あの子じゃない? 白い髪の毛で小さくて青いリボンしてるよ?」
「ん? お、本当だ。 誰かと一緒だな…ちょっと行ってくる」
「ボクも行くよ!」
蒼桜サイド
「キルシュは飲み込み速いな。 クラインとは大違いだ」
「うるせぇキリト! オレだって本気を出せばなぁ!」
「まぁまぁクラインさん。 それとキリトさん、あなたの教え方が良いんですよ。 だからキリトさんのおかげです」
そこには勇者然とした少年とバンダナをした青年。 そして白髪の長い髪に青いリボンをした少女の三人が居た。
「それにしてもやっぱすげぇな、まだ信じられねぇよ。 ここが仮想世界なんてよ…」
「確かにそうですね…」
「二人はVRはSAOが初めてか?」
「いえ、私は初めてではないですよ?」
「オレは初めてだな。 ってかソフトが手に入ったから慌ててナーヴギアも揃えたって感じだ」
剣を格好良く構えて決めポーズを取りながらクラインは云う。
「例えVRの経験があっても、この世界は感動しますよ」
「確かにな。 そうだ、キルシュ?」
「なんですか?」
「誰かと待ち合わせとかしてたのか? ちょくちょく辺りに視線向けてたし…」
一瞬固まり。
「よく見てますね? 気付いてないと思ってました…」
「そうだったのか? 気付かなかった…」
キルシュは驚き、クラインは肩を落とす。
「まぁ、ね。 それで…?」
ふと言葉を切り、後ろを振り返る。
「なぁ、ちょっと良いか…って、キリトか?」
楓サイド
「そういうおまえはルニか?」
蒼桜と思しき少女の方に近付くと見覚えのある勇者然とした少年が居た。
βテスト時にコンビを組んでたキリトだ。
向こうもテストの時と同じアバターにしてたんだな。
そして蒼桜の云っていた特長をした少女とバンダナをした男。
バンダナの方は見覚えは無し。 恐らくテスターではないな。
と、そんな事を考えていると少女がこちらを見つめ。
「兄様…ですか?」
そう云ってきた。
「ん? やっぱりそうなのか?」
蒼桜の言い方に酷似している。 恐らく間違いはない。
「兄様!!」
喜色の声を発し、飛びついてくる。
「っと?!」
急だから多少よろけるも何とか踏み止まる。
「兄様! 見付かって良かったです!」
「落ち着けって。 周りに人が居るんだぞ?」
「あ…すみません」
俺が云うと落ち着きを取り戻し、一歩離れる。
「よ、昨日振り」
「はい! 昨日振りです!」
と。
「ねぇルニ? この子が探してた子?」
「このリア充が…!」
「キルシュと知り合いか? ルニ?」
三者三様の言葉。 いかん、忘れてた。 その前に。
「キルシュにしたのか? 名前」
「はい! 兄様はどんな名前ですか?」
「アチェールニだ」
「アチェールニ…成程」
流石蒼桜だな。 意味が分かった様だ。
「おーい、ルニ~?」
っといかんいかん。 説明しないとな。
「すまん。 今説明する」
ひとまず一息。
「こいつは俺の妹なんだよ。 リアルの情報はあんま出すのはマナー違反だから秘密にしといてくれな?」
「うん! モチロンだよ!」
「了解だ」
「あったぼうよ!」
快く頷く三人。
「然し、ルニには妹さんが居たんだな。 道理で色々気がつく訳だ」
そうキリトが云う。
「確かにルニって優しかったね。 妹さん居るなら納得」
これはユウキ。
「兄妹でゲームとかどんだけ仲いいんだよ?」
からかう口調で、クライン。
「うっせ」
「えぇっと…」
適当にあしらうアチェールニと戸惑うキルシュ。
「まぁまぁ。 それより、どうする? もう少し感覚掴むか?」
取り持つ様にキリトが云う。
「そうだなぁ、もいっちょバシッと、って云いたいがそろそろ一旦落ちるわ。 飯食わねぇと」
「お? 結構良い時間だな。 キルシュとユウキはどうする?」
「私はもう少し居ます」
「ボクももう少し居ようかな。 キルシュ? もしよかったらお話しない?」
と、云ってる間にクラインは右手を振りメニューを呼び出す、と。
「あれ? ログアウトボタンがねぇ…」
そう聞こえ。
「どした? クライン」
アチェールニが声を掛ける。
「ログアウトボタンがねぇんだよ、バグか?」
「無いってんなばかな」
呆れた声でキリトが云う。
「ホントだって! お前らも見てみろよ」
「だからそんな訳…」
云いながら皆がメニューを開く、が。
「確かに無いですね」
「ボクのも無いよ」
「無いな」
キルシュ、ユウキ、アチェールニが異口同音に云う。
「…」
キリトは無言だ。
「な? ねぇだろ? ま、サービス開始初日だもんな。 今頃GMはてんてこ舞いだな」
「そんな呑気にしてていいのか? 飯用意してんだろ?」
「そうだった! オレのアンチョビピッツァとジンジャーエールがぁ!?」
「お前らなぁ・・・」
漫才をする二人にアチェールニが呆れている。
「どうなるんですか?」
冷静に言葉を発するキルシュ。
「…」
隣ではユウキが不安げな表情で自分の服の裾を握っている。
と、その時。
「な、なんだ!?」
「これは…」
「転移?」
五人の体が青く光り、次の瞬間。
始まりの街に立っていた。
中途半端かも?
続きは早めに上げます。