今回はかなり短め
季節はすっかり冬。吐いた息もこの雪景色に溶けていく。去年の冬よりも積もったのではないだろうか。次第に寒くなり、帰宅しようとした時、背後から自分を呼ぶ声が聞こえた。
「あら、○○じゃない」
振り返り正体を確認する。そこには、普段とは違うアリス・マーガトロイドの姿がそこにはあった。いつものワンピースにロングスカート、肩にはケープをを羽織った姿ではなく、いつもとは違った冬服の姿。
「まあ、冬だもんな」
「…何が?」
唐突な言葉にアリスは首を傾げる。○○は何でもないと一言。それよりも寒い中何をしていたのか気になる。○○は一つ、質問を投げる。
「こんな寒い中何してたんだ?」
「特に何もないわよ。単にこの雪景色を見たかっただけだもの」
「今まで以上に凄いよな。レティさん頑張ってんな」
「そうね、お陰で上海達も大喜びよ」
………………
割と寒くなってきたし、というか話す事もないので帰宅する事にする。
「じゃあ帰るわ、またな」
と、一言告げ帰ろうとした矢先、アリスが自分の服の裾を引っ張るのが見えた。
「待って、どうせ貴方暇でしょ?一緒に出掛けましょ」
かなり失礼な事を言われたが、気にせず頷く○○であった。なんせいつもの事なのだから。
出掛けるとは言っても、殆どはアリスの買い物で荷物持ちを任されただけ。荷物が重い。帰りたい。○○が休息を取ろうと人声掛けようとも次の店に行こうとするアリスが恐ろしい。
「はぁ……ふぅ……容赦ないな、お前は」
「それでも男なの?次で最後だから早くなさい」
人里から外れ、連れてこられたのは魔法の森。何も無い場所に何の用があるのか。疑問を抱き、アリスに声を掛ける。
「おい、こんな所で何すんだよ?寒いし早く帰ろうぜ」
アリスは質問に応答せず、○○に顔を向けた。普段とは違う、真剣な眼差しで。
「私が貴方と会ってからかなりの時間が経ったわけだけれど、言いたかった事が一つだけあったの」
「え、もしかしてアリスの大事にしてたマグカップを割ったからそれのことか?それとも……」
「それともって、あんた何やってくれてんのよ」
○○は頭を掻きながら苦笑いをする。やっちまったと言わんばかりに。アリスの怒号が飛び込むかと思いきや、今回は違った。
「……アリス?」
「長い間、貴方を見ていてずっと言いたかった事。私ね、○○の事が好きなんだと思う。嘘じゃない、ずっと傍に置いていて欲しいって……やっと思えた」
「ああ、俺も同じだよ。いつか俺から言おうと思ってたんだけど、先にアリスが言っちまったなー……だから、俺から言わせてくれ」
好きだ。ずっと傍にいてくれ。
その言葉にアリスは笑顔で頷いた。