〇〇はいつも人里の団子屋で一服する。毎日のように行き、毎日のように団子を食べる。それが〇〇の好きな事だ。ちなみに今もその団子屋で団子を食べている。
「やっぱりおじさんのみたらし団子は最高だよ!」
「へへっ、そう言ってくれると嬉しいぜ兄ちゃん」
店の主人も優しいし、味も美味しいのに何で人が来ないのかは〇〇には理解出来ない。まあ、主人がただ単に無愛想なだけかもしれないが。と、そこで客が一人入ってくる。茨木 華扇だ。
彼女も〇〇と同じくこの団子屋を気に入っている。それと説教先でもある。
「あら、〇〇さんも来てたんですか」
「うん、ここの店の団子は格別美味しいからねぇ・・・」
「はぁ・・・〇〇さん!そんなに団子ばっかり食べてると体に良くないですよ!昨日も一昨日もここで団子食べてましたよね!?」
そしてこれである。よく、〇〇は華扇に説教される。言ってる事が正しいので、言い返せない。最近は説教される事が多くなった。
「あはは、ごめんね。でも、飽きないんだよねぇ・・・」
「それはわかりますけど!ほら、今日はその一本で終わりです!」
「えぇ!そんなぁ・・・」
「ははは!今日はその辺にしときな兄ちゃん、また来りゃいいじゃねえか」
主人に言われるともう頼めなくなる、まあ今ので十二本も食べていたらそうなるだろう。仕方なく会計を済ませとっとと外に出る。ちなみに華扇は食べていくらしい。
「・・・そんなに好きなのかしらねぇ」
「まあ、美味いって言ってくれるなら俺ぁそれでいいさ」
「ふぅん・・・」
翌日、〇〇がまた団子屋に行くと華扇が既に来ていた。
「あ、華扇ちゃん・・・」
「座ってください、またみたらし団子ですか?」
「え・・・あ、うん」
これには〇〇自身は驚いた。てっきり説教されると思っていた。〇〇はみたらし団子を頼むと、出てきたのはいつもの綺麗な丸の団子ではなく、少し形崩れした団子だった。
「あれ?主人、いつもとは形が雑だね?」
「仕方ないじゃないですか!初めてなんですから!」
「え、何で華扇ちゃんが怒るのさ?」
主人が言うには、昨日〇〇が帰った後に華扇が団子の作り方を教えて欲しいと言ってきたらしい。にしては、形は丸めるだけなのにどうして崩れるのだろうか・・・〇〇は口には出さず、内心そう思っていた。
「そ、そうだったんだ。華扇ちゃんが僕の為に・・・ありがとう、華扇ちゃん」
「そりゃ、好きな人の為なら頑張りますよ・・・」
華扇が小声でそう言う。しかし、〇〇は団子に夢中で聞こえていないようだった。
「ん、華扇ちゃん何か言った?」
「何でもないです。今日はいくらでも食べていいですからね?」
「ははは!熱いねぇお二人さん!」
「うるさいわね!一時間説教されたいの!?」
「おお、怖い怖い」
ちなみにみたらし団子のあんが甘過ぎて、しばらく〇〇はみたらし団子を食べる気にはならなかったようです。