暑い日差しの中で出来る最高の遊びとは何か?
とあるファッション幼女は「つめたい酒」と答え、なんかバランスの悪そうな姉妹の姉は「水遊び」と答えるだろう。
しかしバランスの悪そうな妹とくっそ汚そうな男はこう答えた。「クーラーガンギマリの部屋でゲーム」と。
「山城ァ!俺の所にジェノサイドぶち込むのはやめろォ!(本音)やめろォ!(ガチ)」
「うるっさいわねランスも持ってない鈍足フェンサーなんて起爆剤でいいのよ上等でしょォ!?」
「逝くッ!ンアッーー!!(直撃)」
そして二人はゲームでも相変わらずだった。海岸で巨大赤アリにたかられている浩二のキャラをゲーム中最大攻撃力を誇るジェノサイドな支援攻撃が薙ぎ払う。当然浩二のキャラは爆風で空高く舞い上がりマップ端まで飛んでいった。
「うっわー、マップ端まで行っちゃったー。今助けにいくよー」
「ありがとナス!やっぱ持つべきものは妹なんすねぇ~」
「そのかわり後でお酒買ってね」
「ヌッ(絶命)」
そして浩二の隣で妹の萃香もまた一緒にゲームをしている。ゲームで助ける代わりに酒をせびる鬼畜であった。ちなみにこのゲームは四人まで協力プレイが出来る。二人まで?なんのこったよ(すっとぼけ)
「あーおいうーみをまっもるーためー、やーましろふーそうしゅっつげーきだー」
「お、待てい。リパブリック讃歌歌う前に空爆範囲から逃げたほうがいいゾ」
「大丈夫よ、アップデートしてないから」
そして扶桑は平然とバグを使って山城の空爆から逃れる。扶桑は地球防衛のプロだった。
ここのところの数日間は似たような日が続いている。
ゲームが一段落着いた頃、萃香との約束によって「ビール!ビール!」と近くのコンビニへと駆けて行った浩二。その後ろ姿を見送った三人はクーラーの効いた田所邸でダラダラしていた。
「ねー山城ぁ、いつからにぃにとあんな関係になったんだ?」
「そんな関係ってなによ」
「またまたとぼけちゃってぇ~。SとMだよ」
「Sと…!?(驚愕)M…!?(ドン引き)」
そして突如始まる女子トーク。といってもそう思っているのは萃香だけで山城は正直引いていた。扶桑は面白いものが見れそうだとニコニコしている。
「いやさ~、久しぶりに山城帰って来た時ににぃにをボッコボコにしてたじゃん。やっぱそんな関係だと思うんですけど(謎推理)」
「え、そんなわけないでしょ」
「でもにぃにを殴ってる山城すっごくイキイキしてたんだよね。これもう恋人になって終わりでいいんじゃない?」
「なんてことを…(憤怒)」
山城は静かに激怒した。いくら可愛い妹分であろうと言っていい事とダメな事があるのだ。一言物申してやろうと山城が決意した瞬間田所邸の玄関が開く音がした。
「アッツぅ~!ビールバッチェ冷えてますよ~!」
「ビール!ビール!」
それは当然のごとく浩二で、酒の存在を確認した萃香はそれに飛びついた。行き場を失った山城の怒りが浩二の腹に決まるまであと五秒。ちなみに扶桑はずっと部屋の隅でニコニコしていた。
山城の腹パン三連撃が見事に決まった後、酒盛りと称してダラダラとした昼食が始まった。コンビニで買ったつまみであるたこわさを食べながら山城は疑問に思った事がある。こいつら平日の真っ昼間から何やってんだ、と。
「ちょっと浩二、アンタ仕事は?」
「学生です」
「学生? あっ」
山城は察した。コイツ留年してやがると。
山城の歳は23歳で、扶桑はその二つ上の25歳。そして浩二は二人の間なので24歳だ。医学部等の6年制の大学なんて頭の良い所に行けるわけもなし、それは自然と出てきた答えだった。流石の扶桑も困り顔だ。
「何やってんのよ」
「(何もして)ないです」
「あ、ない…」
要するにサボって単位落とした学生の屑である。あきれ果てた山城は萃香に視線をやった。それを察した萃香は飲んでいたビールを一旦置く。
「いや、別に怪我してたとか病気してたとかじゃないよ?馬鹿は病気しないってそれ一番言われてるから」
にべもない言葉であった。それを聞いていた浩二は「救いは無いね(レ)」と肩を落とす。
「私たちのために時間を割いてもらっているのはありがたいのだけれど、浩二さんももう少し勉強に時間を割いてくださいね?」
「おう考えてやるよ(勉強に時間を割くとは言ってない)」
「人間の屑がこのやろう…」
それを心配した扶桑の言葉を聞き流す浩二に山城の怒りゲージが溜まって行く。その時浩二が悪だくみをしたような顔になった。
「ところでおまえら仕事してんの?ほらみろ見事なカウンターで返した(BRNTさん)」
そう、それはいわゆる「お前どう?」作戦である。扶桑と山城の二人は特に働く必要のないほどの蓄えはあるのでのんびりしているわけだが、金の出所を答える訳にはいかない。艦娘とは世には知られてはいけないオカルティックなシステムなのだ。
山城は悩んだ…。そして、事実ではあるが嘘にも聞こえる言葉で濁すことにした。
「そうね、ちょっと世界経済を…救う仕事をしてたわ」
「うっそだろお前wwwwwwwww」
「死ね(直球)」
「ヌッ!!!?!?!?!?!?!??!!」
あながち嘘ではない事を笑われた山城は野獣の股間を蹴り上げた。今日も田所邸はいつも通りである。ちなみに扶桑は終始ニコニコしていた。それを見ていた萃香は「人の不幸が面白いのか…(戦慄)」と盛大に勘違いをしていた。