山城○○○!幼馴染と化した野獣   作:アサルトゲーマー

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アニメ瑞鶴のん゙に゙ゅい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙狂おしいほどすき


第三章 山城こわれる!悪女と化した扶桑

 いつも一緒にいるメンツにとって扶桑とはどういった存在か。

 超弩級シスコンは「生きがい」、外見詐欺呑兵衛は「年上の変な幼馴染」。ではくっそ汚そうな男は?

 

 

「え~とそうですね。あの、伸縮性のある、パレオの、っていうんですかね。ちょっと花柄に近い感じ…」

「浩二さん、こちらはどうかしら?セットになっていてお得ですよ」

「ええやん!気に入ったわ、なんぼなん?」

「えーと、14万3千円…」

「14万!?うせやろ!?」

「いえ、本当よ」

 

 浩二は近所のデパートに扶桑と共に水着を買いに来ていた。ちなみに山城は扶桑が置いてきた。この先の嫉妬に耐えられそうになかったからという親切心で。

 だがそれは山城にとっては最悪の選択だった。萃香経由で漏れた情報によって水着を買いに行くという事を知った山城は情報元の萃香を引き摺るようにしてデパートまでやってきてしまった。

 

「羨ましい…妬ましい…汚物の分際でお姉さまとデート…ギギギギギ」

 

 その顔はお茶の間の皆さんには到底見せられない部類であった。背の高い美人が鬼の形相でストーカーまがいの事をしていればそりゃもう悪目立ちするってものである。

 

「やはりヤバイ(分析)」

 

 そして襟首を引っ掴まれたままの萃香は諦めたようにつぶやいた。

 

 

 

 

 幸いなことに山城に気付くそぶりを見せることの無かった二人は少々値段は張るが普通の値段の水着を買い、今度はアクセサリーショップに入って行く。

 扶桑がハイビスカスの花を模した髪飾りを手に取って頭に近づけ、はにかんだ。

 

「似合うかしら?」

「あ~いいっすねぇ」

 

 そういえばこの辺にぃ、新しいアクセサリーショップできたらしいッスよなどとのたまう浩二を見ながら山城は声にならない叫び声を上げた。「扶桑姉さまのはにかみ顔いいですわゾ~」という気持ちと、その笑顔が浩二に向いているという事に対する気持ちの合体事故である。

 

「じゃけん夜いきましょうね~」

「ええ、そうね」

「(今行けよバカ兄…)」

 

 萃香の目に最早光は無かった。

 

 

 

 その後の買い物はすぐに終わり、荷物は全て浩二が持っている。それは白い箱にリボンで梱包されていて、その浩二の風貌には全くと言っていいほど似合っていなかったが。

 二人が帰路についた事を察した山城はすぐさま田所邸にまで戻って役に立たなかった萃香を放り捨てた後家に戻った。ほどなくして扶桑が帰ってきて、「ただいま帰ったわ、山城」と声を掛けた。

 

「お帰りなさいませ、姉さま」

 

 山城は引きつる顔を全力で笑顔で覆い隠すが眼元がひくついている。それを見た扶桑はハイビスカスの花の髪飾りを頭に近づけてはにかんでみる。

 

「似合うかしら?」

「ん゙に゙ゅい゙い゙い゙い゙い゙い゙い゙!(五航戦)浩二爆発しろ!」

 

 もう効果覿面であった。頭を抱えて絶叫する山城を見て妹の新しい一面を脳内に保存しつつニコニコしていると突然玄関が開く。

 

「おっ開いてんじゃーん!おい山城ァ!こ↑こ↓にプレゼ」

「フンッ!(無言の腹パン)」

「ヌッ!?!!!!!!!!????!?!?」

 

 入ってきたのは当然白い箱を抱えた浩二で、箱を差し出した瞬間に山城のストマックブロウが完全に入った。すっ飛んでいく彼の手から離れた箱を空中でキャッチした扶桑はそれを山城へと差し出す。

 

「…えっ?」

「ふふふ、今日は浩二さんと一緒に山城へのプレゼントを選んでいたのよ」

「うそ…だって姉さまはあんなに楽しそうにしていたのに。ハイビスカスの髪飾りだって…」

「妹の笑顔を想えば誰だって笑顔になるわ。それに、ハイビスカスの花の髪飾りは二個あるの」

 

 アーイキソと唸る浩二の存在は完全に無視されて扶桑は山城の髪に花飾りを一つ付けた。そしてもう一個を自分の髪に。

 

「どう?山城、お揃いよ」

「ね……ねえさまあああああああ!」

「あらあら…」

 

 感極まった山城にハグされた扶桑は微笑みながら背中を撫でる。いつの間にか復活していた浩二は「やっぱ扶桑は山城のお姉ちゃんなんすねぇ~」などと感心していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、海。

 くっそ広い割には過疎っているクソザコビーチにやってきた一行は完全に遊びに没頭していた。

 ビーチバレー中に近所の家の植木鉢を割ってしまうといったハプニングもあったが持ち主のおじさんが快く許してくれたので一先ず反省しながらお昼ご飯のバーベキューへと移行する。

 

「それにしてもいい水着してんねぇ!道理でねぇ!」

「アンタに褒められても嬉しくないんだけど」

「山城、素敵よ」

「はい、扶桑姉さまのおかげです!」

「対応の差に涙がで、出ますよ…」

 

 当然であるが浩二はこの程度でへこたれるような細い精神はしていない。ウソ泣きをしながらしっかりとトウモロコシを齧っている。

 

「ア!(スタッカート)それは姉さまの為のもろこしよ!」

「しっかり焼けてて美味しかった(小並感)」

「ふざけんな!(顔も迫真)」

 

 そしていつものように喧嘩が始まったところでナオキと化していた萃香が山城にスススッと近づいた。

 

「あのさ…扶桑って結構性格悪い?」

「うふふ、どうしてそう思ったのかしら」

「だってさ。デパートであんだけ目立ってたら嫌でも気づくでしょ。しっかりにぃにの意識が向かないように誘導までして…扶桑コラ、確信犯なんでしょ?」

「ふふふ、どうかしら」

 

 萃香の問いに曖昧な笑顔で返す扶桑であった。そして萃香の耳に口を寄せて小声で話す。

 

「でもね、一つだけ言えることがあるわ」

「何?」

「私が山城を愛してるって事よ」

「にぃにに脈は…」

「ないわ(食い気味)」

「あ、ない…」

 

 兄を取られなくて安心したような、相手にされてなくて可哀そうな、複雑な心境の萃香であった。

 ふと空を見上げる。そこはさんさんと輝く太陽と突き抜けるような空色がどこまでも広がっている。これならいい肴になりそうかなと、浩二と山城の口げんかをBGMにビールを煽った。

 

「だから姉さまの分とるなつってんでしょぉ!その肉取るとぶつわよゴルァ!」

「うん、おいしい!」

「てめェ!クソ浩二!(目つぶし)」

「OFFっ!?」

 

 やっぱならなかった。

 

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