山城○○○!幼馴染と化した野獣   作:アサルトゲーマー

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白菜が気持ち良かった(小並感)


第四章 夏風邪扶桑!卵酒と化した屑兄妹

 田所家の朝は遅い。酒の抜けていない浩二と萃香の屑兄妹の二人は同じ布団から這い出すように起床する。

 

「あったま痛い…」

「俺もソーナノ…」

 

「起床ー、おきなさーい、朝よー。ってうっそ…あんた等まだ同じ布団で寝てたの?」

 

 そして二日酔いで気分が悪いであろう二人にしじみ汁を与えるのが扶桑の趣味だ。意外な事に今日はエプロンを付けた山城がお玉を持って寝室に現れたようだが。 

 美人の幼馴染が起こしに来てくれるという、人にとってはとんでもなく羨ましいポジションを獲得している本人たちにその自覚は無い。

 芋虫のように布団から這い出た二人は誘蛾灯に群がる虫のごとくフラフラ歩き、食卓の椅子についた。

 

「はい、しじみ汁よ。今日は私が作ったんだから感謝しなさ…っておいィ?人が話しかけてんのに無視してんじゃないわよ」

「うめ うめ 」

「ああ~生き返るわぁ~」

 

 そして兄妹は山城の話を全スルーしてシジミ汁を飲み始める。屑の極みであった。

 幾分か顔色が良くなってきた二人は今更ながらに扶桑が起こしに来たのではなく山城がここに居ることに気が付いた。

 

「ぬっ?扶桑は何処だゾ。山下公園?」

「今更気づくとかアンタの目は節穴か何か?姉さまは風邪を引いて寝込んでいるのよ。あと山下公園ってどこよ」

「それまじ?じゃあなんで山城がここに居るのさ。いつもだったら扶桑にベッタリなくせして」

「姉さまがアンタらにシジミ汁を作れない事を気にしていたのよ…萃香の事はともかく、こんなクソの擬人化みたいな奴なんか気にしなくてもいいのに」

「白菜投げますねー」

「ちょっと!怒ったら白菜投げるクセどうにかしなさいよ!」

 

 扶桑の発言によって怒った浩二は1/4にカットされてラップ包装された白菜を投げ始めた。高校生時代は白菜をまるのまま投げていたので当時より火力レートは4倍である。

 くっそしょうもない攻撃をかいくぐった山城は浩二の口に白菜をぶち込んで黙らせた後萃香だけを連れて扶桑のお見舞いに行くことにした。

 萃香が連れられるままやってきたのは扶桑の寝室。そのベッドの上で頬を上気させた扶桑が横たわっていた。

 

「うわ、ほんとにキツそう」

「あら、萃香さん…。山城のシジミ汁はどうだったの?美味しかった?」

「すっごく美味しかった!けど自分がつらいのに私たちまで気に掛けるとか聖人か何か?」

「いいえ、私はもっと…こう…凄い何かよ」

「ふーん(不察し)あ、そうだ(唐突)ねえ扶桑、そういえばこの部屋に招かれるのって久しぶりだったよね」

 

 萃香がぐるりと部屋を見渡す。テレビやゲームといった女の子の部屋にはあまりふさわしくない物も転がっているが、その他は少女漫画やら古い絵本やらが本棚にしっかり詰まっている普通の部屋だった。

 

「なんていうか…普通だよね。3点」

「3点って何よ扶桑姉さまの部屋よ10点満点でしょう?」

 

 山城のツッコミはスルーして萃香は本棚から一冊の本を取り出した。これはたしかにぃにのトラウマだったはずだけど…と古い記憶を呼び起こすような感覚がしたが思い出せない。タイトルを一瞥した後再び本棚に戻した後次はゲームを物色し始めた。

 

「ちょっと萃香…」

「いいのよ山城」

 

 それを止めようとした山城だったがそれをさらに扶桑に制止された。

 

「あ、懐かしー。どこでもいっしょだ。ア*ル地獄賞事件が未だに思い出せるんだけど」

「ア*ル地獄賞…ぶふっ」

「あとネスの必殺技がPKほもになってたよね」

「PKほも…。そういえばそんな事も、ぶふふっ、あったわね」

「あの、姉さま。お気を確かに。お体に障りますよ」

 

 結局扶桑が安静にできないと理由で追い出された萃香。多分今日は山城は扶桑にベッタリなんだろうなと思った萃香はふと何かを思いついたようにニヤリと笑う。

 そして田所邸に帰ってきた萃香は失神している浩二の口から白菜をぶっこ抜いて耳元で囁く。

 

「にぃに……にぃに……」

「だいじっこみたいな呼び方はやめろぉ~↑!」

 

 効果覿面であった。萃香は起きた浩二に悪だくみの内容を耳打ちすると二人して微笑む。まさしく屑の笑みであった。

 

 

 

 

 

 

「酒!砂糖!エッグ!酒、砂糖、エッグって感じで…(フェードアウト)」

「卵酒作って来たよ!」

 

 その後二人は卵酒を持って扶桑の部屋に突撃した。萃香の思いつきによって先に浩二が部屋に突撃、そして山城に吹っ飛ばされている間に扶桑へ卵酒アタックを決めるという作戦である。

 扶桑は酒は付き合い程度であり、二人は酔っぱらった姿を見たことが無かった。というわけで地味にアルコール度数の高い卵酒を見舞いの品と称して飲ませる腹積もりである。…が、作戦はいきなり頓挫した。

 

「すぅ…すぅ…」

「うへへ…ねえさま……」

「これは…寝てますね、間違いない」

 

 そう、まさかの二人して寝ていたのである。扶桑は山城の手を両手で握って、山城は扶桑のお腹の上に頭を乗せて幸せそうに寝息を立てている。

 そして二人は顔を合わせ、卵酒に目を落とした。

 

「ねぇにぃに。私なんか卵酒のみたいなーって」

「そうだよ(便乗)扶桑に飲ませる酒だけどちょっとくらい飲んでもバレへんか」

「ちょっと勢いあまって飲みすぎても仕方ないね♀」

「しょうがないね♂」

 

 しょうが抜きの卵酒だけにね…フフッ(二十五歳児)といった問答があり、浩二と萃香は二人の寝顔を肴に卵酒を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて。ここまでで終わっていればいい話で済んだのだが。

 

「あれ、私寝てたの?…って浩二ィ!?」

 

 山城が夜になってから目を覚ましてみれば酔っぱらって寝ている田所兄妹が床に転がっていたのだ。そしてこれに当然のごとく激怒した山城は浩二を蹴り起こす。

 

「このド畜生がァァーーーッ!(VNR)姉さまの聖域から出て行け汚物!」

「オォン!アオン!(悲鳴)」

「いやあヤマシロ殿も大変でござるな…(芋)」

 

 そして浩二の汚い悲鳴で起きた萃香はさっさと避難した。妹の屑である。

 山城は本棚からお守り代わり、というよりは悪霊退散のお札的な一冊の絵本を抜き出して浩二の顔面に叩きつけた。それは萃香が気になってたけどなんか思い出せなかった本である。

 

「オラァ!金色のマリオネット好きでしょアンタ!もっと堪能しなさいホラホラホラ!」

「ヌッ!ヌッ!ヌッ!(レベル1デス)」

 

 まあなんか効果あるっぽいしそれなりに思い出深い物なのかなーと思いながら二人から目を離すといつの間にか体を起こしていた扶桑と目が合った。

 

「あ…なんかお邪魔してます」

「いいのよ。だって騒がしい方が楽しいもの」

「あ、そっスね(思考停止)」

 

 山城が殴って浩二が殴られて、扶桑が笑って萃香が呆れて。今日も一日、やっぱりいつも通りである。

 




無理やりいい話っぽく見せる投稿者の屑
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