山城○○○!幼馴染と化した野獣   作:アサルトゲーマー

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ツンツンしてる山城書くの楽しいけど変な扶桑書くのも楽しいゾ~これ


第六章 ラブプラス!女の子と化した山城

 

 勝負は時の運という言葉がある。意味合いとしては「強いものが常に勝つ訳では無い」「弱いものが必ず負ける道理は無い」といったもの。早い話「ツキさえあればなんとかなる」という金言である。

 

「ツモ、小四喜。16000点オールで浩二さんと山城はトビね」

「うわあ…15000始めで役満とかうわあ…」

「扶桑強いっすね……(アンニュイ先輩)」

「ぐっ・・・・・ぐっ・・・・・」

 

 そう。運さえあればツイてない扶桑とて役満をツモれるのだ。扶桑の差し込みで東場でしっかり点棒を稼いでいた萃香はトビを逃れたが地味に点を減らしていた山城とリー棒をパチられ続けた浩二は仲良くハコになった。

 浩二は諦めたようにぐったりと肩を落とし、山城はどっかのギャンブルマンガのキャラのごとく悔しがってボロ・・・ボロ・・・と涙を流していた。ちなみにこの涙は扶桑をトバしてから命令権を使って自身とデートに行くことが叶わなかった悔し涙である。

 

「今回の罰ゲームは、そうねぇ…」

「扶桑すっげえ楽しそう、はっきりわかるんだね」

 

 トップで命令権のある扶桑は山城の悔しそうな姿を見ながら小さく微笑み、それを見ていた萃香はやっぱりドン引きしている。

 そして何かを思いついた扶桑はPONと手を付いてニッコリ笑った。

 

「山城、貴女は浩二さんの事を三日間『先輩』と呼びなさい」

「え、それは…(困惑)」

「その間浩二さんは山城の事を彼女のように扱う事」

「ウッソだろお前wwwwwwww」

「マジよ(真顔)」

「山城のメンタルこわれちゃー↑う」

 

 「おいどうするのよ…」「これもうわかんねぇな…」と小声で相談する山城と浩二。扶桑は空気をあえて読まずに「ここから開始!はい、よーいスタート!」と手を鳴らした。

 

「そうですねぇ…とりあえず三日間オッスお願いしまーす」

「ええっと……先輩、よろしくお願いします……?」

「なんで疑問形なんですかね」

 

 混乱の抜けてない山城とどこか乗り気な浩二のたどたどしいやり取りを見て扶桑は多幸感を感じ、満面の笑みを浮かべる。それを見ていた萃香はやっぱりドン引きしていた。扶桑ってそうなのー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬわああああん暑いもおおおおん!買いたくなりますよ~アイスゥ~」

「…そうですね、確かにそう思います」

「どうした山城言葉使いが変だゾ」

 

 近所にある神社の縁日。リベンジマッチと称したカードゲームで扶桑にボロ負けした二人は「デート、しましょう!」という鶴の一声でデートっぽい何かをしていた。

 しかもドベの山城は扶桑の姉権限によって浴衣を着せられ下駄も履かされ、駄目押しとばかりに化粧もバッチリされている。普段化粧をしない山城の一面を意外に思いながらも浩二はアイスクリンを二つ買って両方差し出した。

 

「山城の分だゾ。ちゃんと二本咥え入れろ~?」

「こ…先輩頭湧いてんじゃないの?二本同時に食べるとか食いしん坊か何か?」

「でもそこで歩いてた二人組のチャンネーもアイス二個食いながら歩いてたゾ」

「はいはい」

 

 山城はアイスを一つだけ奪うように受け取って浩二が見ていた方に振り返る。そこには雑踏で殆ど見えなかったが、確かに両手にアイスをもって食べながら歩く黒髪ロングとサイドテールが居た。っていうか鎮守府で凄く見慣れた二人だ。

 アイスを持っていない手でゴシゴシ目を擦ると既に二人は見えなくなっていた。はて、見間違いだっただろうかとアイスを一口食べる山城。口の中に氷を含んだ甘味が広がる。

 

「それにしてもゴミゴミしてるわねぇ…最後に来たときよりだいぶ人が増えたんじゃない?」

「そうだよ(便乗)。逸れると後で扶桑に何言われるか分かんねぇから手でも繋ぐといいゾ」

「アイスを二個も押し付けようとした人のセリフには聞こえないわよ」

「なんのこったよ(すっとぼけ)」

 

 二人はいがみ合いながらも手を繋げ、アイスを食べながら雑踏の中を歩いていく。その姿はどう見ても彼氏と彼女のそれであろう。 

 アイスを食べて終わった後は浩二がフランクフルトを買ったり山城が肉巻オニギリを買ったり、「がっつり肉食べるんすね~」とツッコミを入れられた山城が脇腹にブローを叩き込んだりした。

 フランクフルトを食べた浩二の口にケチャップが付いてたり、それを見た山城が笑ったり。逆に山城がフライドポテトを食べた後の指を舐めている所を見た浩二がしなを作りながら「あら^~、自分で指フェラとかアナタ相当お変態ですわね」と言って殴られたり。

 「いいゾーこれ」と言いながらわたあめを食べている浩二を見てふと我に返った山城は頭を抱えてしゃがみこんだ。

 

(何でいい雰囲気になってんのよ!!)

 

 げに恐ろしきは祭りの魔力である。山城にとって浩二とは喋るサンドバッグ以上の価値は無い。無いはずだったのだが雰囲気に流されてなんだかラブコメちっくになっていた自分に怒りが沸いてくるのを感じた。

 

「どうした山城顔色が変だゾ(天丼)」

「…っ。なんでもない」

 

 山城は一言くらい嫌味でも言ってやろうと思ったが、こればっかりは自分の落ち度なので言葉を飲み込み踵を返した。

 その瞬間、ぐらりと山城の体が揺れる。

 

「え……」

「おっぶぇ!」

 

 何が、と思った時にはもう遅い。足に力が入らずぐらりと傾いた体を浩二に支えられていると理解した瞬間、顔に熱が集まってくるのを感じた。

 

「な、な──!」

「足滑らせるとかそういうハプニングはいいから(良心)もう少し足元を見ることをオススメします」

「……あああああ↓!あああああ↑あああああああ→あああああ↓!(INUEくん)」

「どうした山城お前変だゾ(三回目)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃。扶桑は神社の近くにある山で双眼鏡を使って出歯亀をしながら右腕を天高く突き上げていた。

 

「やったわ。」

 

 その手にはスイッチが握られている。これこそが山城が転んだ原因であり、押されると信号が発せられて山城の下駄に仕込まれた超小型爆弾が爆発し下駄に罅が入る仕様になっているというもの。まさしく悪魔の所業であった。

 そしてそれが押された結果が浩二と山城が抱き合うというものであり、扶桑の想像以上の効果を発揮したと言っていい。思わぬ大収穫に扶桑はふふふふふと声を抑えるのも忘れて真っ赤になった山城を舐めるように観察する。

 

「可愛いわ…」

 

 まさに倒錯的。ある意味において変態の扶桑は今日も絶好調であった。

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