仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&鎧武 欲望の果実 作:loverider
欲しかった。世界《すべて》を守れる力が。
欲しかった。弱者《みんな》を護れる力が。
欲しかった。明日《みらい》を変える力が。
想い。願い。祈り。それぞれ人の純粋な思い。それらがやがて『欲望』に姿を変え、そして『欲望』が膨れ、熟し、解放された時、
『争い』は生まれる。
荒野。世界の約86%が無に還り、砂漠と化した
大地。その荒野の中心に『ソレ』は立っていた
朽ち果てた巨塔。その塔が放っていたかつての栄光は見る影も無く、その姿は今のこの世界の有り様を痛い程に伝えて来る。
その塔の中で、少女は目を醒ました。
開かれた目の片方は赤く輝き、滑らかな金色の長い髪には一輪の花が咲いている。少女は立ち上がり、辺りを見回す。
辺り一面は草叢だった。違う、草ではなく蔓だ
塔の内部は、蔓がありとあらゆる所に絡み巻きつき繁っていた。少女は塔の割れた窓から顔を出し塔の外壁を観て、やはり、と思った。
塔の内部だけではない。塔の全体が蔓に侵食されている。それだけではなく、塔の周囲にも驚異的な速度で、無になったこの世界を新しく塗り替えるかの様に侵食していった。
少女は知っていた。この奇妙な植物を。それを巡って起こる悲劇を。絶望的な未来を。
だからこそ少女は立ち上がった。運命を変える
愛する人達を救う。その為に。
しかし、少女はここで違和感を覚えた。
『ナニか』が違う。どこか違う。
言い知れない違和感に少女は一瞬戸惑う。だがすぐに立ち直った少女は、塔の屋上へ行きある場所を探した。
屋上に辿り着いた少女は世界を見下ろし、
「…え?」
愕然とした。
違う。何もかも違う。
少女はかつて『この街』で生まれた。
まちがない。
家族、たくさんの仲間との思い出。
なにもない。
辛いこと。悲しいこと。色々あった。
なにも、ナニモ。
それでも守りたくて、
ナニモノコッテナイ。
「そんな……。こんな…………」
脚が震え、力なく膝をつく。信じられなかった
こんな未来は知らない。酷くてもここまでではなかった筈だ。
少女が自失して俯いたその時、
ある光景が視界に入った。
少女はハッ、と目が覚めたように立ち上がり、
その光景を目の当たりにした。少女にとっては最も観たくない光景の筈だったが、今はそれが唯一の道標だった。
そこには四つの群れを率いる『五つの』影があった。
東に、異形の怪の大群を連れ、騎馬に乗ってる橙色の鎧を纏う青い武者。
西に、空を覆い尽くさんばかりに浮かんだ鋼の歩兵を従える二本の角を生やした紅の騎士。
北の高台に、巨大な鋼の武人を背に緑色の鎧を纏う白い武者と、その側に寄り添う様に跪いた
緑の中国武将。
そして
南に、無数の騎士兵の先頭に立った、三色の人影があった。
決定的だった。違和感の正体。本来ありえない未来。どこで変わってしまったのか。少女は自分が迷い込んでしまった事に初めて気がついた
一陣の風。少女の髪を飾っていた花が煽られて飛んで行き、彼らが降着している地に落ちた。
それが合図となった
「「「オオオオォォォォォォォ‼︎」」」
殆ど同時だった。
東の武者が西の騎士に向かって突っ込み、西の騎士も待っていたかの如く駆け出し、南の人影も割って入るかの様に向かって行き
そして、激突。
荒野は立ち待ち戦場と化し、残った北の武者と武将はそれを静かに見守っている。
止められなかった。また。しかも、今度は別の誰かも巻き込んで。始まってしまった。少女は、とうとう感情を爆発させた。
「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!‼︎」
少女の慟哭が空に響き渡る。その空の上には、巨大な正八面体が浮かんでいた
次回
episode1 メダルとオレンジと空飛ぶ腕
初回からプロローグで申し訳ございません。m(_ _)m
書き溜めは今の所ありません。出来れば毎週投稿していきたいと思います。