ワシの名前は柳 刃(やなぎ じん)
『ワシ』なんて言っとるがまだピチピチの高校一年生じゃぞ。
都内の藍越(あいえつ)学園に通うつもりだったんじゃが、織斑 一夏とかいう男が女性しか起動できん筈のISを起動してしまいよったと大騒ぎになり、急遽全国の男性がIS適性の検査を義務化されたんじゃ。
後は……分かるかの。ワシも適性アリと判断され、IS学園へ強制連行、という訳じゃわい!
いやー困った困った!だはははは!
ま、なんとかなるじゃろ!無為自然無為自然……。
そんなこんなで入学初日。ワシの席は一年一組の窓際一番後ろ。
「所謂エロゲ席という奴じゃろうか……ふああ」
やや早めに教室に着いてしまい、最初のHRまでまだ30分もある。ワシは不良生徒宜しく両足を机に乗っけて椅子を傾けつつ自作の揺りかごに揺られながら暇を潰す。隣の女子がチラチラこちらを見てくるが、一番注目されとるのは……。
「ぷぷっ!不運な奴だのう。一番前の、しかも真ん中とは。あれでは視線の集中砲火じゃの」
そう呟いて一夏を見ると、案の定というか、背中に無数の鋒を突きつけられたようにピーンと背筋が伸びとる。
「愉快愉快」
ガラガラ
そんなこんなで30分経ち、教室の戸が勢いよく開き、眼鏡をかけた小柄の女性が教卓に立つ。
「皆さん、入学おめでとうございます。私は一年一組の副担任、山田 真耶です。一年間よろしくお願いしますね」
シーン……
山田先生の挨拶に対しての返答は、静寂。
居た堪れんのう。
「ご指導ご鞭撻の程、よろしくお頼み申し上げる」
とりあえず返事をすると、山田先生はこちらをキラキラした目で見てきた。しまった。いざとなったらワシに振ればいい、みたいな関係になってしまったぞ。
「こほん。気を取り直して、出席番号1番の人から順番に自己紹介をお願いします」
一人の女子が立ち上がり、自己紹介が始まった。
……とりあえず名前くらいは覚えんとな。
「それじゃあ次、織斑君!」
山田先生の一言に、一夏への注目がMAXになる。が、しかし当の本人はと言うと。
「…………」
「ありゃ。絵に描いたようにガッチガチじゃの」
肩を窄めて縮こまった姿勢で固まる一夏。
「織斑君!織斑君!」
「あ!俺!?」
山田先生の必死の呼びかけでようやっと我に返る一夏。
「なんだか頼りなさそうな男じゃのう……」
「お、織斑 一夏です」
一夏が自己紹介を始める。そして、
「以上です」
自己紹介を終えた。コントのように全員がガタッとずっこける。
「え?あれ?駄目でした?」
スパーン!
頭に疑問符を浮かべる一夏に、その疑問符を弾き飛ばすかのように出席簿が飛んだ。
「いてぇ!って、千冬姉!」
スパーン!
再び雄叫びを上げる出席簿。
「織斑先生と呼べ馬鹿者が」
凛々しい風貌の女教師は一夏を見下げながらそう言った。
「キャーーーー!千冬様よーーーー!」
「本物だわーーーー!」
「生まれてきてよかったーーーー!」
女教師の姿を見た生徒達は一気に色めきたった。
いきなりの高周波にワシは耳を塞ぐ。
「はあ……。よくぞ毎年毎年こんな生徒ばかり来る。それとも私のクラスに集中させているのか?」
「多分前者、もしくは両方じゃな」
「静かにしろ貴様ら!まだ自己紹介が終わっとらんぞ!」
女教師の一言でクラスが静まり返る。そして自己紹介が再会された。
☆
「それじゃあ次、柳君」
「ワシか」
ついに自己紹介の番が回ってきた。立ち上がってみると、なるほど針の筵と言う呼び方が相応しいの。視線が痛いほど注がれる。
「ワシは柳 刃。ちょいと田舎におったもんじゃからジジイみたいな話し方が癖になっちょるが、まあ大目に見てくれの。趣味は昼寝、釣り、あと体を動かすことじゃな。散歩とかも好きじゃの。まあ、1年間よく笑い、よく学び、よく遊ぼうぞ」
「なーんか……」
「ジジ臭いっていうか……」
「ぶっちゃけ昭和の人だよねー」
どっ
女子生徒の一言でクラスが湧く。
「だはははは!いやはやその通り!皆、この昭和人間をよろしく頼むぞ!」
そこそこの拍手に包まれ、ワシの自己紹介は終わった。クラスに上手く馴染めたじゃろうか?ま、これからなんとかしていけばええやな。
学園生活はまだ始まったばかりじゃしの。
こんな感じで進めていきます。
コメントなどで書式なんかのアドバイスいただけると幸いです。