インフィニット・ストラトス〜最強への道〜   作:まどるちぇ

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今回は少し短め。
ラブコメラブコメアンドラブコメ回です。


第11話

「……君!起きて!刃君!」

 

「う、ううん……?」

 

 知らない天井だ……。じゃなくて、保健室の天井だ。

 

「刃君!」

 

「し、師匠……?」

 

 視界がはっきりしてくると、師匠の顔が見えた。

 

「はは……師匠、泣き顔で折角の別嬪が台無しですのう……」

 

 声が掠れて上手く喋れない。

 

「馬鹿!心配したのよ!突然倒れて、担架で運ばれて……目が覚めて良かった……!このまま起きなかったらって思ったら、私、私……!」

 

 師匠がワシの胸に蹲ってわんわん泣く。案外泣き虫なんじゃのう。いや、それほどワシを大切に想ってくれてるということか。真っ直ぐな思いやりを感じる。

 

「あー……その、ご心配をおかけしました。ワシはちょっと、こいつらと話をしてただけです」

 

 そう言ってペンダントを見せる。

 

「?こいつらって……?」

 

「ああ!ところで、その、そろそろ離れてくれませんかのお……?む、胸が右腕に当たって……凄く、気持ちいいです」

 

「え?きゃあ!人が本気で心配してたのに何考えてるのよ!えっち!」

 

 師匠は慌てて胸を押さえながら後ずさる。

 

「いや、だって、こんな夜の保健室に二人きりなんて、意識しても仕方なかろうなのだ!」

 

 頭が混乱して変な口調になる。

 

「え?二人きり、って……!?」

 

 シチュエーションを再認識した師匠は、真っ赤になって両手で口を押さえる。

 

「気付かんかったんですか……?師匠も案外抜けてますのう」

 

「だ、だって君のことが心配でずっと手を握って顔ばっかり見てたから……ってああ!?何言ってるの私!?」

 

「……ぷっ!だはははは!それはそれは。師匠に想われて弟子冥利に尽きますわい!」

 

「う〜〜……刃君の意地悪。まあ、元気そうなら良かったわ」

 

「そういや今何時ですかな?腹が減りましたのう」

 

「20時半よ。食堂、ちょっと間に合わなかったわね」

 

 あちゃー。もうちょい早く目が覚めておれば……。

 

 コンコン ガラガラ

 

「失礼しま……じ、刃さん!お目覚めになられましたの!?」

 

「おうセシリアか!心配かけたのう」

 

「本当ですわ!全く!貴方と来たら、自分勝手過ぎますわ!先生のお話ですと、数日は静養なさいと仰ってましたのよ!」

 

 セシリアが凄まじい剣幕で怒鳴る。

 

「ま、まあまあセシリアちゃん。一応患者さんなんだし……」

 

「私が、どれだけ、心配したと、思ってますの……?」

 

 セシリアの顔から険が取れ、次第に泣き顔に変わって行く。

 

「ああ、すまん!女子の泣き顔は日に何度も見るもんではないのう。心が痛むわい」

 

 セシリアも、ワシのことをずっと心配していてくれたようじゃな……。

 

「ワシのために泣いてくれてありがとうの、セシリア。師匠も」

 

「あら?私はついでかしら?師匠不幸な弟子だわ〜♪」

 

「ふ、ふん!ルームメイトのよしみで、少しだけ心配して差し上げただけですわ!」

 

 2人もいつもの調子に戻ったようだの。

 

「それで、セシリア。その両手に持っている盆は……?」

 

「ああ。お二人がまだお食事を済ませていないだろうと思いまして……私の判断で夕食を持ってきたんですわよ」

 

「ありがとうセシリアちゃん!流石は代表候補生。他人への気遣いは淑女のソレね!」

 

「うむ!セシリアは思いやりのある優しい子じゃの」

 

「あ、当たり前ですわ!なんたって私はイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットなんですもの!」

 

 セシリアが誇らしそうに胸を張る。やはりチョロい。そしてデカい。

 

「……刃君のおっぱい星人」

 

「……否定できませんのう」

 

 そんなこんなで師匠と食べたミートソーススパゲティは美味かった。やはり食事は皆で食べるに限る。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「ふふん……ここにアイツらが居るのね?」

 

 それから数日後。IS学園エントランスの前に、不穏な少女の人影が一つ。

 

「待ってなさい、一夏!刃!」

 

 それだけ言って少女はエントランスへ走り出した。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「うーす」

 

「あー!ぎんぎんだー!」

 

「お帰り、柳君!」

 

「「「お帰り!」」」

 

 クラスの全員が挨拶を返してくれる。いかん、涙が……。

 

「お主ら、いい奴じゃのう……」

 

「あはは!何水臭いこと言ってんのさ!大事なクラス代表が帰ってきたんだし、皆心配してたんだよ!」

 

「うむ。うむ……なんじゃと?誰がクラス代表だって?」

 

「だから、柳君がクラス代表でしょ。3人の中で戦績も一番良かったし」

 

 周りを見ると、うんうんと頷かれた。

 

「やれやれ。纏め仕事は苦手なんじゃがのう……。ま、任されたからには尽力しようかの!皆の者、ワシについてこい!」

 

「「「「おー!!」」」」

 

「お前達、何を馬鹿騒ぎしてる!ったく、騒ぎの種はいつもお前か織斑だな!」

 

 スパーン!

 

 ……このオチも久々だのう。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「一夏。今日は剣道部の寄り合いで帰りが遅くなる。鍵は持っているからかけて寝ても良いぞ」

 

「分かった。なんか今の会話、夫婦みたいだったな!」

 

「ふ、ふふふふふ夫婦!?な、何だ!?何のつもりだ!?何を狙っている!?」

 

「別に何も狙ってねえよ。変な箒だな」

 

「だはははは!お主らの夫婦漫才には飽きんのう!」

 

「そういや柳君って幼馴染はいないの?このIS学園に来てるとか!」

 

「そうじゃなー。幼馴染というには少し短いかも知れんが、ワシが5歳くらいの時かの。父上の仕事の都合で中国に5年程おったんじゃが、その時ずっと遊んどった娘っ子が1人おったの」

 

「ええー!どんな子?名前は?」

 

「中国……?」

 

 一夏がワシの発言に反応する。

 

「そりゃあ物凄い濃い奴じゃったぞ。そうじゃな。セシリアからお嬢様と乳を引いてツインテとお転婆を足したような奴じゃったわい!」

 

「ちっ!?最低ですわ刃さん!」

 

 セシリアが真っ赤になって胸を隠す。

 

「名前は確か……」

 

「鳳 鈴音、か?」

 

「!」

 

 一夏が会話に混ざる。

 

「お主、何故その名を……?」

 

「いや、話せば長くなるんだけど、俺もそいつの幼馴染でさー」

 

「とんだ因果の巡り合わせじゃのう。しかし、鈴がここに来ているとは思わんの」

 

「えー?なんでー?」

 

 布仏が首を傾げる。

 

「あのキャラで目立たん訳が無いわ。専用機持ちも一組と四組しかおらんという話じゃし、四組の専用機持ちは顔見知りじゃしのう……」

 

「その情報、古いよ!」

 

 入り口の方から声がした。振り向くと、まあなんとも懐かしい面影を引っさげた美少女が凛と立っていた。

 

「二組のクラス代表も専用機持ちになったの!来週のクラスリーグマッチ、甘く見てると痛い目見るわよ!」

 

「あれ?鈴?お前、鈴じゃないか?」

 

「鈴か……見違えたの。すっかり綺麗になってからに」

 

「ムッ!」

 

 ガスッ

 

「痛い!セシリア、何故足を踏んだ!?」

 

「蚊が止まっていたので潰して差し上げようとしただけですわ!」

 

「何を怒っておるんじゃ……?鈴が綺麗になったのは本当のことじゃろうに」

 

「なんだ、鈴?全然似合わないぞ、そのポーズ」

 

 一夏が笑いながら鈴をからかう。

 

「な!うっさいわね!とにかく、私は」

 

 スパーン!

 

「いったぁ!何すんのよ!って……千冬さん……」

 

「織斑先生だ。もうすぐHRの時間だぞ。自分のクラスに戻れ!」

 

「う〜……一夏、後で覚えてなさいよ」

 

「……いや、かませ犬キャラか」

 

 ドッ アハハハハ

 

「席に着け!HRを始めるぞ!」

 

 しかし、鈴がIS学園にねぇ……。こりゃあまた一波乱あるの。




さて、ついに鈴が出てしまったか……。
刃の過去を手繰るキーマン、いや、キーウーマンになることは間違いないでしょう。
次回予告
新たな専用機持ち、凰 鈴音。一夏と箒の平和だった関係を掻き回しに来たかの如く一夏に猛アタックする鈴だったが、一夏の一言で態度は急変。何故か腹いせにボコボコにすると約束される刃であった……。
次回【恋する乙女は戦乙女(ヴァルキリー)!?】
来週も〜、まうまう!
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