インフィニット・ストラトス〜最強への道〜   作:まどるちぇ

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いや〜戦闘描写キツいっス。
書いてて一番燃えますがね。


第15話

「…………」

 

「あら?案外慎重に動くじゃない?ひょっとしてビビってる?」

 

「そんな訳あるか。不用意に近づくにはまだ早いんじゃよ」

 

 秘策を試してみんことには距離も掴めんわい。

 

「ふーん……じゃあ私が先制するわよ!」

 

 キュゥゥゥン

 

 空気を圧縮する音……。龍砲か。

 

「よしよし。出番じゃ、月夜」

 

 月夜を2本取り出し、一本の鋒と他方の柄の先を組み合わせる。反り返った刀身も相まって、チャクラムや円刀のような形に見える。

 

「くらいなさい!龍砲!」

 

 空気を叩く音と共に、鈴の両肩から衝撃波が飛んだ。

 

「陰円【黒洞】(くろほら)」

 

 目の前で月夜2本を回転させ、黒い円盤状の盾を作る。衝撃波はそれに吸い取られ、シールドエネルギーに変換された。

 

「……それが月夜って奴?なるほど、遠距離武器は効かないのね」

 

「こんな使い方があったとは知らなんだがな。お主が整備課を薦めてくれたお陰じゃ」

 

「そう。なら次はこれで行くわよ!」

 

 そう言って鈴は青龍刀『双天牙月』を展開し、接近してきた。

 

「甲龍は本来近距離パワー型。こっからが正念場じゃのう。頼むぞ、日輪!」

 

 月夜を仕舞い、日輪を取り出す。

 

「そんな小刀で防げると思ってんの?」

 

 ガギン

 

「ッ!どうやら……なんとか防げるらしいの」

 

「ちっ!でもそれ、エネルギー使うんでしょ?」

 

 鈴が双天牙月を切り離し、2本の小剣へと変える。

 

「手数を増やしたら消費も倍よね?」

 

「……察しのいいことで」

 

 この戦闘が始まって、まだワシは鈴にダメージを与えていない。月夜の回復分も、日輪が持っていってしまった。そして手数は同じ。いや、龍砲がある分あちらが上か。

 

「こりゃあ、月夜に頼らんといかんかもな」

 

「何ぶつくさ言ってんのよ!行くわよ!」

 

 鈴が真っ直ぐ突っ込んでくる。

 

「ワシの強みは……これか」

 

 フォン キュキュッ

 

「なっ!?消え」

 

「はぁっ!」

 

 ガガガガ

 

 日輪の連撃を鈴にお見舞いする。

 

「くっ!でりゃああああ!」

 

 ガツン

 

 双天牙月と日輪がぶつかり合い、お互いに止まった。

 

「……やるじゃない。無影縮地、だっけ?結構持ってかれたわよ」

 

「……ワシもな。難儀な武器じゃ」

 

 そう言ってスラスターを噴射し、鈴の顎に回し蹴りする。

 

「ぐぁっ!」

 

 小さな呻き声を上げて鈴が仰け反る。

 

「顔を狙わせてもらったぞ。バリアのおかげで傷は付かんじゃろ?」

 

「それでも乙女の顔を遠慮無く蹴り抜くってのはどうなのよ!馬鹿刃!」

 

 鈴は激昂し、龍砲をぶっ放す。

 

「無駄じゃ!黒洞!」

 

 日輪を瞬時に月夜に持ち替え、黒洞を作る。

 

「そうよね。そうするしかないわよね!」

 

 龍砲の衝撃を吸収するや否や、鈴が猛攻を仕掛ける。

 

 ドガッ

 

「ぐふっ!」

 

 防御手段のないまま、モロに双天牙月の一撃を貰う。

 

「持ち替えの反射スピードだけは褒めてあげるわ。でもね!その後の攻めが全く出来なくなるのが弱点よ!」

 

 ……強い!一夏やセシリアとも違う。圧倒的なバトルセンス。そこから敵の癖と弱点を瞬時に見抜く洞察眼。

 

「鈴よ……。ワシは嬉しいぞ!お主とこの場で出会えて。この場で闘えて!」

 

 ズオオオオ……

 

「くっ!がああああ!」

 

 月夜の暴走が始まった。今度ははっきりと感じる、心が黒く塗り潰されていく感覚。破壊、殺戮、殲滅。ドス黒い感情のオンパレードが流れ込んでくる。

 

「がああああ!」

 

 鈴に突っ込む。残りエネルギーが少なくなったため、月夜は勝手に釣魚を展開した。

 

「それが切り札って訳ね!負けないわよ!」

 

 ガン ギン ガガン

 

「っ!なんてパワー……!けど、パワータイプの甲龍をナメないでよね!」

 

「おおおああああ!」

 

 バリィィィィン

 

 再び互いが激突しようとした刹那。上空から何かが割れる音がした。

 

「なんじゃ!?」

 

 月夜の暴走が消え、意識が戻る。

 

 ドゴォォォン

 

 直後に、落下音。隕石でも落ちてきたのかという程の、巨大な音だった。

 

「アリーナのバリアを破った!?刃!試合は一時中断よ!」

 

「分かっとる!ワシらはどうすればいい!?」

 

「とりあえず脱出よ!あとのことは先生がなんとか……警戒レベル4!?そんな!これじゃアリーナは封鎖されてる!?」

 

 八極からアラートが鳴り、警戒レベル4と表示される。

 

「……よく分からんが、出られんのなら、警戒するしかないの。アレを」

 

 土煙の奥に熱源を感知する。

 

『ご主人様、避けて!』

 

「!」

 

 横っ跳びをすると、ワシが元いた場所をレーザーが通過した。

 

「今の声……月夜か?」

 

 聞き返しても、返事は無い。が、確かに月夜の声だった。

 

「ありがとの。さあ、鈴。こういうときワシらはどうすればいいと思う?」

 

「そんなの決まってるでしょ?先生が来るまでアイツを足止めするのよ!」

 

 鈴が土煙の中に突っ込む。

 

「じゃな!ワシも援護するぞ!」

 

 土煙から再びレーザーが飛ぶ。二人でそれを避けると、土煙が晴れ、その姿が露わになる。

 

「なんじゃアレは!?あれもISなのか!?」

 

 その姿は、異形。

 ISとは本来操縦者の姿が露わになっているはず。しかしそのISは、顔はおろか全身を黒い装甲で包んでおった。ISも、腕部武装がかなりデカい。しかも、手の甲から肩にかけて都合6門のレーザー武器が装着されている。

 

「まるで第一世代のバイザー型センサーじゃな。おい!お主、ワシらの声が聞こえるか?」

 

「…………」

 

 謎のISは応えない。が、こちらの声を聞くように顔を向けた。

 

「応えろ!お主は何者じゃ!?」

 

「…………」

 

 機体は応えない。

 

 

 

 ☆

 

 

 

「なんだアレは!?」

 

 モニターで試合を見ていた箒が驚きの声を上げる。

 

「山田先生!状況は!?」

 

 千冬の凜とした声が響く。

 

「は、はい!アリーナの防衛システムがハッキングされています!警戒レベルを強制的に4まで引き上げて、アリーナを完全に封鎖されました!」

 

「ちふ、織斑先生!刃と鈴は!?」

 

「解除できるまではアリーナから逃れられん!」

 

「そんな!俺、2人に協力しに」

 

「駄目だ!即席のチームワークで対処できる問題ではない!お前が行けば、逆に2人の足手まといになる!」

 

「……くそっ!」

 

 千冬に反論できない一夏は、悔しそうにアリーナの扉を殴った。

 

「一夏落ち着け!私達にできることは、2人の無事を祈ることくらいだ……」

 

 箒もまた、悔しそうに唇を噛む。

 

 

 

 ☆

 

 

 

 敵ISは依然として無言のまま、掌をこちらに向ける。掌にもレーザー武器があった。

 

「くっ!シャイな奴じゃのう!」

 

 レーザーを紙一重でかわし、接近する。

 

「刃!敵はあのレーザーしか持ってないみたいよ!砲門を潰せば……」

 

「無力化できるかもしれんな!やってみる!うおおお!」

 

 フォン キュキュッ

 

「!」

 

 ISが驚いたように一瞬体を強張らせる。

 

「はあっ!」

 

 釣魚で右腕装甲を斬り裂く。砲門が2つ潰れた。

 

「んで、脱出!」

 

 フォン キュキュキュキュッ

 

「……くっ!」

 

「刃、大丈夫!?私との戦闘で大分集中力使ったでしょ?」

 

「ああ。お主もそうじゃないのか?」

 

 じゃないと困る。

 

「当たり前でしょ!アンタがあんなに強いなんて思わなかったんだから!」

 

 鈴はレーザーをかわし、龍砲で牽制を続ける。

 

「そりゃ、光栄なことで!んで、バテバテの1年生2人でなんとかできるのかの?」

 

 レーザーを月夜でガードする。セシリアとの訓練で月夜と日輪の切り替えはかなり速くなった。

 

「バテバテの専用機持ち、よ。なんとかするしかないの!」

 

 そう言う鈴の目は、強かった。自然と口角が上がる。

 

「よく言った!そんじゃそろそろ援軍に来てもらおうかの」

 

「援軍!?アリーナは今封鎖されてるのよ!そんなの」

 

 敵ISがレーザーを撃とうとこちらに手を伸ばす。

 

「……狙いは?」

 

「完璧ですわ!」

 

 ドシュッ ゴォォォン

 

 敵ISの伸ばした手が撃ち抜かれ、虚しく崩れ落ちた。

 

「ど真ん中。流石じゃのう」

 

「誰に言っているんですの?このセシリア・オルコットに、射抜けぬ的などありませんことよ!」

 

 そこには、心強い援軍の姿があった。




という訳でゴーレム乱入です。
原作再現はやはりアツい。書いててアツい。
次回予告
セシリアも加わり、優勢になった刃達。しかし、予想外の二次災害が、刃を更に苦しめる。果たして刃はゴーレムを倒すことができるのか!?
次回【護る暴力】
摩天楼に、バキューン!
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