とある代表候補生の奮闘記   作:ジト民逆脚屋

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はい、今回は番外編です。
開幕でいきなり番外編。
相変わらずの突発仕様&とある方とのコラボの為の伏線。
やれるのか?!

まあ、今解るのは次回からチャットが賑やかになる事だけがはっきりしてます!


あ、オリジナルの〝いせまじょ ~異世界の魔女達の夜~〟もよろしくお願いいたします。








RE:二十冊目

ズーやん¦『うっす~』

元ヤン¦『うっすうっす~』

ズーやん¦『いやぁ、これ便利だね』

船長¦『マジそれな』

邪気目¦『総長様様ってな』

天才兎¦『わ、私は? ねえ皆、私は?』

約全員¦『・・・・・』

天才兎¦『何か言ってよ!』

ズーやん¦『いや、ほら、博士』

船長¦『何て言うか、さ』

元ヤン¦『尊敬はしてる、してるんだが』

邪気目¦『普段のヘッポコぶりがアレでビミョー』

天才兎¦『ぐへぁ・・・』

 

潰れる天才、体が弱ければ心も弱い。親友が世界最強なら本人は世界最弱である。

発光する画面の向こう側でプルプル震えている。

 

船長¦『まあ、言うなら、叔父貴と睦月の事で感謝もしてる』

元ヤン¦『アタシもオヤジと睦月の事は本当に感謝してる』

ズーやん¦『博士居なかったらと思うと、ゾッとするよ』

邪気目¦『下手したら、オッサンと睦月が死んでたかもだからな・・・』

悪ガキ隊¦『本当に有難う御座います。篠ノ之束博士』

天才兎¦『いや、うん、私は出来る事しただけだし、叔父さんに死なれたら嫌だし、うん』

 

突然の謝辞に照れる天才、このままいけば良い話だが、そうは問屋が卸さない。

 

クロ子¦『はっきり言ったらどうです? この天才のおかげで良識バケツオッサンは死なずに済んだのだ。感謝し崇め奉れ凡人共!! と』

天才兎¦『クーちゃーん?!』

 

天才の助手クロエ・クロニクルのダイナミックエントリー。

驚きのあまり、束の喉と心臓に痛みが走る。

痛みの原因は、突然のダイナミックエントリーによるストレスと負荷である。

 

クロ子¦『ささ、束様。不肖、クロエ・クロニクルのナイスアシストです。存分に天才ぶりを発揮してください。では、スタート』

天才兎¦『待とう、クーちゃん! 待つんだ! まだこの新型プライベートチャンネル〝表示枠〟の説明してないの!』

ズーやん¦『あ、それなら夕石屋(ゆうせきや)の二人に聞いたよ』

 

ハードラックダイアモンド社専属技術者の夕石屋、双子という訳ではないが、何をするにも何時も二人一緒で行う変な奴等。

この新型プライベートチャンネル〝表示枠〟の開発にも携わっているが、専門はEosタイプ〝イェーガー〟の整備開発である。

 

天才兎¦『え、嘘?』

元ヤン¦『マジマジ』

ズーやん¦『いやぁ、あの二人って仕事早いよね』

邪気目¦『あれだったか? 博士が足の小指ぶつけてショック死しかけている間だったか?』

船長¦『いや違うな。風邪引いて入院してた時じゃなかったか?』

天才兎¦『うぅ・・・』

クロ子¦『皆様、情報は正確にお願いします』

 

追い詰められる天才に救いの手が差し伸べられる。

 

クロ子¦『正確には、博士が表示枠完成直後にフェイゲン様やオータム様の悪戯により足の小指をテーブルの足にぶつけたショックで軽く心停止かまして、そして緊急搬送された病院にて何故かどうやってかは不明ですが、器用に風邪を引いて意識不明となっている間に、です』

天才兎¦『うぐぁ・・・!』

 

筈だったが、そんな事は無い。

天才の助手は天災である。

 

紅茶姉¦『あまり、束を苛めるものではありマセンヨ?』

ズーやん¦『総長だ』

元ヤン¦『総長、休み?』

紅茶姉¦『えエ、比叡達が頑張ってくれマシテネ。束の妹と話をする時間も得られマシタヨ』

 

笑うハードラックダイアモンド社総長〝金剛〟、最近は新型イェーガーの開発プロジェクトや、スポンサーを務めるIS学園でのイベントの為にドイツへ行ったりしていて中々に多忙な毎日を送っていたが、どうやら休みが出来た様だ。

 

紅茶姉¦『学園祭が今から楽しみデスネ』

船長¦『総長、何すんだ?』

紅茶姉¦『義弟(冬悟)と〝ドイツの彼〟へのサプライズプレゼントデスカネ』

元ヤン¦『まさか、ドイツのACリーグのチャンピオンか』

邪気目¦『マジかよ!』

 

知らぬ内に未来が決まっていく元イェーガーリーグチャンピオンで現喫茶店のマスター五百蔵冬悟のオッサン、本人は店のピーク時間が過ぎゆったりとした時間を、嫁さんの榛名と過ごしている。

 

クロ子¦『ふと、気になったのですが』

ズーやん¦『ん? どったの?』

クロ子¦『穂波様、今日は大人しいですね』

 

空気が固まった。

横須賀一のバカ、藍越学園最強のアホと言うか下手したら恥部、神様がノリで性別間違えた奴、今年の夏もシャッター前、の磯谷穂波が大人しい。

思い返せば、今日奴を見た者が居ない。即ち、今あのア穂波は野放しで闊歩しているという事になる。

 

船長¦『比叡に連絡は?』

 

先ずは木曾が立ち上がり

 

邪気目¦『済んでる』

 

天龍が木刀を手に取り

 

元ヤン¦『鈴谷、準備』

ズーやん¦『はいは~い』

 

摩耶がナックルガード付きのグローブを嵌め、鈴谷が関係各所へ連絡を入れる。

幾度となく繰り返してきた〝対ア穂波用オペレーション〟、今週入って三回目の発動である。

 

紅茶姉¦『皆、夕飯までには帰って来ナサイ。今日は洋の店に行きマスヨ』

約全員¦『はーい』

 

良い返事に笑みを溢す金剛、帰りに義弟の店に寄ろうかと考えていると、クロエが

 

クロ子¦『おや? 博士、顔色が随分面白い事になってますね』

天才兎¦『クーちゃん、これなに?』

クロ子¦『気にする事はありません。ただのスポーツコーンスープです』

天才兎¦『えと、コーンスープの甘味と温かさ、スポーツドリンクの酸味と塩味が纏めて迫って・・・』

クロ子¦『束様、端的に申しましてそれ、ゲロの様な臭いですね』

天才兎¦『作った本人が?!』

 

とか、束と漫才をしているが、作ったのは警備部門の自由人共だろう。

スコールに報せておくか。覚えていたら後で。

そう思い、金剛は表示枠を閉じた。

 

「ふふ、良い子達デスネ」

 

金剛は葉巻に火を着け、ゆっくりと紫煙を口内で転がし、左手の薬指に嵌まった輪を撫でる。

 

「本当に良い子達デス」

「誰がだ? 金剛」

「ああ、帰ったのデスネ」

「ただいま、金剛」

「おかえりナサイ、アナタ」

 

今日あった事を帰ってきた伴侶にどう話そうか。

洋の店で話そうか。

帰りに二人で寄る義弟の店にしようか。

ああ、洋の店なら北上が居るかもしれない。なら、二人で義弟の店にしよう。

 

「楽しそうだな、金剛」

「えエ、良い子達と良い日々を過ごしてイマスカラ」

 

楽しみと言うのは、幾つになっても胸を踊らせる。

そう思い、金剛は葉巻を灰皿に押し付け、伴侶に微笑んだ。




次回
簪無双?
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