とある代表候補生の奮闘記   作:ジト民逆脚屋

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はい、ねこです。
ねこです。ねこです。
ねこでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇす!


RE:二十六冊目

「なんだってこれ、こうなった?」

 

いつの間にか眠っていた一夏が目覚めたお昼過ぎ、所謂おやつ時。昼食時以外に食堂が人で賑わう時間帯、その食堂の一角で、いつもメンバーが集まっていた。

 

「説明したじゃん」

「いや、聞いたけどさ。何がどうして、真琴が縮んだ訳よ?」

 

一夏が指差す先には、朝と変わらず箒にしがみついて離れないチビ真琴の姿があった。

箒の服をがっしり掴み、梃子でも動きそうにない。

 

「どうにもなりませんわね。って・・・!」

「一夏! それ以上指近付けたらダメ!」

「へ? なん・・・」

 

で、とは続かず、チビ真琴のキルゾーンに不用心に侵入した一夏の人差し指は、先程の鈴の時よりもスゴい音と共に口内へと消えた。

 

「・・・・・」

「い、一夏?」

 

シャルロットがひきつった顔で呼び掛けるも、一夏は鈍い汗を一筋流すだけで反応が無い。

テーブル越しにそのままの体勢で固まり動かない。

暫く、その状態が続き

 

「・・・・・痛い、物凄く痛い・・・!」

「ダメよ、一夏。下手に動くと余計に食い込むわよ!」

 

経験者は語ると、鈴の忠告も虚しく一夏は何とかして離れようと、腕を引いた。

しかし、それは間違いだった。がっちりと食い込んだ歯は、腕を引く動きに合わせて更に食い込む。

 

「あぁぁぁぁあ! ボーーン!」

 

歯が食い込んだ痛みに叫ぶ。

その叫びに、食堂に居た生徒達が振り向くが、いつもの事かと頼んだ物を消費に戻った。

何人かは人差し指に包帯や絆創膏を巻いていたが、料理か裁縫にでも失敗したのだろう。

一夏の叫びを聞いて、人差し指を撫でていた。

 

「ほら、真琴。ごめんなさいしような?」

「ヴー」

 

飽きたのか疲れたのか、鈴よりは短い時間でチビ真琴は一夏指から離れ、次は箒とラウラの二人にしがみついて離れなくなった。

 

「鈴、鈴、俺の、俺の指ある? 繋がってる?」

「大丈夫、大丈夫よ、一夏。指はあるし、繋がってるわ」

 

被害者二名がどうにも締まらない夫婦漫才を見せている。

 

「取敢えず、真琴のキルゾーンには入らない。OK?」

「「「「OK」」」」

 

シャルロットが締めて、全員が首肯した。

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

鉄桶嫁¦『緊急案件です』

ズーやん¦『どったの?』

空腹娘¦『いや、なんと言えば?』

にゃしぃ¦『吹雪ちゃん、うん・・・』

船長¦『え、なに? なんかあったのか?』

元ヤン¦『お? どうしたよ』

邪気目¦『どうした?』

鉄桶嫁¦『いや、その、ですね?』

空腹娘¦『お父さんが・・・』

船長¦『叔父貴がどうかしたのか?』

鉄桶嫁¦『・・・に』

元ヤン¦『んお?』

鉄桶嫁¦『冬悟さんが冬子さんに・・・!』

約全員¦『え?』

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

「そう言えばさ、真琴と箒って何時出会ったんですの?」

「む? 私と真琴の出会いか」

「確かに、母様と箒の出会いは気になる」

 

セシリアが箒に真琴との出会いを聞くと、メンバー全員が気になると首を縦に振った。

 

「ふむ、そうか」

 

真琴との出会い、箒は自分にしがみついて離れないチビ真琴をあやしながら、思い出す。

出来る事なら、自分だけの思い出として仕舞っておきたい。だが、こうやって語るのも悪くはない気もする。

 

「ふむ、簡単でいいなら、語ろう」

「おお・・・!」

「あれは、そうだな。姉さんがISを開発してなんやかんやあって、転校した先か」

 

箒は目を閉じ、当時の事に想いを馳せる。

今も未熟だが、今よりも更に未熟だったあの時に、自分は出会ったのだ。

 

運命と。

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

『は~い、今日から新しいお友達が来ます。じゃあ、自己紹介しようか』

『しのののほうきです。すきなものは・・・』

 

あの時は、一夏や鈴、仲の良かった友人達と離れるとあって、少しばかりプリプリしていてな。雑な自己紹介だった気がする。

 

『それじゃあ、篠ノ之さんの席は・・・』

 

それで、自己紹介が終わって、先生が私の席を決める時に、私は出会ったのだ。

 

『あ、ちょっと、篠ノ之さん?』

『・・・・・?』

『・・・・・』

『・・あ・・・の・・?』

『・・・可憐だ』

『へ?』

 

 

「ちょっと、待ってくださいな」

「ん? どうした、セシリア」

「箒さん、いきなりじゃありません?」

「そうか?」

「箒は昔からこんなだぞ」

「そうね。割りとこんな感じね」

「箒は昔から変わらないんだね」

「まあ、私は変わらんよ。では、話を続けよう」

 

正にあれは運命と言える。そう、私はあの一瞬に邂逅し、今この時へと紡ぐ為に生まれたのだと・・・!

 

 

 

 

〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃

 

 

 

 

「いや、うん、ね?」

「叔父貴叔父貴、大丈夫か?」

「オヤジ、何も言えねぇよ、アタシは・・・」

 

ショッピングモール〝レゾナンス〟内にある喫茶〝五百蔵〟。いつもは客足が途絶えぬ人気店なのだが、今日は違った。

 

「冬悟さん」

 

喫茶〝五百蔵〟店主、五百蔵冬悟が何故か女性化していた。約2mちょっとの巨躯が少し縮んで約190㎝ちょっとになり、嘗ては世界の頂点に辿り着き、防衛を続けた肉体は女性らしい凹凸と柔らかさを得て、顔立ちも普通に美人の部類に入る。どうしてこうなった?

 

「なにが、どうやったらこんな事に・・・?」

 

訳が分からない。しかし、原因は判っている。

己の義姉が経営する会社〝ハードラックダイアモンド社〟所属の技術屋〝夕石屋〟が開発したアンチエイジング商品の試作品、それが原因だ。

本人達も、これは予想外だったらしく、原因究明を急ぎ、同所属の篠ノ之束の協力により、明日には戻っているという事が判明した。

約一名、この作用が解ってから自分から服用し、弟子との時間を楽しんでいるらしいが、五百蔵にそんな余裕は無い。

 

「ま、まあ、明日には戻っているらしいしさ。今日は臨時休業だね、これは」

「うん、そうだね」

「冬悟さん。取敢えず、今日は家で休みましょう」

 

どうにも、理解が追い付いていない五百蔵に妻の榛名が付き添う。

バイトの鈴谷、摩耶、木曾、天龍は勝手が分かる部分の片付けを済まし、出入り口に〝店主急病の為、本日臨時休業〟と書いた貼り紙を貼っておく。

 

「そういえば」

 

テーブルを拭き終わり、食洗機やガスの元栓の確認をしようとした時、五百蔵さん家の似てない双子の吹雪と睦月の睦月が思い出した。

 

「吹雪ちゃんも、アレ飲んでたけど、何も無いの?」

「え゙、ふぶっち、アレ飲んだの?!」

「おい、大丈夫なのか?!」

 

五百蔵であれなのだ。血縁者の吹雪が飲んだら何が起きるのか?

 

「なんともないですよーう」

 

気の抜けた返事が返ってきた。どうやら、吹雪には効果が無かったようだ。

 

「本当になんともないのか?」

「なんともないですよーう。普通に美味しい飲むヨーグルトでしたよーう」

 

天龍が再度確認する。

本当になんともないようだ。

 

「それならいいけどよ」

「今日はこのまま、オヤジの家に泊まるか?」

「だな、睦月もリハビリあるし、オッサンもあれだし」

「という訳で、今日はムッキーとふぶっちの家でお泊まり女子会だ!」

 

鈴谷が睦月の座る車椅子を押して店の裏口から出て、摩耶達が再度火の元を確認して着いていく。

その背後、誰にも気付かれずに、彼女は呟いた。

 

「なんともないですよーう。キヒヒ」

 

お腹が空いた、お腹が空いた。

皆が居るから、ご飯が美味しい。

吹雪は小さく歌った。




鉄鎚ちゃん、まさかのインストール。
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