とある代表候補生の奮闘記   作:ジト民逆脚屋

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まあ、普通に次回に持ち越しだわな。

あ、今回は一部で変な人気のある気がする『いせまじょ ~異世界の魔女達の夜~』のキャラが出ています。


RE:二十七冊目

小さな、小さな二つがじゃれあっていた。

それはまるで、仔猫や仔犬が転がる様に、大きめのベッドの上をコロコロと転がり、抱き合って止まったかと思えば、またじゃれ始めていた。

 

「ふぅ・・・」

「箒が賢者モード入ったよー」

「箒、帰ってーこーい」

 

篠ノ之箒は、実に幸せそうな顔でその光景を眺めていた。

彼女の視線の先にあり、彼女を恍惚とさせている光景、それは

 

「ほら、母様。こっちだぞー」

「ラウラ・・まって・・・」

 

小学校低学年まで肉体も精神も退行した真琴と、普段と変わらぬ真琴にじゃれつくラウラが、自室のベッドでじゃれあっていた。

 

「もう、これでいいんじゃないかな?」

「箒、落ち着きなさい」

「ふぅ・・・」

 

モコフワ熊パジャマに包まれて、ラウラと真琴がじゃれあっていた。

 

「諸君、パライソはここだ・・・」

「落ち着いてください、箒さん。というか、帰って来てくださいまし!」

 

実に幸せそうに、箒が穏やかな顔で目を閉じ、ゆっくりと眠る様に体勢を崩していくのを、セシリアが必死に止める。なんというか、真っ白に萌え尽きてそのまま生死不明になりそうだった。

 

「まあ、あれだ。箒と真琴は転校先で、出会ったんだな」

「そうだ。もうあれだ。運命だ。そうとしか言いようが無い」

 

復活した箒が語る馴れ初め。

それは、箒はやっぱり箒だったと、全員に納得させるに値する内容だった。

 

「一目見た瞬間、雷に打たれ、距離が近付く度に、胸が早鐘の如く鳴り響く。それは正に、恋に違いなかった」

「いきなり、たまげたなぁ・・・」

 

シャルロットが呆気に取られた顔を、箒に向ける。

手元には表示枠が浮いており、何か操作をしている。

 

「しかし、皆も知っているだろう。真琴は人見知りする」

「開幕で口説きにいったらどうなるか、目に浮かぶわ」

「ははは、流石だな鈴。ジリジリ逃げられたよ。・・・まあ、私もジリジリ追ったのだがな・・・!」

「おう、やめたれや」

 

一夏が口を横にした表情で箒に突っ込んだ。しかし、箒は笑って意に介する様子は無い。

 

そんな中、鈴がふと彼を見ると、シャルロットと同じく表情枠を操作していた。

何をしているのか、不思議に思った鈴が、二人の操作する表情枠を覗き込んだ。

 

「いやなに、ゲームしてんのよ?」

「違うんだ鈴。聞いてくれ」

「そうだよ鈴。聞いてよ」

「まあ、聞くわ」

「ほら、この間新型パッチ配付されたじゃん? 〝いせまじょ〟」

「なに? デバッグのバイト?」

「まあ、似た感じかな」

 

箒が二人を気にせず語る横で、一夏とシャルロットの親指が表示枠を乱打する。

残像でも見えそうな動きだったが、ややあって一夏が悲鳴を挙げた。

 

「つった! 指つった!」

「こっちもダメだー!」

 

表示枠を放り出し、両手をどう押さえるべきか分からず悶え苦しむ二人。

 

「それでな、真琴を家に招待して、花粉症で脱水症状になった姉さんに遭遇した訳だ」

 

その二人を知ったことかと、箒は膝にラウラに抱き着いた真琴を乗せて、二人を寝かし付けながらセシリアに、初めての家デートを語っていた。

 

「んで? なにやってるの」

「ああぁぁ・・・、ほら、パッチ当たって同志軍曹に超必追加されたって聞いて、コマンド調べてたら」

「もんのすごい複雑でタイミングくそシビアな上に、発動条件まである事までは解ったんだ」

「そのコマンドと発動条件調べるバイト?」

 

つった親指の付け根を揉みほぐしながら、頷く二人に鈴は溜め息を吐く。

最近は不可思議なバイトが多い。確かティナも、妙なバイトをしていた筈。学園島内でのバイトだから、違法ではないと言っていたが、夜の学園島を懐中電灯一つで彷徨いて、その報告をするのは、警備員の仕事ではないのか。

 

「シルヴィア、操作簡単だから油断してた」

「うん、コマンド簡単だから、超必も簡単だと思ったら、人間には無理ゲーコマンドとか」

「コマンド表は?」

「見る? 引くよ?」

 

鈴は見た。見た瞬間、引いた。普通、超必のコマンドは五、六個の筈なのだが、鈴が見るコマンド表には、横一列に三行みっしりとコマンドが並んでいた。

しかも、これはよく見ると、三段階で発動して、その段階にも条件がある。開発者は何を考えていたのか。

 

「ははは、真琴。やってみるか?」

「う・・・」

 

目を覚ました真琴が、目を輝かせながら箒の表示枠を弄ると、画面では軍服に銀髪のキャラが、鎌と槌が一体になった杖を振るい、飛び回っていた。 

 

「うわぁい真琴、将軍か」

「トリッキーキャラ選ぶなぁ」

「しかも、割りとやりますわ」

 

セシリアが操作する豪奢なドレスを着た童女が、ガラスの兵隊を呼び出し、真琴の魔女に応戦するが、不可思議で不規則な動きでいまいち捉えきれていない。

 

「ははは、真琴は強いなー」

「・・・んふー!」

「箒、箒、私もやるぞ!」

 

箒に誉められ、得意満面な顔で鼻を鳴らす真琴と、翼の生えた杖で空を駆け、爆撃してくるラウラが操作する魔女が、ガラスの兵隊を蹴散らしていく。

 

「ははは、ラウラもやるじゃないか」

「テレジアで、二対一はツラいですわー!」

「テレジア、技発動までラグあるからねー」

「セシリア、置き技、置き技で牽制しろ」

「ああぁぁ・・・、ラウラさんの爆撃がいいところに・・・」

 

熊ウサコンビのコンボで、セシリアの敗北が決まった。

項垂れるセシリアだったが、更なる絶望が画面内に現れた。

 

「嘘、巫女カーチャン出た・・・!」

「ランダムセレクトのみで確率0.5%以下でしょ!」

「ああ、虐殺の始まりだ・・・!」

 

髪飾¦『さあ、死ぬがよい』

約全員¦『お前かー!』

 

簪の乱入により、長大な薙刀を構えた巫女が、画面に出現する。

 

『ナジェーリア、今日という今日は赦しませんわ!』

『ま、待ち給え満代。話せば解る!』

 

将軍が画面内をところ狭しと逃げ回るが、巫女カーチャンが薙刀降ったら、蚊取り線香にやられた蚊みたいに落ちた。

ついでに、ラウラもやられた。

 

本熊¦『・・・ズル・・い・・』

髪飾¦『勝てば良いとは言わない。だけど、ランダムで巫女カーチャン引いたらやるしかない』

熊兎娘¦『ひ、否定出来ない』

髪飾¦『恨むなら、君達のガチャ運の無さを恨むといい』

 

表示枠で高らかに笑う簪、奴の暴挙を止める者は居ないのか?

諦めが蔓延し始めたその時、一つのネームが飛び込んできた。

 

紅茶姉¦『ふむン? ランダムセレクトデスカ?』

ほーき¦『あ・・・』

約全員¦『あ・・・』

髪飾¦『うっそだろ、お前・・・』

紅茶姉¦『簪、恨むなら己の運の無さを恨みナサイ』

髪飾¦『うわああああああ!』

 

それは豪運の象徴による一方的な蹂躙だった。




同志軍曹シルヴィア・クシャトロワ

『はわわ』
転けて前方に魔道具をぶちまける。効果はランダム

『ボリス大尉!』
上官による援護、発動にタメを作れるのでタイミングずらしてどうぞ

『え! 将軍?!』
上官による気紛れ援護。効果はランダムだが、相手は録な事にならない。

『あ、リューヌさん』
不定形メイドによる援護。体力回復や防御UP等々

『ひゃあぁぁっ!』
吃驚して、淹れたての茶を溢す。相手に火傷ダメージ

『誰かー! 助けてくださーい!』
シルヴィアの超必。オールキャラによる援護。

『其が示すは福音か』
新規追加された超必。現状では発動不可。
発動すると試合が終わるらしい。
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