機動戦士ガンダムSEED~蒼い死神と絶剣と呼ばれた少年少女   作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア

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目覚め

 

 

 

 

 

黒いヴィルキスと俺の抑止力として作られたパイロットと戦った俺はプトレマイオスⅡに帰還して格納庫にアフレクトを収納する

 

 

「ソウ!」

 

「ユウキ……」

 

コクピットからでると直ぐに心配顔をしたユウキが抱きついてきた

 

「……ソウ、大丈夫だよね?どこも怪我無いよね?」

 

ユウキは黒いヴィルキスに押されていた時のことを心配してくれていた…

 

「うん、大丈夫だよ。」

 

「……ならいいんだけど………無茶しないでね?次からはボクも出るからさ」

 

「………わかった」

 

ユウキは一度決めたことは曲げない……俺を心配してくれているのは嬉しいが……こっちも心配でもある……

 

「ソウさん、ユウキさん。マリューさんから緊急とのことで通信が入ってます」

 

「「!!」」

 

俺とユウキはニコルの声で我に返ってお互いに今、行る場所を思い出して真っ赤になりながら離れた

 

「あ、ありがとう、ニコル。」

 

俺は真っ赤になりながらも伝えにきたニコルに礼をいい、格納庫出入り口横の端末まで移動して他の艦に通信を入れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フラガさんとディアッカさんが戻ってこない?」

 

各艦に連絡を入れるとムウ・ラ・フラガさんとディアッカ・エルスマンさんの二人がコロニー内に入ったきり戻ってこないとのことだった

 

『ええ、ムウによれば《ザフト》が居ると』

 

『しかし、なぜフラガにはザフトの居場所が判ったんだ?』

 

エターナルのバルトフェルドさんの疑問も最もだ……なぜ、フラガさんがザフトがいるとわかったのか……

 

『ラウ・ル・クルーゼだわ。ムウとクルーゼはお互い近づくとお互いの位置がわかると言っていました』

 

ムウ・ラ・フラガさんとそのラウ・ル・クルーゼはどんな関係なのだろうか?

いや……そんなことよりもだ

 

「前には地球軍、後方にはザフト……もう、このあたりは使えません。戻ってこないフラガさんとディアッカさんの二人を連れ戻して離脱する事を提案します」

 

『その通りね』

 

『ああ、そうしたほうがいいな。だか、フラガ達を連れ戻すにも誰かが直接行かないと行けないぞ?』

 

その通りだ………Nジャマーで通信が安定しないため、通信は出来ない………誰かが迎えに行くしかない……

 

『僕が行きます』

 

不意に入り込んできたキラさんの声……

 

「わかりました、こちらからはニコルを送ります。他戦力は地球軍を迎え撃つべきですね」

 

『ええ』

 

『そうだな』

 

全艦の艦長の意見が纏まり俺は通信を切った

 

「勝手に決めて悪かったな、ニコル」

 

「いえ、気にしないでください。僕もクルーゼ()()()がいるなら行くべきだと思ってましたから……ブリッツで出撃します」

 

「ああ、無茶はするなよ」

 

「はい、わかってます」

 

ニコルはそう言うとブリッツ改で出撃していった

 

 

 

 

 

「それじゃあ、機体の整備でも………」

 

『ソウさん、今、お時間よろしいでしょうか?』

 

次の戦闘に備えてアフレクトの整備を行おうとすると医務室のキャロから通信がきた

 

「どうかしたの、キャロ?」

 

『助けた少女が目を覚ましました』

 

「それはよかった。俺がそっちに行くまでに少女に服を着せておいてくれ」

 

『了解しました!』

 

キャロと短い会話をして通信が切れると俺は第2医務室に向かった

 

 

 

 

 

「キャロ、入るぞ」 

 

『はい!どうぞです!』

 

俺は入る前にキャロに断りを入れてから入ると今まで目を覚ましていなかった茶髪の少女が薄い水色の病院服みたいな服を着て寝ていたベッドの上に座っていた

 

 

 

「お兄さん誰?」

 

「こうして会うのは初めてかな。僕はソウ。ソウ・S・クロスロード。この艦の艦長をしている者です。お名前いえる?」

 

 

「………マユ・アスカ」

 

少女は怖がっているのか小声で名前を言ってきたが……ちゃんと聞こえた

 

 

「マユちゃんだね。ねぇ、マユちゃん?起きてばかりで申し訳ないけど自分がどうなって、どうしてここにいるかわかるかな?」

 

俺が聞くがマユちゃんは首を横に振った

 

「そうなんだね……マユちゃん」

 

「…はい」

 

「自分がここにいる理由を知りたい?マユちゃんは聞かないと行けないとは思うけど、それは、僕が決めることじゃない。マユちゃんが決めることだよ」

 

「………お願いします」

 

 

マユちゃんは少し悩んでから首を縦に振ってきた

 

 

「…………わかった」

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ………お父さんとお母さんは………」

 

「多分……ごめんね。僕達も直ぐに地球から宇宙に上がったからマユちゃんの家族の安否はわからない……だけど……」

 

「マユちゃんの怪我の様子を考えると………ご両親はもう……」

 

「……お母さん、お父さん……うああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…」

 

俺はマユちゃんに俺が知っていることを全て話した

マユちゃんは家族が死んだことを突きつけられて話し終えると泣き出してしまった

俺は泣いているマユちゃんを抱き締めるしかできなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅ~すぅ~」

 

 

「寝ちゃったか……」

 

数分間泣き続けたマユちゃんはそのまま寝てしまった

俺はそっとベッドに寝かせてキャロと見守っていた

 

 

「キャロ、そろそろ俺は行くよ。地球軍がいつ、攻撃を再開するか、わからないしザフトも来ているからな」

 

「…わかりました、マユちゃんのことは見てますので安心してください」

 

「あぁ、頼むよ」

 

キャロにそう言って俺は医務室をでた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『センサーに反応!地球軍戦艦が動きだしました!』

 

 

 

「来たか……」

 

 

医務室から格納庫に移動していると艦内放送が鳴り響いた

 

『対モビルスーツ戦闘用意!パイロットは各モビルスーツで待機!繰り返す……』

 

 

 

 

 

 

 

「しっかり仕事をこなしているな……おっと、こんなことしている場合じゃないか」

 

俺はそうつぶやくと格納庫に急いだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く


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