宙を目指す世界にて 【凍結】   作:シエロティエラ

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大変遅くなりました。

ハリポタの四月馬鹿企画を書いておりまして、その推敲に時間をかけておりました。

アンケートですが、サブ不要が11票と暫定一位です。次いでシャルと楯無さんが同率8票という状況です。


更新します。

それではゆったりと







久し振りの邂逅、クラス代表戦

 

(……あの女は誰だ? 一夏と親しそうだったが……)

 

 

 篠ノ之箒は恋する乙女である。意中の相手は織斑一夏、幼少時からの幼馴染みである。

 しかし当の一夏は自分の知らない女子と知り合っていた。それも先程の会話を聞くかぎり、相当親しい関係らしい。加えて一夏は気がついていないが、あの少女は一夏に好意を抱いている。うかうかしていたら、彼女に一夏を取られてしまうだろう。

 

 

「……篠ノ之、ここの答えは?」

 

「え? あ、はい!!」

 

 

 しかし現在は授業中、講義を聞いていなければ、質問をされても答えようがない。

 

 

「……篠ノ之。私の話を聞いていたか?」

 

「……申し訳ありません、集中していませんでした」

 

 

 素直に頭を下げると、脳天にものすごい衝撃と痛みが走った。成る程、これが千冬さんの伝家の宝刀『出席簿』。

 

 

「次はないぞ」

 

「……はい」

 

 

 とにかく今は授業に集中しよう。

 

 

 

 

 

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 授業も終わり、一夏に箒、セシリアに士郎、カレンにその他数人のクラスメイトは、食堂に向かっていた。因みにいうが、士郎とカレンは弁当を持参している。

 そして食堂に到着するとその入り口には今朝の中華娘が、ラーメンを乗せた盆を持って仁王立ちしていた。

 

 

「待っていたわよ、いt「入り口の前に立つな。他の生徒に迷惑になるだろう」うっ、すみませんでした」

 

 

 鈴が何か言いかけたが、士郎に一喝されて渋々引き下がった。うん、初めて会ったときから思っていたけど、士郎はみんなの保護者だな。

 

 

「誰がオカンだ!! 執事(バトラー)と呼べ!!」

 

「士郎? 何を言ってるのですか?」

 

「……ハッΣ(゚Д゚)!! ……すまないカレン。失礼、取り乱した」

 

「「「は、はぁ……」」」

 

「……というか鈴、ラーメンのびるぞ?」

 

「う、うっさいわね!! わかってるわよ!!」

 

 

 鈴はそういうとトテテと集団で座れる席を取りに行った。各々が自分のメニューを持って席につくと、早速一夏は鈴に話しかけた。

 

 

「それにしても久し振りだなぁ、鈴。おばさん達は元気か? いつ代表候補生になったんだ? というかいつ日本に帰ってきたんだ?」

 

「ちょっと、質問ばかりしないでよ」

 

 

 尤もである。それにこの場には一夏を除き、鈴を知るものはカレンと士郎しかいない。よって必然的に置いてけぼりを食らう人が出てくる。

 

 

「一夏さん、彼女はどなたですか? 申し訳ありませんが、一夏さん以外の殆どは彼女が誰かは知りません」

 

「おっとそうだった。悪いみんな」

 

「じゃあ簡単に自己紹介するわ。あたしは凰鈴音、中国代表候補生で一夏と士郎、カレンの幼馴染みよ」

 

「幼馴染み? だが私が在籍していた頃は、そのような名は聞いたことないが」

 

 

 鈴の幼馴染み発言に、箒が疑問をおぼえる。まぁ彼女が知らないのも無理はない。

 

 

「ああ、鈴は箒が転校した直後に転入してきたんだ。二人が知らないのも無理はないな」

 

「そうか。初めまして、篠ノ之箒だ。箒と呼んでくれ」

 

「そう、あなたが一夏の言っていた箒ね。よろしく、あたしは鈴でいいわ」

 

英国(イギリス)代表候補生のセシリア・オルコットですわ。以後お見知りおきを」

 

「へぇーあんたがイギリスの。よろしくね。言っとくけどあたし、結構強いよ?」

 

「それは楽しみですわ」

 

 

 箒と鈴はまるで潰しあうかのように強く握手し、セシリアと鈴はライバルを見つけたかのように、互いに笑みを浮かべて握手していた。

 その後も軽く自己紹介をし、お喋りを続けながら昼食に手をつけた。

 

 

「ところで一夏」

 

「ん? なんだ?」

 

「あんたクラス代表なんでしょう? その、よ、良ければあたしが練習見てあげようか?」

 

「おっ、それは助か「いや、今は不味くないか?」……え?」

 

「なんでよ!!」

 

 

 一夏の言葉を遮った士郎に、鈴は声を荒らげてつっかかった。セシリアは士郎が制止した理由を察したのか納得顔をうかべ、他の面子、箒や本音、鷹月などはキョトンとした顔をしている。

 

 

「まず第一の理由だが、もうすぐクラス代表戦だ。そんなとき、他クラスの面倒を見れば諜報行為と見なされても反論できんぞ?」

 

「うっ、でも!!」

 

「それに、鈴さんは転入したばかりでしょう? ならまずすべきことは一夏さんの相手ではなく、クラスメイトと親睦を深めることでは?」

 

「か、カレンまで……」

 

「元々決定していたクラス代表も譲ってもらったのだろう? ならばフォローもしなければならないし、それを疎かにして険悪な関係になりたくはなかろう?」

 

「……」

 

 

 鈴は士郎とカレンの話に思うところがあったのか、今回は渋々引き下がった。

 

 

「……なんか~」

 

「? どうしたの、本音?」

 

「エミヤんとオルちゃんを見ているとね~。なんだか大人っぽいな~って」

 

「あ、それわかるかも」

 

「二人の雰囲気というか」

 

「ぶっちゃけ夫婦っぽいし」

 

「外見は私達と同じ年頃だけど~、なんか心がもう大人というか~」

 

 

 布仏本音、中々に鋭い子である。確かに士郎とカレンは子供ではない。外見は子供だが、実年齢は三十路に入っている。まぁそれを知るものは誰もいないが。

 

 

「ねぇ、士郎とカレンって実は年上?」

 

「私も気になりますわ」

 

「「俺(私)もだ」」

 

「さぁ? どうでしょうね」

 

「見た目以上の年齢かもしれんし、ただの生意気な小僧小娘なだけかもしれんぞ?」

 

 

 カレンはクスリと笑いながら、士郎は口許に微笑を称えながらはぐらかすように応える。その内容に話を聞いていた皆は、一様に首を傾げていた。

 

 

 

 

 

--------------------

 

 

 

 

 

 次の日、士郎訓練のためにカレンを伴ってアリーナへ向かうと、一夏と鈴が何やら口喧嘩をしていた。

 

 

「……どういう状況だ?」

 

「む、士郎? そしてカレンか?」

 

「お二人とも、如何なさりました?」

 

「いや、訓練のためにきたのだが。あの状況はなんなのだ?」

 

「どうにも穏やかではありませんが」

 

 

 二人が疑問を浮かべていると、箒が昨日の夜の出来事から順に説明した。

 曰く、一夏が鈴との約束事を正確に記憶していなかった。約束の内容は所謂『毎日味噌汁云々(プロポーズ)』だったのだが、一夏は無料飯(タダめし)を食えると曲解していたらしい。

 それに関して鈴は激怒し、一夏に反省するように言っていたのだが、当の一夏は原因をまったくわかっておらず、その果てに現在の口論が起こっているという。

 

 

「なんというか、随分と唐変木が過ぎるな」

 

「あなたがそれを言いますか?」

 

「む、すまん」

 

「? 士郎さんも似たような?」

 

「聞きたいですか?」

 

「「是非にも!!」」

 

「勘弁し「うるさい貧乳!!」……あ」

 

 

 一夏の『貧乳』発言が出た途端、アリーナに衝撃が走った。見るとアリーナの壁の一部が、部分展開された鈴のISによって凹まされていた。

 

 

「……言ったわね? 私に対してソレを言ったわね!?」

 

「ま、待て鈴!! い、今のは悪かった!!」

 

「今の()!? 今の()でしょうが!! ああもう頭にきた!! あんたクラス代表戦おぼえてなさい!!」

 

 

 鈴はそう叫ぶとISを戻し、走ってアリーナから出ていった。気のせいか、その目には涙が浮かんでいた。

 

 

「……セシリア」

 

「……なんですの? ッ!? ……し、士郎さん?」

 

()が許す。一夏を鍛え直せ。カレン」

 

「わかってます。終わったら簀巻きにしてでも連れていくので、士郎は鈴さんを」

 

「ああ、頼んだ。箒は悪いが私と一緒に」

 

「わ、わかった」

 

「それから……」

 

 

 士郎は伝えるべきことを伝えると、項垂れている一夏に近づいた。一夏は顔をあげたが、すぐにその表情を凍りつかせた。理由は至極簡単、目の前に四人の般若がいるのだから。

 

 

「……一夏」

 

「な……なんだ、士郎?」

 

「……今まで散々注意してきたよな? 頭で考えてから行動発言しろと」

 

「お、おう」

 

「だがお前は思ったことをすぐに口にだし行動し、いつも決まって状況を悪くする。今回もその一つだ」

 

「し、士郎?」

 

 

 一夏の声は掠れていた。今にも小水をチビりそうな顔をしている。士郎の側にいる箒とセシリアも、冷や汗を流していた。

 

 

「どうやら私は今までお前を甘やかし過ぎたようだ。今回は何もせん。全て自分で解決しろ」

 

「それって……」

 

「自分で考えろ。いい加減本能で動くのは止めることだな」

 

 

 士郎はそう言い捨てると、足早にアリーナから去っていった。残された一夏は、呆然としたまま立っていた。

 

 

 

 

 

--------------------

 

 

 

 

 

 結局鈴を捕まえることはできず、日数は過ぎてクラス代表戦当日となってしまった。一夏もあれ以来鈴と接触できず、悶々とした日々を送っていた。

 そして運命の悪戯か、第一戦目は一夏vs鈴であった。

 片や初の男性IS操縦者、片や中国代表候補生なので注目が集まり、アリーナは満員となっていた。

 余談だが、士郎も二人目男性操縦者として、強制的に参加する予定である。ゆえに、現在士郎はカレンと共にカタパルト脇で観戦していた。

 

 

「……どうも俺と一夏は運がないらしいな」

 

「二人とも幸運が最低ランクを示しそうですね」

 

「俺の場合アーチャーの例があるから、強ち間違ってはいないが」

 

「そうですね」

 

 

 士郎の発言にクスリと笑うカレン、それに苦笑いを返す士郎。

 

 

「さて、奴等は結局仲直りしないままだが」

 

「まぁ、なるようになるでしょう」

 

「む? わかるのか?」

 

「曲がりなりにも私も女です。それなりに勘は当たりますよ」

 

「女の勘、か。まぁとりあえず、試合を見よう」

 

「ええ、そうね」

 

 

 会話を終わらせ、二人してモニターに目を移す。そこではぶつかり合う一夏と鈴が映し出されていた。鈴の肩部ユニットから射出される不可視の弾が、一夏のS.Eを確実に削っている。

 

 

「……今のは?」

 

「資料で見たが、衝撃砲というらしい。圧縮した空気弾を対象に射出することでダメージを与えるそうだ」

 

「成る程。言ってみれば騎士王(セイバー)のあれの兵器版ですか」

 

「似て非なるものだろうな。そもそも『風王鉄槌(ストライク・エア)』と原理が一緒であるかもわからん」

 

「まぁ空気を使用する点では同じですね」

 

 

 互いに憶測を立てつつ、尚も続く試合を観る。流石に鈴の癖を見抜いたのか、一夏は衝撃砲を避けはじめた。鈴は視線を撃つ場所に向ける癖がある。実戦の最中に一夏は見抜いたのだろう。

 殆ど衝撃砲が当たらないことに業を煮やした鈴は、青龍刀を連結させた双身刀を構え、一夏と切り合うことを選択した。パワー系の鈴のISでは、一回直撃するだけで相手に相当のダメージを負わせるだろう。

 

 

「さて、どうするいち……ッ!? カレン、伏せろ!!」

 

 

そのとき突然アリーナの天井が突き破られ、正体不明の何かが轟音と共にアリーナの地面に直撃し、巨大なクレーターを形成した。

 

 

 

 

 

 




はい、ここまでです。
いやはや、日が経つのは早いですね。光陰矢のごとしとはまさにこの事を言うのでしょうか?

さてここで少し予告を。
この『宙を目指す世界』における、原作『IS』一巻の内容がもうすぐ終わりますが、番外編というかたちで省いた内容、二巻冒頭の弾の家での内容、更にあるオリキャラを登場させたオリジナル小話を書きます。
オリキャラに関しては、その話のみの登場ですので、ご安心ください。


では今回はこのへんで。


感想とアンケート、回答お待ちしております。




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