道人君in艦これ。ただし亡霊。   作:ゆっくりRUISU

10 / 10
更新ペースがちまちま上がりそう。
道人君の扱いが割と適当な今日この頃。

5/20 追記
暇潰しで書いてた小話を間違ってコイツに投稿してしまったので消去しました。
多分読んだ人はいないだろうけど一応。
10話はもう少しお待ちください。


09話 再編ー超個性的な艦隊

味気ない電脳空間にて。

通信を入れると、数秒で目的の相手が出た。

『こちらルイス。どうした』

「道人だ。ちょっとヴェントの修理して欲しいんだが…」

『どのくらい壊れた?』

「右足と胴体以外全部。あと武器弾薬の補給もよろしく」

『…3日待て、準備する』

そう言うと、ルイスは通信を切った。

「…とりあえずなんとかなるか。

三水戦はしばらく小競り合い位しかないだろうしな」

通信した本人、道人はそう呟いた。

 

 

 

だが、翌日。

「再編成…?」

神通が控えめな声で繰り返す。

【…マジかよ】

聞いていた道人はそうぼやいた。

秘書艦である長門は続ける。

「ああ。提督から正式に通達があった。第三水雷戦隊は現時点をもって解散。他の艦と共に、新たな艦隊を編成する」

「艦隊を…全て?」

コクリ、と長門が首肯した。

「…そ、そんな~!」

吹雪の情けない声が部屋に響いた。

 

それを見ながら、道人は頭を抱えた。

『三水戦はしばらく小競り合い位しかない』と思った途端に当の三水戦が解散される始末である。

呪われているのか、と道人は柄でも無いことを思い、タメ息をついた。

 

 

カサリ、と小さな音が鳴った。

だが、誰もその音には気づかない。

 

 

 

で、その夜。

「…よし、っと。これで全部だね」

荷物を纏めて引っ越しの準備を済ませた吹雪がそう尋ねると、同じく纏め終わった睦月が頷いた。

 

「…でも、どうして急に再編成になったんだろ…。

…もしかして、私のせい?」

「ううん。他の艦隊にも、解散が通達されたらしいし」

と、ネガティブな吹雪の発言を睦月が否定している中。

 

【いきなり再編成って事は、作戦の都合上再編成せざるを得ないって事か?…慣れない艦と組ます理由無い、よな。それ以外】

道人は、そうポツリと呟いた。

ちなみに、ブレスレットもろとも吹雪とは離れていたので、これを聞いたものはいない。…聞かせるつもりもないのだが。

 

 

「ふむ…。

『M』から報告だ。全艦隊を再編成するらしい。お前はどう見る?」

ところ変わって、ある室内。

ディスプレイから目を離して振り返った男は、自らの後ろに立つ少女に聞いた。

「…独自に試しているのかもね」

「試す?」

「えぇ。W島攻略も、攻勢作戦の一端だったから。本命と言うべき攻勢作戦の為に、新しい編成の組み合わせや戦術を試そうとしているんだと思うわ」

「なるほど…。

まぁ編成が大幅に変わる以上、試す為にもしばらくは出撃が増える。そういう認識でいいな?」

「ええ。…増えるのは演習かもしれないけれど」

それを聞いた男は、しばらく考え込んだ後、口を開く。

 

「…情報が足りないな。もう少し情報が欲しい。『C』を介してMには引き続き情報を集めさせる。

…提督の考えがまるで分からん」

そう言うと男は立ち上がり、部屋を出る。

そんな男を追いかけて、少女も部屋を出た。

 

 

そして、夜。

 

吹雪は、消灯からしばらくしても眠れずにいた。

「ねぇ、吹雪ちゃん」

すると唐突に、自身の上で寝ているはずの睦月が声を発した。

「あのね。睦月、こうやって吹雪ちゃんの上で寝るの好きだったよ。安心できて」

「うん、私も。睦月ちゃんの下だとよく眠れた。ありがとう。一緒の艦隊になれて、本当によかった」

「うん」

ほんの数秒沈黙し、次の言葉は同時であった。

「「あのね!」」

と、吹雪は上半身をおこしつつ、睦月は上のベッドから覗きこみつつ。

「…ちょっとだけ、お散歩行かない?」

「うん。私もそう言おうと思ってた」

そう言うと、二人は着替え始めた。

 

そして、寝ている筈の夕立を起こさぬようこっそりと出ていった。

 

 

…ブレスレットを置いて。

【いや、また置き去りかよ!】

悲しいかな。小さいブレスレットである以上忘れられやすいのだが、今回のように暗い場合更に忘れられやすくなる。

これで都合3度目。

おそらくまだまだ置き去りにされるだろう。

 

だが、寝ていると思っていた夕立が起き上がり、ブレスレットを掴んで吹雪達を追いかけて部屋を出た。

 

【…起きてたのか?】

「『今日が最後だ』って思ったら、寝られなかったっぽい。そしたら、睦月ちゃんと吹雪ちゃんが部屋を出るのが見えたから…」

 

 

 

「何してんの?」

「ぼいぃ!?」

物理的に、夕立は飛び上がった。

そのまま、錆び付いたロボットのような動きで、振り返る。

「せ、川内さん…」

「もうとっくに消灯の時間だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…なんて、冗談だよ。

あの二人が行ったのは見えてたしね」

「…ふぇ?」

【ん?】

川内は、ケロリと言った。

「…もしかして、川内さんも寝られなかったっぽい?」

「まぁ私が、っていうより私たちが、だね。ほら」

そう言って川内が後ろを示すと、神通と那珂が立っていた。

「とりあえず、二人を追いかけようか」

 

 

そうして三水戦は桟橋に集合し、決起集会の運びとなったのだが。

 

「うーん…」

「どしたの、那珂?」

「道人さん、だっけ?1人見えないからなんか気に入らないんだよねー。

…皆で手繋いだら見えたりしないかな?」

那珂の言葉を受けて、夕立が道人に確認をとる。

「…道人さん、そこら辺どうっぽい?」

【…そもそもこれ自体未知の現象だからな。一切わからん】

「じゃあ、試してみるっぽい!」

そう言って、夕立は川内と手を繋ぐ。

 

すると。

「おー、白いのが見えるや」

【白いの、だと違うようにも捉えられるからやめてくれ】

「うん、声も聞こえる。

…んじゃ、手出して」

 

そう言うと、川内は1度夕立と離れてから吹雪と手を繋ぐ。

それを見ていた三水戦の艦娘達も、手を繋ぎあって円を作る。

 

そして、那珂が音頭をとる。

「みんなー!新たな艦隊に行っても、水雷魂で頑張っていくぞー!」

「行きましょー!」

『【おー!】』

7人の声が、夜の海に響いていった。

 

 

 

 

 

そして翌日、配属先の掲示。

提督から配属先を指示された吹雪は、提督室から出た所で睦月と出会った。

「吹雪ちゃん!どうだった?」

「『第五遊撃部隊』…」

「すごぉい!新しく結成された特別艦隊だよ、それ!」

「そうなの?睦月ちゃんは?」

「私は、第四艦隊…」

僅かにしょんぼりした様子で、睦月が答える。

「そっか…」

「しょうがないよ。演習の時はこれからも一緒なんだし頑張ろっ!」

「うん…」

「じゃあ私こっちだから!」

そう言い、睦月は去っていった。

 

 

[…そうだよね。頑張らなきゃ!]

【声、漏れてるぞ】

「ひゃあ!?」

聞かれていると思っていなかった吹雪は飛び上がった。

[なんで聞いてるんですか!]

【お前が勝手に漏らしたんだろうが…。その辺下手したら駄々もれになるから気をつけろよ】

[今更ですけど…]

がっくし、と肩を落として吹雪は第五遊撃部隊の部屋へと向かった。

 

「えっと、第五第五…。

 

あっ、あった」

【…嫌な予感がするんだが、この扉。先に中見てこようか?】

[い、いえ。ダイジョウブデス]

【大丈夫じゃない、問題だ】

ややキャラ崩壊しつつ、吹雪は扉を開けた。

 

「あの~、こんにちは…」

「それでね、ここにお花を置いたらいいと思うの。それで、ここに私と北上さんの写真を貼って~…」

「いいんじゃない?

でもまた大井っちと一緒の艦隊になれるなんて思ってもいなかったよ」

「運命、ですっ!何があっても二人は、離れられない運命なのよ~!

そうそう、それでこのベッドだけど」

「あの~…」

「…ん?」

何度目かの呼び掛けに、やっと二人が振り向いた。

「こんにちは…」

 

「あなたたしか、特型駆逐艦の…」

「部屋を間違えているみたいね。少し案内してくるわ~」

そういうや否や、大井は吹雪の腕をつかんでそのまま部屋を出た。

 

【…嵐みたいな奴だな】

道人がそう呟くと、部屋に残っていた北上が両手を合わせて拝んだ。

いや、拝むというより。

 

【…見えてんの?】

コクリ、と北上が首肯する。

どうやらさっきのは『ごめんね』というジェスチャーらしい。

 

キーボードを起動し、メッセージを打ち込んでからキーボードごと北上に送る。

『霊感でもあんの?』

数秒後、北上からキーボードが帰ってくる。

『色々見えるし聞こえるよー』

『そうなのか』

『幽霊と話すのは初めてだけど』

そうだろうな、と道人が思った時、先程出ていった大井が戻ってきたので道人は片手を挙げて『じゃあ』のジェスチャーをしてから吹雪を追った。

 

 

道人が壁抜きをして廊下に出ると、吹雪は隣の部屋に入っていた。

 

再び壁抜きで部屋に入ると、不機嫌そうな顔をしている艦娘が真正面にいたが、道人が入った瞬間のけぞってひっくり返った。

「お、おばおばおば…」

【…こいつもか】

「あの、瑞鶴さん。道人さんの事、見えるんですか?」

吹雪が聞くと、瑞鶴は頷いた。

それを見ていた加賀は、吹雪に尋ねた。

「…吹雪さん、何かいるのかしら?」

「あ、はい!えっと、一旦これ持ってください!」

そう言って、吹雪は加賀にヴェントの待機状態であるブレスレットを渡す。

「…お化け?」

【あながち間違いでもないんだが…。

とりあえず、艦隊の全員で顔合わせした方がいいんじゃねぇの?】

道人がそう言うと、吹雪と加賀は頷いた。

「あの、第五遊撃部隊ってあっちの部屋のお二人と加賀さん、瑞鶴さん、それに翔鶴さんと私、の6人でいいんでしょうか?」

部屋にいた3人と向こうの部屋の二人、それと吹雪で6人であるが、翔鶴は首を振った。

「いえ、私は違う艦隊です。

加賀さん、吹雪さん、道人さん。瑞鶴の事、よろしくお願いします。

…瑞鶴、頑張ってね」

 

そう言い、翔鶴は部屋を出た。

【翔鶴、だっけ?見えてんのかな?】

「翔鶴ねぇは多分、見えないと思うんだけど…」

「Hey、ブッキー!」

道人の呟きを瑞鶴が否定した時、扉から金剛が入ってきた。

 

メンバーが揃った、という事で部屋割りを決めることになったのだが。

・五航戦と一緒はイヤ(加賀)

・一航戦と一緒はお断り(瑞鶴)

・北上と一緒(大井)

・相撲(金剛)

 

お手上げ、といわんばかりに道人は肩をおとした。

 

で。

 

「駄目だぁ~…」

【あのメンバーを纏めるのは、滅茶苦茶しんどいぜ…。てか無理】

教室に1度戻った吹雪と道人は、夕立と睦月に愚痴をこぼしていた。

ちなみに夕立と睦月と吹雪で手を繋いでいるので現在二人には道人が見えている。

「…それで、睦月ちゃんの艦隊はどんな感じっぽい?」

「うん!睦月の艦隊には最上さんがいて…」

『僕でよければ、いつでも教えるよ?』

『ひゃう!』

 

「いいないいな、いいなぁ~…」

【…今更だがハズレクジな予感がしてきたぞ、第五遊撃部隊】

その後夕立の様子を聞いた吹雪は更に落ち込んだ。

 

で。

「新しい艦隊に配属されたがストレスで胃に穴が開きそうだ」

『いきなり通信入れたかと思ったら何を言ってんだいきなり』

道人はルイスに愚痴を言っていた。

『…んで、なんでそんなストレス溜まってんだ』

「メンバーが個性的過ぎるんだよ…

水と油にレズカップル、マイペース気味な帰国子女」

『…そりゃメンドイな。気の毒に』

「…修理はいつ頃になりそうだ?」

『すぐ行くのは無理だ』

無慈悲に言い、ルイスは通信を切った。

 

通信を切られた道人がコアから出ると、吹雪が第五遊撃部隊の部屋前に戻ってきていた。

 

そして、勢いよく扉を開け。

 

加賀と瑞鶴がいがみ合っていた。

【ホントに反りが合わねぇのなこの二人…】

「…が、頑張らなきゃ…」

震える声で吹雪は言った。




あ、いくつか投稿してた作品消しました。
大体やる気が消えたせい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定