道人君in艦これ。ただし亡霊。   作:ゆっくりRUISU

8 / 10
やっとこさこっちの投稿です。
なかなか時間がとれずじまいでして…。


07話 拒否ー認めたくない

朝。

 

 

目を覚ました吹雪は、ファ、とアクビをこぼした。

 

 

それで目を覚ましたのか、はたまた前から覚めていたのか、

夕立が吹雪を見下ろしていた。

 

 

…だが、吹雪と夕立の間のベッドには動きがない。

 

「睦月ちゃん…?」

 

吹雪が短く聞くと、夕立は首を振った。

 

 

それを見て、吹雪は悟った。

 

「そっか…。睦月ちゃん、今日も…」

 

 

その頃波止場では、睦月が座り込んで、『如月』が帰ってくるのを待っていた。

かれこれ一週間近く、このパターンが続いているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、作戦司令部。

 

秘書艦である長門が、海域図を広げていると、姉妹艦の陸奥が書類を持ってきた。

 

「夕張からの最終報告書。隊から損耗を出した事、相当悔やんでるみたい」

「FS作戦発動時より覚悟していた事だ。むしろ駆逐艦一杯と引き換えに

W島海域奪回を成し遂げたと考えれば、大殊勲と言えるだろう」

それを受け取った長門が、徐々に早口になりつつそう言うと、陸奥は少し口調を和らげた。

 

 

「知ってる?貴方嘘を言う時、少し早口になること」

 

それには反応を返さず、長門は言った。

「次は、南西海域だ。

…この作戦は、止める訳にはいかない…」

 

 

 

 

そしてその頃。

 

 

チン、チン、チンと鐘が鳴った。

 

「やっと授業終わったっぽい~…」

 

そう言うなり、夕立は机に突っ伏した。

その夕立と、真似をした響を暁が注意していると、不意に雷が言った。

 

 

「…ねぇ電。そういえば、今日の授業って何やったっけ?」

「もぅ、雷ちゃんはたるんでるのです。今日は…」

 

そこまで言って、電も口が止まる。

 

「…何をしましたっけ?」

 

 

「あれ?なんか皆元気ないね?」

 

そう言われ、全員が振り向く。

 

 

「そうだ、間宮さんの所にでも行かない?

甘い餡蜜でも食べたら、きっと元気出るよ」

 

そう言う睦月の隣、空席となった机に全員の視線が向いた。

 

 

「む、睦月ちゃん」

「なぁに?吹雪ちゃん」

「あ、その…」

 

声を掛けたものの、言い淀んだ吹雪を見て、道人が呟いた。

 

 

【…空元気かよ】

 

 

 

数分後、足柄経由で吹雪と島風が呼び出された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、提督室。

 

 

ガチガチに緊張している吹雪の隣では、道人が横になって浮かび、

小刻みに跳ねながらおうっ、おうっと言っている島風。

 

 

…端から見れば、なかなか奇妙な光景だと思う。

 

 

すると、吹雪に陸奥が近づいた。

 

 

そして、吹雪に耳打ちする。

 

「大丈夫よ。どうせすぐ、そんなに緊張しているのが馬鹿馬鹿しくなるから」

「【?】」

 

陸奥の台詞に、吹雪と道人が首を傾げる。

 

「ねぇねぇ!それより、任務ってー?」

「…少し待て。全員揃ってから説明する」

「…全員?」

長門の台詞を、陸奥が補足する。

 

「ええ。今回二人は、金剛を旗艦とする南西方面艦隊に、一時的に配備されるの」

「よかったぁ、一時的にかぁ…。

…って、金剛さん!?」

 

【…誰だ?】

金剛と言われても、道人には誰かわからなかった。

実際には、W島攻略作戦にて会っている。

エクスペンシブⅡもろとも三式弾を撃ち込んだ、戦艦の艦娘達。

そのうちの、一人だけ艤装の細部が異なる艦娘の事なのだが。

 

 

 

直後。

 

 

 

「てぇぇぇぇいとぉぉぉぉくぅぅぅぅ…!」

 

 

という声が、廊下から聞こえてきた。

 

 

 

直後、バン、という音を立てて扉が勢いよく開いた。

 

 

そこに立っていたのは、巫女服に似た制服を着た、茶髪の艦娘。

そして。

 

 

「バァァァァニングゥゥゥ、ラァァァァァブッ!」

 

と叫びながら、大淀へと飛びかかった。

 

 

 

数秒後。

 

「What!?これは提督ではなく、oh!淀です!?」

「大淀です」

目論みと違う人物に飛びついた事に気がついた艦娘が、

飛びついた人物の名前を言う。

 

「…生憎提督は席を外している」

若干呆れつつ、長門が告げる。

 

 

それを道人がぼんやりと見ていると、やがて長門が説明を始めた。

 

 

「南西海域に眠る豊富な資源。今後激化する戦いに備え、なんとしても押さえておきたいが…」

「深海棲艦も狙いは同じの様です。戦艦2隻を中核とした艦隊の接近を確認しました」

「これを邀撃するために編成されたのが、あなた達よ。理由は…」

そこまで言った陸奥の台詞を、霧島が引き継いだ。

 

「現在、南西海域で発生中のスコール…ですね?」

「つまり、一航戦のような航空戦力が使えないから…」

「そうだ。高速戦艦の機動力をもって敵を撃滅する。何か質問は?」

 

「…what?」

一切理解していない様子で、金剛と比叡が首を傾げる。

 

「お前ら…っ!」

若干の怒りを滲ませながら、長門が呟く。

 

 

 

それを見ていた道人は、ポツリと漏らした。

【…何だこのカオス】

 

 

 

そして。

 

 

「もう駄目、疲れたぁ~…」

部屋に戻るなり、吹雪がそう漏らした。

 

「吹雪ちゃんお疲れ様っぽい」

煎餅をかじりながらの夕立が返事を返す。

 

「まさか金剛さんが、あんな人だったなんて思わなかった…」

「意地悪っぽい?」

「そういうんじゃなくてね…」

【…ま、濃い奴だったな。

とりあえずコンディション確認してくるわ】

 

そう言うと、道人はブレスレットの中に引っ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

そして翌朝。

 

「ムッキーッ!どうしてぜかましーは、いつまで待っても来ないデスカーっ!」

金剛が地団駄を踏みながら、そう叫ぶ。

 

「今、霧島が司令室に確認してますから…」

そう比叡が宥めるが、あまり効果は無かった。

 

 

「ブッキーは、何か聞いてないデスカ!?」

「…ふぇ?わ、私ですか!?いえ、特別、何も…」

 

【…吹雪?考え事か?】

[あ、いえ。大したことじゃないので…]

反応が遅かったのを不信に思った道人が尋ねるが、吹雪はそう言って誤魔化した。

 

【…ならいいが】

 

道人がそう呟いた時、霧島が戻ってきた。

 

霧島が聞いてきた大淀曰く

・恐らく任務を忘れている

・なんとか合流して任務に向かってほしい

・ただしかなり自由な艦娘なので、見つけるのには少々手間取る

 

との事らしい。

それを聞いた吹雪は、思わず頭を抱えて呟いた。

「島風ちゃんてば…」

 

すると、金剛が「フッフッフ…」と笑ってから宣言した。

「それなら、私に言い考えがありマース!」

「…大、丈夫かな…?」

【俺に聞くな】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、鎮守府から少し離れた辺りにて。

 

海抜10m程度の高さにある岩盤の一部が開き、

そこから小さい航空機が射出された。

 

 

それは、グルリと旋回すると、急激に高度を上げつつ鎮守府へと向かっていった。




以上です。

多分次は割とすぐ更新できるはず。

次回予告をまた忘れたので追記をば。

次回 08話 認識ー立ち直ると言うこと


そして次回予告2っ!エヴァとかガンダム風!



自由奔放な島風と、無茶苦茶な金剛型4姉妹の考えに
見事なまでに振り回される吹雪と道人。
なんとか合流した島風と任務に向かう。

しかし、道中で鎮守府が強襲されたと通信が入る。
急遽道人が引き返し、迎撃へと向かう。
そこで彼は、ある物を見た。

次回、08話 認識ー立ち直ると言うこと
そして、翼はもがれる。

3/7 追記
少々修正しました。
そう言えばまだ道人君は金剛を知らんのじゃ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定