道人君in艦これ。ただし亡霊。 作:ゆっくりRUISU
今回はオリジナルの戦闘入れました。
その分吹雪の戦闘シーンはカット。
3/3 追記
忘れてたオマケを追加。
金剛の言う、『いい考え』の準備の間に島風を探してみたが、流石に見つからなかったので、
吹雪は金剛達が準備をしている場所に戻った。
そこでは。
なぜか比叡・榛名・霧島の3人が歌っていた。
※どうも「進め!金剛型四姉妹」という曲なので著作権とここの規則の都合により
歌詞がないです。詳しくはggってね。
そして、その隣では吹雪がタンバリンを叩かさされていた。
言わずもがな、なかなかシュールな光景である。
表に暁型の4人が来て話し始めたのを聞いて、流石に我慢できなくなった吹雪が、赤くなりながら金剛に尋ねた。
「もー、これってなんなんですか!」
「Wow、わかりませんか?ブッキー」
チッチッ、と指でやりながら金剛が答える。
「例えば、Closedな部屋に閉じこもって出てこない人がいるとしm」
直後、
『話の途中で悪いが、島風捕獲して来たぞ』
「ちょっとー、降ろしてよー」
道人が、ヴェントで島風の襟首を掴んで連れてきた。
「ありがとうございます今すぐ出航しましょうコレイジョウヘンナカンジニナルマエニ」
『目が血走ってるぞ吹雪。…あと、この会場は片づけたほうがいいんじゃないか?』
鬼気迫る表情で迫る吹雪に道人が詰め寄られた所で。
『…あ、そういや秘書艦かその辺に伝えときたいことあったわ。片付けて待っててくれ』
そう言うと、吹雪の返事も聞かずに道人は飛んでいった。
数分後。
『窓から少し邪魔するぜ』
「急に来るな。せめてノックをしろ。
…で、なんの用だ?」
道人は長門の私室にいた。
『事後報告になるが、さっき小型のアンノウンがいた。
で、警告して応答が無かったから撃墜した』
「航空機か?何かそいつに不審な点は?」
『航空機だ。不審だらけだが強いて言うと、そいつに近づいたらレーダーも無線も急に死んだ。
撃墜したら直ったが…』
「一応書いておこう。以上か?なら戻れ」
『おう。…その辺の人形、いかがな物かと思うがな』
そう言い残して、物を投げつけられる前に道人は退散した。
そして吹雪達と合流し、作戦海域へと向かった。
しかし、物事が都合良く行くばかりな筈は無く。
作戦海域まで半分と言った所で、鎮守府から通信が入った。
それを読んだ全員が、絶句した。
『鎮守府が現在人型機動兵器の攻撃を受け被害あり。至急ヴェントフリーダムは迎撃に戻れ』
金剛達は、鎮守府が攻撃され、被害を受けている事に。
吹雪と道人は、人型機動兵器という事に。
[人型機動兵器、って事は、ヴェントフリーダムみたいなの、ってことですよね…?]
【そうだな。
…さっきのアンノウンとも関係あるのか?】
[アンノウンって、どうしたんですか?]
【…悪い、後で話す。長くなりそうだ】
道人が強引に話を終わらせると、吹雪はやや戸惑ったようだったが、諦めたようにブレスレットを外し、
「お願いします!」
叫び、放り投げる。
直後に、ヴェントフリーダムが展開されると、身体を得た道人は、鎮守府へと向かった。
少し時間を遡る。
唐突だった。
爆発音と共に鎮守府の電探が沈黙した数秒後にはマントを纏った謎の敵機が侵入していた。
すぐさま数人の艦娘が侵入した敵機を包囲しようとするが、その敵機がスラスターを焚いて飛び回るので包囲できず、逆に敵機が拳や蹴りで艦娘の艤装を破壊していく。
やがて、艤装を破壊された艦娘の数が2桁に達した時。
高速で接近した緑の機体が、勢いのままにマントの敵機を蹴りつける。
衝撃で吹き飛ばされた敵機は、その勢いに加えてスラスターを焚いて加速しつつマントを投げ捨てる。
そのマントを被る羽目になり行き足が一瞬止まる緑の機体ーヴェントフリーダム。
その隙に距離をとって着地したのは、赤い機体。
先制したのは赤い機体。
両肩のビームブーメランを抜き放ち、ヴェント目掛けて投げつけた。
それに対し、道人は左手のスピアを2発放ち、撃ち落とす。
その爆煙を突き破り、赤い機体が飛び出した。
咄嗟にスラスターを吹かせ、上昇して強引に離脱する。
赤い機体の放った斬撃は、ヴェントが直前に飛び上がった事で空を切る。
それを眼下に見ながら、道人はスピアを連射する。
ビームシールドでそれを防ぎつつ、赤い機体は背中のユニット-リフターを射出した。
リフターは大きく迂回すると、機首のビーム砲からビームを放った。
道人はそのビームを沈み込む事で回避しつつ、スピアをリフターへ向ける。
直後、真下から放たれたビームが左手のスピアを貫いた。
舌打ちする間もなく、リフターがビーム砲を縮めて代わりに展開した衝角からビーム刃を発振、翼のビームブレイドも起動させ、突進してきた。
直前に展開したビームシールドで受けるが、防ぎきれない。
ビームシールドを突破したビーム刃が、ヴェントの右腕に突き刺さる。
やむを得ず右腕をパージしてから腹部のカリドゥスを放ち、右腕ごとリフターを破壊する。
眼下を見ると、赤い機体も高度を上げてきた。
それに対し、翼のバラエーナ、腹のカリドゥス、腰のνクスィフィアスのビーム砲を構えて砲撃する。
赤い機体はいっそ鮮やかな機動で回避すると、両手のライフルを連射した。
その一発が、ヴェントの左足に命中し、吹き飛ばした。
バランスが崩れ、OSが補正するのを待たず道人はスラスターを切った。
そのまま降下する事で赤い機体をやり過ごすと、スラスターを再始動させ、左手でビームサーベルを抜く。
くるり、と反転した赤い機体の反応は間に合わせない。
当たる。そう思った。
しかしながら、赤い機体の蹴りによってヴェントの左腕は切断されてしまった。
見れば、膝と爪先を結ぶようにビーム刃が形成されている。
そして、赤い機体は両手のライフルを投げ捨てビームサーベルを抜く。
直後、ヴェントの両翼と頭部が斬り飛ばされた。
そして、残骸と称していいヴェントが落ちていく。
無残に破壊されたヴェントに対し、赤い機体は武装の消耗のみ。
そして、轟音と共にヴェントは墜落した。
それを興味なさげに見下ろした赤い機体は、反転すると海の方へと飛び去った。
それから、ほんの少しだけ後。
波止場では、変わらず睦月が座り込んでいた。
今日も如月の帰りを待っているのであった。
だが唐突に、人の気配がした。
『…時間も無いから簡潔に済ませるが。
お前さんに渡すものがあってな』
その気配の主、黒いボディスーツの人影は、どこからか封筒を取り出して、睦月に差し出した。
だが、睦月は海の方を向いたまま振り向かない。
それを見て、人影は再び口を開いた。
『…なんとなくわかってるんじゃないか?それが無駄な事だって』
「…貴方に何が分かるんですか」
その言葉に、睦月は反応した。
怒気と、若干の殺意を込めて。
「どこの誰とも知れない、大切な人を亡くした事もないような人に、何が分かるっていうんですか!」
ソイツの方は一切見ずに、睦月は叫んだ。
それを聞いて、ソイツは口を開く。
『なんだ、死んだってのは自覚してるのか』
「ッ!」
言われた直後、睦月は歯を食い縛り、振り向きざまに殴りかかった。
特に慌てずに、ソイツは下がって拳を避けた。
そして、口を開く。その直前。
「ただいま、睦月ちゃん」
不意に、睦月が背中を向けている海側から声が聞こえた。
振り向いた睦月の目に飛び込んできたのは、ボロボロになった吹雪の姿。
「吹雪ちゃん!?怪我は…?」
「うん。…全然、平気だよ」
「良かった、帰ってきてくれて…。
ほら、早く休まないと。風邪引いちゃうよ?」
「睦月ちゃん…!」
吹雪が、睦月を抱きしめた。
「吹雪、ちゃん…?急に、どうしたの?」
睦月が困惑したように尋ねるが、吹雪は無言で抱きしめ続ける。
「吹雪ちゃん…、痛いよ」
吹雪は何も話さず、抱きしめ続ける。
「…放して。もう、やめて…」
吹雪は変わらず何も話さず、睦月を促す。
「だって、痛い。
すごく、胸が、痛いんだよ…」
心の内を打ち明けた睦月の心は、ようやく『如月は帰ってこない』という事を受け入れた。
いつのまにか消えた黒い男を気にもせず、二人は人目も憚らず泣き続けた。
そして、翌日。
吹雪が朝に目を覚まして上のベッドを確認すると、睦月がいない。
「…吹雪ちゃん」
そう思った直後、後ろから声が聞こえた。
振り向くと、カーテンを開けている睦月の姿。
「…おはよう」
「…うん、おはようっ!」
ごく普通の挨拶が、久しぶりに交わされた。
オマケ1
睦月と吹雪が埠頭で泣いていた頃、川内は埠頭から少し歩いた林の中にいた。
しばらく林の中を歩いていくと、不意に視界が開ける。
そこにいたのは、睦月と途中まで話していた黒いボディスーツの男。
「…なんか、ありがとね。睦月と話してくれて」
『会話はドッジボールだったがな。
それに、立ち直る決定打はアイツだろう。
…というか、何故ここが分かった?』
「ちょっと上から水偵で」
会話をしてはいるが、黒男と川内は知り合いなどではない。むしろ今日初めて会ったのだが、やけにのほほんとした様子で会話している。
「…ところで、あの赤い機体に乗ってたのって君だよね?」
『まぁそうだ。ついでにいうとアータルは武装が減ってるがこの距離でお前一人なら殺せる』
「あはは、勘弁。
…艤装しか壊してないあたり、殺す気は無かったって事だよね?」
『まぁ殺す気は無かったが…。
それ以前に注文があった。
艦娘本人は傷つけない、てのがな』
そう言い残すと、黒男は赤い機体-本人曰くアータル-を展開すると、スラスターを吹かせて飛び去っていった。
…去り際にビームサーベルを投げつけて、頭上を旋回していた零式水偵を撃墜して。
オマケ2
工廠にて。
「ど、どうしたんですか道人さん!」
『あぁ、吹雪か。
いや、赤い奴に刻まれちまってな』
…吹雪が叫んだのも無理はないだろう。
今、ヴェントは右足と胴体しかなく、
周りに切り飛ばされた両翼と頭部、左腕が転がっているのだ。
『とりあえず待機状態に戻す』
道人がそう言うと、ヴェントが一瞬光り、吹雪の左腕にブレスレットとして戻った。
[道人さん、大丈夫なんですか?]
【ヴェントがやられても俺が負傷する訳じゃない。ヴェントの方は知り合いに頼むさ。…こっちじゃヴェントは多分修復しきれんしなぁ。元以上の性能にならなきゃ赤い奴に勝てそうもない】
道人はやや自嘲気味に呟いた。
オマケ3
帰投したその機体を、ハンガーに預けながら乗っていた黒男は呟いた。
『しっかし、何か忘れてる気が…』
奇しくも同じ頃、自室で睦月も呟いた。
「何か、忘れてるような…」
『「…あ」』
異なる部屋の中で、二人の言葉が重なる。
『「…封筒忘れてた」』
「「封筒?」」
鎮守府では、吹雪と夕立は首をかしげ。
「なんで渡し忘れるのよ!」
『メットあるけどレンチはやめろ!?』
黒男は、少女にレンチでぶん殴られた。
ちょっとオマケをつけてみました。
オマケ1は黒い人と川内の会話。特に意味は無いけれど。
オマケ2は吹雪と道人の会話。
会話自体はヴェントが大破した当日にあった物。
追記
オマケ3。
本編で黒男ごといつの間にか消えた封筒の話。
一応黒男は最初に取り出してますが、渡すタイミングを逃したので持ち帰ってたらしいです。