太陽に吼えろ、転輪する勝利の一振り   作:サンマ味のヨーグルト

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何かムラムラしたので書きなぐりました。汚いですが賢者タイムに入ると何故か糞みたいな文が更にクソカスになるんですよね。


プロローグ

 

 

 

閑散としているが、それ以前にのどかの一言が先に出るような何処か王宮の庭園を彷彿させる広大な庭。日光が燦々と差しており、水が滴る植物達はきらきらと日光を反射し輝いている。

赤、白、若草色を含んだ色とりどりの草花らは見る者を魅了する鮮やかなコントラストを描いている。ここまで見事な光景が広がっているのはひとえに庭師の見事な腕前だろう。心を安らかに、そして心躍らせる色づきを綺麗に揃えているのにはどのような者も感嘆の意を吐き出すだろう。

 

しかし無粋な者はいないとは限らない。

庭園の中央、草花をあくまでメインにあまり目立たせない色をしているが、一際草花を彩らせる鮮やかさを演出する舞台装置の役割を果たすガーデンチェア。

そこに二人の青年が座っていた。

 

一人は黄金を残す髪色をした眼鏡を掛けた青年。一目でハンサムと断定でき、婦女子を魅了する甘いマスクは腰に下げている物々しく物騒な物が台無しにしている。

一見腰やわらかに見えるが自分の意思を頑固に貫き通し、他人に迷惑を掛け続けるだろう。

彼は白磁のポットから紅茶を注ぎ、口に付けている。

もう一人目は片方の青年と同じブロンドの髪色をしている。多少くせっ毛だが彼の均整の取れた美麗な顔立ちは婦女子を同じく魅了するだろう。彼もまた腰に物騒な物を下げているので台無しになっているが…。

 

くせ毛の青年が優雅にカップをソーサーに戻し、器が小さく音を鳴らす。一息つき深く深呼吸をし口をゆっくりと開く。

 

「…………。では、貴方は行くのですか?」

 

「ええ、ルフェイも連れてきますよ。ここに放置していても彼女の才能埋もれさせるだけですから」

 

 

青年の確認するような問いに金髪の青年はまた簡素に答えた。くせ毛の青年は確かに。と口角をわずかに上げた。

二人には気品のようなものが漂っていて、二人の教養の良さが見て取れる。

 

「貴方も来ませんか?ここにいても過去の栄光を誇示するだけのこの家に貴方を置いて行くのは危険、というよりも先祖返りの貴方を種馬なり散々利用させられるだけでしょうから…。友人として心配しているのですよ」

 

眼鏡の青年が心配するように片方に進言している。そう言われた青年は眉を困ったように下げた。まるで子犬である。

 

「ハア………。人が危惧していることをあっさりと……。まあルフェイがその立場になりかねない所を私が強引に引き受けたので悔いはないのですが……。人の傷口に全力で山芋を擦りこむような真似は止してください…」

 

「山芋ですか、言い得て妙ですね。自身が責任を取ると示したのに対し、未だに未練を持っていて悶えているのは本当の事ですし」

 

「ネチネチと陰険ですよ、王になるのならば清濁併せ持つくらいにならないと……いえ、私は裏切りを許しません。ただ濁った部分を利用してリサイクルしなさいと言っているだけです」

 

「私は王なぞ目指してはいませんよ。家が王を盲執しているだけです。……初代の御仁は徹底的に裏切りを許してはいなかったと伝承にはありましたが貴方は多少変質しただけで殆どを受け継いでいるのですねロリコン。婚約者が年上だと知ってから毎日日記に呪言を書きなぐっているのを私は知っているのですよ」

 

「ハハハ、情報源はルフェイですか。ええ、それがなにか?人の好みは千差万別。私が喩え年下で巨乳の女性が好みだからって後ろ指差されることはありませんよシスコン。貴方がルフェイの部屋に人知れず忍び込んで日記を読みふけっているのは知っているのですよ。エレインから聞きました。残念ですね。エレインからの好感度が下がりましたよ」

 

 

笑顔で互いに毒を吐き合った後。静かに、音を立てずに空にしたカップをソーサーへ戻し、二人はゆっくりと、示し合わせたように立ち上がった。

そして庭園の草花が円を描くように広がっているレンガの広場まで並び歩き、中央付近に立ち止まった。二人は静かに向き合い猛火の如く闘気を高めた。

最初に初めるのは、何回も、何十回も、何百回も繰り返した問答の口上。最初はいがみ合いで相手が最も嫌がる罰ゲームを決める決闘だったが、互いに友情が芽生えてからは互いの望みを確かめ合う為の決闘、儀式となった。

 

 

「いつも通り、この条件でいいですね。私が勝てば貴方は私に忠誠を誓い、本当の臣下となる。そしてルフェイとの関係を終わらせてもらいます――――――――よろしいですね、“ガウェイン”」

 

「ルフェイとの関係は義兄妹としか言いようがないのですが……ええ、まあ了承しておきましょう。貴方が本当に私の王、主足り得るのか、ここではっきりとしましょう。では私の条件ですが、私が勝てば新作の料理を食べてください。ルフェイに言っても家のメイドに言っても心底嫌そうな顔で遠慮されましたから――――――――なので“アーサー”。貴方が残さず責任を持って片づけてください」

 

それは心底罰ゲームですね。と苦虫を噛み潰したような顔で荘厳なるオーラを振り撒く西洋剣を持つアーサーと呼ばれた青年はガウェインと呼ばれた青年に対し一分の隙もない構えを見せる。この呼吸すらも感じさせない立ち振る舞いは彼を強者だと素人目からでもわかる。

 

対しガウェインはまるで日光を集めるように輝く、“そこ”にある思わせる日輪の如きオーラを振り撒き、青いラインが入った西洋剣をアーサーに向けて構えた。

 

「………聖王剣ですか。ペンドラゴン家の国宝とも言える現代に残存する聖剣が何故貴方の手に?国庫に厳格な封印と共に安置されていた筈ですが」

 

両者の間には目の前の敵だけを倒す、という常人なら卒倒する威圧感をぶつけ合う空気の中、訝しい目線をガウェインはアーサーに向けるがアーサーは空気を断ち切り、悪戯が成功したとばかりに笑顔で肩を竦めた。

 

 

「ええ、“偶々”聖王剣が私を担い手として選定しまして。協力して封印をすり抜けました。封印が厳重過ぎるのも玉に瑕ですね。誰にも気づかれてはいない」

 

「聖王剣コールブランド…。次元を切り裂く程の力を持ち、その力は上級悪魔ですら掠る事は致命的、と謳われていましたね。流石はアーサーと言った処でしょうか。耳が痛いですが封印されてきた地上最強の聖剣に選ばれ、所持するとは称賛に価します…………しかし」

 

 

 

「――――――サー・ランスロットと並び、円卓の『太陽の騎士』と謳われたこのガウェインに、我が日輪の刻(正午)に戦いを挑む事は聖王剣を手にしたとしても勝てる道理は無いと知れ!!」

 

 

「最強の聖剣使いという目標に於ける最大の障壁、日輪の輝きを失墜させるのという大業。ここで背負わせてもらいます!」

 

 

 

アーサーは聖王剣を、ガウェインは地上に残された数少ない本当の聖剣の一つ転輪する勝利の聖剣(エクスカリバー・ガラティーン)を振るい切っ先を突き付けた。そして

 

 

 

「「いざっ!!」」

 

 

 

―――――刹那、発生した風圧に草花は吹き飛び、遺された瓦礫が両者が激突した鮮烈さを物語った。

 

 

 

      ◆

 

 

 

 

「あの、お兄様、それにガウェイン様。何故ボロボロなんですか?」

 

 

ルフェイは困惑していた。昨日突如家を出奔すると衝撃発言をした兄を追いかけ、同行する事に決めたルフェイだったが、出奔する当日、作戦時刻の深夜に集合する場所に待機していたのだが張本人はいつも愛用していたスーツをズタズタに切り裂かれボロボロの服装となっていたのだ。そして出奔には関わらないと推測していた親戚の義兄、ガウェインもその場に現れたからだ。

ガウェインも例に漏れずいつも愛用していた【I love japan わて日本好きやねん】と描かれたTシャツとチノパンが獣に引き千切られたかのような無残な姿になっている。その下に何も着ていなかった為か古代ローマの人のように半裸になっていた。

ガウェインに対し淡く憧れ抱いているルフェイは困惑しながらも頬を赤らめ、目を逸らすふりをしながらも半裸のガウェインの胸筋をちらちらと注視していた。

 

「おっと…。失礼。婦女子には刺激が多すぎましたね。みだりに裸を晒すのはデリカシーが足りませんでした。見苦しい物を見せた事に、どうかお許しを」

 

「い、いえいえ。此方こそ此方こそ。寧ろご褒美と言いますか、あのその……」

 

「………………そろそろ…………行きましょうか……」

 

ルフェイが異性に対し耐性が無く、自身の裸に対し恥ずかしがっていると誤解したガウェインは流れるように謝罪した。ルフェイの反応が羞恥では無く好奇だと気づかないガウェインは、鈍感だと言える。

初心で純粋な妹を魅惑させる罪人を咎める様に睨んでいるアーサーは眼鏡を震える手で位置を直し二人を急かし始めた。

 

 

「諒解、ですが脱出と言っても手段は…………ああ、聖王剣ですか」

 

「ご名答。この時の為に時期を見計らい聖王剣を盗もうと画策していましたが、前倒しになったのもひとえに選定されたお蔭ですね。脱出手段は聖王剣で次元を斬り、そこから次元の狭間を移動し違う場所へ移ります」

 

「アーサーとルフェイは何処に行かれるのですか?聖剣使いと言っても当ても無く彷徨うわけではないでしょう?」

 

「ふむ……。そうですね。まずは新たに継承されたデュランダル使いにでも挨拶に行きましょうかね。それから適当に強者を探す旅になりますね」

 

「やはりというか、そうなりますか……」

 

デュランダル以降は行き当たりばったりというアーサーの無計画さに眉を顰め、肩を落とすガウェインだったが、何となく理解していた為呆れは少ない。幸いしっかりしているルフェイが同行している為アーサーが野たれ死ぬことは無いだろうと予想し。納得させた。

 

「あ、あの!……ガウェイン様は私…お兄様に同行しないんですか?」

 

アーサーとガウェインの会話を邪魔しないように控えていたルフェイだったが悲しいというよりも寂しがるというような潤んだ瞳をガウェインに向けて身を乗り出した。自身を慕ってくれた妹分が寂しがっていると思ったガウェインは、ルフェイに言い聞かせるように優しい声音で断った。

 

「ルフェイ。私もそれが嫌なのではありません。アーサーが掲げた目標があるように、私にも私なりの目標が見つかったのです。大丈夫、人生はまだ長い。暫く別れるだけです。またすぐ会えるようになりますよ」

 

ルフェイの両肩を掴み、再会はいずれ叶うと言い切ったガウェイン。ルフェイは涙ながらに頷き、ガウェインに餞別のプレゼントを渡した。これはペンドラゴン家に残るガウェインの幸せを願い贈る別れのプレゼントだったが、予想外にガウェインも便乗し逃げる為、再会を願う餞別となった。

ルフェイから贈られた品は防刃、防弾の魔法以外の魔法も含まれ、魔改造された灰色のトレンチコート。

そしてアルミフレームで補強された黒塗りのアタッシュケースだった。これはアタッシュケース内部に異空間収納の魔法が掛けられており、聖剣を空港で没収されることを防いだり抜き身で剣を持ち歩き通報される心配が無くなるだろう。

ルフェイはペンドラゴンの家の中でも歴史上最も魔法に対し才能が顕著に現れていた。アーサーとの決闘で負う負傷に後遺症が現れないのも、ルフェイの回復魔法のお蔭と言える。無ければ今頃アーサーとガウェインは腕の一二本は欠損している筈だ。彼女ならば歴史上に存在する偉大な悪魔達にも契約が取れるだろう。

魔法使いにとって高名な悪魔との契約は一種のステータスだ。高名な悪魔と契約した事を魔法使いに広めれば、畏敬の念と共に彼女に教えを求める者が現れ、彼女の栄光を引き立たせるだろう。彼女が偉大な先達に弟子入りする推薦状になる事もできる。

 

ガウェインはズタボロのシャツを脱ぎ捨て、隠しておいた服装に身を整え、上にトレンチコートを上に着替えた。アタッシュケースには【転輪する勝利の聖剣(エクスカリバー・ガラティーン)】を収納し準備を完了させた。アーサーは異空間に仕舞っていた新たなスーツに身を包みガウェインを静かに待っていた。

 

「……では、聖王剣で次元を切り開きますが、ガウェインは何処に行くのですか?」

 

「そうですね、フランスにでも観光しましょうか。ガイドブックは無駄に私室に溜めておいたので。いい加減実物を見たくなりまして。それ以降は諸国を漫遊する予定です。ドイツでソーセージを食べに行くのもいいですね」

 

ガウェインは当面の目標を呟き、顎を擦りながら回答する。アーサーと同じく無計画なのだが、彼は気づいていない。これも天然と言えるのか言えないのか。

 

 

アーサーは頷き、聖王剣を虚空に斬り上げた。何もない虚空に、肉を切ったようにいつの間にか切れ目が出現し、奇奇怪怪な光景が広がる空間が向こう側に見え見え始めた。これがグレートレッドの住処、次元の狭間なのだろう。

 

 

「では、暫しの別れです。アーサー。ルフェイの事をちゃんと見てあげてください。ルフェイ。身体に気を付けてください。礼節を忘れてはいけませんよ。レディとしての嗜みを忘れることは英国淑女として失格ですからね」

 

ガウェインは次元の切れ目に身を移し、そう言い残した。聖王剣が無ければ次元から抜け出せないと思われるが、アーサーはしっかりと出口までを切り裂き、穴を空けているので問題は無い。

 

「では、次に会う時は、罰ゲームの新作料理をご馳走する時ですね」

 

「ガウェイン”兄様”、さようなら!」

 

「……覚えていましたか……ならば次に勝てるようになっておきますので、油断などはしないように」

 

 

手を振り、別れの挨拶を終えた瞬間、入り口に相当する空間が閉じられた。突然の事なので少々驚愕したが、ガウェインは悲観することも無く出口までの道を歩き始めた。

 

 

黙々と歩き続けるガウェインは、これからの指針について思案していた。

 

 

(さて、古ぼけた老害共が跋扈する家からはいい機会に脱出出来ましたし、これからは私が計画していたアレを進める時が来ましたね。ええ、長年悶々としていましたがアーサーがアレで助かりました。アレが戦闘狂でなければ本当に家に従い彼に仕えなければなりませんからね。これもアーサーがアレなお蔭です。ルフェイと離れるのは苦渋の選択でしたが彼女も私の計画にとって展開によっては障害となり得る。故に言い聞かせましょう。離れておいてよかった、と)

 

ガウェインの進める計画、それは

 

 

 

(―――――――――年下で巨乳な少女に、我が主となっていただき、生涯を共に……いえ仕える事です!)

 

そう、男では無く女、年下で巨乳な少女に仕える事だったのだ。アーサーがシスコンであるように、ガウェインの性癖はロリ……年下で巨乳な少女に性癖が傾いているのだ。ルフェイは有望株であったが、今の胸は成長途中。光源治の如く待つのも一興だったが、ガウェインはそこまで辛抱強くない。アーサーの眼が光っていて露骨に行動できないという状況もあり、外に漫遊し理想の主人を探すことにしたのだ。主を見つける為ならば堕天使や悪魔にだって魂を売る事を辞さない覚悟である。

 

 

(さて、まずはフランスに行きますが、理想の主は見つかりますかね)

 

ガウェインの、主を求める旅が今始まる…………。

 

ガウェインの主となるのは、果たして一体誰なのか……!

 

 

 

 

 




・ガウェインくん
17歳のむっつりすけべ。転生者だがそんな描写特に必要ないので書かない。神様は関わっていないのだから。

原作は始まっていないよ。一誠はまだ中学三年くらいかな。

【転輪する勝利の”聖剣”】を持っているが【転輪する勝利の”剣”】じゃねえのか、ニワカのカス野郎。と思われるfate警察も多いでしょうがここはHSDD世界。
真名開放もなければ星の息吹たるビームエクスカリバーは無いんで。聖王剣がアーサー王が使っていた聖剣とされているので返還したんじゃねえのかよ。ビームじゃなくてオーラの奔流で敵を粉砕したり次元を切り裂いたりできるのかよ。とか
伝承にも身に付けていると傷を受けない魔法の鞘があるのにこの世界では存在すらわかっていない不思議世界ですから。

故に不思議空間の影響を受けて不思議機能を付けられたガラディーンを聖剣として名前を変えました。ガウェインにもとんでも機能を搭載しておりますがナイショだお


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