確かNARUTOという世界~余り知らない転生記~ 作:ドクロ水晶
―俺はこの世界を知っている…―
「ゼェ……ハァ……ナルト好き嫌いしないで…いっぱい食べて……大きくなりなさい…お風呂には毎日入って温まる事。それと、夜更かししないでいっぱい寝る事。」
―確か俺が10歳の頃…13年くらい前の人気だった漫画だ。友人の杉山くんが漫画好きで色々教えてくれたっけ―
「それから…お友達を作りなさい。たくさんじゃなくていいから、本当に信頼できるお友達を数人でいいの」
―主人公は忍者で名前はうずまきナルト。チャクラっていうのを使って闘ったりするシーンや感動するシーンもある凄く熱い漫画だって言っていたっけ―
「母さんは苦手だったけど、勉強や忍術もたくさんやりなさい。…ただし、得意不得意は誰しもある事だからあまり上手くいかなくても落ち込まないでいいからね。アカデミーでは先生や先輩を敬いなさい。」
―尾獣って奴がいてそれが主人公に封印されてるとかも聞いたな、確か九尾だったような…―
「それと大切なこと…忍びの三禁について、特に、お金の貸し借りには気をつける事。任務金はちゃんと貯金すること。お酒は二十歳になってから。飲み過ぎては体にさわるからほどほどにすること。」
―ははっ…母ちゃん俺もう23だぜ?酒くらい大丈夫だって!……………違う、俺の親は事故で死んだ。施設で育った俺に親はいないはずだ…―
「それと三禁で問題なのは女。母さんは女だからよく分からないけど、とにかくこの世は男と女しかいないから、女の人に興味をもつようになるけど、変な女に捕まらないでね。母さんのような人を見つけなさい。
それと三禁といえばもう1つ、自来也先生には気をつけなさいってばね!」
―酷く頭が痛い…それに身体もまるで自分の身体じゃないようだ。…それにこの人達は誰だ?何故俺のことをナルトと呼ぶ?俺は、俺の名前は………俺の名前は何だ?―
「ナルト………これから辛い事苦しい事いっぱいある…自分をちゃんと持って!そして、夢を持って!そして、夢をかなえようとする自信を持って!!」
―俺は誰だ この状況は何だ 何故赤ん坊になっている この人達は誰だ 何をしようとしている この滴り落ちる物は血か 父ちゃんと母ちゃんは何故死にそうになっている 二人の腹を貫いているのは何だ 獣の腕か あそこにいる狐の爪か あの化け狐は何だ あれは九尾か 九尾を封印するのか 一体どうやって 其処にいる死神を使うのか どう封印するのか 俺の身体に埋め込むのか 何故俺なんだ …そうか―
「もっともっともっともっと…いろいろなことを一緒に教えてあげるのに……もっと一緒にいたい!!…愛してるよ………」
―俺は『うずまきナルト』になったのか。何故だかこの考えがひどくしっくりとくる―
「ミナトごめん!!私ばっかり…」
「良いんだ。…ナルト!父さんの言葉は、口うるさい母さんと同じかな…」
―二人共そんな悲しそうな顔しないでくれ…俺一生懸命生きるから!二人の言った事守るからさ…だから心配しないで―
「八卦封印…!……クソッ!チャクラが…足りない……このままじゃ僕たちの意識が遺せない…!」
―チャクラ?足りないのなら俺のを使ってよ!…どれくらいか判らないから取り敢えず一杯!―
ゴオォーーー!!!!
響くような音と共に辺りに風が吹き荒れる程のチャクラがナルトの身体から溢れ出してきた。
「…凄い量のチャクラだ!ハハッ流石は僕たちの息子だ!これなら陽のチャクラもよく馴染むだろう……それにもしかしたら意識だけじゃなく少しなら魂も……!」
―チャクラを出したら眠たくなってきた…二人の声が少しずつ遠くなっていく―
「………出来た。そろそろ限界かな…?ごめんねナルト…君の中で眠りにつくよ…ナルトが強くなってくれる事を願っているよ…そうすればきっとまた会えるから。…だからまたね僕たちの息子………。」
―分かったよ絶対強くなるから…必ず会いに行くからだから待っててくれってばよ…父ちゃん…母ちゃん―
こうして俺は眠りにつき、気付かない内に本来の『うずまきナルト』と『前世の俺』の意識は完全に混ざりあった。
そして俺は『NARUTO』の世界に転生した