Fate/symphogear   作:彼方陽樹

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今回で第2話となります。大変お待たせしてしまいましたね。今回は士郎視点となります。バトル描写はきっと第3話で出来..................ればいいなあ(遠い目)


#02 変わらない日常

士郎side

 

 

「・・・・・・ぱい、・・・・・・て・・・・・・さい。」

 

 

 そんな優しい声を聞いて、目を覚ます。目を覚ますとは言うけれど、実際のところはまだ微かに夢の中に微睡んでいた。しかし、人間であればそんな経験は幾度となくあるはずだ。

 

 

「先輩、起きて下さい。」

 

 

 二度目の呼びかけでようやく微睡みの中から目を覚ます。目を覚まして、まず目に飛び込んで来たのは、少しばかり古めかしさを感じる土蔵だった。目の前には俗にいうガラクタと呼ばれる類の鉄パイプがあった。どうやら、昨夜から行っていた強化の魔術鍛練の途中で寝落ちしてしまったらしい。それは、暗にまだ自分が未熟であることを突き付けられた気分になるが実際その通りだろう。何せ俺は、切嗣から強化という魔術の基礎しか教えてもらっていないのだから。

 

 

 8年前に起きた未曾有の大火災(・・・)。その折りに『士郎』という名前以外の全てを失った俺を引き取ってくれたのは自らを魔法使いだと名乗り、俺の養父となった男、衛宮切嗣だった。

 

 

 切嗣はあの火災の中、懸命に生きている人を探し回っていて、生存者がいる事を信じ続け、そして命の灯火が消えようとしていた子供の俺を見つけた。それは一体どれほどの救いをもたらしたのだろう。その時の切嗣の表情は、まるで救われたのは俺ではなく切嗣なのではないかと思ったほどに。

 

 

 ある時、切嗣は魔術の一端である力を俺に見せてくれた。それに魅せられた俺は、切嗣に魔術を教えて欲しいと言った。すると切嗣は「魔術を教えるわけにはいかない」とその一点張りだった。それでも、何度も俺が無理に頼み込んでくるものだから切嗣は仕方なく強化の魔術を教えてくれた。切嗣曰く、

 

 

「強化は魔術の基礎だけど、それゆえに極めるのが難しいんだ。だから強化を極めることが出来たら、それ以外の魔術を教えてあげるよ。」

 

 

 とのことであり強化以外の魔術を教える条件だった。そして同時に、1つの約束をした。それは「人前で魔術を使ってはいけない」というものだった。切嗣曰く、

 

 

「魔術は決して一般人に認知されてはいけないんだ。認知されればされるほど、その力は神秘性を失って弱くなっていくものだからね。だから、魔術師は魔術を隠匿して決して人の目に触れられないようにするんだ。だから、人前で魔術を使わないって士郎には約束してほしい。例え大河ちゃんの頼みであったとしてもね。ちゃんと約束出来るかい?」

 

 

 と言って俺は頷いて約束をした。その日から、俺は強化魔術の鍛練を始めた。しかし結局、強化以外の魔術を教わる前に、3年前に切嗣は亡くなってしまった。でも、その前の切嗣とのやりとりはよく覚えている。切嗣がかつて抱き、そして失った『正義の味方』という夢。子供っぽい夢だけれど、それでも、子供の俺はその夢にひどく憧れていた。あの火災の中、俺を救ってくれた切嗣の姿を見た時から、俺は切嗣の様に誰かを助ける人になるのだと思っていた。だから、『正義の味方』という夢を俺が切嗣の代わりに叶えると、あの満月の下で約束した。その時の切嗣の顔は、ひどく安心したような、もう救われてもいいんだというような、そんな安堵に包まれた優しいものだった。

 

 

 それから数日のうちに切嗣は亡くなった。不思議と悲しくはなかった。こうなるんだろうなと覚悟していた。だから、俺に出来ることは生前の切嗣の教えを守り、ただひたすらに鍛練をすることくらいのものだった。

 

 

 そんな思いを頭の隅っこにひとまず置き、俺を起こしてくれた後輩、桜に礼を言う。

 

 

「起こしてくれてありがとな、桜。どうもまた、この土蔵の中で寝ちまったみたいだ。」

「先輩、夜更かしも程々にして下さいね?大会も近いんですから、体調もしっかり整えて下さらないと良い結果を残せませんよ?」

「ああ、気を付けるよ。藤ねえは?」

「藤村先生なら、まだ来ていませんよ。」

「そうか。じゃあ悪いんだけど、俺は顔を洗って着替えてくるから桜は先に朝食の準備をしててもらってもいいかな?」

「はい、分かりました先輩。」

 

 

 年相応の可愛らしい笑顔を浮かべ、後輩である桜は居間に向かって歩いていった。彼女が居間に入ったのを確認してから、額に右手を当て俺は1つの言葉を唱える。

 

 

「ーーーー同調(トレース)開始(オン)

 

 

 そう唱え、自身の体の状態を確認する。脳、血管、内臓、骨の順で体を確認していくが特に異常は見つけられなかった。恐らく、昨夜の鍛練はそれなりに成功していたのだろう。

 

 

 ふと、桜のことを思う。彼女は半年ほど前から我が家に出入りをしていて、弓道や料理を教える間柄にまでなった。仲良くなったきっかけは、確か桜が俺に話しかけてきたのが最初だったと思う。その時の桜は、顔は可愛らしいのにどこか虚ろな目をしていて体はやせ細っていた。そんな姿が痛々しくて気付けば、「なあ、俺の家で一緒に飯でも食べるか?」と聞いていた。それほどその時の桜は見るに堪えなかったのだ、だからそんな事を聞いたのかも知れない。その日から桜は我が家に来るようになり、料理も最初はおにぎりすらまともに作れなかったのに、今ではまだ多少の危なっかしさこそ残るもののかなり上手になってきている。現に、こうして準備を任せられるくらいにはなっているのだから料理の腕は同年代の女の子の中ではかなり上の方にいるのかもしれない。

 

 

 

 そんなことを考えながら、顔を洗い終えると自室へ行き、学校指定の制服(衣替えの時期なので夏服)に着替える。自分が通う中学校は、冬木市から少し離れた町にあるところだ。とはいえ、さほど遠いわけでもないので7時半に出れば十分に間に合う。身支度を終えると鞄の中に今日の授業で使う教科書とノート、筆箱を入れて、最近藤ねえに連れられて新都にあるケータイショップで契約したスマートフォン(世間ではスマホの略称で呼ばれている)を手に持って居間に向かう。居間を開けると、桜が卵焼きを作っているところだった。砂糖を入れた少し甘めの匂いが鼻腔をくすぐり、食欲を刺激するがそれを抑え手に持った荷物を自分の席の後ろに置いて桜の方へ向かう。

 

 

「桜、どこまで終わった?」

「えっと、今、この卵焼きを作って二品目が出来上がるところです。」

「一品目は何を作ったんだ?」

「ほうれん草のおひたしです。」

「分かった、じゃあ俺は鮭を焼いておくよ。あとは味噌汁も作っておくから、桜は卵焼きを作り終わったら漬け物を小鉢に入れてご飯をよそってくれるか?」

「はい!」

 

 

 そう指示を出して、冷蔵庫を開ける。冷蔵庫の中から鮭と味噌汁の具材として豆腐と長ネギを取り出す。その間に桜は卵焼きを作り終えて、卵焼き用のフライパンがあったところに、鍋を置き水を張って昆布を入れ火にかけてくれたようだ。こういう細やかな配慮は、作業を円滑に進めるためには必要不可欠だと俺は思う。

 

 

「さて......。」

 

 

鮭の両面に塩をひとつまみほどかけ、フライパンに油をひき、それをキッチンペーパーでフライパン全体に行き渡るように拭き取ってやる。それから、鮭の皮を上にして焼いていく。鮭を焼いている間に長ネギを斜めに切り、豆腐を手のひらの上で一口大の四角に切る。鍋を見やるともうすぐ沸騰を始める頃合いだった。鍋から昆布を取り出しすと同時に沸騰が始まったので、鰹節を入れ1分ほど煮立たせる。煮立ってきたら鰹節を掬って取り出し、豆腐と長ネギを鍋に入れ八丁味噌を溶き蓋をして鮭を焼いているフライパンへと向き直る。すると、ちょうどピーッと炊飯器からご飯が炊き上がった音が鳴る。それと同時に、玄関の方からドタドタと走る音が聞こえてきた。それは聞き違えることなどありはしない冬木の虎の来訪を告げていた。

 

 

「おっはよー!士郎!桜ちゃんもおはよう!」

「おはよう、藤ねえ。もうすぐ出来るから座って待っててくれ。」

「藤村先生、おはようございます。」

「うむ、2人とも早起きで大変よろしい!」

 

 

 藤ねえに挨拶をしながら鮭をひっくり返し、今度は鮭の皮の面を下にして焼いていく。藤ねえこと藤村大河は切嗣が生きていた頃からの付き合いであり、切嗣亡き今は俺の後見人として高校の教師をしながら俺のことを見守ってくれている。半年ほど前から当たり前となったこの光景も、きっと俺1人では成し得なかったかもしれない。藤ねえのその太陽のような明るさがなければ、桜ともここまで仲良くなれなかったのかもしれないと考えると藤ねえには感謝の言葉しか出てこない。そんなことを思いながら、鮭の皮がパリッと焼きあがる。それを皿に盛りつけ、味噌汁の鍋の蓋を取ると、豆腐と長ネギが入った味噌汁がいい具合に煮立っていたので火を止め椀によそう。それらを盆に乗せ、藤ねえと桜が待つテーブルに運んでいく。順に配膳が終わり、自分の席に腰を下ろす。

 

 

「それでは!いただきまーす!」

「「いただきます。」」

 

 

 藤ねえの言葉を合図に食事を始める。いつも通りの朝が始まった。

 

 

「あ、そうだ!士郎と桜ちゃんに渡すものがあるんだった!」

 

 

 藤ねえが突然思い出したかのように叫ぶ。その声に少しびっくりして、味噌汁をこぼしそうになるが何とか持ちこたえた。しかし、いきなりどうしたのだろうか?

「藤ねえ、渡すものって一体何さ?変な物なら受け取らないからな?」

「うーんとねえ......。」

 

 

 そう言って、鞄の中にある何かを探していた。そして、それを見つけ取り出した。その手に掲げられていたのは2枚のライブチケットだった。しかし、俺と桜は一体何のライブチケットなのか皆目検討もつかない。何より、藤ねえにそんな趣味があったことに、桜も、そしてそれなりの付き合いである俺でさえも驚いた。

 

 

「藤村先生、それは一体何のチケットですか?何かのライブチケットみたいなんですけど......?」

「ふっふっふ、聞いて驚け。なんと!これは、あの゙ツヴァイウイング゙のファーストライブチケットなのだーっ!」

 

 

 ゙ツヴァイウイング゙ーーーーーーーー。その言葉には俺も桜も思わず反応してしまう。゙ツヴァイウイング゙は天羽奏と風鳴翼の2人組のアーティストであり、デビューからわずか1ヶ月でトップアーティストの仲間入りをし、その人気は老若男女を問わず幅広い層から支持を集めている。また、発売されている楽曲はデビュー曲を含め全てミリオン達成の偉業を成し遂げており、これだけで彼女達が如何に人気なのか分かるだろう。しかし、今まで単独でのライブは無かったのだ。そのためファーストライブの告知が為された時、公式サイトがアクセス集中でサーバーが落ちたのは言うまでもない。しかし、そのファーストライブは10万人限定でその上応募方法はハガキのみ、しかも抽選によって無作為に選ばれるとのことだった。応募期間は既に終了しているが、中間発表の時点でおよそ500万通だったとされる。俺も応募を考えなかったわけではないが、公式サイトがサーバー落ちしたのを聞き、弓道の大会が近かったことも重なり断腸の思いで応募を断念した。いや、サーバー落ちした事実はそれだけあの2人が人気という何よりの証左であり、どれだけ低く見積もっても100万は軽く越えたはずであり、それを鑑みれば断念するのは遅いか速いかの違いでしかないだろう。しかし、それでも驚きは隠せない。

 

 

「なっ・・・・・・!?゙ツヴァイウイング゙のファーストライブチケットなんてよく当たったな藤え・・・・・・。一体何通出したんだ?」

 

 

 率直な疑問を投げかける。最終的な倍率は知らないが、それでも1000倍は行っていてもおかしくはないはずだ。それをこの冬木の虎は当てているのだから、10000通とかでも驚かない自信はある。が、返ってきた答えに俺は思わず唖然とする事となる。

 

 

「えっと、確か3通だったかな?」

「・・・・・・・・・・・・はい?」

 

 

 頬が引きつる。今、この虎は何と答えた?3通と言ったのか?いや、俺が聞き間違えた可能性もある。もしかしたら、30000通かもしれないと思い聞き返す。

 

 

「藤ねえ、悪いけどもう1回言ってくれるか?」

「だから士郎、3通だってさっき言ったでしょ?」

「3通ってことは、その中の2通があたったんだな?」

 

 

 まあ、さすがにいくらこの冬木の虎でも3通全部当たるなんて事はーーーー

 

 

「え?3通全部当たったけど?」

 

 

 なんでさ。思わず心の中でつっこむ。いや、本当になんでさ。この冬木の虎はたった3通の応募で、その応募した3通全てが当たったと言っているのだ。恐らく一桁ほどの応募でも当たる人はきっと当たるのだろう。いや、それよりも恐らくいるであろう10万通書いたのに外れた人達に謝ってこいと思い、同時にもしもそんな人がいたとしたら何か奢ってやることにしようと思うことにした。まあ、流石にそんな人はいないだろう。しかし、なぜ2枚のファーストライブチケットを俺と桜に見せたのだろうか?もしかしてーーーーーと思うよりも先に、桜が口を開いた。

 

 

「あの、藤村先生?もしかしてですけど、そのチケットーーーー」

「うん、士郎と桜ちゃんにあげようと思ってさー。2人とも部活頑張ってるみたいだし、料理もこんなに美味しいし......。」

「でも、頂いていいんですか?もしかしたら弓道部の大会と日程重なってしまっているかもしれませんし、もしそうならせっかく頂いたチケットも無駄になっちゃうかもしれませんよ?」

「んー、ねえ士郎?中学校の弓道部の大会っていつだっけ?」

「確か今月の第3土曜日からだったと思うけど?」

「なら、大丈夫じゃない?このライブがあるのその1週間前だから。2人ともどうするの?ライブに行く?行かない?」

「「行く!(行きます!)」」

 

 

 俺と桜は迷うことなく即答した。

 

 

 朝食も終わり、桜と2人で朝食の後片付けをする。ちなみに藤ねえはというと俺と桜にライブチケットを渡した後、「そういえば今日、挨拶週間の校門担当だったー!?」と物凄い勢いで朝食を食べ終えると「2人とも遅刻しないようにねー!」と鞄を持ってドタバタと走って行ってしまった。藤ねえももう少し落ち着きがあればモテるのになあ......、と少しばかり思う。まあ、あれが藤ねえらしさといえばらしさなのだろう。

 

 

「先輩、お皿ってこの棚で合ってましたっけ?」

「ああ、そこで合ってるぞ。箸は棚の一番下に箸入れがあるだろ」そこに入れてくれ。

「はい、分かりました先輩。」

 

 

そんな会話をしていると鞄の上にあるスマホからメールの通知音が鳴る。時計の時刻は7時半を指している。おおよそ片付けも終わったので、タオルで手を拭きスマホを手に取る。しかし、こんな時間に来るメールなんてきっとスパムメールか或いは携帯会社のお知らせメールくらいのものだろう。そう考えて、画面を付けメールボックスを確認してみると、そこには[立花]の名前があった。そういえばあの後、美綴の提案で立花と小日向のメールアドレスを交換したんだったな......。そんな事を思いながら、件名を見ると《おっはよー!(≧∀≦)》と書いてあった。顔文字がある辺り、やっぱり立花も女の子なんだなと改めて認識する。しかし中身を見てみると、明らかに俺宛てでは無いことは分かった。女の子特有の会話文がそこには書いてあった。ブラが少しきつく感じるとか書いてあったけど俺は見てない。というか、「未来」という名前が出ているから恐らく当の本人は小日向に送ったと思っているのだろう。

 

 

 さて、問題はこの事を立花に伝えるべきか否か。言わぬが花という言葉もあるが、恐らく小日向から中々返信が来なければ不安になるのではないのだろうか?しかし、かといってこの事実を伝えれば立花はきっと自身のやったことに身悶えることになり、友人に送ったはずのメールを間違えて男の先輩に送ってしまったという事実は年頃の女の子としてこれ以上ない羞恥と言える。

 

 

 では、どうするべきか?つまりは、このメールの中身をこっそり小日向に伝えるというのが、この場合は正解と言えよう。早速、小日向に件のメールのことを伝えるためのメールを打つ。そして、送る前に本当に小日向宛てか確認する。大丈夫だ、しっかり[小日向]と書いてある。メールを送信し、ひとまず安堵の息を漏らす。これで立花が傷付く事は無くなったわけだ。

 

 

「先輩、どうかしたんですか?」

「いや、なんでもない。それより桜。片付けは?」

「全部終わりました!」

 

 

 両方の腕で桜はガッツポーズを取ってみせる。妹がいたら、きっとこんな感じなんだろうなあ・・・・・・。そういえば、もう1つ問題があった。

 

 

「なあ、桜。チケットはどうする?自分で持っておくか?」

「どうしましょうか・・・・・・。」

 

 

少しの逡巡を経て、桜は答えた。

「・・・・・・じゃあ、先輩、私の分のチケットも持っててもらっていいですか?」

「別にいいけど、どうしてだ?自分で持ってた方が万が一俺が忘れても行けるだろ?」

「そうしたいんですけど、兄さんが・・・・・・」

「ああ・・・・・・。かにそれなら俺が持ってた方がいいな。」

 

 

 桜の兄である間桐慎二は、俺や桜と同じ弓道部に所属であり俺の親友である。また、゙ツヴァイウイング゙の大ファンであり、自分から聞かれてもいないのに゙ツヴァイウイング゙の応援隊長を日頃から名乗っている。しかし、その愛は本物で゙ツヴァイウイング゙の全楽曲をそれぞれ違う店舗で予約し購入しており店舗毎の特典を全て購入している筋金入りのファンというわけだ。それに、一体いくらかかっているのかは知りたくもないし、知ったらきっと俺の慎二を見る目は憐れみか、もしくは慈愛に満ちたものになることだろう。そして、もし桜がチケットを持っていると知れたらきっと力ずくで奪い取る可能性が無いと言い切れないので、俺が持っている方が安全だろう。

 

 

「じゃあ、チケットは俺の部屋に保管しておくから、そろそろ学校に行くか。」

「はい、先輩。あとこれ、お弁当です。」

「もしかして、桜が作ったのか?」

「はい............ダメ......でしたか?」

「いや、助かるよ。いつもは俺が作ってるのに俺が寝坊しちゃったからな。ありがとな、桜。」

 

 

 俺は鞄に桜のお手製弁当を入れて、鞄を左手に持ちスマホをズボンの右ポケットに入れて、玄関を出て、家の鍵を閉める。

 

 

「じゃあ、行こうか桜。」

「はい!」

 

 

 俺達は連れ立って中学校まで歩き始めた。

 

 

「衛宮せんぱ~~~い!」

 

 

 通っている中学校の前まで着いた時、後ろから俺を呼ぶ声がしたので振り返る。振り返ると、俺達のところにまっすぐ走ってくる立花と少し離れたところに小日向がいた。しかし、立花が顔どころか耳まで真っ赤に染めているのは何故だろうか?それに、小日向が焦った顔をして立花を制止しようとしているのはなぜだろうか?しかし、その先を考える事はなかった。顔を真っ赤に紅潮させた立花が俺の元に走ってきて、そして、

 

 

「衛宮先輩のバカ~~っ!!」

 

 

 身に覚えのない罵倒を飛ばされ、力加減を全くしていない本気の平手打ちが俺の顔を目掛けて放たれた。

 

 

「なんでさっ!?」

 

 

 上体を後ろに反らせ、ギリギリのところでその平手打ちを避けき......れずにわずかに鼻先を掠めた。

 

 

「ちょっと!避けないで素直に受けて下さいよ!」

「ちょっと待て!せめて理由を聞かせろ!理由を聞かなきゃ、何で平手打ちを食らうのか分からないから!な?」

「うるさいです!乙女のそれを盗み見たくせに!」

「先輩?何をしたんですか?」

「ちょっと待ってくれ、桜、絶対に誤解してる!俺はやましいことは何一つとしてやってないし、やった覚えもない!だから、その笑顔はやめて下さい!心なしか凄く黒いから!」

「じゃあ、どうして響ちゃんは怒っているんですか?」

「それは・・・・・・」

 

 

 思い出せ、俺!ここで思い出さなきゃ、確実にやられるのは明白だ!しかし、心当たりなんて本当にないぞ・・・・・・。くっ、どうする!?このままじゃ何か大事なものも失う気がする!そんなことを考えていたら、いつの間に追いついていた小日向が助け舟を出してくれた。

 

 

「もう、響!あれは衛宮先輩じゃなくて、響が原因でしょ!」

「でも、未来っ!きっと衛宮先輩、私のメール全部読んでるよ!」

「メール?」

 

 

 その立花の一言に桜が反応した。その姿は心なしかどす黒いオーラを纏っているかのように錯覚した。いや、錯覚であってほしい。しかしメールって、まさか今朝の間違いメールのことなのか!?

 

 

「そうなの、桜ちゃん。響がね、寝ぼけてたのかは分からないけど私宛てに送ったメールを間違えて衛宮先輩のところに送っちゃったの。その事を衛宮先輩が私にメールで教えてくれて、私が響にその事を教えたらああなっちゃって・・・・・・。」

 

 

 どうやら今朝の間違いメールで正解のようだ。しかし、あれは立花のミスであり俺に責任はあまりないような・・・・・・?

 

 

「じゃあ、先輩は悪くないの?」

「まあ・・・・・・、そうなるのかなあ・・・・・・?」

「いや、何でそこで疑問系なんだよっ!?小日向、そこははっきりと否定してくれよ!」

「それはそうなんですけど・・・・・・。あの、衛宮先輩は響のメールの中身って見たんですか?」

「え?ああ、見たぞ。昨日、初めて会ったばかりなのに次の日の朝にメール送ってくるなんて結構立花って社交的というかアグレッシブなんだなあって思ってさ。まあ、中身を見て「女の子ってこんなこと話したりしてるのか・・・・・・、でも送った相手って俺じゃなく小日向だよな?」ってすぐに分かったけど・・・・・・っ!?」

「・・・・・・・・・・・・衛宮先輩、言うことはそれだけですか?」

「お、落ち着け立花!俺は別に、立花の胸が大きくなってブラがきつくなったこととかまた少し太ったとかそんな事は知らないからなっ!?」

 

 

 言い終えた時既に遅く小日向と桜の顔は血の気を失っていた。即座に俺は自身の犯した過ちを理解する。なぜなら、立花が肩をわなわな震わせていたからだ。小日向が出してくれた助け舟を、俺は自らの手で破壊したようなものなのだ。ここで誤魔化すべきところを俺は彼女でも何でもない、昨日知り合ったばかりの後輩の女の子のメールの中身をまだ登校してくる生徒達がいる前で暴露したのだ。それが、年頃の女の子にとってどれほどの辱めなのか俺が知る由なんて無く。後悔や懺悔をする前に、俺は左頬に激しい痛みを感じて「痛って!?」なんて短く声を上げ、立花が大声で言い放つ。

 

 

「衛宮先輩のバカっ!変態っ!女の子の秘密を盗み見てバラすなんて最低ですっ!」

 

 

その言葉を残して、立花は行ってしまった。小日向はそれを追いかけながら、俺に対し「後でちゃんと謝らせますからーっ!」と言いながら行ってしまい俺と桜が2人に取り残される形となった。それにしても周りの視線が痛い、特に隣にいる桜の視線がそのまま誰かを呪い殺せるくらいに痛い。立花が残していったとてつもない爆弾発言は、事情を知らない人からすれば「後輩の女の子の秘密を公然の場で暴露し、その後輩から平手打ちを受けて罵倒される先輩」という図である。・・・・・・・・・・・・うん、状況を客観的にみても当事者である俺が考えてもどう見たって俺が悪い。少し早足で下駄箱へ向かう。さすがにあの視線の弾幕の状況を受け入れられるほど、俺の精神は図太くないし喜ぶような変態性を持ち合わせてなどいない。後ろから「先輩が変態でも、それはそれでいいかな・・・・・・」なんて桜が呟いたのなんて聞こえてない。

 

 

桜と2階の踊場で別れて、俺は3年5組の教室へ向かう。教室の後ろの扉を開き、一番右端の4番目の席つまりは自分の席に座る。しかし心なしか視線が痛い。なぜだ?と思ったがクラスメイトの話の内容に耳を立てると今朝の立花とのやりとりが原因らしかった。というか、ついさっき起きた出来事がここまで広がっているなんて情報化社会ここに極まれりといったところだ。なんて考えていたら、美綴から声をかけられる。

 

 

「なあ衛宮、今朝の話って本当・・・・・・みたいだね。」

「え?」

「え?じゃないよ。だって、ほっぺたに大きな紅葉が咲いてるもの。鏡で見てきたら?」

「立花のやつ、本当に手加減してなかったのかよ・・・・・・。」

 

 

 まあ、むしろ今朝のやりとりのどこに手加減をする余地があるのかという話なのだから仕方ないと受け入れる。

 

 

「ははっ、こりゃ、話は本当かな?」

「一体どんな風に伝わってるんだよ・・・・・・。」

 

 

 当事者としてはそこが気にならないわけがない、どういう風に伝わってるのかによっては俺の残りの学校生活は日陰に徹することになる。

 

 

「えーとね、確か「後輩の女の子の弱みをバラして脅迫してたらその子から平手打ちされた先輩がいるらしい」って。もしかして後輩って響ちゃんの事でしょ?」

「ああ、確かに立花だけど・・・・・・、いくら何でも尾ひれ付きすぎだろう!?つか、そこまでやってないし脅迫ってどこから付いたんだよ?!」

「で?実際のところはどうなのさ?」

「いやまあ確かに今朝、立花から小日向宛てのメールが俺に届いて、そのことをこ小日向にメールして伝えたらついさっき校門で立花から今朝のメールの中身を見たかどうか問いつめられて半ば自爆する形で白状したら平手打ち食らって罵倒されたけども、そもそも立花が間違えなきゃこれは起こらなかったわけで・・・・・・。」

「まあ、でもあんたも悪いと思うよ?少なくとも大勢の人が行き交うところで女の子の秘密を悪意無くばらしたことは1回謝りに行くべきだと思うけどね・・・・・・。おっと、先生が来ちゃったからあたしは席に戻るね。」

 

 

 そう言い残し、美綴は自分の席に戻っていった。確かに一度、俺も謝るべきなのかもしれない。立花に心の傷を与えてしまったのかもしれないのだ。俺に出来ることなら何でもしよう。そうだ、今日の夕飯に立花と小日向を呼ぼう。それで許してくれるとは思わないけど、でもやらないよりはマシなはずだ。昼休みあたりにでも話にいくか。そんな事を考えながら、いつも通りの喧騒に溢れたホームルームが始まった。

 

 

「さて、と・・・・・・。」

 

 

 昼休みに入り、俺はスマホを取り出す。メールを起動し、立花宛てのメールを作り送信する。中身はどうということはない、今朝のやりとりについて謝りたいから武道館に来てくれないか?という絵文字などを使わないシンプルな内容を作り送信した。鞄の中から弁当を取り出して、武道館へ向かおうと席を立とうとしたところで肩に後ろから手を置かれる。誰だと思い振り返ると、そこにはこの世の終わりだとでも言い出しそうな今にも死にそうな顔をした慎二がいた。

 

 

「衛宮ァ~~・・・・・・。僕の話を聞いてくれよォ~~・・・・・・。」

「その話って、もしかしでツヴァイウイング゙のファーストライブチケットが当選しなかったとかそういう話か?」

「ふふふ・・・・・・。あ、そうだよ、当たらなかったんだ・・・・・・。必死になって10万通も書いたのに1枚も当たらないなんて、誰だって普通思わないさ

・・・・・・。」

 

 

 唖然とする。ごめんな、慎二。俺もまさか、うちの虎が3通応募して3通とも当選してるなんて思わなかったよ。まさか、朝考えていたことがこうも当たると同情と謝りたい気持ちが湧き出てくる・・・・・・。今度本当に何か奢ってやろう。

「まあ、なんだ、その、なんか悪いな・・・・・・。今度なんか奢ってやるよ。」

「・・・・・・衛宮?まさかとは思うが当たったなんて言わないよなァ?10万通送って当たらなかったこの僕を差し置いて、当たったなんて言わないよなァ?」

「いや、俺は応募してないぞ。サーバーが落ちたって話を聞いて、大会も近いしすぐに諦めたからな。ただ、知り合いが2枚当選しててさ、普段から世話になってるからって言って、そのうちの1枚をおすそ分けしてもらったんだ。」

 

 

 実際のところは3枚だが、それを言ってしまえば慎二が余計に死にそうな顔をしてするんじゃないかという予感がしたため、俺と桜がもらったチケットの枚数を教えると慎二が驚きと怒りが混じった表情で俺の方を見る。

 

 

「なッ・・・・・・!?おい、衛宮ッ!まさか、行くつもりじゃないだろうなッ?!」

「大会の1週間前だし、息抜きにそいつと行こうかなって思ってるけど・・・・・・。もしかして、行きたいのか?」

 

 

 慎二が沈黙する。もし、行きたいと言うなら俺が藤ねえに相談するのもやぶさかではないのだがーーーー

 

 

「・・・・・・・・・・・・いや、やめておくよ。きっと後で、ライブDVDとか出るだろうし、僕はそれで我慢することにするよ・・・・・・。」

「本当にいいのか?俺がその人に掛け合えばーーーー」

「いいって、そんな事されてまで行きたくはないし、自分で勝ち取った物だから意味があるんだ。だから衛宮、僕の分までしっかり応援してきてくれよな?」

「それでーーーー」

「いいんだよ、バカ。そんな事より頼んだからな!下手な応援したら、この僕が許さないからな!」

「ああ、分かった。しっかり応援してくるよ。」

 

 

 慎二とそんな約束を交わし、教室を後にする。武道館に着くと、既に立花となぜか小日向と桜がいた。立花が重々しく口を開く。

 

 

「・・・・・・人を呼び出しておいて随分遅かったですね?」

「友達に呼び止められてな、対応してたら遅くなった。」

「・・・・・・・・・・・・えっと、その、衛宮せんぱーーーー」

 

 

 立花が話すよりも速く、俺は頭を立花に向かって下げる。

 

 

「今朝は悪かった!俺のせいで立花に恥ずかしい思いをさせちまった・・・・・・。反省してるから許してくれないか?なんなら、しばらくの間、立花言うこと何でも聞くからさ。」

「えっ・・・・・・」

 

 

 立花が困惑の声を上げる。小日向と桜も俺の突然の行動に声に出さずとも目を白黒させている。

 

 

「いえっ、あのっ、何で謝ってるんですか?謝らなきゃいけないのは、私の方なのに・・・・・・。」

「美綴に、今朝のことを聞かれてさ、ことの顛末を話したらお前も悪いんじゃないかって言われてな・・・・・・。色々考えて、俺なりに立花に対しての誠意を示したつもりだ。これでもまだダメなら、立花が許してくれるまで土下座でも何でもするよ。」

「・・・・・・分かりました。そこまで言うなら、許してあげます。それからーーーー」

 

 

 立花が深呼吸をして、俺に改めて向き合うと俺に対して頭を下げてきた。

 

 

「私もごめんなさいっ!衛宮先輩は何も悪くなくて、むしろ本当は私が悪いのに、全部、衛宮先輩のせいにしちゃって・・・・・・。」

「それこそ立花が謝る事じゃない。けど、それは俺も同じなんだから、これでおあいこだな。」

「そう・・・・・・なんですかね?」

「そうさ。それより、皆まだお昼食べてないんだろ?弓道場の中で食べようか。」

 

 

 うちの弓道場は弓道の施設が近くに無いため、合宿でも使われることが多い。そのため、料理を作るための設備が最低限整っている。俺はキッチンに向かい、電気ポットの電源を入れ、急須に緑茶のパックを入れる。来客用の湯呑み2つと俺と桜の湯呑みを取り出し、お盆に乗せる。電気ポットからカチッとスイッチの音が聞こえ、お湯が沸いたことを確認する。急須にお湯を注いで蓋をして蒸らし、急須を4つの湯呑みが乗ったお盆に乗せて3人が座って待っているテーブルに運び、俺は桜の真向かいに座る。座ったところで、急須を手に持ち蓋を押さえてお茶をそれぞれの湯呑みに注ぎ、4人揃って「「「「いただきます」」」」と唱和し各々の弁当箱を開けて食べ始める。

 

 

 しばらくして、立花と小日向が俺と桜の弁当箱の中身を交互に見る。何か変な物でも入っていただろうか?普段は俺が作るのだが、今日は俺が寝坊したのもあって、弁当の中身は桜が全て1から作ったものである。主菜と副菜の配分は悪くないし、彩りも赤・黄・緑とバランスもいい、強いて言うなら、まだ少し野菜の切り口が不格好ということ以外は非の打ち所はないが何がそんなに気になるのだろう?

 

 

「どうした、2人とも?俺と桜の弁当に何か変な物でもあったか?」

「あっ・・・・・・。えっと、その何で衛宮先輩と桜ちゃんのお弁当の中身が一緒なのかなーって思って・・・・・・。」

「何だ、そんなことか。桜は半年くらい前からうちに来てるんだけど、普段は俺が作ってるんだけど今日は俺が寝坊しちゃってさ。代わりに桜が今日は全部作ってくれたんだ。」

「えっ、全部作ってくれたって・・・・・・。もしかして桜ちゃんって、朝から来てるんですか!?」

「そうだけど・・・・・・。それがどうかしたのか?」

 

 

 俺がそんな反応を返すと、立花と小日向は目を見合わせた。俺は、何かおかしなことでも言っただろうか?それはそれとして、俺は立花と小日向の顔を見ながら話を切り出す。

 

 

「そういえば、立花と小日向って今日の放課後に何か予定とかあったりするか?」

「私は部活とかやってないですけど・・・・・・。未来、今日って陸上部あるの?」

「ううん、今日はお休み。だから放課後は特に予定は無いよ。」

「そっか、それなら良かった。」

「あの、良かったってどういう・・・・・・?」

「2人とも、良かったら夕飯に来ないか?特に立花には恥ずかしい思いさせちゃったしさ・・・・・・。ダメかな?」

 

 

 立花と小日向はうーんと小さく唸りながら考え始め、桜はぽかんとした顔で俺のことを見つめる。少しして、2人とも答えを出したようだった。

 

 

「私は未来が来てくれるなら、行きます。」

「私も響が来てくれるなら・・・・・・。」

「じゃあ、決まりだな。一応、親御さんが心配するかもしれないし連絡入れとけよ?」

 

 

 2人は「「はーい」」と返事をして、再び箸を動かし始める。何がどういう事なのか分からずぽかんとしていた桜も、箸を動かそうとするがすぐにピタッと止まった。

 

 

「あの、先輩?兄さんが何かしてきませんでしたか?その・・・・・・」

「ああ、ライブのことだろ?慎二には、桜のことは話さないで枚数だけ言ったんだけど、そしたら「僕の分まで応援してこい」って頼まれちゃったよ。」

「本当にそれだけですか?他に何かしてきたりは?」

「桜が心配するようなことは何もないよ。心配してくれてありがとな。」

「あの、もしかしてライブっでツヴァイウイング゛の・・・・・・?」

「そうだけど、それがどうかしたのか小日向?」

「いえ、私も2枚当たって響と一緒に行こうって話をしてて・・・・・・。」

「だったら、俺達と一緒に行くか?藤ねえに許可さえもらえば大丈夫だろうしさ。」

「「藤ねえ?」」

 

 

立花と小日向が声を重ねながら首を傾げる。本当に仲が良いんだなと思いながら、藤ねえについて話す。

 

 

「藤村大河って言うんだけどさ、小さい頃から世話になってる人で、本当の家族じゃないんだけど俺にとっては家族みたいなものなんだ。親父が死んでからも俺の面倒を見てくれててさ、高校の教師やりながらなんて大変だと思うのに............。゙ツヴァイウイング゛のライブチケットも藤ねえが3枚当たったから、そのうちの2枚を俺と桜にくれたんだよ。」

「へえ~............。優しい人なんですね、藤村さんって。」

「ああ、優しいよ、藤ねえは。まあ、ちょっと子供っぽいところもあるんだけどな。」

 

 

 なんて談笑を交わしてお昼を食べ進める。後輩3人の話を聞きながら、楽しみながら。ふと、思う。こんな楽しい気持ちで食事をしたのなんて一体いつぶりだろうか?多分、切嗣が生きていた時以来じゃないだろうか?それはきっと、立花や小日向、そして桜のおかげなんだろうな。藤ねえのおかげも無いわけじゃないけど、でも今の俺がこんな気持ちでいられるのも3人のおかげなんださかな改めて実感する。立花も小日向も昨日会ったばかりなのに、こんなに気持ちにしてくれるのはある意味では、俺があの2人の関係が羨ましいと感じているからなのかもしれない。

 

 

 なんて事を柄にもなく思いながら、今日の夕飯のメニューを考える。何せ今日は、立花と小日向が来るのだ。腕によりをかけて2人に振る舞ってやろう。けれど、藤ねえに2人が来ることを伝え忘れ、藤ねえに2人との関係を問いつめられることになるのだが、それはまた別の話だ。




如何でしたでしょうか。まさか第1話から3倍近い量になるとは正直なところ思いませんでした(汗)。投稿する前に推敲するんですが、その度に、「ここ、こうじゃないか?」と思って書き換えたりしてたら、いつの間にか一週間経ってました(苦笑)。第3話は出来れば2月中には出したいなと思います。第3話でようやく、ツヴァイウイングが出せるはず!(フラグ)また、第3話終了時点で本作の設定を出せればなと思います。では、次回。
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