ニセコイ Another story 俺と楽の波乱万丈な日常!? 作:覇王神 ゾディアーク
第39話です!!ようやく、クリスマス編
完結です!!
「高級ホテルのスイートルームだよ!!」
えぇええええ!?いやいやいや、待て待て!?
「ちょ!?兄貴!どういうつもりだよ!?」
俺は兄貴の腕を引っ張って呼び止める。兄貴はその直後すぐさま俺の方に振り向く。
「あ〜もう!時間がねぇのに!!じゃあお前も一緒に来い!!理由がわかっから!!」
兄貴が非常に焦燥に駆られた表情をしている。
冬場というのに額には汗が流れ落ちている。
突然桐崎をスイートルームに連れて行くなんて言うからびっくりして頭が回らなかったけど、
冷静に考えてみれば、兄貴に限って己の欲望の為にリムジンで汗水垂らしながらホテルに連れて行くなんて事はまずしないと思う。
それに、桐崎の母ちゃんには物申したかったしな。一言言ってやりたい。
「分かった・・!」
俺と桐崎と兄貴はそれらの会話の後、リムジンに乗り込み、例のホテルに向かった。
*ーーーーー
「クッソ!こんな時に!!」
最悪である。俺たちはリムジンでホテルに向かったのだが、雪による大渋滞に引っかかってしまったのだ。これだと何時間もかかることは確実だ。
「しょうがない!兄貴!ここにある自転車借りていこう!運良く2台あるしな!」
俺たちが丁度降りた場所は駐輪場の近くだった。
「よし!すいやせん!!後で必ず返しますんで!!」
兄貴は桐崎を後ろに乗せて、一気に走り出す。
俺もそのあとに続く。
「あんたがさっき言ってたホテルってママが言ってたことのやつでしょ?行かないわよ私!なんであんたなんかと!」
「そこで華さんがお前を待ってんだ!!」
「え?ママが・・?なんで・・・・」
「華さんは誤解するような事一杯言ってたけどお前の事大切に思ってたんだよ!!!!」
やはりそういう事だったか・・・。俺は兄貴が汗水垂らしながら桐崎を迎えに来た理由がわかった。やっぱ兄貴はかなりのお節介焼きである。
「そんなこと・・・そんなこと信じられるわけ無いでしょ!!」
「桐崎!!だから言ったろ!!兄貴は絶対にお前の母ちゃんに会わせてくれるって!!これでもまだ信じてくれねぇのか!?偶には兄貴や俺の事を信じろよ!!!!」
俺は先陣切って走っている兄貴の自転車の後ろから声をあげて桐崎にそう言う。
「・・・・・」
それが心に響いたのか、桐崎は静かになり、静かに兄貴の事を後ろから抱きしめた。
*ーーーー
「はぁ!?いない!?」
「はい・・・雪の影響で飛行機が早まったとの事で・・・」
まさかの事態。もう既に桐崎の母ちゃんはチェックアウトしていた。でもまだ間に合わないわけでは無く、ここであきらめるような俺たちなんかじゃない。
「じゃあ空港だ!!急ぐぞ!」
俺たちはすぐさま、自転車で空港まで自転車で駆け出した。
*ーーーーー
「どぉおおおおりゃああああ!!!!」
俺と兄貴の自転車は空港の航路に通じるフェンスを強引につきやぶり、中に進入した。
でも、俺と兄貴の目には飛行機が既に離陸している光景が浮かんでいた。まだだ・・・・まだ諦めない!!
兄貴は自転車を放り出し、胸元にしまってあった携帯電話を取り出し、桐崎の母ちゃんに電話をかける。
「華さん!!その仕事すっぽかしてください!!!」
『ありがとう坊や・・・。でももういいの。千棘の気持ちを知れて嬉しかったけど・・もう・・行かないと・・。』
「ちょっと待って下さい!!」
何やら少し悪戦苦闘をしているようだった。聴力に自信がある俺は携帯をみみに近づけずとも話が聞こえている。
俺は物事から逃げ続けるような人を見るとむかっ腹が立つのである。特に兄貴がここまでしてくれているというのに、仕事のせいにして、自分の娘から逃げるようなことは尚更である。
「兄貴。ちょっと携帯貸してくれ。」
俺は兄貴から携帯を受け取り、自分の肺に思いっきり酸素を取り込む。
「そうやって仕事のせいにして・・・!!何度も何度も何度も何度も逃げて・・・!!本当はビビってるだけなんだろ‼︎‼︎‼︎いい年こいて逃げてんじゃねぇぞ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎仕事と自分の娘がどっちが大事かよく考えろ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」
スッキリした。ようやく言いたいことを言えた。俺はそのまま桐崎に携帯を渡す。
「お願い・・・お願い・・・!!ママ!!!」
桐崎の母ちゃんに対する思いのこもった桐崎の一言。これでもまだ逃げるようであるのなら相当のビビリである。
飛行機は先ほどまで一直線に進んでいたのだが、急遽方向転換。飛行機の顔側が俺たちの方に向いた。そのまま俺たちの方向に近づいてくる。これ・・・避けないとヤバいよな・・・?
俺たちは俺たちに突っ込んでこようとする飛行機の進路方向から避難する。
そして、飛行機は見事に着地。その後飛行機のドアから桐崎の母ちゃんが外に出てきた。
「千棘・・・!」
「ママ・・・!」
「ねえ・・・千棘・・私・・私・・私の事・・・まだ・・・好き?」
「・・・・好きだよ・・。怖いけど、全然会ってくれないし・・全然私の事見てくれないし・・・何考えてるか全然わかんないし・・ついでに言っちゃえば超怖いけど・・・好きだよ!!」
「・・・!!」
桐崎の言葉に涙腺のダムが崩壊したのか、桐崎の母ちゃんは涙目を浮かべる。それに、桐崎の母ちゃん以上に桐崎はボロボロ涙が出ている。
「千棘・・・!!」
「ママ‼︎‼︎」
「「うわぁあああん‼︎‼︎‼︎‼︎」」
「ごめんね・・・!!えぐっ・・ごめんね千棘‼︎」
「ママ・・!!うわぁあああん!!」
お互い体同士を抱きしめ合い、大粒の涙を流す。今まで溜めていた思いが一気に爆発したのだろう。話は移動中に全て兄貴から聞いたが、
お互いこういうことに関して不器用だったということだったようだ。そう思うと似たもの親子だなとしみじみ思う。
「華さん。長話はこの場所じゃ冷えます。俺は会社に戻って出来る限りの後始末をしておきます。華さんはそいつとホテルでゆっくり過ごしてくださいね。」
「俺も手伝うぜ?俺だって首を突っ込んだわけだしな。」
兄貴はそう言って、ホテルのスイートルームの鍵を桐崎の母ちゃんに投げ渡す。兄貴はこの後すっぽかした仕事の後始末をする必要がある。
兄貴だけだと何時間かかることやら・・・そう思うと心配なので手伝うことにした。
「全く・・格好つけすぎよ坊や。」
「いいでしょ別に・・・まぁ・・・メリークリスマスって事で。」
「だな。」
俺たちはその後すぐに会社に戻り、後始末をしていたが思っていた以上に手強く、たかが一回仕事をサボっただけで、何百の抗議の電話がかかっていたことやら・・・。やっぱ世界をまたかける女社長は凄えやと改めて思うのだった。
*ーーーー
翌日、俺たちは桐崎の母ちゃんを空港で見送りに行くのだった。俺たちはあのまま会社のオフィスで眠りについてしまっていたみたいだが、
朝眼が覚めると会社のオフィスにはなぜか桐崎が居て驚いた。しかも、兄貴は桐崎の膝の上で寝ていた。この一年全くいろいろ驚かされる出来事ばかりである。
「ありがとう坊や達。攻守ともにこんなに助けられるとは思わなかったわ。10年前千棘と遊んでた小さな子たちがこんな風に再開するなんて思ってもいなかったわ。」
「え?じゃあ華さんも10年前に?」
「数日間だけね。貴方達のことはよく覚えてるわよ?」
「じゃあ、このペンダントの事何か知りませんか?俺たちちょっと当時のことを思い出したいことがあるんですけど、思い出せなくて・・。」
兄貴は胸ポケからペンダントを取り出し、桐崎の母ちゃんに見せる。しかし、桐崎の母ちゃんは一瞬顔を顰めるもすぐに表情がもどる。
「ごめんなさい。私にはちょっとわからないわね。」
「そうですか・・・。」
「ねぇ坊や。こっちに来なさい。」
「え・・・は、はい。」
桐崎の母ちゃんは兄貴を呼び寄せる。
「貴方・・・千棘と恋人のふりをしてるんですってね?」
「ブッ!?し、知ってたんですか!?」
「当然でしょ?ま、最初からではないけど。」
「なら言ってくれればいいじゃないですか・・・恋人のふりをしてたのが馬鹿みたいじゃないですか・・。恥ずかしい・・。」
何やら兄貴と桐崎の母ちゃんはコソコソ話をしているが、俺には全部丸聞こえである。兄貴もバレたらヤバイと思っていたのかもしれない。
それ故にもっと気を張っていたのだろう。
「ふり・・・ね・・・。貴方の彼女に対する思いは本当にニセモノなのかしら?」
「え?それって・・・」
「じゃあね。娘をよろしく。坊や達。」
最後は桐崎の母ちゃんから意味深なことを兄貴は言われていたが、俺には全く意味がわからなかった。
俺たちは桐崎の母ちゃんを見送った後、集から一本の電話が入った。兄貴と千棘がホテルのスイートルームで一夜を過ごしたと勘違いされたらしく、何をしていたのか俺と桐崎、兄貴は質問攻めにあった。まぁ、俺も協力して誤解は解いたのだが。おかげで散々なクリスマスとなったのだった・・・。
どうでしたでしょうか?
前書きでも言ったように、ようやく
クリスマス編完結しました‼︎
さて、次回の予告です!
クリスマスの次のイベントといえば
大晦日!大晦日の回を次回書く予定です!
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次回もお楽しみに!