ニセコイ Another story 俺と楽の波乱万丈な日常!?   作:覇王神 ゾディアーク

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大変お待たせしました!
第43話です!

今回は小野寺さん視点が多いです!
そして、今回はかなり短めです。




第44話 オイシイ2

正義は鶫からチョコを貰った後、キョーコ先生から飼育の手伝いを頼まれていた事を思い出し、駆け出した。

正義も実際まさか鶫から手渡しでチョコを渡されるとは思ってもいなかった。驚きと喜びで胸がいっぱいである。

 

 

「い、一条君!!」

 

正義は背後から聞こえる声に振り向く。そこには何かを抱えた小野寺の姿があった。

 

「どうした小野寺」

 

「私!渡したいものが・・・!!きゃっ!?」

 

小野寺は正義の元へと駆け出したが、何かにつまずいたのか、転倒してしまった。

 

「お、小野寺!?大丈夫か!?」

 

正義もその事に驚き、小野寺の元へと駆け寄る。

 

「うん・・・大丈夫・・・。」

 

どうやら怪我は無いようである。内心ほっとする正義だが、完全にはホッとはできない。なぜなら小野寺は何やら落ち込んでいるのだ。それもかなり。

 

「お、小野寺?本当に大丈夫か?」

 

「大丈夫・・・大丈夫だから・・・大丈夫だからぁあああああああああああああああ!!」

 

また心配になった正義は小野寺に再び声をかけるが、小野寺は逃げ出してしまった。

 

「俺・・・なんかしたのか?」

 

正義は何が何だかわからないまま、そう呟くのだった・・・

 

 

 

*ーーーー

 

 

 

「はぁ・・・私が転んだ所為でチョコが・・・。せっかく美味しく作れたのに・・」

 

小野寺は学校の中庭で無残にも粉々になったチョコケーキをしゃがみ込みながら眺める。小野寺自身あれほどまで完成度の高いチョコレートケーキを作れたのは驚きだった。1000000回に一回の奇跡である。しかし、今となってそれは転んだ衝撃と自身の体重が相まってペシャンコになってしまった。

 

「・・・・よし!こんなところで落ち込んでる場合じゃないよね!早くチョコを作り直さないと!」

 

小野寺は落ち込んでるだけでは何もならないと

ブルーになっていた気持ちを瞬時に切り替える。小野寺はすぐさま担任に家庭科室の貸し出しを申し出ようとする。すると、見覚えのある人物が視界に入る。

 

「千棘ちゃん?」

 

「小咲ちゃん!?」

 

そう。千棘だった。

 

「何してるのこんなところで?」

 

「えっと・・・それは・・・」

 

「あっ!もしかしてそれチョコ!?小咲ちゃんが作ったの!?」

 

小野寺は不意にペシャンコになったチョコケーキを千棘から見えない角度に隠そうとするが、すぐにばれてしまった。

小野寺自身、体重でケーキを潰したということは恥ずかしくて友人にも言いにくい。ついつい隠してしまったがばれてしまったものは仕方ない。

 

「うん・・・このケーキを渡そうとしたんだけどね。」

 

「え!?誰に誰に!?小咲ちゃん好きな人いるの!?」

 

「そ、そんな大きい声で言わないでよ千棘ちゃん・・・」

 

「ご、ごめん。」

 

千棘もやはり女子であるせいかこのような恋愛話には敏感なのであろう。興奮して思わず大声をあげてしまっていた。

 

「好きな人・・・・かな?でも、私がドジ踏んだせいでケーキ渡せなくなっちゃって・・・」

 

その事を聞いた千棘は非常に真面目な表情へと変わった。小野寺のドジを笑う事もなく、ただひたすら真剣に聞いていた。

 

「・・・・小咲ちゃん。一緒にもう一回作り直そう!!」

 

「え?でも千棘ちゃん・・・」

 

「大丈夫大丈夫!!私もこれから・・・作る予定だったし・・・!!だから一緒に作り直そう!!ちゃんとその人にチョコ渡さないと!!」

 

千棘は学校や家、遊びに行ったときでもいつもガッツに溢れている。それに運動神経もよく、成績も優秀で学校の女子達からも人気が高い。

小野寺は一方千棘とは正反対で、お淑やかで大人しいため千棘同様、学校での人気は高い。

”みんなちがってみんな良い”という言葉があるが、正にそれに当てはまるだろう。

小野寺、千棘。お互い正反対の性格の持ち主だ。しかし、いい親友で居られるのはお互いの悪い面をお互いでカバーできるからである。

それゆえに、小野寺は千棘の行動力に助けられることがよくある。今回、もしかしたら挫折していたかもしれないチョコ作りを千棘は共に作ろうと提案してきてくれた。その事が非常に嬉しく思う。

 

「うん!そうだね!一緒に頑張ろう!」

 

「うん!えへへ!」

 

そして2人は家庭科室へと向かうのだった。

 

 

*ーーーー

 

 

2人は家庭科室を無事に借りることができ、心置きなく作業に取り掛かれるわけだが、問題が何箇所かある。2人の共通点としては、まず料理が壊滅的に下手なのである。

千棘はレシピを見ながら作ったとしても謎の物体を作り上げる。そして、小野寺は見た目と味が反比例した物を作り上げるのだ。そんな2人が協力しあったとしても完成度の高い物を作り上げるのは至難の技だ。何時間かかるかもわからない。しかし、それは2人も承知の上でやっていること。2人は渡す相手が帰るギリギリまで粘り、諦めずに作ればきっと奇跡が起きると信じているのだ。

 

2人は作り上げたものを何度か試食し、あまりの不味さに悶絶する事がなんどもあった。しかし、失敗を繰り返しても2人ならばその失敗を笑い合いながら楽しく作る事ができるのだ。

 

そうこうしている間に、最終下校時刻が近づいてきていた。早くしないと正義が帰ってしまうだろう。千棘はなんとかチョコを完成させる事ができたのだが肝心な小野寺はまだチョコは完成していない。

 

「ねぇ!千棘ちゃん!私の事はいいから渡しに行ってあげて!」

 

「え、でも・・・」

 

「私は大丈夫!早くしないとその人帰っちゃうよ?私はなんとかギリギリまで頑張るから!」

 

「・・・・わかった!小咲ちゃん!頑張って!」

 

小野寺にそう言われ、千棘は家庭科室を飛び出した。

その数分後小野寺は時間的にもラストになるであろう一品を作り上げた。これで駄目ならもう仕方あるまいだろう。しかし、今の小野寺にはそんな事は眼中にない。奇跡が起こる事を信じてそれを試食する。

 

「・・・!?これ・・・美味しい!!前に作ったあれよりも全然!!また奇跡が起きた・・・!」

 

奇跡が起きたのだ。1000000回に一回が再び。

しかも前回よりもより完成度が増したのだ。

小野寺自身もびっくりである。

小野寺はこれを急ぎ包み紙にケーキを包み、

急ぎ正義に向かうのだった。

 

 

*ーーーーー

 

 

 

 

 

「ほらおとなしくしろって!!マルガリータ・ド・佐藤!!噛み付いてこようとすんじゃねぇって!!!」

 

正義は飼育の手伝いに悪戦苦闘していた。

マルガリータ・ド・佐藤というのは学校で飼っているナイルワニである。マルガリータは普段は年も人間の年で言うと60歳に近いせいか、大人しいのだがどうも正義と楽には懐かないのだ。そのため、餌やりやマルガリータのお風呂は骨が折れるのである。

 

「グァアア!!」

 

「ぐっ・・・・!完全に敵意丸出しかよ・・・。全く・・・兄貴も桐崎に呼ばれて帰っちまったし俺しかこいつの世話できねぇんだよな・・・まぁ俺が帰っていいって言っちまったのがいけねえけど・・・それより小野寺どうしたんだろうな・・・帰っちまったのか?」

 

普段ら楽と桐崎で協力してマルガリータを世話しているのだが、2人は不在。正義はマルガリータの世話に苦悩していた。いくら正義でもワニに噛まれれば腕を持って行かれるだろう。

それに小野寺があの後どうなったのかも知らない。

 

「一条君!!」

 

「ん?小野寺?」

 

正義は後ろを振り向くと全力で走ってきた小野寺がいた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・間に合った・・・。」

 

「おいおい・・・そんなに息上げて大丈夫か?」

 

「・・・大丈夫。一条君なんか悩んでるみたいだけど・・・」

 

なにやら小野寺は正義に話題を振ろうとしているみたいである。なんでかは知らないが。

 

「いや・・・それがな?マルガリータがなかなか餌やりをさせてくれなくて困ってんだよ・・・」

 

「そ、そうなんだ。私手伝おうか?」

 

「え?いやいやこいつに噛まれたら大変だからやめたほうが・・・」

 

「ううん。大丈夫だよ。ほらほらほら大丈夫だよ〜。」

 

「グァ・・・」

 

小野寺がマルガリータに近づくと正義にあれほどまで敵意を向けていた事が嘘のように、大人しくなったマルガリータ。むしろマルガリータ自身が小野寺に近づいてゆく。そして小野寺がマルガリータを撫でるとすうすうと寝てしまった。その隙に小野寺は餌を補充する。

 

「すげえ・・・・」

 

「えへへ・・・はい。できました。」

 

「小野寺ってめっちゃ動物に懐かれるよな・・・。不思議だ・・・」

 

「そ、そうかな・・・?」

 

「あぁ。で、俺に何か用か?なんか急いでたみたいだけど・・・」

 

「えっと・・・これ・・・渡したくて・・・その・・・チョコ・・・。」

 

「え・・・・?ま、マジ?」

 

「も、勿論義理だよ!?義理!!でも特別な義理・・・。もしかして・・・嫌だった?」

 

「そ、そんなことねぇよ!!めっちゃ嬉しい!!ありがとう小野寺!!」

 

「良かったらここで食べてみて?美味しくできたから。」

 

「え?良いのか?じゃあ遠慮なく。」

 

正義は包み紙を広げ、ケーキを口に含む。

 

「・・・!?う、美味い!!なんだこれ!?すげえ美味え!!!」

 

「だよね!?お、美味しいよね!?」

 

「あぁ!!こんな美味いチョコケーキ初めて食ったよ!!」

 

「良かった・・・私こんなに美味しく作れたの生まれて初めてで・・・」

 

「も、もしかしてずっとこれ作ってたのか!?」

 

「うん!恥ずかしいけど・・・」

 

「悪い小野寺。俺なんかの為に・・・。今度ホワイトデーできっちり返すぜ!本当にありがとな!」

 

「う、うん//そ、それじゃ一条君!また明日!」

 

「あぁ。」

 

小野寺はそう言って正義の前からいなくなった。

 

(今までで最高のバレンタインだな。)

 

正義は最後に心の中でそう呟くのだった。

 

 

 




どうでしたでしょうか?
正義にとって最高のバレンタインになりました!

次回は久々の鶫回を予定しています!

UA数がもうじき50000を突破しそうです!
皆様には感謝感激です!^o^ありがとうございます!

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