ニセコイ Another story 俺と楽の波乱万丈な日常!?   作:覇王神 ゾディアーク

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第6話 カワイイ

(こ、こいつ・・ま、まさか・・女!?)

 

鶫との決闘で俺たちはプールに落ち、着替えるために男子更衣室にいるのだが・・・

 

鶫が男では無く”女”という事実を目の当たりにして、俺は開いた口が塞がらない。

 

(えぇえ!?だってこいつ男の制服着て・・しかも名前も誠士郎って・・・えぇ!?)

 

頭ではわかっているのだが、状況が状況で、

その事実から目を背けたいという気持ちが一部あるのだ。

 

「おーい正義?大丈夫か〜?」

 

更衣室の外には人が集まっている。

正義や鶫の心配をして来たのだろう。

 

「入るぞ〜」

 

(入る!?待て待て!?ヤバイだろこの状況!こんなの皆んなに見られたら俺の評価が駄々下がりだ‼︎)

 

「と、取り敢えずふ、服を!」

 

「く、来るな馬鹿者!!」

 

「正義!?」

 

楽がドアを開けて入ってくる・・それに続けて桐崎も入ってくる。

 

俺たちは咄嗟にロッカーの中に隠れた。

 

「何をやっているんだ・・貴様は・・。」

 

「し、しょうがねえだろ・・今のこの状況じゃ・・」

 

俺たちはロッカーの中で小声で会話をする。

 

「それよりも・・なぜ貴様と私がこんな事に・・」

 

「ゴメン・・マジでゴメン・・・」

 

俺は今まさに、女と肌と肌が密着してる状態なのだ。

 

「桐崎さ〜ん。女子更衣室にもいなかったよ。でも、なんで女子更衣室まで確認するの?」

 

「なんでって・・だって鶫女の子だし。」

 

「「「「えぇえええ!?」」」」」」

 

一斉に女子達が驚きの声を上げる。

 

「やっぱお前女なのか・・。」

 

「だからそうだと言っているだろう。貴様やっぱり勘違いしていたのか。私は昔からどうも男と間違えられることが多くてな・・まさか貴様までも私の性別判断もできんとは・・まったく不思議でならん。」

 

「でもなんで男の服を・・」

 

「動きやすいからに決まっているだろう。

あんなヒラヒラしたものいざという時に動きにくくて対応できないだろう。」

 

「わ、悪かったな・・お前が女だって事に気付いてれば・・」

 

実は正義は以前集英組の注意人物の資料を目に通していたのだが、その中に鶫の名があった。そのことをすっかり忘れていたのだ。性別も男と書かれていたので気づかなかったのだ。

 

「そのことはもういい。私もこんな姿をお嬢には見られたくなかった・・惨めだ・・貴様に負けてお嬢を守るなどと・・こんな姿でおめおめとお嬢の前に出られる訳がないだろう・・」

 

鶫の額には涙が流れ、頬が赤くなっている。

 

(こいつ・・なんだよ。さっきとまるで別人じゃねえか・・女の子だと分かると色々と罪悪感が湧いてくる・・。暗がりで、しかも息遣いまで聞こえてくるし、よく見ると所々しっかりと女の子してるっていうか・・

何考えてんだ俺はぁあああ!いっぺん死ね俺‼︎)

 

俺は頬を強めに殴って頭を横へと振り、煩悩を振り払う。

 

「じゃあ誠士郎って・・もしかして偽名か?」

 

「失礼な!本名だ!・・私は拾われた身でな・・拾い主が名付けてくれたのだが・・

 

(クロードか・・)

 

「どういう訳か拾い主は私を男だと思ったらしく、日本人の名前辞典をパラパラとめくって適当に名付けてしまったんだ。」

 

(あのメガネ・・)

 

「その上、信じられないことにあの人は10年経っても私が女だと気づいてないという・・」

 

(じ、10年!?あのメガネ馬鹿なのか!?)

 

「・・・だが、別にそんなことはどうでもいいことだがな。私はお嬢を守るという使命の為に女などというものはとうの昔に捨てている。」

 

鶫は思い詰めた表情で口にする。

 

(そう、私は女を捨て・・男にも負けないくらい強くなった筈なのに・・お嬢を守れないのならどうすれば・・)

 

そう心の中で呟く鶫だが、正義の一言によって雰囲気は打ち破られる。

 

「そりゃ勿体ねえな。せっかく可愛いのに・・」

 

鶫は一気に頬が赤く染まり、とても照れた表情をしている。

 

「ば、馬鹿を言え・・・私がかわいいなどと・・」

 

「そんなことを言われたのは初めて・・」

 

会話の途中、ロッカーに一気に光が差し込み

桐崎が目の前にいた。

 

「あ・・・」

 

「おじょ・・」

 

(詰んだぁあああ!)

 

この後、校舎内で断末魔が響き渡るのだが、

何が起こったのかは俺と桐崎と鶫しか知らない・・・。

 

*ーーーー

 

断末魔が響き渡った数分後・・

 

 

「なるほどね・・そういうことだったの?

やっぱあんたも鶫を男だと思ってたわけね。

誤解なら誤解だと早く言いなさいよ。」

 

俺は頭から血を流して倒れている。

まずは桐崎から渾身の顔面パンチを貰ったのだ。そのまま壁を突き破り、今にいたる。

生きているのが不思議である。

 

(弁解する前に手ぇ出してきたくせに・・楽はいつもこんな目に遭ってるのか・・素直に尊敬するな・・。)

 

「で、ダーリンの弟?決闘はどうなったのよ?」

 

「あぁ。えーとな・・」

 

「一条正義!私はやっぱり負けてなんて無いからな!」

 

(ありゃりゃ!?)

 

俺は心の中で素っ頓狂な声をあげる。

 

「私は戦って負けた訳じゃない!そもそもこの決闘の主旨である、貴様がお嬢を守れると言う力を示した訳じゃないんだからな!あんなものは無効だ!」

 

(素直じゃねぇなおい!さっきのは気の迷いだったのか?クソォお俺のドキドキを返してくれ・・。)

 

「貴様と一条楽の処分は保留にするが、

貴様らを認めたワケじゃないからな!?

もし、お嬢に相応しくないと思ったら

いつでも銃口を向けるぞ!覚悟してお嬢に尽くせ!」

 

「分かってるよ・・どうぞ好きにしてくれ。」

 

すると、集が走って声をかけてくる。

 

「おーい正義ー?キョーコちゃんが反省文出せってさ!プールの無断使用の件で。」

 

「分かったよ。反省文なんて五分で書き終えられるぜ。悪いな桐崎。兄貴にも伝えておいてくれ。」

 

「はいよ。」

 

正義は反省文を提出するためにキョーコ先生の所へ向かい、この場からさった。

 

「本当は私の完敗でした。」

 

「え?」

 

「あいつに言われたんです。お嬢は私が守るだけで収まるようなヤワな存在ではないと。」

 

「え?あいつそんなこと言ってたの?」

 

「ええ。信じて見守る。そういう力もあるということを教えられました。」

 

鶫は何かを得たような顔になっていた。

そう、何か納得したかのような顔に。

 

「とはいえ、やつらのことを認めたわけではありませんから!一条正義は実力は確かのようですが、足りない所も多々あります!

一条楽もそうです!」

 

「あーそう・・」

 

「それにしてもなぜ私は男に間違えられるんでしょうね?」

 

「うーん。なんでだろう?」

 

2人もやはり鈍感であった。

 

「あっ!そうだ。」

 

桐崎は何か思いついた顔で手をポンと叩く。

*ーーー

 

次の日・・・

 

朝の学校で生徒が集まっている。

なぜかというと・・。

 

「あ、あのお嬢・・一体これに何の意味が・・」

 

鶫は女の制服を着ているのだ。

とても似合っていて、周囲がざわついている。

 

「なぜ、私がこんな格好を・・。」

 

「鶫やっぱりよく似合うじゃない‼︎可愛いわよ‼︎」

 

「か、可愛くなどありません‼︎」

 

「またそういうこと・・鶫は女の子なんだからそれらしい恰好しないとね!」

 

「ひ、必要ありません。私はお嬢を守りお嬢との約束を守るためにここにいるのですから・・」

 

「ごめん、鶫。その約束ってなんだっけ?

頑張ったけど思い出せなかったの。」

 

「あぁ。やはり覚えてませんでしたか。」

「あれは私たちが出会って仲良くなり一緒にお風呂に入った時のこと。私は言いました。

「お嬢のことを守れる人になりますね」と・・」

 

(想像以上に何気ない一コマ!!)

 

「そんな約束今まで大事にしてたの?」

 

「私にとって大事な瞬間だったんです。」

 

「はぁーまあよかったわ・・10年前の約束なんて覚えてる方が大したもんだけど。」

 

「え?お嬢は・・」

 

「あ、そうだ!鶫にこれあげる!」

 

鶫は何か言いかけたが有耶無耶になってしまった。

 

桐崎が渡したのは青いリボン。花が装飾でついており、とても可愛らしい。桐崎は鶫が男と間違えられないようにとあげたのだろう。

 

「お、お嬢?お気持ちは嬉しいのですが

私にこんな女の子らしい物なんて・・」

 

「あれ?」

 

すると、荷物を運んでいる正義が通りかかる。

 

「お、なんだそのリボン。似合ってんな。

可愛いぞ?」

 

「可愛くなんてない!!」

 

(なんで怒ってんだ?褒めただけなのに。

よくわかんねえな・・女心って・・。)

 

 

一方鶫は・・

 

(もしかして、お嬢はあの10年前の初恋の相手との約束も忘れてしまっているのだろうか・・)

 

正義は家に帰り、部屋の片付けをしていた。

ダンボール、引き出しの整理をしていたら

あるものが出てきた。

 

「ん?なんか落ちたぞ?なんだこれ?ペンダント?」

 

見つけたペンダントは楽と同形のもので

楽のとはまた違う、色違いのものであった。

 

これが正義の人生が左右されることを

知る由もなかった・・・。




どうでしたでしょうか?

鶫ちゃん回やっと来ました。

早く出したくてウズウズしてましたwww

次回は正義と鶫の関係に進展!?
正義が部屋から見つけたペンダント。
それがどのように左右されるのか・・

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次回をお楽しみに!
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