ニセコイ Another story 俺と楽の波乱万丈な日常!? 作:覇王神 ゾディアーク
ピピピピッ‼︎
部屋中に響く無機質な機械音。
その音を発するものを脇から抜き、
液晶を覗く。
「38度5分・・・完全に風邪だな。
クソォ。なんでこんな休日に風邪なんか・・」
そう。学生にとって休日は至福のひととき。
そんな日に風邪を引くのは誰だって嫌だろう。
正義は今日の料理当番であり、
朝食を作って、一度呼んだのだか起きて来ず、30分待っても来ないため心配して来てみたら布団の中で震えていたのだ。
それで体温計で測った結果・・
「兄貴今日は安静にしとけ。スポーツドリンクと冷えピッタンコと水枕持ってくるから。あとでお粥作ってやる。」
風邪を完全に引いていた。
(兄貴大丈夫か?風邪引いたときは塩分と水分補給をして寝ておくのが一番だからな。
お粥の種類何にしよう・・。)
そう考えながらキッチンに向かう。
(え〜と・・冷蔵庫にあるのは・・七草・・
卵・・味噌・・)
そう冷蔵庫を開けながら考えていると
家のチャイムが鳴り響く。
「俺が出るから。」
「わかりやした。」
ウチの組員が出ようとしていたが、
それを止めて正義が玄関に向かった。
(宅配便か?それにしては早過ぎる・・)
こんなヤクザがいるところにチャイムを鳴らしてくるとなると、来客としか考えられないだろう。
「あ、おはよう。モヤシのお見舞いに来たわよ。」
「桐崎?」
お見舞いの品を持った桐崎がドアの前に居たのだ。僅かだが口を尖らせていて恥ずかしがっているようだ。
「か、勘違いしないでよね‼︎私はみんなに言われたから来ただけよ!」
「わかったから取り敢えず上がれ。」
突然言い訳を始めたが、ひとまず桐崎を家に上げる正義。そのまま楽の部屋へと案内する。
「き、桐崎⁉︎なんでここに!?」
「なんでって、お見舞いにきてあげたのよ‼︎
感謝しなさいよね‼︎」
「それよりも!あんた身体大丈夫なの?」
「あぁ、熱はあるけど心配要らねえよ。放っとけば治るって。」
「そう。なら良かったわ。」
(にしても、楽と桐崎は喧嘩の量は前よりも減った気がするな。)
正義はそう呟く。
そう、初対面時の楽と桐崎の時よりも明らかに口喧嘩が減っているのだ。
これは最早成長と言えるだろう。
「そうだ、リンゴもってきたんだけど食べる?」
「お前、本当に桐崎か?」
「うっさい!失礼ね!」
やはり、根っこの方までは変わってはいないようだが、これより先の口論まではいかない。
そういって、桐崎はリンゴの皮を剥き始めた。
「じゃ、俺は他にやることがあるんで。
ごゆっくり。」
「あ、コラ!正義!?」
「ちょっ・・あんた!」
俺は他にやる事があるので、一旦席を外した。
楽に用意する看病用の道具を持ってこないといけない上に食材の確認も終わっていないのだ。
そのままキッチンに向かおうとするが
家のチャイムが鳴り響く。
「またか・・はーいどちら様ですか〜。」
俺はそのまま玄関に向かった。そこに立っていたのは・・・
「小野寺?」
「一条君!?身体大丈夫?」
「え?俺は大丈夫だけど・・風邪引いたの兄貴の方だぞ?」
「え?るりちゃんに正義君が風邪引いたから行ってあげなさいって・・」
(宮本〜!なんのつもりだ〜?)
「ええと、とにかく家に上がれよ。」
「うん。」
とにかく俺は小野寺を家にあげ、楽の部屋へと案内する。
「おい、兄貴?小野寺も来てくれたぞ?」
「おう、おはよ。」
「おはよう。」
小野寺も来たため、楽と桐崎は
お見舞いの品は何を持ってきた?などの質問をする。
「ええと、そうだ!私、お粥作ろうと思うんだけど、台所借りても大丈夫?」
「じゃあ私も!」
「「え!?」」
小野寺は持ってきた材料を使って
お粥を作ると提案するがその案に桐崎も乗り気だ。
(ま、まずい・・あの二人が料理を作ってそれを食べさせたら楽が死んでしまう‼︎
それだけは阻止しなくては・・!)
「ええと!俺も手伝うよ!任せておきなさい!」
必死にあの二人だけで作らせまいとする正義。
小野寺と桐崎は料理がとても壊滅的に下手である。過去に調理実習をしたのだが
余りにもひどかったのだ。
「本当に?」
「じゃあ早く行きましょう!」
俺は二人をキッチンに案内して、二人にエプロンを貸し出した。そして、お粥作りに取り掛かるため必要な材料を用意する。
「ええ?これだけ?他になんか無いの?青汁とか?」
「黒酢とかどうかな?」
(やっぱ来ておいて良かった〜・・・)
心の奥底から来て良かったと思う正義。
もし、二人で作らせていたらどうなっていたことやら・・
「そんなの入れなくて大丈夫!これだけで十分だよ!」
そういって取り出したものは冷蔵庫にあった七草と卵。
「ええ?これだけ?」
「そう。これから作るのは七草のたまご粥だ。これなら栄養もしっかりとれるし、お腹にも優しいから風邪引いたときにはもってこいなものなんだ。」
「「へぇ〜」」
そういって素直に感嘆する小野寺と桐崎。
普通なことなのに、なぜすごいと思ったのかは謎だが・・
そうして、ハチャメチャなお粥作りが始まった。
「桐崎!?塩はそんなに入れなくていい!!」
「え?ごめんなさい。」
「小野寺!?明太子入れなくていいから!」
「桐崎さぁあん!?あーもう!!」
「じゃーん。どう?中々の出来でしょ?」
(つっ・・疲れだぁあああ‼︎)
正義は二人の料理下手に振り回され
顔がげっそりとしていた。
しかし、その頑張りもあってかお粥作りはなんとか成功したのだ。
(お粥作りでこんなに疲れたのは初めてだ・・。)
「おお。」
そのお粥の出来映えに感嘆の声をあげる楽。
楽はスプーンでお粥をすくい、口へと運んでいく。
「美味い!」
「え!本当に!?」
「やったー。」
美味いの一言に喜びの声をあげる小野寺と桐崎。
一方正義は・・
「はぁ〜美味く作れてよかったよ・・・」
心の底から安心する正義。
(二人と俺の作った粥が効いてくれればいいんだけど。)
二人が楽の部屋にお粥を持っていった後
後片付けをしていた。
今は楽の部屋に戻っている最中だ。
すると、居間でバッタリと小野寺と会う。
「小野寺?どうしたんだ?」
「そろそろいい時間だから帰ろうかなって。」
時計をみたら夜の7時だったのだ。
女の子にしたら少し危ない時間帯である。
「じゃあ、家まで送って行くよ。」
「大丈夫。1人で帰れるし。お兄さんと一緒に居てあげて?」
「そ、そうか・・じゃあ小野寺。また。」
「うん。じゃあね。一条君。」
そういって小野寺は家から出ていった。
俺は楽の部屋に戻ると、桐崎と楽が手をつないで寝ているのだ。
(このまま少しの間寝かせておいてやるか。)
こうして、今日のハチャメチャな1日は終わったのだった。
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