東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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臭いものには蓋を

キモイものには消毒を


by白咲楼夢


形を司る蛇狐と二度目の戦闘

 

 

楼夢が能力について学んでから軽く一年が過ぎた。

 

最近展開が早過ぎる気がするがとりあえず気にしない。

 

その間楼夢は修行したり銭湯に行ったりしてた。

楼夢は三ヶ月に一回は行くほど銭湯が大好きなのだ。

......実際この姿でなければもっとゆっくり出来るのに、と愚痴を漏らす。楼夢を見た男達が鼻血出しているのを見た時は全員皆殺しにしようかとも思った事がある。

 

そして楼夢の永琳の助手としての仕事は主に二つある。一つ目は

 

「あら楼夢ちょうどいい時に。今薬の試作品が出来た所よ」

 

そう薬の実験台になる事だ。

実際のところ、永琳は楼夢を実験台にするためだけに彼を助手にしていると言っても過言ではない。

 

「はい、じゃあ頑張ってね」

 

永琳に渡された薬を見る。

色は血の様な朱色で泡が物凄くブクブクしている。

アカン永琳これ駄目な奴だ。

楼夢の本能がそう告げていた。

 

「ちなみに拒否権は?」

 

「勿論ある訳無いじゃない」

 

「デスヨネー」

 

ヤケになりながら、薬を飲んだ。

ええい、ままよ!

 

「グッ......グガア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

突如、俺の頭に人間だったらショック死してしまう程の激痛が走る。

 

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」

 

「ちょっと、楼夢大丈夫!?」

 

永琳は驚いた様な声で聞く。

どうやらこのことは彼女にとっても予想外だった様だ。

 

「......ハアッ、ハアッ」

 

楼夢は激痛に打ち勝ち地面に倒れていた。

取り敢えず楼夢は自分がどうなったか鏡を覗き込む。

すると楼夢の左目の白目の部分が黒で染まっていた。ちなみに黒目の部分も真紅に変わっていた。

 

「と、取り敢えず水飲む?......キャアッ!?」

 

永琳は急いだため、床に躓いて転んだ。

 

水入りのコップが楼夢に飛んで来る。

だが楼夢には何故かコップがスローモーションに飛んで来ている様に見えた。

楼夢はコップを右に避ける。

 

「あ、危なかったわ」

 

「それよりコップがスローモーションに見えたんだが。永琳何故か分かる?」

 

「スローモーションに?」

 

永琳はしばらく何か考えたと思うと、BB弾が入ったスナイパーライフルを構える。え、ちょっと待て。

 

パアン

 

永琳はBB弾を発射した。しかし何故かそれは目で追える速度に見える。俺は黒月夜を引き抜き弾を斬る。

 

「やっぱりね」

 

「いやなに人で納得してんだよ。謝罪の言葉は?」

 

「取り敢えず貴方の左目が黒い時は洞察力が上がっている様ね。だけど使っている間は妖力をかなり消費する。そうでしょ」

 

「無視すか」

 

「はい、じゃあ次の仕事」

 

「今日は薬は勘弁してくれ」

 

楼夢は左目を元に戻し、そう言った。だが仕事は別件だった。

 

「いや今度は妖怪退治をお願いしようかと」

 

「またかよ」

 

そう、二つ目の仕事は軍が退治出来なかった妖怪を退治することだ。

 

「グダグダ言ってないでこれ持って行きなさい」

 

楼夢は永琳から目的地の場所が書いてある紙を貰い目的地を目指す。

 

 

 

 

少年?移動中......。

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か」

 

楼夢は湖のそばで目標を探していた。確か情報では巨大な大蛇だとか。

 

「キシャーー!!」

 

「来たか」

 

楼夢大蛇を見る。大きさは二m程だ。そして何より

 

「ウヒョーー!美女ktkr」

 

うん確かに危険だな。消しておこう。

そう判断すると、楼夢は狐の尻尾と耳を出す。

どうやら楼夢は全部で三つの姿に変わる事が出来る様だ。

その一つの狐の姿、もとい『妖狐状態』は妖術などの遠距離攻撃を得意とする様だ。

 

「ケモ耳美女可愛え~~~!」

 

「......殺す」

 

静かに燃えたぎる殺気をまき散らしながら、距離を取り妖術を使う。

 

「火球『狐火小花(きつねびこばな)』」

 

楼夢は手の平サイズの狐火を八つ作り奴に飛ばす。だが

 

「効くかァ、こんな物!」

 

八つの狐火は大蛇の巨大な尻尾によって消されてしまう。

 

「ハアハア。戦っている姿可愛いよ」

 

「ちい、汚物は消去だ!」

 

俺は狐の姿から狐耳に蛇の様な尻尾の姿もとい『蛇狐状態』になる。

 

「とりあえず三十五回ぐらい死ね!」

 

蛇狐状態になるとどうやら身体能力などが上がるらしい。

それを生かして楼夢はどこからかオラオラオラオラ、と聞こえそうなほど大蛇をぶん殴る。

 

「へっ、ちょっと待っヘブシ!?。ちょちょ止めて!」

 

「君が...死ぬまで...殴るのを止めないッ!」

 

「何この人ッ!?ヘボラ、ゴホッ、グハッ......ちい喰らえ!!」

 

大蛇は楼夢に向けて尻尾を振り下ろす。

だが楼夢は最後の姿……もとい『人間状態』になり攻撃を避ける。

この姿のメリットはスピードが全ての姿の中でも最も速い事だ。

これは普段剣術を扱う楼夢にとって最も使う事となる姿だろう。

 

ちなみに全ての姿にメリットとデメリットはある。妖狐状態は遠距離攻撃の威力が上がる代わりスピードは全ての姿の中で最も低く、腕力は蛇狐状態の次にになる。

まあ常人から見たら滅茶苦茶速い事に代わりは無いが。

 

次に蛇狐状態だ。

これは腕力などの基礎身体能力が全ての姿の中で最も高い代わり、剣術のスピードは人間状態の次に、そして遠距離攻撃が全ての中で最も低いのが問題だ。

 

最後に人間状態。

これは先程も言った通りスピードが全ての中で最も速い代わり、遠距離攻撃は妖狐状態の次に、腕力は全ての中で最も低いのが問題だ。要するに全ての姿を使い分けないと行けない訳だ。

 

「悪いね。お終いだよーーーー

 

 

ーーーー霊刃『森羅万象斬(しんらばんしょうざん)』」

 

ドゴーン

 

刀に青白い霊力を込める。そしてそれを巨大な斬撃にして解き放った。

イメージでは蒼い月牙天衝の様な物だ。

 

「ガハッ!ゲホゲホ……」

 

「ちっまだ生きているのかよ」

 

「まだだ……まだ終わらんよ」

 

「あっそう。燃え尽きろーーーー

ーーーー大火球『大狐火(おおきつねび)』」

 

手の平の上に巨大な球状の炎を形成する。そしてそれを大蛇の上に落とした。

 

「グガァァァァァァッ!!!」

 

大蛇は大狐火によって燃え尽きた。

 

「あ、やべぇ。マジで殺っちまった」

 

そう、今の光景はド●クエ5のボロボロになったパパスをゲマがメ●ゾーマで惨殺したシーンにうり二つなのである。

そうこれは楼夢が能力操作をミスったせいなのだ。

 

「俺の【形を操る程度の能力】もまだまだだな」

 

楼夢はそう呟き都市に帰った。

いやー最初の犠牲者がああいう奴で良かった。

実に清々しい気分である。

 




いや~今回2300文字突破してしまいました。
流石に疲れた。ちなみに犠牲者は作者が美味しく頂きました。さて次回東方キャラが出て来るかも?お楽しみに。

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