東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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人生に保険はかけておくべきだ


by白咲楼夢


桃色蛇狐と蓬莱山の姫

 

 

永琳の部屋、その中でなにか駒を打つ音が聞こえる。

現在、白咲楼夢は凄く落ち込んでいた。

え、何故かって?目の前を見れば分かる。

 

「はい、またチェックメイト。これで十回目ね」

 

目の前の天才にチェスでボコボコにされているからだ。

嘘だろと、呟く。現代では無敗だったのに。

ちなみに楼夢はチェス等のテーブルゲームが物凄く大好きだ。

将来の夢はカジノで働く事だった。

楼夢は田舎育ちだったので、そう言う物には憧れた。

 

「畜生、やっぱり都市の頭脳に頭脳で勝負して勝てる訳無かったか……」

 

「いやー、私と遊んでくれる人なんて今までいなかったから楽しかったわよ」

 

「……それっていわゆるボッチじゃ……」

 

そこまで言うと、楼夢の顔にいつかのように右ストレートが飛んできた。

しばらく悶えていると、すぐに立ち上がる。

 

「......そろそろ修行の時間だな」

 

先ほどの発言を誤魔化し、家を出ようとする。

 

修行のお陰で楼夢は火や水などの決まった形が無いものを0から創れる様になった。

更に妖力や霊力で造った武器を大量に飛ばす事等も出来る様になった。

 

「ちょっと待って。今日は貴方に紹介したい人がいるのよ」

 

「紹介したい人?誰だ?」

 

「ふふん。なんと蓬莱山家の姫様よ。私はそこで家庭教師として働いているのよ」

 

「別に良いがなんで俺に紹介したいんだ?」

 

楼夢の情報では、確か蓬莱山家とは有名な貴族だった様な気がする。

なんだか嫌な予感がする……。

 

「貴方は仮にも私の助手なのよ。一度会っていた方が良いかと思って」

 

「成程ね。んで、何時行くんだ?」

 

「今でしょ!」

 

そう永琳は言い楼夢と家を出る。

ネタが古いと、内心思う。

うーん、それにしても貴族の姫様か。イマイチピンと来ないな。

楼夢はそう思い永琳の後を追う。

 

 

 

 

 

 

 

永琳side

 

楼夢と暮らしてから軽く一年が経とうとしている。

最初は本当に男と知った時は本当に驚いたわ。え、どうやって調べたのかって?

そんな物決まっているじゃない。真夜中に楼夢の下の物をこっそり見たからよ。

そうそう楼夢の物は随分と大きかったわね。

おっと話が少し脱線したわね。

最近では楼夢は狐?と言う動物の姿になって寝る事が多い。

そしてそれをこっそり抱きしめて寝るのが私の日課だ。

あの毛並みを見せ付けられて抱きたくならない人なんて居ないわ。

抱き枕よりモフモフで温かいし。

まあ本人より朝早く起きるし楼夢は気付いて無いみたいだから問題無いけどね。

 

今日私が楼夢を彼女の元に連れていくのは唯単に私の助手だからではない。

最近彼女は暇ばかりしゲームばっかりしている日々だ。

楼夢にはそんな彼女の遊び相手になって貰おう。

まああの顔に殺られなければ良いのだけど。

 

私は心の中でそう思い彼女の屋敷へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処か」

 

楼夢と永琳は現在大きな屋敷の門の前に居た。

永琳は門番に一言挨拶し門を通る。だが楼夢は「何者だ!」などと言われ門番5、6人に絡まれている最中である。

 

「その人は私の助手よ」

 

永琳がそう言った瞬間門番達は下がる。

楼夢は自分が警戒されているのを悟ると、まあ仕方が無いと切り捨てる。

 

(おいおい八意様に助手なんて居たのか?)

(と言うより八意様より綺麗なんじゃないか?)

(いや俺は八意様派だな)

(じゃあ俺は助手派で)

(ウヒョーー美女ktkr)

(ハアハア後で盗撮しに行こう)

 

宣言撤回。警戒心なんて無かった。後でこいつらボコボコにして帰ろうか。

 

 

 

 

「ようこそいらっしゃいました八意様。えーとそちらの方は?」

 

「私の助手よ」

 

「そうでしたか。姫様は自室に居ると思うので。では失礼しました」

 

そう言い使用人らしき人はその場から去る。

楼夢はいよいよ姫様との対面に少し緊張していた。

 

「輝夜来たわよ」

 

そう言い永琳は部屋のドアをノックする。名前は輝夜と言うらしい。

 

「入っていいわよ」

 

そう言われ楼夢と永琳は部屋の中へ入る。

 

「よく来たわね永琳。っとそいつは誰かしら?」

 

彼女は楼夢に指を指す。背は低く明らかに高い着物を着ている。そして何より

 

(おいおい、これは人形ですかっての。顔が整いすぎんだろ)

 

そう、彼女の顔は今まで出会った少女では比べ物にならないほど美形なのである。

だが幸いにも楼夢はそっち方面の話には全く興味が無かった。

 

「私の助手ですよ。輝夜」

 

「へー永琳に助手なんか居たんだ。えーと、貴女の名前は?」

 

「俺の名前は白咲楼夢。永琳の助手をしている。後俺は男だ」

 

「寝言は寝てる時に言いなさい」

 

「寝言でもなんでもねえよ。ていうか酷いな」

 

「......マジかよ!!」

 

そう言い彼女は俺の顔をジロジロと見る。

 

「まあいいわ。私の名前は蓬莱山(ほうらいさん)輝夜(かぐや)。楼夢と言ったかしら。少し聞きたい事があるのだけど?」

 

「良いけど、どうした?」

 

「いえ貴方は男なのに私の顔を見ても平気で居られる。何故かしら。」

 

「いや知らんわ。分かるわけねえだろ。ただ俺の美感の問題じゃね?」

 

「ッ!?……仮にも姫である私にその対応……。ふふふ、貴方の事気に入ったわ。そうね......これを貴方にあげるわ。」

 

そう言い彼女は何故か光り輝く金色のブレスレットを楼夢に渡す。

中心には百合の花の様な紋章が刻まれている。

見るからにお高そうな物であった。

 

「ていうかこれ何で出来ているんだ?物凄く光っているけど?」

 

「確か緋緋色金(ヒヒイロカネ)とか言う金属で出来ているわ」

 

「バカ野郎!?伝説の金属無駄使いすんじゃねえ!」

 

「我が蓬莱山の技術は世界一ィィィィ!!」

 

説明しよう。緋緋色金とは日本の伝説の金属である。

ちなみに伝説の金属と言えばオリハルコンだが緋緋色金はそれの別の名という説もある。

 

「取り敢えずそれをあげる代わりにたまに此処に遊びに来なさい」

 

「楼夢これは姫様の命令よ。最低1日に一回は来ること」

 

「それって毎日じゃねーか!......まあ一週間に一回は行くよ」

 

「決まりね」

 

こうして楼夢は一週間に一回此処に来るハメになった。

やったね。面倒事がまた増えるよ。




と言う訳で蓬莱ニートの登場です(笑)
楼夢さんも可哀想ですね。
ちなみに気が付いたら登録者数十人突破してました。皆さんありがとうございます。
さて次回は時間がかなり進みます。
ではバイちゃ。

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