東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
それはきっと私の心の弱さなのだろう
by白咲楼夢
ーーあのー、すいません。
ーーこんな所に人が来るなんて珍しいですね。どうしましたか?
ーーいや、素振りの邪魔をしてしまったと思って。私の名前は■■■■■■・■■■。■■■と呼んでください。で隣に居るのが...
ーー■■■■■■よ。え~と、貴女の名前は?
ーーおっと申し遅れましたね。私の名前は白咲楼夢。只の剣のみが生き甲斐の者です。
……懐かしい夢を見た。楼夢はそう思い立ち上がる。
現代で俺がまだ他人に興味が無かった時。思えばあの二人が居なかったら今の俺はどうなっていたんだろう。もしかしたら今日も虚しく一人で素振りをし続けていたかもしれない。そう思うと俺はあの二人に感謝の言葉が尽きない。
現在、楼夢は山の中を適当に歩いていた。目的は勿論、今日の夕飯を狩るためだ。
...あれから数億年の時が流れた。前までは全滅していた人も妖怪も今では無かった様に地上に溢れている。
楼夢は自慢の
あれから楼夢も人妖大戦時とでは比べ物にならない程に成長した。まず、妖狐状態の時の尻尾の本数はさっきも聞いたとおり九本になった。これで彼も晴れて大妖怪の仲間入りである。というか先程も話したとおり、人と妖怪は一度地球上全滅しているので楼夢より歳上の妖怪なんて彼が知っている限りでは一人しか居ない。
鬼城剛。彼女は仮にも鬼子母神なので、今でも生きてはいるだろう。
ていうかその時代を生き延びた俺ってもしかしなくても凄い妖怪なのかな。
話が脱線したが、蛇狐状態の時の尻尾の大きさは全長約二メートル程、長さ全長約八メートル程である。ちなみに約八メートルと言っても尻尾の長さと大きさは調整出来るので戦闘時でなければ普通の蛇と同じ大きさにしている。妖力と霊力は昔の数百倍程にもなり、俺は新しい術を開発した。
「ふんふーん♪山の散歩は楽しいなっと」
現在進行形で鼻歌を歌いながら歩いている楼夢。こう見えて以外に明るい性格だったりする。
そんな上機嫌な楼夢の前に、いかにも臭そうな男性の妖怪たちが立ちはだかる。
オゲッ、あれ何日風呂に入ってないんだろ。
「おいテメェ!此処は俺達の縄張りだぞ!と降りたきゃぁ通行料払って貰わないとな」
そう言いながらよだれを垂らして近付いて来る妖怪数十人。
ちっ、人の気分が良い時に限ってどうしてこういう変態共が寄って来るんだろう?
まあ丁度いい、俺の術の実験体になって貰おうか。いわゆる死刑確定な。
「破道の四『白雷』」
短い詠唱の後、楼夢は人差し指から小さい雷を発射し、一人の妖怪の心臓を貫く。
「てっ、テメェ。おい行くぞ殺せ!!」
一人の妖怪が指示した後、他の妖怪が一気に襲って来た。
「破道の三十三『蒼火墜』」
今度は青い蒼火を一人の妖怪に向けて飛ばす。しばらくの絶叫の後、妖怪は蒼火に燃え尽くされた。
「喰らえ!」
後ろからもう一人の妖怪が攻撃して来る。だが楼夢は蛇狐状態になり二メートルを超える大蛇で妖怪の足から上を喰いちぎった。そして
「
その竜の様な口から桃色の巨閃を放った。
あれよく見たら相手もう残り二人しかいねぇーや。殺っちまったぜ☆(てへペロ)
「ちっ畜生」
妖怪はやけになって突っ込んで来る。
「おいおい君今のちゃんと見てなかったの?突っ込んで来るだけじゃ意味無いよ?雷龍『ドラゴニックサンダー』」
ピチューん
「はーい三分間クッキング完了ー。皆さん、熱い内に召し上がれっと」
ちなみに楼夢の新しい術とは某死神漫画で有名な鬼道である。
破道と縛道の式を創るのは流石に骨が折れた。創っては失敗し創っては失敗し、それを繰り返してたら何時の間にか千年以上経っていた。
大半の妖怪の生涯を術を創るために尽くしたなんてマジで洒落にならない、楼夢はそう苦笑する。
妖怪は千年以上生きれば大妖怪とされるが、別に妖怪の寿命が千年以下ということではない。
弱肉強食の世界で千年以上生き残る個体が少ないだけだ。
そんな世界で生きのびた楼夢はどうやら不老に近い様だ。そして彼はもうは前世での記憶はほぼ薄れている。
勿論例外はある。それは楼夢の師父の事とあの二人の少女の事だ。忘れられる訳無い。あとは......BL●ACHやド●クエ等の物だ。周りよりもゲームの事を覚えているとは……自分のコミュ障をどうにかしたい。
現在楼夢は人間状態で近くの村に居る。ちなみに楼夢の今後の目的は色んな所を見て回る事だ。つまり楼夢は旅人と言う所だ。
「おっちゃん団子二つ」
「あいよっ姉ちゃん」
「俺男なんだが?」
「ええっ!?」
もうこれ何回目だよ。もう泣きたくなって来たよ、パトラッシュ。
そんなどうでもいい事を考えていると、
ガヤガヤ
人々が広場に集まっているのが分かる。楼夢は団子屋のおっちゃんに聞いてみた。
「なあおっちゃん。あっちでは何を話しているんだ?」
「ああ最近此処の森近辺に出て来る人喰い妖怪の事だろう。今迄何人も退治しに向かったが一人として帰って来ない。姉ちゃんも気を付けな」
「だから男だって」
楼夢はそう呟きながら団子屋を離れる。人喰い妖怪ねぇ。面白い事になりそうだ。
今回から新章突入です。人妖大戦から時間が一気に飛びましたね。
こう見えて楼夢さんの性格は明るい事にしておきます。じゃないとネタなどがやりにくいので。
後最初の楼夢さんの夢に出て来たのは誰だって?それは物凄く先の事になります。まあ二人組という点で分かる人には予想が付くだろうけど。
では皆さん次回も宜しくお願いします。ではでは