東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
恐ろしいのだ、 恐ろしいのだ
暗闇に隠れる私を、月光が全て凍てつかせる
オッス皆、蛇と狐はどっちが好みと質問されると狐と答える俺こと白咲楼夢だ。
そんな挨拶をしながら、楼夢は歩く。
現在の時刻は真夜中、楼夢は村の近くにある森を目指していた。理由は簡単、最近この森で出る人喰い妖怪を見つける為だ。
ちなみにこれは村の人々の為......ではなく楼夢がただ単に人喰い妖怪とやらを見たいだけである。
現在楼夢は目的地の森の入口の前に居る。
何故そんな所に居るのかというと、対人喰い妖怪用に作戦を練っているのである。
そんな事はさて置き楼夢は新たな姿......もとい『妖獣状態』になる。
この姿のメリットは嗅覚や視覚、そして聴覚等が格段に上がる。しかしこの姿は楼夢の戦闘手段のほぼ全てを無くすのでデメリットだらけである。この姿の外見は色々な場面で変える事が出来る。まず、本来の姿は狐の体に蛇が後ろに付いている。そしてこの姿は蛇を狐の尻尾に戻す事が出来る。......まあ戻した所で自分が九尾の狐に見えるだけであるが。ちなみに狐の尻尾を一本にする事も出来る。これはほぼ相手に自分が妖怪という所を隠す時しか使えないと思う。ちなみに言い忘れたがこの狐の体に蛇が付いている『妖獣状態』こそが俺の元の姿である様だ。どうやら最初に俺がこの世界に来た時に無意識に能力を使い、人型になっていたそうだ。
......ちょっと待てよ、もし俺が能力を使って無かったら永琳死んでたじゃん。俺ってもしかしなくてもついているのかもしれない。
さて楼夢がこの姿になったのは、人喰い妖怪をおびき寄せる為である。楼夢は狐の尻尾を一本だけ出し只の狐を演じる。こうする事で肉食系の人喰い妖怪をおびき寄せる事が出来るのだ。
ある~ひ 森の中~くまさんに~......
もはや定番となった歌を歌い切る前に、辺りがスポットライトをいきなり消されたように真っ暗闇に包まれた。
ついに来たか。そう思うと楼夢は『人間状態』になり
いやこの場合は目だから開いたと言うのだっけ?まあいい取り敢えず開いた。
そして、暗闇に紛れていた少女に回し蹴りをお見舞いした。だが少女はいち早く楼夢の攻撃に気づき、躱した。
「あらあら、久しぶりに狐が食べられると思ったら妖怪だったなんて。まあいいわ、取り敢えず貴女は何者?」
「まず相手の素性が知りたいなら自分から名乗るのが常識じゃねぇのか?後俺は男だ」
「あらそれはすまなかったわね。取り敢えず私の名はルーミア。闇の妖怪よ」
彼女はそう自己紹介する。背は160cm程で外見は金髪のロングヘアー、そして白黒の洋服。何故この時代に?楼夢がそう思うのも無理はない。さらに黒いロングスカートを着ている。
「俺の名は楼夢。桃色の蛇狐、白咲楼夢だ」
俺はそう名乗った。桃色の蛇狐とは俺が考えておいた二つ名だ。一応妖怪はそれぞれ自分が嘗められないように二つ名を付けるらしい。なので楼夢もそれに習ってつけてみたのだ。
「蛇狐......聞いた事も無い種族ね……」
「いわゆる一人一種族と言う奴なのかな?まあ簡単に言うと狐の先祖だ」
「狐の先祖......なかなか美味しそうね」
「おい何食べる事前提にしているんだ?」
何この人。いや人じゃねえや。初対面の奴を見て美味しそうとか言う奴なんて初めて見たぞ。馬鹿なの?死ぬの?
「馬鹿でもないし死にもしないから」
「おい何どさくさに紛れて人の心勝手に読んどんじゃゴラァ!」
「貴方の心の闇を聞かせて貰ったわ。私の能力は【闇を操る程度の能力】よ。こんぐらいチョロイわ」
「成程......ね」
【闇を操る程度の能力】か。少々厄介だな。
「それより貴方に頼みたい事があるわ」
「何だ?」
「楼夢、貴方私と
「何だよそのヤンキーみたいな漢字!?というか人の体見てよだれ垂らすな気持ち悪ぃ」
「私と一緒に殺ラナイカ?」
「……性的な意味で?」
「勝ったら好きにしてもいいわよ」
ルーミアェ......ちょっと今自分が言った意味を理解しているのだろうか?だとしたらこの妖怪かなりの痴女である。まあ俺にはそういう事に興味は無いがな。
楼夢は毎度お馴染み
「へー、まさか大妖怪の中でも上級クラスと戦う事になろうとはね」
「私まだ生まれて百年も経っていないんだけど。それより貴方の目……綺麗ね。例えるなら暗闇の中で滴る血みたいね」
ルーミアの力量を測った結果大妖怪の中でも上級クラスだという事が分かった。しかもこの妖力でまだ百歳にもなってないのだからもし彼女が千歳を越したら間違いなく最強の妖怪になるだろう。
ちなみに楼夢は大妖怪の中でも上級より少し上だと思っている。後当然だが人妖大戦で戦った剛は大妖怪の中でも一位二位を争う程の実力者だ。
俺よくアイツと殺し会って生き残れたな。
最近話が脱線する事が多くなって来た気がするが、取り敢えず
「俺の目についてのお褒めの言葉は有り難く受け取っておくよ」
楼夢は拳を構え戦闘体制に入った
ルーミアは楼夢に向けて弾幕を放ってくる。
勿論楼夢はそれを避ける。
次に彼女は周りにある闇で黒い十字の大剣を創り、楼夢向けて振りかぶった。
楼夢は黒月夜を抜き十字の大剣を止める。
ガキン
黒と黒がぶつかり合う。しかしこの時点で楼夢は自分がまともにぶつかり合ったら不利だと言う事に気付いた。
ルーミアはその体からは想像もつかない様な怪力で大剣を振るう。そして楼夢はスピードで対抗しようにも一発一発が重過ぎるのだ。よって剣術では悔しいが不利になるだろう。
楼夢は『妖狐状態』になる。そして......
「花炎『
空に狐火で花を描く。そしてその花が散ると同時に、無数の狐火がルーミアに降り注いだ。
狐火はルーミアが放った弾幕を容易く破りルーミアに近付いて行く。
「『ダークサイドローブ』」
ルーミアは自身を闇の羽衣で包む。そしてその黒い羽衣に当たった狐火は全て消滅した。
「おいおい、厄介なの持ってんじゃねぇか」
「こんなものまだ序の口よ。付いて来れるかしら?」
「当たり前だ。そっちこそ先にヘバるなよ!」
草木も眠る丑三つ時。今漆黒の闇と桃色の桜が互いにぶつかり合った。
やっと投稿出来た......
ついにEXルーミアの登場です。そして今回初登場の『妖獣状態』です。楼夢さんはいつも夜寝る時はこの姿で寝ます。後薄々気付いていたんですけど楼夢さんって一種のキメラみたいですね。では次回、ルーミアVS楼夢 お楽しみに~