東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
全てを覆い尽す大いなる者
byルーミア
現在森の中では二人の妖怪が激しい戦闘を繰り広げていた。
一人は勿論桃色の美しい髪を持つ妖怪白咲楼夢。もう一人は村付近に出現する人喰い妖怪ルーミアだ。
「......なかなかやるじゃない」
「そっち......こそ」
楼夢はそう言いと同時に
「縛道の六十二『百歩欄干』」
無数の霊力で出来た棒をルーミアに向けて繰り出す。
ルーミアはそれを手に持つ大剣で全てなぎ払った。そしてそのまま楼夢に急接近しその漆黒の刃を放つ。
楼夢はそれを紙一重で避け、そしておまけに弾幕を数十個放つ。だがそれも全てルーミアの弾幕にかき消されてしまった。
「もうおしまいかしら?」
「んな訳ねェだろ!」
「だけどどうやら貴方は接近戦が苦手みたいね」
「……ッ!」
確かにそうだ。『妖狐状態』は術等の威力が上がる代わり、剣術はあまり得意ではない。故に俺は刀を抜かずに戦っている。
(だがもう見破られるとはね......どうやら相手は中々戦闘経験が多い様だ)
「ならばこれならどうだ?」
楼夢は懐から鉄の球体を取り出す。普段楼夢は超圧縮された鉄の球体を懐に幾つか仕込んでいる。何故そんな物を持っているかだって?それは今分かる事だ。
「
楼夢は能力を使い球体を鉄の槍に変えた。
「
楼夢は鉄の槍を妖力で強化しルーミアに向けて投げる。ちなみにただで投げた訳ではない。彼は投げる前に槍に風を纏わせ回転させながら投擲したのだ。槍は超高速回転しながら一直線に風の矢となりルーミアへ向かう。
「甘いわ!」
ルーミアはそれを大剣で弾こうとした。だが超高速回転し風を纏った槍の貫通力は弾丸を超えていた。ルーミアの大剣は受け止めると同時にメキメキと鈍い音を立てながら壊れ、ルーミア諸共吹き飛ばした。
「さてと、終わったか……」
「『バニシング・シャドウ』」
そう言い終わる前に、ルーミアの声が聞こえた。その瞬間......
ズシャ
楼夢の背中を何かが貫いた。後ろを見ると、そこには楼夢の血に濡れた大量の黒い武器とそれを見て悪魔の様に笑うルーミアの姿が有った。
「どうかしら?大量の槍で背を貫かれた気分は」
「……ッ!?ちぃっ」
楼夢は黒い槍を全て叩き壊し後ろに飛ぶ。そしてルーミアを見る。その腹は朱く染まっていた。どうやらさっきの
楼夢は『人間状態』になりルーミアの動きの全てを警戒する。
瞬間、ルーミアが楼夢の視界から消える。
すぐに後ろから嫌な気配を察し、振り向くと同時に無数の槍が俺の後ろに飛んできた。
「......へ~今のを躱すなんてね。どうやったのかしら?」
「いいぜ特別に教えてやる。今のは『瞬歩』と言う俺の高速歩法だ。原理は......そうだな空間の形を操り俺と繋げただけだ。長距離は出来ないが戦闘に使う分には申し分無い」
「空間の形を操る?」
「そう言えば俺の能力を言って無かったな。俺の能力は【形を操る程度の能力】だ。決まった形が無い物なら創り出す事が出来るし物を別の形に作り変える事も出来る結構便利な能力だ」
「形を操る......ね。成程さっきの技は球体を鉄の槍に作り変え風の形を操り槍と一緒に飛ばしたという事か。かなり強力な能力ね」
「ああ。で俺の能力の種明かしは終わったし次はお前の瞬間移動の原理を説明して欲しいのだが」
「いいわ。さっきのは『バニシング・シャドウ』と言って闇がある所に瞬間移動する技よ。まあ私の【闇を操る程度の能力】のお陰だけどね」
「成程闇がある所へね......ちょっと待て!?という事はお前はここら一帯の何処でも瞬間移動出来るという事か!?」
「あら気付いたかしら。ええそうよ私は闇の中では無敵なの。さあかかって来なさい。私の闇で全てを塗り潰してあげるわ」
「あいにくと俺は暗いジメジメしたところより明るいところの方が好みでな。お断りするぜ!」
黒き閃光と桃色の閃光が夜空の中で舞う。現在の時刻は丑三つ時。夜空の星々が闇夜を照らす。
いやー、ルーミアの瞬間移動の原理と名前を考えるのにマジで苦労しました。最近お気に入り登録者が増えて来ました。皆さん出来れば高評価とお気に入り登録宜しくお願いします。
では次回白熱するルーミアVS楼夢戦
次回もゆっくり見に来てね。