東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
冥界にある白玉楼。その外れにポツンと一人残された巨大な枯れ木があった。
名は西行妖。かつては人々を魅了し、死に至らせた呪いの妖怪桜。しかしこの妖怪の意思というものは現在早奈に食い尽くされており、今では空っぽの器だけが残っている。
しかしそれは同時にかの妖怪桜がまだ生きていることを証明していた。
ボロボロになった枝を必死に伸ばし、辺りを彷徨う幽霊たちを次々と飲み込んでいく。それは西行妖の意思というよりも、ただ体にできた大きな穴を埋めようという生への執着、つまり本能による行動だった。
次第に西行妖は水を吸って潤ったかのように元気になっていった。
まだ力を奪われる前ほど強くなったわけじゃない。しかしここは幸いにも冥界、大好物の魂がうようよといる。
このまま力を取り戻していき、あの女に復讐してやる。廃人レベルの頭、というよりも本能に漠然とだがそんな目的が定まる。
そして数百匹目の幽霊に枝を伸ばした時ーー突如、閃光が走った。
何が起きたのかがわからない。しかし伸ばした枝先は何も反応しなかった。そして枝を通して伝わる痛覚。
そう、枝が切り落とされたのだ。
『ヒャガガガガギャァァァァァァァッ!!!』
悲鳴にすらならない雄叫び。まるで獣の咆哮のようだ。
それは忌々しく思いながら、枝を切り落とした老人は刀を再度西行妖の方に向ける。
「鬱陶しい叫びじゃな……。所詮獣は獣ということか……」
「いえ、そもそもあれは分類するなら動物じゃなくて植物科だと思うのだけど」
誰に向けたわけでもない老人の独り言。しかし何故だか答えが返ってきた。
老人のすぐ横。そこの空間がひび割れ、パッカリと開かれる。スキマと呼ばれるそれの中から出てきたのは、日傘を差した美しい少女だった。
少女は老人と同じように西行妖を忌々しいと言うような目つきで睨みつける。
「けどまあ……あれが私たちの敵、そして幽々子の仇であることは確かよ、
「……そうですな紫様。幸い楼夢殿のおかげか以前ほどの力は出ないようですし、畳み掛けるといたしましょう」
「……言われなくとも、よ。幽々子と楼夢を殺したあいつを私は決して許さない」
老人と美少女の目にはそれぞれ憎しみの炎が激しく燃え盛っている。
前白玉楼の庭師兼剣術指南役、魂魄妖忌。そして幻想郷の賢者、八雲紫。それが彼らの正体だった。
紫はともかく、なぜ外の世界にいるはずの妖忌がここにいるのか。それには時間を遡って説明する必要がある。
まず、事の始まりは冬眠中のはずの紫が彼女の従者である藍によって叩き起こされたことからだ。
何事かと聞けば、楼夢の娘である清音が緊急事態とのことで訪ねてきたという。そして彼女から聞かされたのは、突如楼夢が元の姿に戻ったということだった。
これだけで紫はこの緊急事態の真相がなんなのかわかってしまった。
楼夢の封印の解除。それはつまり西行妖の封印が解除されたということだ。
急いでスキマを開きテレポートしようとしたところを清音に呼び止められる。そして彼女から渡されたのは数字の文字列が書かれたメモ帳の切れ端だった。
数字の並び方からしてこれは電話番号だということがわかる。しかし誰につながるのかまではわからなかった。
しかし楼夢のことだ。何か意味があるのだろう。
そう思い、スキマからスマホを取り出して電話をかけてみる。
『もしもし。こちら庭師の魂魄ですじゃ。本日はどのようなご用件で?』
出てきたのは老人だった。しかも声と名前からして心当たりのありまくる人物。
恐る恐る、問いかけてみる。
「……もしかして妖忌かしら?」
『ッ!? その声、まさか紫様ですか!? いやぁ、お懐かしいですなぁ……。孫は元気にしておりますかの?』
……これで確定した。電話の先の人物は魂魄妖忌だ。
しかし、これで楼夢の意図がわかった。彼は妖忌と協力しろと言っているのだ。
紫自身も妖忌にはついてくる資格があると思っている。あの時の屈辱を同じく味わった中だから。それを抜きにしても大妖怪最上位とも渡り合えるこの老人は戦力になる。
「……世間話は後にして本題に入るわ。西行妖が復活したわ」
『……それで儂にどうしろと?』
「あなたにもついてきてもらうわ。戦力は必要だし、何より知らないうちに仇が死んでたら悔しいでしょ?」
『……わかりました。この魂魄妖忌、お供させていただきましょう』
これで決まった。
後は念入りに準備するだけだ。
その後は待ち合わせ場所を決めて、電話を切った。準備が出来次第、紫が待ち合わせ場所まで移動して、そこからスマホで白玉楼に向かう予定になっている。
そして二人でスキマ経由で白玉楼に移動し、今に至る。
突如現れた二つの妖力。これを吸収できればさらに力を得ることができる。そう判断した西行妖は喉から手が出るかのごとく枝の槍を二人へ伸ばした。
しかし今の西行妖には相手を認識する能力はあっても、実力差を判断する脳はなかった。
「……遅い」
銀線が再び走る。今回は三つ。そして向かってくる枝が半ばから切り飛ばされた。
驚愕する西行妖。それを囲うように数十のスキマが開かれ、中から出てきたレーザーが集中砲火を浴びせた。
『ギギギ……ギギャギャァァァァッ!!』
「哀れね。でも同情はしないわ」
続けて紫は扇を閉じると、それをステッキのように振るう。
【飛光虫ネスト】。
再び数十ものスキマが紫の背後に開かれる。そして今度はガトリングのように無数の弾幕が次々と撃ち込まれた。それらは苦し紛れに振るわれたいくつもの枝の鞭を撃ち落とし、貫通して西行妖を穿つ。
苦痛に叫び声をあげる西行妖。しかしスキマ経由で空から落ちてきた妖忌によって、悲鳴は西行妖ごと切り裂かれた。
「【
大きく振り上げた一つの刀に青い霊力が集中していく。それはまるで楼夢の【森羅万象斬】とも酷似していた。
やがて霊力に包まれ刃が巨大化し、それを縦一文字に振り下ろす。
そして西行妖のてっぺんから下までに、大きなラインが刻まれた。
『ギャガアアアアアアアアアアッ!!』
「叫ぶなよ化け物……。儂の怒りはこんなもんでは済まさんぞ!」
振り下ろした刀が勢い余って地面につくと、妖忌は身を翻してもう一度技を繰り出す。
【未来永劫斬】。
目にも止まらぬ斬撃の嵐。それが次々と西行妖の幹を穿つ。
しかし西行妖もいつまでもやられてばかりではない。不意をついてなんと幹から直接枝を生やし、妖忌を攻撃した。
まさかの場所からの攻撃に妖忌は一瞬反応が遅れる。しかしそれでも直撃はせず、頰を浅く切り裂くだけで終わった。
しかし一瞬だが時間が稼げた。その隙に西行妖は全方位にメチャクチャに弾幕をばら撒いて、強制的に妖忌をその場から退けさせた。
「ぬう……っ! 腐っても大妖怪ということか。あれで終わらせようと思っていたんじゃがの……」
「いいえ、十分よ妖忌。あれだけ切れば相当なダメージを与えれたはず」
西行妖は体に付けられた傷の痛みに雄叫びをあげながら枝を振り回し、弾幕をばら撒く。
しかしその妖力はかつてのように無尽蔵ではない。このままにしておけばやがて妖力枯渇で力尽きるだろう。紫はそう判断し、妖忌とともにヒットアンドアウェイを心がけながら戦うことに決めた。
数えきれないほどの弾幕が二人に迫る。
しかし壁のように巨大なスキマが二人の前に展開され、多くの弾幕を吸い込んだ。
しかしそれでも防げないものもある。スキマを飛び越えてくる蝶形弾幕もその一つだ。
「とうとう使ってきたわね……」
ここからが本番だ。
蝶形弾幕。紫はこれを死蝶と呼んでいる。
効果は触れた相手を即死させるという危険極まりないもの。しかし半人半霊で効果が効きにくい妖忌がこれに対応することでなんとか防ぐことができている。
しかし、スキマを避けれる攻撃は他にも存在する。それが今まで散々見てきた枝の槍や鞭だ。
『ヒヒヒヒギャギャアアッ!!』
「……っ、【四重結界】!」
今度は悲鳴とも違う、まるで嘲笑っているかのような音で西行妖は叫ぶ。
それと同時に紫が張った四重に重なった正方形の結界にドスドスと枝が次々と突き刺さる。そして結界ごしから放たれた紫の貫通レーザーが枝を消しとばした。
予想以上に西行妖の攻撃が激しくなってきた。妖忌も紫も、それぞれを気にしている余裕がなくなるほどに。
紫は常時最大サイズのスキマを展開するのに集中力を削がれているため、動きが鈍い。しかしこのスキマを閉じると未だ大量に放たれている通常弾幕を遮るものがなくなり、今後は死蝶、枝攻撃、通常弾幕の三つに対応しなければなくなる。なのでスキマを閉じることはできなかった。
壁のように展開されているスキマを避けて、枝の鞭が複数迫る。
それを避けて避けて、避けきれなかったものだけを弾幕で迎撃する。
しかしそれでも枝は徐々に紫に当たりつつある。先ほどもいくつかが服にかすっていた。
しかし、妖忌の援護は期待できそうもない。
ちらりと彼の方を見るが、妖忌は妖忌で数百もの死蝶に囲まれており、防ぐだけで精一杯な様子だった。
そんな時、ふと西行妖の中心から膨大な量の妖力が集中していくのを感じた。
それは徐々に光の玉となって目に見えるほどに巨大化していく。
「……まさか、スキマごと消し飛ばすつもりなの?」
そしてとうとう紫が展開しているスキマよりも光球が大きくなってしまった。
ほとんどの攻撃を亜空間へ受け流せるスキマでも、それより大きなものは入れることができない。
今あの球体がスキマとぶつかったら、間違いなくスキマは消滅し、紫たちは球体に飲み込まれることになる。
それは=死だ。妖忌はともかく紫の体は妖怪としてはそこまで頑丈ではない。あれに触れれば最後、一瞬で蒸発してしまうだろう。
紫は日傘をたたむと、それに妖力を込める。するとそれは光に包まれ、美しい日本刀へと姿を変えた。
逃げることはできない。今の状況で妖忌と自身を合わせて二人をスキマで移動させることは今の彼女の消耗具合では無理があった。
しかし一人で移動したとなると、妖忌はその時だけ全ての攻撃を一人で受けることになってしまう。今でさえやっとなのにここで攻撃が激しくなったら間違いなく彼は死んでしまうだろう。
だからやるしかない。
両手で刀を握り、膨大な妖力を込める。それによって刀身は紫色にスパークし出す。
そして美しい紫電を帯びたそれを、祈るように天に掲げた。
『ギギギギガアアアアアアアッ!!』
もはや見上げるほどまでに巨大になった妖力の光球が大砲のように放たれた。
それは時間が経つごとに速度が増していき、あっという間に紫スキマの壁の元に迫る。
と、その時だった。突如スキマが閉じたかと思うと、その後ろから荒れ狂う紫電の刃を掲げる紫の姿が現れた。
そして紫は光球に向けてそれを振り下ろす。
「いくわよ……【亜空切断】!」
紫電の刃と光球がぶつかり合う。
二つは激しくせめぎ合い、爆発のような轟音と目が開けられなくなるほどの閃光を撒き散らす。
しかし徐々に紫の方が押されていき、ズリズリと後ろに後退していく。
「ぐっ……!」
腕が千切れるほど痛い。
光球の威力は凄まじく、刀が耐えれても妖怪にしては貧弱な部類に入る紫の腕力には限界がある。
腕からはミチミチと嫌な音が鳴り、それが大きくなるごとに痛みも増していく。
だが、ここでやられたら全てが無駄になる。
だったら、もう手段は選ばない。
【境界を操る程度の能力】。紫が妖怪の賢者たらしめる全能の能力。
今回弄るのは紫自身の腕力の境界。
正直、自身の体を弄ったことはないのでどうなるかはわからない。しかし何か悪影響が起こるであろうことは予測できる。
だが、迷いはない。
「……っ、ぐぅぅぅぅっ!!」
メギメギッ! という肉が潰された音がはっきりと聞こえた。
そして腕の中の筋肉がミンチにされて描き混ぜられるような激しい痛みが走る。
無理やり体が作りかえられていく感覚。白くて細い腕は外から見ればさほど変わらず、しかしあまりの痛みに血管が浮かび上がってきた。
それに涙を流しながら歯を食いしばり、必死に耐える。
そして獣のように咆哮をあげながら、握る日本刀を全力で振り下ろした。
「ぐっ、ぅぁ“ぁ”あ“あ”あ“あ“あ“あ“あ“あ“あ“ッ!!!」
紫電の刃は勢いを増すと
しかし光球のエネルギーが失われたわけではない。このまま紫を巻き込んで大爆発を起こすーーはずだった。
斬撃の威力によって、目の前の景色がガラスのように割れる。そしてスキマにも似ている巨大な空間の穴ーーつまりはブラックホールもどきが出来上がった。
穴を埋めるため、空間は手当たり次第に周りのものを凄まじい竜巻とともに吸い込んでいく。
それは真っ二つに分かれた光球のエネルギーも対象内だった。形を崩しながら渦によってグルグルと描き混ぜられ、穴の中に消えていく。そして膨大なエネルギーを吸って満足したかのように空間の穴も塞がれていった。
竜巻に飲み込まれないよう必死に耐えていた紫は、それを見届けるとようやく腰を落として地面に座り込んだ。
そして自分の腕が動かないことに気づく。曲げるどころか上げることも出来ず、ぶらりと垂れ下がっている。
それによって刀を支え切れず、紫の手からこぼれ落ちてしまった。
……無茶をしすぎた。これではしばらく使い物にはならないだろう。
脱力する紫。しかし西行妖はその間にも妖力を集中させようとしていた。
そして光球は再び大きさを増していきーー突如四散した。
『……ガッ?』
「……ふふ、ようやく出てきたわね。
何度も光球を作ろうとするも、いずれも一定の大きさまでいくと光の粒子となって崩れていってしまう。
そしてそれを見て嘲笑を浮かべる紫。
妖力枯渇。妖怪なら誰もが体験したことのあるだろう。
生物には生きてく上でなんらかのエネルギーが体の中にある。一般的に動物や人間は霊力、妖怪なんかは妖力、神だったら神力といった具合に。
幻想郷の住民は一般的にこれを消費して戦っている。
例えばバケツの中いっぱいに入っている水を妖力、そしてそれに取り付けられた蛇口から出る水が弾幕と仮定しよう。
蛇口を捻れば水が出るように、弾幕も意識することで出せるようになる。しかしその数も無限ではない。バケツの中の水、つまりは体内の妖力が尽きれば弾幕の一つも出せなくなるのだ。
そして肉体を動かすのがドンドン疲れていき、補充をしなければ最終的には死に至る。
今の西行妖にはこれがはっきりと浮き出ていた。
いつのまにか妖忌の周りの死蝶も消え失せている。そればかりかあれだけ激しく撃たれていた通常弾幕も放たれなくなっていた。
「形成逆転よ。もうお前に逃げ場はないわ」
腕を使わず足だけで立ち上がると、紫はスキマを地面に転がっている刀の真下に展開する。
そしてもう一度スキマを開く仕草を取る。しかし今度のはどこに開かれたのか、辺りには見当たらなかった。
「今、遥か天空に上下に重なるように二つのスキマを開いたわ。それらは繋がっていてどちらかに物が入るともう片方から吐き出され、ループする仕組みになってる。……さて、そこに刀を投げ込むとどうなると思う?」
自由落下という言葉がある。物体が重力の力だけで落下する現象のことだ。これには落ちるときの距離が長ければ長いほど落下速度が上がるという特徴がある。
しかしもし、落下距離が無限だとしたらどうなるか。
二つのスキマのうち、上にある方から楼夢特製の日本刀がその刃を垂直に下に向けながらしながら落ちていく。それは下にあるもう一つのスキマに回収されると、その勢いのまま再び上から吐き出された。
落ちて回収、落ちて回収。このようなことが延々と続いていく。その度に刀は速度を増していき、千回目ほどになると形がぼやけて光の線のようなものしか見えなくなっていた。
無論紫の言ったことを理解できるほどの知能を西行妖は持ち合わせてはいない。彼女自身それがわかっているからこそ何を行なっているのか話したのだ。
しかしそれ故に研ぎ澄まされた野生の本能が叫ぶ。この女は危険だと。
『ギ、ギギッ、ギギャギャァァァァッ!!!』
「やりなさい妖忌!」
「はっ、承知いたしました!」
弾幕が撃てないため、代わりに妖力を消費しない枝での攻撃を繰り出す。
しかしそれは悪手だった。
妖忌は二本目の刀を引き抜くと、二刀流となる。そしてその構えから繰り出されたいくつもの斬撃が、枝をことごとく切り落としていく。
妖忌の勢いは止まることを知らなかった。
空中に跳び上がると、両手の刀の柄を強く握りしめ、そこに霊力を流す。すると二つの刀身が青い光に包まれて巨大化した。
「ハァァァァァッ!!」
『ゴ、ゴグガァァァアアアアアアッ!?』
【迷津慈航斬】。先ほど西行妖を縦に切り裂いた技を両方の刀で、回転しながら繰り出した。
それは西行妖の幹に直撃する。横に二閃。元々妖力が切れて脆くなっていた大樹の幹は妖忌の渾身の斬撃を受けて両断された。
根元から離れ、西行妖の幹から上部分が僅かな間だけ宙に浮く。その一瞬を紫は見逃さない。
スナイパーのように鋭い目でタイミングを計り、スキマを開く。そして上空で加速させていた日本刀を射出した。
それはまるで一つの弾丸、いや閃光のようだった。
何か細い光が西行妖を通り抜けたかと思うと、次には凄まじい風とともに突如それに大穴が空いていた。
『ァ……ガッ、ァ……ッ!?』
断末魔を上げる暇もなく。
西行妖はその痛みを感じる間もなく、その長い生命に幕が下された。
その死体は地面に落ちる前に灰となり、風に煽られて冥界の空へと旅立っていく。
その光景を、二人はただジッと見つめていた。
「……終わったわね」
「ええ……。幽々子様、仇はとりましたぞ……」
嬉しくはない。なにせこれは復讐なのだから。
しかし、胸に残る何かは得られたようだった。
かつて西行妖があった場所。その真下に眠る親友に紫は語りかける。
「仇はとったわよ幽々子。来世であったら……って、今があなたにとっては来世そのものか。でも今のあなたも、昔のあなたも私にとっては親友なのよ? だから体だけでも安心して、眠ってね……っ」
知らず、紫の目から熱い何かがこぼれ落ちていく。
そして言葉を伝え切ったところで耐え切れなくなり、紫はうずくまって思いっきり涙を流した。
白玉楼の外れ。そこでしばらくの間、少女の嗚咽だけがこだましたという……。
「ドラクエ5のヘルバトラーのレベルアップの遅さにイラつきます。同時期に上げているサンチョと倍以上の差があるなんてどんだけ成長しにくいんだよと、作者です」
「そんなことより最近文字数が多くなってるせいで投稿遅くなってねェか? 狂夢だ」
「最近ニコ動でとある鉄華団の団長さんのMADにハマってるんですよね」
「異世界オ●ガとかか? 一応元のアニメの方は二郎共々全部見たことあるが」
「すごいですね。私は両方とも途中でギブアップしましたよ」
「原作二郎なぜか全巻持ってるくせに何言ってやがる。まあ流石に今季の三郎はキツくて三話でやめたが」
「私は一話全部見るのに小休憩含めて五十分くらいかかりましたね(実話です)」
「でもまあその分団長関係のMADが面白くなるし、よしとしようぜ」