東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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人には他者を守る為の力など無い

あるのは醜き程の生存本能と他者を陥れる邪心だ


蛇狐の誇り

 

 

楼夢side

 

現在俺は村人達を妖怪達から守る為にその拠点と言われる山に来ていた。『人間状態』のまま俺は山を登っていく。途中で出て来る妖怪は腰に刺した刀で斬っている。そう言えばこの刀の紹介が遅れたな。こいつの名は天叢雲(アマノムラクモ)

薄れた記憶を辿るとこの刀の名前はどっかの神様の持つ刀の名らしい。まあ、これは俺が妖力を込めながら作り、それに適当に名前を付けただけである。つまるところこれはレプリカ(偽物)という事だ。そんな事は置いといて妙だな。妖怪達の拠点の割には妖怪が少なすぎる。俺はそんな不安を抱えながら山を登り続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よく来たな。貴様だな、俺様の部下共を皆殺しにしやがった野郎は?」

 

俺は今山の頂上付近に居る。そこで偶然にも妖怪達が集まっている所を見つけたので乗り込んだ訳だ。いや参ったな。完全に包囲されてるわこれ。

 

「質問に答えろ。じゃなければ殺すぞ」

 

「クスッ答えても殺すつもりの癖に」

 

「ほう、よく見抜いたな。貴様が例の輩と見て良いのだな」

 

「ご想像にお任せするよ」

 

俺はそう言うと同時に『妖狐状態』になる。

 

「やはり妖怪であったか。皆者コイツを殺せ!」

 

俺に軽く数十匹は居るであろう妖怪達が一気に襲いかかる。

 

「雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺は妖怪達を雷で焼き払いながら奴を探す。

 

「(ちぃ!あの野郎何処に行きやがった!)」

 

俺がそう思考した瞬間、俺は何かが後ろから飛んで来るのを感じた。俺は横に飛び移ると、大きな音と共に俺が居た場所には巨大なクレーターができていた。

 

「隠れながら攻撃だなんて親玉のする事じゃないね」

 

「ふん、これは殺し合いだ。勝てば何だっていいんだよ小娘。」

 

「成程ね。花炎『狐火開花』」

 

俺は狐火の雨を降らせ、辺り一面に全体攻撃をする。

 

「ゴフッ、痛ぇじゃねーか」

 

「そりゃどうも。大火球『大狐火』」

 

「舐めるな!」

 

俺が放った火球を奴は妖力で体を強化し、弾き返す。どうやら半端な攻撃では傷を付ける事は出来ない様だ。

 

「終わりだ。死ね!」

 

奴は俺の後ろから妖術で攻撃して来る。

 

「全く。隙だらけだ、全て。

 

縛道の四『這縄』」

 

俺は瞬歩で奴の背後に移動し、霊力で作った縄で奴を縛る。

 

「くぅ。何だこれは!?」

 

「縛道の三十『嘴突三閃』」

 

続いて俺は霊力で作った巨大なくちばしの様な形をした物を三つ奴に飛ばす。奴は俺が放ったそれらに両腕と胴体を挟まれながら近くにあった大木に固定される。

 

「みっ身動きが......取れねェ!?」

 

「さっき俺に終わりだと言ったな。教えてやろう、本当の終わりと言うのはこういう物だ

 

破道の六十三『雷坑砲』」

 

俺は巨大な雷撃を奴に放つ。奴は雷撃に呑まれながら消えた。

 

「......まだ息があるんだね」

 

「クッククク。ハッハハハハハ!!」

 

奴は突然狂った様に笑いだす。

 

「何が可笑しい?」

 

「気付かなかったか?俺は此処の妖怪達の親玉ではない」

 

「!?」

 

「訳が解らないと言う顔をしているな。いいだろう、教えてやる。我々は貴様が我々の部下共を皆殺しにした時から対策を練っていたのだ。貴様は人間共に頼まれて此処に来たのだな」

 

「......ああ、そうだ」

 

「我々は村の門の前で貴様に見張りを付けていたのだ。そして貴様が山に入ると同時に、近くの山で待機していた大量の妖怪達と共に村を襲撃しに行ったのだ」

 

「...何......だと...?」

 

「今貴様がこの山に入ってから一時間が経過した。小さな村一つを落とすには充分すぎる時間だろう。ハッハハ『五月蝿い!』グアァ!」

 

楼夢は妖怪の顔を消し飛ばすと同時に村へと全速力で向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楼夢がたどり着いた時には遅かった。そこにあったのは壊滅した村の跡地と百を超える妖怪達が死んだ人間達を食らっていた。

 

「あ......あああ」

 

突如楼夢の頭に村人達との思い出が蘇る。少ない時間だったが彼等は楼夢の事を尊敬していた。楼夢が今回の依頼を引き受けたのは自分が彼等に尊敬されている事を知っていたからである。

 

「ああああああああ!!!」

 

楼夢は自分の無力を心の底から呪った。と同時に正気を無くした。

 

「よぉテメェが俺の部下共を殺ったやつか?」

 

発狂している楼夢に妖怪達の親玉の様な者が話しかける。だが当然返事は返って来なかった。

 

「親方。そいつぁもう駄目みたいですね」

 

一匹の妖怪が親玉にそう言う。

 

「そうだな。殺しておけ」

 

彼がそう言った瞬間

 

「テメェ等だけは......テメェ等だけは殺す!!!」

 

突如楼夢はそう叫び、妖力を全開放する。その巨大な怒りのせいか楼夢の尻尾は十一本になっていた。

 

「時空『時狭間の雷』!」

 

楼夢がそう叫んだ瞬間、天から黒い雷が全てを貫いた。辺りに居た妖怪達は全滅し、村の跡地全てを消し飛ばした。

 

「■■......■■■■■■!!!」

 

楼夢の体に突如異変が起きる。楼夢は生物ではとても発する事が出来ない声を上げ、その場に倒れ込む。その時、楼夢の体は変形し始める。

 

「■■■■■■■!!!」

 

やがて楼夢は漆黒の鱗に覆われた巨大な大蛇の怪物へと変わっていた。その姿は、頭と尾がそれぞれ八つあり、その妖力は全開放した楼夢の数十倍になっていた。その禍々しい程の妖力と姿はまさに邪神と呼ぶべき物と言える。

 

「■■■■■■■!!!」

 

大蛇はまるでオーロラの様に光り輝く美しい吐息を吐く。瞬間

 

 

 

 

 

 

光り輝く美しい炎がいくつもの山や地を呑み込んだ。その炎が通った跡は天地が狂い、生ある者はその業火に焼かれ、死に絶えた。

 

「■■■■■■■!!!」

 

大蛇はその禍々しい妖力を出しながらその場を後にした。

 






ヒャッハーーーーー!!!
お気に入り登録者数が30を超えたZEー!
皆様本当に有難うございます。そしてこれからもお気に入り登録と高評価宜しくお願いします。

さて次回、化物となった楼夢さん。八つの頭と尾を持つ生物なんて神話上ではあいつしかいない。そしてこれから彼はどうなるか。次回もゆっくり身に来てね。

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