東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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夢と幻 泡と影

全てまとめて消え去りな

by白咲狂夢


THE THIRD GAMES『DREAM AND HOROSCOPE』《夢と占い》

楼夢side

 

とある世界

 

 

 

此処はかつては摩天楼の群れだったとされる立派な建物の残骸が無数にある世界。その一箇所では建物達は激しく崩壊していった。

 

「「G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)』」」

 

この世界に二つの閃光が走る。一つは鮮やかな桃色、そしてもう一つはこの世に物とは思えない様程綺麗な瑠璃色だ。二つは触れ合うと互いに相殺しあった。

 

「オラよ!」

 

俺は虚閃(セロ)に隠れて狂夢に接近していた。そしてそのまま居合切りを放つ。狂夢はそれを流れる様な動作で受け流した。

 

「おっと......あっぶねえな!」

 

戦況は一気に接近戦になった。俺はこの戦いでは常に『人間状態』でいる。理由は狂夢が単純に超高速型だからだ。この超高速戦闘に対応するには俺は同じ型の『人間状態』でいるしかないのだ。

 

「戦闘中に考え事か?隙だらけだ!

 

Project『暴風雨(Tempest)』」

 

狂夢がそう叫ぶと暴風雨が吹き荒れる。

 

「雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺はは八つの雷の龍を飛ばし狂夢を攻撃する。

 

「さらに......

 

火炎『竜の吐息』」

 

俺は口から広範囲に及ぶ炎を吐き出す。ちなみにどうやって炎を吐いているんだって。能力で圧縮した炎を口の中に生み出し、それを吐いただけだ。

 

「んなもん効くかよ!」

 

俺の攻撃は全て狂夢が呼び寄せた暴風雨によってかき消される。だが一瞬だけ俺の攻撃で暴風雨が止まる。

 

「魔槍『ゲイボルグ』」

 

俺は黒月夜に妖力を込めて黒く光る稲妻の様な槍へと変える。そしてそれを狂夢へと投げつける。

 

「縛道の八十一『断空』」

 

狂夢は自身の目の前に結界を貼る。だがゲイボルグとぶつかるとミシミシと音を立てながら崩れ去った。

 

「ちィ、ならば

 

狂華閃六十四奏『墜天(ついてん)』」

 

狂夢は刀に妖力を込めて、縦に振りかざす。そしてなんとかゲイボルグを弾く。楼夢はその間に狂夢に接近していた。

 

「血迷ったか!馬鹿め!」

 

狂夢がそう叫ぶ。狂夢が言った事は正しい。楼夢は『人間状態』では素手での攻撃技を持ってないのだ。故に狂夢には楼夢の行動は愚かにも見えた。だが狂夢の計算の中には楼夢の()()は入っていなかった。

 

「霊刃『新羅......

 

狂夢は刀に霊力を込めた。狂夢の計算では楼夢はこの後突っ込んで来る。それは当たった。楼夢は狂夢のすぐそこにまで接近していた。

 

「終わりだ!」

 

狂夢はそう叫ぶ。だが

 

「鬼神奥義『空拳』」

 

楼夢は右の拳に妖力を込めて強化した。更に拳は超圧縮された風を纏い始めた。そして楼夢は正拳突きを繰り出すと同時に一気に解放する。そうこれは忘れもしない人妖大戦で出会った剛の『空拳』だ。勿論楼夢は剛にこの技を習ってはいない。これは見様見真似で使った技だった。だがそれでも威力は申し分無い。

 

「グ......ハア!!」

 

狂夢は巨大な風の拳に直撃し、いくつものビルを突き破りながら吹き飛ぶ。

 

「......まだか」

 

黒月夜を拾いながら俺はそう呟く。するとビルが爆発し中からボロボロの狂夢が出て来た。

 

「ハアッ、ハアッ。......どうやらてめえは俺の切り札で叩き潰すしかねェようだな」

 

そう言いながら狂夢は巫女服の袖の中からタロットカードを取り出す。便利そうだな。今度から俺も荷物は袖の中に入れよう。

 

「光栄に思え。この俺の最強の技が見れるのだから」

 

狂夢は笑いながらそう言う。同時に宣言した。

 

「占え!『二十二枚のタロットスペル』」

 

狂夢がそう叫ぶと全てのカードが浮き、狂夢の周りを飛び始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は今あいつを見ている。

 

「(宙に浮くカードも気になるが今は奴に集中しろ!)」

 

俺は自分にそう言い聞かせる。すると宙に浮いていたカードが集まり狂夢はその中の一枚を取る。どうやら狂夢はあのタロットカードで占っているようだ。俺も占えるが狂夢は全ての作業を一瞬で終わらせていた。まあ占っている途中で攻撃されたら終わりだからな。狂夢は空を飛び、俺を見下す様に見る。そして一枚のカードを取り出し宣言する。

 

「Spell 『(タワー)』」

 

狂夢がそう言った瞬間、空から無数の蒼い稲妻が俺目掛けて落ちて来た。

 

「ガアアアアア!!」

 

文字通り光の速さで落ちて来た稲妻に俺は為すすべもなく数十個の直撃を受け、落下した。俺が立っていたビルは無数の稲妻に飲み込まれるかのように消え去った。

 

「おいおい寝るのはまだ早いぜ」

 

「グアッ!」

 

俺は先に下に回り込んでいた狂夢に回し蹴りを食らわされ上に吹き飛び、ビルに直撃した。ラッキーだ。ビルにぶつかったお陰で足場が出来た。今の俺の身体はそれほど迄にボロボロだった。

 

「俺のタロットカードの種明かしをしてあげようか」

 

狂夢がまるで地を這うありを見るような目で俺を見下す。

 

「さっきのはこの『(タワー)』の能力(スペル)【無数の稲妻を落とす程度の能力】だ。俺のタロットカードには一つ一つに能力があるんだよ」

 

狂夢は子供の様な無邪気な顔で微笑む。楼夢はその言葉を聞いて絶望した。タロットカードは全部で二十二枚。つまり、事実上狂夢は自身の能力を合わせ二十三個の能力を持っている事になる。だがどんなに強くても弱点は必ずある。

 

「こいつの欠点はまず使えるカードは全て占いで決まるという事だな。もう一つは占いはカードを使用してから一分以上経っていないと使えないという所だ。そしてカードの能力は使用してから一分以上経つと効果が切れる」

 

この時楼夢の目に光が戻る。同時にある疑問が浮かぶ。何故自分に弱点を教えるという所だ。だが楼夢はその考えを頭の端へと追いやった。楼夢はフラフラと立ち上がる。

 

「んじゃ次行くぜ

 

Spell『戦車(チャリオット)』」

 

狂夢はカードを頭上に掲げる。すると狂夢が突如四人に増えた。

 

「これが『戦車(チャリオット)』の能力(スペル)【四人に増える程度の能力】だ」

 

狂夢がそう言った瞬間、一人が俺に斬りかかる。俺はそれを刀で受け止める。だが二人目が

 

「縛道の四『這縄』」

 

縄で俺を縛る。そして三人目と四人目は詠唱を唱えている。

 

「狂華閃七十二奏『爆雷刃』」

 

一人目が炎と雷を纏った刀で横に斬る。刃が俺に当たった瞬間、爆発が起き俺は吹き飛ばされる。

 

「グウ......ウ」

 

「まだだ

 

縛道の六十三『鎖条鎖縛』」

 

俺に太い鎖が蛇の様に俺に巻き付く。

 

「「これで......終わりだ!」」

 

詠唱を唱えていた二人がそう叫ぶ。やばいマジで死ぬかも。

 

「「破道の七十三『双蓮蒼火墜』」」

 

「グ......ガアアアア!!!」

 

楼夢は巨大な蒼い蒼火に飲み込まれる。

 

「終わったか」

 

一人がそう呟いたその時

 

G(ギア・マジック)(フォース)王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)』」

 

四人は青白く輝く光に包まれた。

 




なんか最近宿題が多い。面倒くさい。マジで。
さて今回のメインはやはり『二十二枚のタロットスペル』ですね。本当にタロットカード一枚一枚の能力を考えるのに疲れた。後皆さんにお知らせ。前に『時狭間の雷』と言う技がありましたよね。これの技名を変更します。名前は『ライトニング・デス』になります。ちなみに書き方は『時狭間の雷(ライトニング・デス)』になります。さて次回狂夢戦ラストスパートの予定です。あくまでも予定です。それじゃあ次回もキュルっと見て行ってね。

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