東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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俺達は頭 愚かさの結晶

俺達は首 八つの力

俺達は蛇 恐怖の象徴

俺達は駆ける 天の果て迄


by白咲楼夢


東方蛇狐録《前期》 蛇?狐?いいえ、蛇狐様だ!編
八岐大蛇と神


 

楼夢side

 

此処は楼夢が居た土地から東にある所。そしてこの頃、西から東へとある怪物が向かっていた。

 

 

 

 

 

 

「ヒィィィィィ!!お願いだ!助け......」

 

グチャ

 

「■■■■■■■■!!!」

 

西から東に移動している怪物の名は八岐大蛇。名前の由来は首と尾をそれぞれ八つ持った巨大な大蛇の姿をしている所から。この怪物は移動中数十を超える村、町、国を滅ぼして行った。そして数十人の神の討伐部隊が戦ってもことごとく皆殺しにされ、喰われて行った。

 

大蛇は身の毛も凍る様な雄叫びを上げ、多くの人間を喰らう為、更に東へと進む。その先には巨大な山があった。大蛇は山の頂上まで登ると数日間そこで夜を過ごした。

 

夕日が沈み始めた頃、一人の青年が大蛇を見上げ、語り掛ける様に喋った。

 

「貴様が八岐大蛇だな?」

 

「グルルルル」

 

大蛇はそう低く唸る。その声はまるで新しい食材が来たと言っているようだった。

 

「言葉は通じないか。......ならば!」

 

そう言い青年は腰に刺した刀を抜く。そして気合いの入った声で喋り出した。

 

「我が名は須佐之男命(スサノオノミコト)!今迄喰らった人間達の仇......今取らせて貰うぞ!!」

 

「グル......ガアアアアア!!」

 

須佐之男がそう叫ぶと、大蛇は生意気なと言わんばかりに一つの口から炎のブレスを吐き出す。だが須佐之男はそれを一刀両断し避ける。これは彼の能力【あらゆる物を一刀両断する程度の能力】のお陰である。

 

「ハアァ!!」

 

気合いの入った声と共に須佐之男は大蛇を斬る。だが一撃で終わるほど大蛇は甘くない。須佐之男は大蛇の身体が大きすぎるせいで一刀両断しきれずにいた。だが少なからずダメージを与えた。須佐之男はそう思うと一気に懐へと飛び込んだ。

 

「■■■!!」

 

だが須佐之男よりも大蛇の方が速かった。大蛇は地響きで地震を起こし須佐之男の動きを封じる。そしてその首を伸ばし須佐之男に噛み付こうとする。須佐之男は苦し紛れに刀を振るい大蛇を攻撃する。......がその斬撃はガキンと言う音と共に弾かれる。須佐之男は自分の能力が効かなくなったのに驚き、大蛇の攻撃に吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。なんとか意識を繋ぎ止めた須佐之男はさっきの事を思い出していた。

 

「(まるで鉄を斬った様な感触だ......)」

 

須佐之男はそう思う。実際、その考えは合っている。大蛇の八つの首にはそれぞれ木、火、土、金、水、風、光、闇を司っている。さっきの攻撃は鉄の竜の身体に須佐之男の刀が当たった瞬間、あまりの硬さに弾かれたのだ。そう須佐之男の能力でも斬れない程に鉄竜の身体は硬かった。もし先程の攻撃を直撃(モロ)に受けたら今頃須佐之男はあの鋼鉄の牙に噛み砕かれていただろう。その姿を想像した須佐之男は一瞬身震いをした。だがそれでも刀に力を込め、大蛇へと斬りかかる。この力は霊力とも妖力とも違う神力と呼ばれる力だった。

 

大蛇は次に風竜と水竜が同時に息を吸い込む。そして触れる物全てを凍てつかせる猛吹雪を吐き出した。この様に大蛇は八つの力を融合させ、使う事も出来た。今回の場合は嵐と雪を融合させ吹雪にしたのだ。その凄まじい吐息は辺りを一瞬で銀世界に変えた。だが今の須佐之男にこの景色を楽しむ余裕は無い。須佐之男は神力で弾幕やレーザーを作り相殺して行く。すると大蛇が自身の八つの尾で須佐之男を攻撃して来たのだ。八つの尾はまるで槍の様に須佐之男を貫かんとしている。だがこれは須佐之男にとってチャンスだった。須佐之男はその攻撃を避け、お返しと言わんばかりに尾を切り裂く。流石に尾までは鋼鉄では無いのでいとも簡単に一刀両断される。瞬間、

 

「■■■■■■■■!!!」

 

大蛇が凄まじい雄叫びを上げる。その様は正にハウリングと言った方が良いだろう。須佐之男は悟る。此処からが本当の戦いだと。二人は互いに睨み合った後、戦いを再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

八岐大蛇と須佐之男の戦いは三日三晩続いた。そして最後に勝ったのは......

 

 

 

 

 

......八岐大蛇だった。

 

 

 

 

 

二人は互いに全力でぶつかり合っていた。そのお陰で天地は荒れ果て、山の地形をも変えていた。二人の中では若干須佐之男が有利だった。八岐大蛇はそのあまりの大きさのせいで速度は遅い。そこを須佐之男に突かれたのだ。須佐之男はスピードで大蛇を攪乱し、その斬撃で攻撃して行った。では須佐之男の方が八岐大蛇より強いのか?それは違う。あくまで須佐之男はスピードで八岐大蛇に勝っているだけで、もし八岐大蛇が楼夢の姿だったら、そのスピードについて行けずに圧倒されていただろう。それほどまで、須佐之男の神力と八岐大蛇の妖力には差があった。大蛇はあの時村を滅ぼしたオーロラの様に輝く炎を吐く。須佐之男は疲労のせいでそれをまともに受ける。その瞬間、オーロラの様に輝く火柱が天をも貫き、夜空を染めた。その風景は幻想的でありながら地上は地獄と化していた。それは山をも消し飛ばし、辺りを美しくも残酷な風景を見せる蒼く輝く灼熱地獄となっていた。須佐之男はその攻撃を本能で避け威力を半減した。だがその半分の威力で日本の最高神が倒れる程の威力。もし直撃したらどうなるかは一目瞭然である。須佐之男は恨めしそうに大蛇を見つめ、そして最後の力を使って叫ぶ。

 

「さあ!!ゲフッ!......殺すなら殺せ!!」

 

須佐之男は大蛇を睨む。だがそこで大蛇の様子がおかしい事に気付く。だが須佐之男にはもう身体を動かす事も出来ない為、特に意味は無い。そして大蛇が落ち着きを取り戻して行く。須佐之男は自分の最後を悟った。だが次の瞬間聞こえてきた音に須佐之男は耳を疑った。

 

 

「お前............

 

 

 

 

大丈夫か?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




東方蛇狐録遂に始まりました。二十話越えのプロローグがある小説なんて今迄聞いた事も無いぞ。そして作者はとうとうやってしまった。......えっ何を?

決まってんだろ!ドラクエジョーカー3をamazonで注文したのさ!いやーamazonは引きこもりの味方ですわ(笑)。自分はモンスターズシリーズはジョーカーから全て持ってますのでとても楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))。後は......ついでに買い物かごの中に東方の永夜鈔と風神録を買いました。お陰で財布の中身がすっからかんです。
そしてオリキャラ須佐之男さんです。ちなみにこの人の出番は多分物凄く短いです。可哀想に(お前が言うな!)

では時間東方蛇狐録、やっと目覚めた楼夢さん。そして狂夢との戦いのお陰で自分がパワーアップしている事に気付く。

次回、『おnewな時』次回からのnew楼夢さんを宜しく。では次回もまたキュルっと見て行ってね。

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