東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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俺達は獣

血肉を喰らい

吠え続ける哀れな狼


俺達は炎

罪人を焼く地獄の業火

そしてその血で俺達は朱く染まる


俺達は星

堕ちゆく太陽

それを嘲笑う月の光


ああ、俺達こそ自由の証だ

by火神矢陽


La flamme de diable《悪魔の炎》

 

 

 

 

楼夢side

 

「さーて、準備は出来たか?」

 

燃え尽きた様な白い短髪の髪を持つ少年......火神矢陽は準備運動をしながら楼夢に問う。

 

「ああ、OKだ......その前に一つ気になった事がある。お前は西洋出身の妖怪なんだろ」

 

「?......ああ」

 

火神矢は楼夢の言葉に疑問を抱きながら答える。

 

「......じゃあなんで武器が日本刀なんだ!?それに名前も漢字じゃねぇか!!」

 

楼夢は相変わらずキレがあるツッコミをしながら火神矢に問う。そしてその答えはどうでもいいものだった。

 

「Parce que j’aime la culture deJapon《何故なら私は日本の文化がだーいすきだから》」

 

「いや日本語で話せよ!なにちゃっかりフランス語で喋ってんだよ!!一応意味は解るがややこしいから早よ戻せ!!」

 

「La technique du Japon et meilleur du monde《日本の技術は世界一ィィィィィ》!!」

 

「日本人でもないのに言うな!ああ、なんで普段ボケキャラで通してる俺がツッコミをしなくちゃならねぇんだ!」

 

「神は言っている。君はボケ役になる定めではないと......」

 

「なんでそのネタ知ってんだよ!......ていうか俺のサイコロステーキ食うなぁ!!」

 

「モグモグ......さて、二つ目の質問の答えは唯単に俺に名前が無かっただけだ」

 

「よくそれで仕事入るな」

 

「まあ、皆からは『炎の悪魔』と呼ばれている」

 

ーー炎の悪魔

 

楼夢はこの時火神矢の能力を火に関する能力だと予想した。

 

楼夢は腰に刺した新たな刀を引き抜く。刀の特徴的な所はまず青紫色の柄。そしてその下には紙垂と呼ばれる御払い棒に付いている紙が付いていた。

次に鍔は桜の様な形をしておりその五つの花弁にはそれぞれ魔除けの鈴がシャラシャラと言う音を立てながら付けてある。その音は聞いているだけで安らぎを与えてくれるかの様に心地よかった。

そして刀身は桃色に染まっていた。それは太陽の光に照らされ美しい光を放つ。その光景は誰でも思わず見とれてしまう程幻想的な色をしていた。

 

「随分珍しい刀を持ってるな」

 

「ふふふ、実際俺もまだこいつを手に入れてから日が浅くてね。お手柔らかに頼むよ」

 

「だが断る♪」

 

火神矢はそう言うと俺に向けて突っ込んで来る。俺は火神矢の斬撃を刀で受け流す。

 

「......やるじゃん」

 

「ありがと......よ!

 

G(ギア・マジック)(ファースト)虚閃(セロ)

 

俺は余った左手から桃色の閃光を放つ。火神矢は俺に接近していた為、よけられずに直撃する。俺は【妖狐状態】になりさらに攻撃する。

 

「花炎『狐火開花』」

 

俺は火神矢が居る所に狐火の雨を降らせる。ドドドドッと言う音が辺りに響き、砂煙などが昇る。これはいわゆる全方位攻撃なのでもし狙った場所に居なくても数発は当たる。その光景はある種の虐めの様にも見える。

 

「どうだ、少しは......ん?」

 

楼夢はある一箇所に妖力が集まっているのを確認する。次の瞬間ーー

 

「火神矢奥義『火炎大蛇(かえんおろち)』」

 

一瞬で砂煙が消え、そこから炎で形作られた竜が俺に向かって飛んで来る。

 

「!?ちぃ!

 

雷龍『ドラゴニックサンダー』」

 

俺は八つの竜で攻撃を相殺する。そしてすぐさま火神矢の方に向く。

 

「そう言えば俺の能力を教えてなかったな。俺の能力は【灼熱を生み出す程度の能力】だ」

 

俺はその能力に絶句する。その能力は炎を操るよりも強力で危険な物だ。灼熱と言うことは彼に燃やせない物はほぼ無いと断言してもいい。それ程までに強力なのだ。

 

「んでお前の能力も教えて欲しいんだが」

 

「......」

 

楼夢はしばらく沈黙したあとゆっくりと答える。

 

「俺の能力は【形を操る程度の能力】だ。......本当は手の内を明かしたくないんだがな」

 

「形を操る......へ~それは厄介だね」

 

そう言い火神矢は刀を鞘に収める。それを見て俺は次に火神矢が何をするのか悟った。

 

「(多分......超接近戦だな)」

 

俺はそう悟ると火神矢と同じように刀を鞘に収める。その鞘には四季の花が描かれていた。

 

俺は【蛇狐状態】になると身体に妖力を纏い身体能力を強化する。そして火神矢もまた妖力で身体を強化する。

 

「さてと......殴り合いの準備は良いか?」

 

「いつでも」

 

その返事を期に二人は同時に地を蹴る。そしてそのまま互いに衝突する。

 

「うりゃぁぁぁぁぁ!!」

「オラァァァァ!!」

 

二人は同時に拳を突き出し殴り合いを始める。その拳が一発当たるごとに地が揺れ、今にも地震が起こりそうだ。

今炎の悪魔と桃色の蛇狐が戦い始める。この勝負の決着は......神にも解らない。

 

 

 

 

 

 

 





どーもどーも、作者です。
ちなみに火神矢さんはフランス出身です。フランス語で喋っていたのはその為です。ちなみに作者は現在仏検二級へ向けて勉強中です。あ〜だるい。マジでだるい。
そして作者が中二病過ぎると言われましたが許してヒヤシンス。作者は実はエリート中二病だったのです。タグにそう書きましたので悪口などは書かないで下さい。

さて次回、二人の戦いは超接近戦へ。さあ、どうなる!?

次回もキュルっと見て行ってね。

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