東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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全ての生物には共通点がある

それは、無意識に本能に従って生きている所だ


......本能......ただそれだけでいい

by火神矢陽


Crochet de serpent《蛇の毒牙》

 

 

楼夢side

 

「......おいおい、なんだあの化物.....!?」

 

火神矢は突然マグマの海の中から這い出た巨大な大蛇達を見て、驚いていた。

これも楼夢の仕業だという事に気付いてはいるが火神矢はまず最初の問題をどうしようかと考える。突如ーーーー

 

 

ーーーードガガガァァァァン

 

 

激しい爆発がマグマの海を消し飛ばし、そこから楼夢が無傷で出て来る。

そして、火神矢は大蛇達の正体を知る。

 

「......ハァ!?」

 

火神矢は一瞬間抜けな声を上げる。

そう大蛇達の正体はーーーー

 

「......まさか()()全てお前の尻尾かよ、楼夢!!」

 

「大せいか~い☆まあ、理解した所で意味なんてないけどね」

 

ーーーー大蛇達の正体。それは、俺の尻尾の事だ。

これが、俺の新たな姿【八岐大蛇状態】だ。

 

この状態になるとまず、妖力が【蛇狐状態】の約数十倍になる。

そして、尻尾の蛇が八匹に増える。

さらに、この蛇達は長さを、最大二十メートルにまで調整出来て、伸縮自在になっている。

これは、【蛇狐状態】でも出来るが長さは人一人丸呑み出来る程にしかならない。

 

 

俺は全ての蛇の長さを人一人丸呑み出来る程にまで縮める。

あまり大き過ぎても逆に動きにくい為だ。

 

「ちぃ、大きさにビビっちゃ話んなんねえ!行くぞ!」

 

火神矢は気合いを入れ直し俺に近づこうとする。だが......

 

「はいざんね~んーーーー

 

 

 

 

ーーーーG(ギア・マジック)(フォース)無限装弾虚閃(セロ・メトラジェッタ)』」

 

八匹の大蛇達の口に膨大な量の妖力が集まる。

次の瞬間ーーーー

 

 

ーーーードドドドドド

 

 

八匹の口から無数の桃色の閃光が放たれる。

それを一言で表すなら、まさに機関銃のようだった。

 

「!?......くっ!」

 

火神矢は1000を超える虚閃(セロ)をなんとか避けるが時間の問題だろう。

さらにーーーー

 

「俺を忘れるなっての!!」

 

 

 

 

 

ーー破道『牙鬼烈光(がきれっこう)

 

 

 

 

 

俺は刀の刃先から複数の緑色の光閃を放つ。

俺は先程まで動かずに尻尾だけで攻撃していたのだ。

つまり、俺()()はなにもしていなかったのである。

そして、動かずに遠距離攻撃だけに専念すれば火神矢に十分な負担を与える事が出来る。

 

火神矢は新たに放たれた閃光を避け切る事が出来ず、いくつかが直撃する。

そして、それに気を取られ動きを一瞬止めてしまう。

直後、無数の弾幕が嵐のように火神矢に襲いかかった。

 

「炎舞剣『紅蓮一文字』!!」

 

火神矢は苦し紛れに刀に膨大な量の炎と妖力を込める、それを一文字に切り裂き、斬撃を飛ばす。

だが、個々の威力ならともかく、無数の弾幕の嵐の前には、もはや壁にしかならなかった。

そしてーーーー

 

 

 

 

ーーーードドドドーン

 

 

 

 

 

火神矢の身体はすぐに桃色の閃光の嵐に呑まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「......あれでまだくたばらないのかよ」

 

俺は先程閃光を放った所を凝視する。そこには砂煙が上がっていてうっすらと人影が浮かぶ。

 

「当たり前だ!此処まで来て止める訳ねえだろ!!」

 

火神矢は不気味にも笑いながら叫ぶ。

......なんかあいつ見てると本当に狂夢の野郎の顔が浮かぶな。

 

「ハハハハハ!!久し振りだぜ!!こんなにも追い詰められたのはよ!!なら俺もーーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー全力で行こうか!!!

 

 

 

 

火神矢がそう叫ぶと、辺りに火柱がいくつも吹き出る。

その光景を人が見たら、こう呼ぶだろう。

 

 

 

 

ーー灼熱地獄と

 

 

 

 

やがて、火神矢の居た場所が爆発し、火柱はその爆風によって消える。

そして中からーーーー

 

 

 

 

ーーーー先程の数十倍の妖力を持った火神矢が出て来る。

 

その妖力は楼夢の【八岐大蛇状態】とほぼ同じ程であった。

 

「......な!?」

 

「(なんだよありゃ!?冗談じゃねえぞ!!

......ち、愚痴言ったってなにも変わらない。だったら!!)」

 

俺は刀の柄に付いている紙垂を掴むと、刀を真横にヒュンヒュンと言う風切り音を出しながら、回転させる。そしてーーーー

 

 

「魔槍『ゲイボルグ』」

 

刀は黒い妖力を纏い始める。そして、漆黒の槍を作り出す。

 

「へー、色々な事が出来るな。羨ましいぜ」

 

「元々器用だったし、能力も名前を言い換えれば【万物を操る程度の能力】と呼べるしな」

 

「さーて、お互い妖力は解放したし、いっちょ殺るか」

 

俺はゲイボルグを構え、妖力で尻尾と身体を強化する。

 

 

 

 

 

 

 

ーーさあ、裁きの時間だ

 

 

 

 

最初に動いたのは俺。火神矢に突きを繰り出す。

火神矢はそれを刀で受け流し、攻撃を回避する。

次に火神矢は灼熱の炎を纏いながら一文字を描く。

おそらく、先程の紅蓮一文字と言う技だろう。だったら......

 

「狂華閃八十九奏『水雲(もずく)』」

 

俺は刀に密度の高い水を超圧縮し纏う。これは『細波』とは違い、斬撃を繰り出した瞬間に大量の水が放出され、敵を圧殺する技だ。おそらく攻撃範囲は狂華閃の中でも一番だろう。

 

「「オラァァァァ!!/ハアァァァ!!」」

 

炎と水がぶつかる。

普通なら、火は水に弱いというのが常識だろう。

だが、目の前に居るのは妖怪としての常識を超え、最高神をも打ち倒す程の強者。

その彼もまた常識外れだった。

 

火神矢の能力【灼熱を生み出す程度の能力】はその気になれば、この場に小さな太陽を創り出す事も、地底のマグマを噴火させる事も出来る、一言で言えば、熱に関する物を操り、創り出す事が出来る。

 

今回は炎の熱を操りマグマよりも熱い炎を生み出した。

その温度は水を一瞬で蒸発させてしまう程だ。

つまり......

 

 

 

ボシュッ

 

 

楼夢の放った水は全てその灼熱の炎に飲み込まれる。そしてーーーー

 

「紅蓮の炎に刻まれて消えろ」

 

一文字に燃える炎に飲み込まれる瞬間

 

 

 

 

ーー霊刃『森羅万象斬』

 

蒼き斬撃が辺りに迸る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





疲れた~~~~~!!!
最近、家にメッチャ友達が来ます。今週でもう四回目だぞ。もうちょっとお兄さんを休ませて(笑)

さて次回、互いに全解放で戦う火神矢と楼夢。しかし二人の戦いの均衡が崩れ始める。

次回もキュルっと見て行ってね

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