東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:日差丸
親しみ、裏切り、地を流す
それが俺の三千世界
by火神矢陽
ーー少年は全てを信じなかった。
否、少年は全てを信じなくなった。
その理由はこの世界に知っている者はもう存在しない。
これは、西洋最強の妖怪の遠き過去のお話
『よーす、火神。元気にしてたかー?』
ーーそんな仲間の声が聞こえる。
彼の名は
【熱を吸収する程度の能力】を持つ妖怪だ。
少年の種族はフェンリルだが、犬のような尻尾も耳も無かった事から、仲間に見捨てられた。
そして、今現在はとある都市近くの森に住む妖怪の一人として、暮らしていた。
『腹減ったな......おい火神なんか取って来い!』
ーー少年は今の生活に喜んでいた。
ーー彼は孤独だった。だが今は仲間が居る。
元々少年は純粋だった。いや、純粋すぎた。
その為彼は仲間だと思っていた森の妖怪達が自分を騙しているなんて思いもしなかった。
少年は言われた事をしっかりこなす純粋な子だった為妖怪達が利用しない訳無かった。
妖怪達は少年に一日に一回無理事ををやらせた。
時には森の妖怪達の為に全員分の食べ物を要求したりもした。
だが少年は一切文句を言わずに一日をその無理事の為に費やした。
ーー妖怪達にとって火神は奴隷そのものだった。
命令すればなんでもこなす。
そんな日々が毎日続いた。
ーーある日少年の元に一つの噂が流れた。
それはとある遠い遠い都市が穢れから逃れる為に月に移住したと言う話だった。
噂はすぐに各地に広まった。
その話を聞いた都市はロケットで月へと脱出しようとし、それを妖怪達が食い止めようとする。
ある都市は月へと無事乗り切り、またある都市は妖怪達の手によって滅ぼされた。
そんな戦いがずっと続く。
人々はこの戦いをこう呼んだ。
ーー人妖大戦と。
そしてそれは火神達も例外では無かった。
都市の周辺の妖怪達は互いに手を組み人間達を食い殺す為収集された。
今の時刻は丑三つ時。
火神の妖怪としての実力は中の下程だった。
それを分かって尚、火神は目覚ましの為に夜の森を散歩していた。
すると、人目がつかない場所で妖怪達の話し声が聞こえた。
『人妖大戦、そろそろっすね』
『ああ、そうだな』
『それにしてもどうするんすかこれ。一番危険な場所に妖怪を一人行かせろと上から言われてんすよね』
『安心しろ。あそこには火神を行かせる』
妖怪がそう言った時、火神の背筋が凍り始める。
『おお、あいつをっすか?さすが兄貴!』
『あいつは俺らの奴隷のようなもんだからな。死んでも構わねぇし誰も文句を言わない。生贄にはぴったりよ』
『その通りっすね、ハハハ』
火神はその話しを聞いて、怒りに満ちていた。
ーー自分はあれ程信じていたのに、どうして?
少年は気が付けば森を抜け出し、逃げ出していた。
少年は明日人妖大戦の中で復讐する為に寝床を探した。
ーーもうその目には光は映っておらず、代わりに闇のような黒い憎悪で燃えていた。
いよいよ人妖大戦が始まった。
火神は辺りを見回し、森の妖怪達を探す。すると、遠くに見覚えのある妖怪を見つけた。
ーー今の火神の表情は獲物を見つけた獣のようだった。
火神は大乱闘を繰り広げる妖怪達に近づく。すると一人が気付いたようだ。
『火神!!てめえ何処ほっつき歩いてやがった !!さあ行け、兄貴がお待ーーーー』
妖怪がそう言い切る前に火神は彼の頭を消し飛ばす。
火神は森の中ではあまり強くはないが今は違った。
ーー妖怪は感情によって強さが変わる。
今の火神は二度裏切られた事で復讐の炎がさらに燃え上がっていた。
ーー今の火神は誰にも止められない。
そして一人が殺された事で周りの妖怪達が気付く。
『てめえ何しやがる!!』
『俺らに喧嘩を売ってんのか?火神ぃ!!』
火神はその中で兄貴と呼ばれる妖怪を見つけると喋り出す。
『この俺様を裏切ったんだ。覚悟は出来ているよな?』
その声を聞いた時、妖怪達は一斉に襲いかかる。だが全て復讐の炎によって燃やされる。
『......案外呆気ない物だな』
『ひ、ひぃ!!お願いだ、助けてくれ!!』
その声を聞いた瞬間、火神の怒りが増幅する。
『そんなもんで許してもらえるなら俺は今ここには来ねぇよ!!!』
グチョ グチャ
火神は妖怪が死んでも尚、殺し続ける。するとヒューと言う音と共に核爆弾が落ちてくる。
『......何だありゃ?』
火神は科学など分からないので今落てきている物体がなんだか分からなかった。
ーー瞬間、辺りが光に包まれる。
『グオオオオオ!?』
火神には何が起こったか分からなかった。だが今はそんな事を考える時間は無い。火神は能力を発動すると熱を吸収し始める。だが......
『ぐ......ううう!』
核爆弾の熱を全て吸収するなんて出来るわけなかった。火神は一瞬で吸収限界になる......がそれでも火神は吸収し続けた。
ーーやめれば死ぬ。
そんな恐怖に晒されながらも火神は必死に吸収し続ける。
『あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!!』
やがて、光が収まり、火神の前には全て消え去った跡があった。
だが、火神はそんな事には目もくれず、自分の身体から溢れる力に注目していた。
ーー核爆弾の熱を吸収した事で得た能力【灼熱を生み出す程度の能力】
ーー火神はこれにより、力と引き換えに感情の一つ『信頼』を失った......
~~今日の狂夢『様』~~
「第二回、三年E組、教えてーーーー」
「「「狂八先生!!!」」」
「という事で今回は妖魔刀を紹介してくぜ、どーも皆さんみんなの希望の星狂夢だ!!」
「何時も変わらない作者です」
「というかなんでこのコーナー復活したんだ?」
「それは此処だとメタ話出来るので色々便利なんですよ」
「ああ、そうか。んじゃ妖魔刀の紹介行くぜ」
「妖魔刀とは、妖刀に魂が入った刀の事を指すんだな」
「ちなみに妖魔刀と妖刀の違いは?」
「妖刀には妖力が込められていて、妖魔刀には魂が込められていているんだぜ」
「んで、妖魔刀には一つ一つに名前があってそれを呼ぶ事で封印を解く事が出来るんだ。まあ、要するに斬魂刀のような物だ」
「質問、なんで楼夢さんの舞姫の能力は【舞いを具現化させる程度の能力】なのに狂夢さんの技が使えるんですか?」
「言い忘れたが舞姫はもう一人の俺のような物だから多少は俺の能力を使う事が出来るんだ。
そして舞姫の能力の説明はテーマを決めて踊りそれを具現化させる事で攻撃するんだぜ。
例を上げるとテーマを桜にして踊ると無数の桜の形をした斬撃が相手を切り裂くような感じだ」
「ちなみに妖魔刀の設定は結構重要なので覚えておいて下さい。
後、よく狂夢さんそんな長い事覚えていられましたね」
「あ〜いやいや、覚えてないけど前に書いた『安心安全妖魔刀取扱説明書初級編』をさっき久しぶりに読んで思い出しただけだ」
「初級ってまだ説明してない事があるんですか?」
「あるっちゃあるけどめんどくさいから言わない。じゃあ次回予告行くぜ」
「火神と引き分けた無様な楼夢君は火神と一緒に一夜を過ごす。
次回もキュルっと見て行ってね」