東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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喜びを表す天使のラッパ

怒りを表す復讐の刃

哀しみを表す天の雫

楽しみを表す月光の神楽


喜怒哀楽の感情

もしこの内のピースを無くせば人は人間から何か別の物に生まれ変わるのだろうか......

by白咲楼夢




埋められた感情のピース

 

楼夢side

 

 

「ぐ......ううぅ......」

 

 

俺は土の上で目を覚ます。どうやらあの後気絶していたようだ。

 

 

「目覚めたか......ならさっさと立て」

 

 

そう誰かが喋る。

俺はその声が聞こえた方へ振り向く。そこには......

 

 

「......火神?」

 

「ちょっと待てなんで『火神』なんだ?」

 

「だって火神矢だと長いし、陽だとなんか色々いけないからだ」

 

 

何故いけないかと言うと、どっかの下手くそ小説を書いてる野郎の本名に似ているからだ。

 

 

ピチューん

 

 

......今の音は無視しておこう。

 

 

「なんだよ俺のネーミングセンスにケチ付けるのか?情けないぞ火神」

 

「まだ俺文句言ってねえよ!!後結局そう呼んでるじゃん!!」

 

「ちっちゃい事は気にするな、それ」

 

「ワカチコワカチコって何言わせとんじゃ!!」

 

 

おお、ツッコミに回る火神は珍しい。やっとこっちのペースになって来た。

......後なんでそのネタ知ってんだよ。

 

「それだったらお前は『血髪(ちがみ)』になるぞ」

 

「なんで血髪なんだよ。俺の髪は桃色だ」

 

 

そう言い俺は袖から手鏡を取り出し覗く。そこには見事に血で染まった俺の髪があった。

 

 

「どうだった、血髪?」

 

「......チーン」

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくお待ちください......。

 

 

 

 

 

 

「そんな事より飯だ!飯が食いてえ!血髪!なんか作ってくれ!」

 

 

おい食いたいなら自分で作れよ。

俺は内心呆れながらも立ち上がろうとする。だが何故か身体に力が入らなかった。

 

「親方ぁ、何故か身体に力が!」

 

「なんで親方なんだよ。まあ力が入らない理由は多分ストームブリンガーで斬られたからだ。戦闘中でも喋った通り俺のストームブリンガーは魂を吸う魔剣だ。まあ、そのうち治るから安心しろ」

 

「いやいやこれじゃあしばらくの間立てねえよ!」

 

「......ち、じっとしてろよ」

 

 

火神は刀を引き抜くとストームブリンガーを使う。......え、なんで俺の方に構えてんの?

 

 

「歯ぁ食いしばれよ」

 

 

ズシャ

 

 

「ギャアアアアアア!!!」

 

 

俺の身体を何かが切り裂く。何故か傷は出来なかったが超痛え。

 

 

「何すんじゃコノヤロー!!」

 

「まあまあ、ちっちゃい事は気にするなそれ」

 

「ワカチコワカチコってもうそれはいいんだよ!!!......まあ、立てたから一応礼は言っておく」

 

「要らねえよ。お前の礼なんて金の足しにもならねえ」

 

「ああん?」

 

「な、なんでもない」

 

「そうか」

 

 

俺はそう呟くと袖の中から鉄球を取り出しそれでフライパンなどを作る。さあ、調理(せんとう)開始だ。

 

 

 

 

 

......数十分後......。

 

 

 

 

「......出来たぁ!!」

 

 

俺は能力で作った木のテーブルに今日作った料理を並べる。

 

 

「何という事でしょう。ただの人肉が匠の魔法とも言える料理で五つ星レストラン並のハンバーグに早変わり。この料理は匠の類ない料理センスの結晶です」

 

「そんな解説要らんからさっさと食おうぜ」

 

 

俺と火神は椅子に座り、料理を食べようとする。その瞬間......

 

 

 

ドッポーーーン

 

 

 

俺達の隣で水柱が立つ。どうやら先程の戦闘の衝撃で温泉が湧き出たようだ。そして......

 

 

バシャン

 

 

俺と火神は温泉の湯に呑まれずぶ濡れになる。だがそんな事より......

 

 

「......チーン」

 

「...」

 

 

俺達のハンバーグは温泉の湯のせいで原型もとどめていない哀れな姿へ変わる。

 

 

「「や、野郎ぶっ殺しゃらぁぁぁぁぁぁあ!!!」」

 

 

そしてその後辺りに謎の爆発が起きたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「く~いい湯だぜぇ」

 

「ひゃぁ~疲れが取れる~」

 

「お前の場合疲れと一緒に理性も飛んで逝きそうだな」

 

 

俺は現在火神と一緒に温泉に浸かっている。地形の方は俺の能力で整えておいた。やっぱりこの能力万能だな。

 

 

「いや~温泉に浸かるのなんて何年ぶりだろう?」

 

「何年だ?」

 

「さあ、最後に浸かったのは......駄目だ、数億年前の事なんて覚えてる訳ねえ」

 

「数億年?て事はもしかして人間達が月に行く前から存在していたのか?」

 

「そうだが。......どうやらお前も同じみたいだな。嬉しいぜ、同世代の奴が生き延びていたなんてよ」

 

「いや、あと一人生き残ってそうな奴が居る」

 

「......意外と生き延びていたりするんだな」

 

「......そうだな」

 

 

俺はあの日の出来事を思い返す。思えばあの頃中級妖怪だった俺が今じゃ妖怪達から破壊神と崇められる程の妖怪か。信じられないな。

 

鬼城剛、この地を旅すればいつか必ず戦う事になる強敵。......負けねえぞ、俺は。......ん、やばい気持ちよすぎて......堕ちる!

 

 

「......キュル~~」

 

「ぷ、ははは!!なんだよその鳴き声は!?」

 

「......く~~」

 

「へ、おいおい起きろよ」

 

「......は、私は一体何を......?」

 

「思いっきり寝そうになってたぞ」

 

 

危なかった。取り敢えずもう寝ないようにしないと......ん。

 

 

「なんだその酒は?」

 

「ああ、こいつは『火昇り』と言って鬼みたいに酒に強くなければ一瞬で酔いが回っちまう俺特製の酒だ」

 

「ちょっと貰ってもいいか?」

 

「いいがお前酒に強いのか?」

 

「いや、そもそも飲んだ事がない」

 

「マジかよ、あまりおすすめはしないが......ほらよ」

 

「サンキューグビッ」

 

「......どうだ?」

 

「結構美味いな......もう一杯!」

 

「そう来なくっちゃ。おらよ」

 

 

酒も結構美味い物だな。今日はとことん飲むか。

 

 

後日温泉には酔い潰れている二人の妖怪と百を超える酒のビンがあったとさ。

 

 

 

 




~~今日の狂夢『様』~~

「どーも皆さん、最近ゲームで遊べていない作者と」

「ぬ~すんだバ~イクで走り出す~~♪

一日中ゲームしている狂夢だぜ♪」

「ていうかなんでカラオケしてたんですか?」

「知らんな」

「そっすか、さて火神さんはこれでしばらくお休みです......どうしたんですか?」

「......作者、俺は決めた、『火昇り』を超える酒を絶対作ってやる!」

「な、なんだってーーーー!!!」

「ここで負けたらあとがきの支配者としての名が腐る。というわけでしばらく俺はあとがきには出ない。じゃあな!!」

「......あの人は何を目指しているんだろう?

では次回予告、なんと新章突入!楼夢さんはとある国を目指す。そこで巻き起こる数々の事件とは!?

次回もキュルっと見て行ってね」

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