東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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星、それは希望の光

月、それは裁きの閃光

夜、それは絶望を与える漆黒の闇

by白咲楼夢


呪われし巫女の涙

 

楼夢side

 

 

夜ーー皆はこの言葉について何を思い浮かべるだろうか?

 

ある者はロマンチックだとか星々がよく見えると言う。だが夜はそれとは別に人の心に恐怖を与える物もある。

 

具体的な例が闇だ。皆も幼き頃は夜出歩くのが怖かった事があるだろう。それは人が闇の中に何か得体の知れない物があると信じているからだ。

 

だがこの時代では夜出歩く事はほぼ自殺行為と言ってもいい。当たり前だ。この時代の人々は妖怪の存在を信じ、恐怖している。つまりは妖怪はまだ存在しているのだ。そして妖怪は人に恐怖を与える夜と言う物が大好きだ。ここまで聞けば夜出歩く事がどれだけ危険というのがわかっただろう。別に俺は他人が死んでも特に問題はない。それで悲しむのはその身内だけでいい。

 

 

だが今回は違った。なんせ外に出歩いた者が()()だったからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜唐突に俺は目覚めた。現在の時刻は草木も眠る丑三つ時。この時間に外に出る者は当然ながらいない。だがこの洩矢神社から()()()匂いが薄れているのを俺は見逃さなかった。

 

匂いが薄れていると言う事は今この場にいないと言う事だ。だが微かに残った匂いは外へと続いている。そしてそれは諏訪子のではない。

では誰のか?答えは簡単。早奈のだ。

 

 

俺は布団から急いで出て、匂いの元へ向かう。真面目な彼女の事だ。恐らくは昼神社に出た蜘蛛を退治しようとしているのだろう。

 

あの蜘蛛の名前は猿蜘蛛。どうやら隠密性が高くて諏訪子もまだ退治出来ていないようだ。そして二番目の特徴は主に群れで一箇所の巣で暮らしているらしい。早奈はその巣へと向かっているのだろう。

だとしたら相当不味い。猿蜘蛛はああ見えて中級妖怪だ。中級から上の妖怪は基本的に群れを作らない。主な理由は一匹一匹が人を殺すには充分すぎる力を持っているのだから。

 

そんな中級妖怪の群れに早奈が勝てる訳もない。昨日も言ったが早奈はまだ未熟だ。退治出来たとしても中級妖怪を一匹が良い所だろう。

 

 

だからこそ、俺は早奈の匂いを辿りながら全力で走った。まだ若い彼女を此処で死なせる訳にはいかない。だから、まだ生きててくれよ......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は早奈の匂いを辿っていると諏訪国外れの森に辿り着いた。

 

確かに此処なら隠れるには丁度いいだろう。

少し森を進むと俺は少し開けた場所に出た。そこにあるのはーーーー

 

 

 

 

 

ーーーー血まみれになりながらも、肩で息をしている早奈の姿があった。

 

 

「霊刃“森羅万象斬“!!」

 

 

俺は早奈の前に立っていた猿蜘蛛数匹を切り裂く。数にして......およそ五十。よく此処まで耐えしのいだと言った所だろう。

 

 

「ろう......む...さん?」

 

「喋るな。息を整えて守りに徹しろ。全く......なんでこんな無茶をしたんだよ」

 

 

俺が呆れていると猿蜘蛛が三匹俺に襲い掛かる。だが、まだ甘い。

 

 

「破道“牙鬼烈光“」

 

 

俺は複数の緑色の閃光を放ち蜘蛛を貫く。だがまた新しい蜘蛛が出て来る。

 

 

「ああもう!何匹出てくんだよ!“鉄散針“」

 

 

俺は袖から一本の針を取り出し、投げつける。すると、針は数十本に分裂して蜘蛛達を貫いた。

 

 

「まだまだぁ!星炎“スターライトフレア“!」

 

 

更に俺は刀を抜き五芒星を描きながらルビーのように燃える炎の斬撃を飛ばす。

辺りは炎の海となったが猿蜘蛛はまだまだ出て来る。もうヤダ、お家帰りたい......

 

 

「響け!!“舞姫“

 

舞姫神楽“姫風(ひめかぜ)“」

 

 

俺は舞姫を解放し、舞う。すると何処からともなく突風が吹き、辺りの蜘蛛を切り刻む。

 

 

「おまけだ!覇刃“ギガブレイク“!」

 

 

俺は紫電を纏った刀で蜘蛛達を切り裂く。これは皆ご存知ギガブレイクである。暇潰しに作ってみたが中々高火力なので採用しただけだ。

だがそれでも蜘蛛達は湧き続ける。ウザイ。ゲロ以下の匂いがプンプンする。

 

更に俺は先程のようにホイホイ技を使えなくなった。何故なら、俺の技のほとんどが地形を破壊してしまうのだ。これ以上殺ると俺が諏訪子に怒られる。

 

俺は舞姫で俺や早奈に近づいてくる妖怪を一人一人切り裂いていく。猿蜘蛛の攻撃方法はその長い足での攻撃と口から緑色の液体ーー恐らく毒を吐き出す攻撃の二つだ。故に読み易いが流石に疲れた。燃費が悪いがあれを使うか......

 

 

「オラオラァ!!こっちだこっち!」

 

 

俺は挑発して蜘蛛をおびき寄せる。そして全員が射程距離に入った時。

 

 

「流星“ギャラクシーストリーム“!!」

 

 

俺は神力を使って美しい銀河のような巨大な閃光を放つ。猿蜘蛛達はその流れに呑まれて消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく......どうして何も言わないで出たんだ!あのままじゃ死んでたんだぞ!」

 

 

俺は早奈に怒鳴る。

 

 

「だ、だって......私はこれ以上人が悲しむのは見たくないんです!!だから、諏訪子様に黙って......」

 

「なんで黙ってたんだ?」

 

「そ、それは......その...」

 

「なんでもいい。つまらない理由でもいいから言ってくれ」

 

 

楼夢は優しく早奈に問いかける。すると、早奈はそのかすれた声を振り絞って話だした。

 

 

「私は...楼夢さんに自分の能力を知られたくなかったんです!もし、楼夢さんが私の能力を知ってしまったら......きっと皆のように私を避けると思ったから!」

 

「【呪いを操る程度の能力】。それか......」

 

「な、なんでそれを!?」

 

「諏訪子から聞いた。お前の能力の事をな......」

 

「......ハ、ハハハ、やっぱりそうですよね。楼夢さんも同じように...やっぱり私なんて......」

 

 

早奈がそう言い終える前に楼夢は彼女を抱きしめる。早奈は突然の事で顔が真っ赤に染まっていた。

 

 

「......辛い事があるんだったら話せよ。無理をするな。お前がいなくなれば俺や諏訪子が悲しむ」

 

「楼夢...さん......ウワァァァァァァン!!!」

 

 

その夜、少女の泣き声が森に響いた。

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~

「投稿遅れてすみません。作者です」

「またか......遅れた理由は?狂夢だ」

「この前実は......モンハンクロスと妖々夢を買ってしまったんですよ」

「お前この前ドラクエ買っただろ。なんて奴だ」

「それでモンハンが面白くてついつい投稿が遅れてしまいました。ちなみにプレイヤーネームは『産霊千神美』です。Wi-Fiで見かけたらよろしく」

「お前それ小説のネタじゃねぇか!!何まだ使ってないのに紹介してんだよ!!」

「ちなみに読み方はこの章のメインが終わったらわかると思います。

それでは、次回予告、次はとうとうこの章のメインに近づいて行きます。では次回も、キュルっと見ていってね」

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