東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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争いは人世の為に そう信じたい

by洩矢諏訪子


うむ、団子美味し

 

 

楼夢side

 

 

猿蜘蛛達を退治してから軽く数年の時が流れた。

あの件もあってか、諏訪の国の中に妖怪が入る事が少なくなった。まあ、中級妖怪の群れを瞬殺したらそうなるわな。

 

ちなみに俺の妖怪としての格は既に大妖怪をも超え最強クラスに入っている。言うならば“伝説の大妖怪“と言った所だろう。まあ、俺と同等な奴なんて火神ぐらいだろう。

 

 

さてそんな伝説の大妖怪の俺は現在自分の部屋で村で買った団子を食べている最中だ。......うむ、美味しい。

 

俺が二十個目の団子を食べ、お茶を飲もうとする。その時

 

 

「巫っ山戯んじゃないわよ!!!」

 

 

突如居間から諏訪子の珍しい怒鳴り声が聞こえた。だが問題はそこじゃない。

俺はその怒鳴り声に驚き、お茶を掴む手を離してしまったのだ。お茶の器は綺麗にくるくると回りながら重力に従い、床に落ちる。それだけならよかった。

 

器に入っていたお茶は見事に後で食べる用の団子十個にバシャンとかかる。

団子は見るも無惨な姿へと変わる。そして甘党の楼夢にお茶でふやけた団子を食べる事など出来なかった。

 

 

「........(グスン」

 

 

楼夢は若干涙目になりながらも片付けを始める。

その暗い背中からは楼夢の悲しみが感じ取れるようだった。

 

 

 

 

 

 

桃巫女インするまで........。

 

 

 

 

 

 

「す、諏訪子!どうしたんだ!?」

 

「ああ、楼夢、いいところに!これを読んでみて」

 

 

俺は諏訪子の元に来ると、彼女から一枚の手紙を渡される。え~と、なになに........

 

 

 

 

穢れし諏訪の神へ

 

 

単刀直入に言う。穢れし神が住む諏訪の国を我々へ明け渡せ。さもなくば我々は武力を持ってこの国を攻め落とす。

 

 

大和の神より

 

 

P.S

 

まあ穢し諏訪の神に抗う術など無いのだがなwww

 

 

 

 

 

 

 

「........(イラッ☆」

 

 

俺はすぐさま蒼い狐火を手の平に出現させ、手紙を燃やす。俺の長い人生の中でもこれほどイラッと来る手紙は見たことが無い。諏訪子が怒鳴る理由も分かったような気がする。

 

 

「........んでどうするんだ?」

 

「決まってるよ!私は絶対降伏なんてしない!勝って私の民を守るんだ!」

 

 

諏訪子は大声で答える。正直言って諏訪国を守る方法ならある。それは()()一人で大和の国を滅ぼす事だ。

俺の神としての種族は破壊神。その力を使えば国の一つ滅ぼす事は簡単だろう。だが、今回はこの方法は使えない。

 

正確に言うと俺単体に破壊神としての力は無い。

今の言葉でよくわからないと言うだろう。詳しく言うと、妖怪としての“白咲楼夢“には破壊神としての力は無いと言っている。では、この力は誰のだ?

それは俺であって俺ではない存在ーー狂夢だ。

 

俺達の種族は蛇狐だが、俺には狐、奴には蛇で蛇狐と言う種族が成り立っている。

 

このように、俺には無い部分は狂夢が、狂夢には無い部分は俺が持っているのだ。

 

さて今回狂夢の力を使えない理由は俺には分かる。単純に奴が面白くないからだ。

考えて欲しい。みんなは必ず勝つゲームをやって楽しいか?

要するに今回の戦争は狂夢にとってゲームに過ぎない。そして必ず勝つ方法を無くす為に力を貸さないのだ。まあ、今まで一人で戦って来たし特に問題は無い。

 

 

「それで、今から修行でもするのか?」

 

「うん。でもその前に........大和の連中に返事しないと........悪いけど楼夢行ける?」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

 

と言う訳で俺は大和の国に行く事になりました。正直言って大和の国の菓子が買えれば問題ない。

 

 

俺はすぐに大和へ行く準備をすると社を出ようとする。すると、鳥居の前で早奈が待っていたかのように立っていた。

 

 

「よっす。俺今から大和の国に行くんだ」

 

「知っています。必ず戻ってくださいよ」

 

 

早奈は俺に微笑む。俺はそれを見て少しヤル気が出てきた。やっぱ見送り無しとありとじゃ違うね。

 

 

「........ああ、行ってくる」

 

 

俺は早奈に手を振ると、社を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は現在森の中にいる。一応ここから変化の術を少し強化しバレにくいようにする。

 

 

俺は森を抜ける。すると少し遠くに何かあるように見えた。

 

俺は“緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)“を使う。色はいつの間にか宝石のような緋色に変わっていた。あまり使わないが実はこの目にはズーム機能があったりする。現在はその力で遠くを見ているのだ。

 

遠くに見えた物。それは大和の国だった。

俺は急いでそこへと向かった。

 

 

 

 

 

少年移動中........。

 

 

 

 

 

とうとう大和の国に着いた。最初は門番達に絡まれたが諏訪子から貰った紙を渡したら通してくれた。あれなかったら入れないじゃん。

村などは賑やかで栄えているのがわかる。

俺はすぐさま団子屋に行く。

 

 

「おい、団子一つくれ」

 

「あいよっと!」

 

 

店主は俺に団子を渡す。俺はすぐさまそれにかぶりつく。こちらも諏訪国とは違った味で美味い。うむ、気に入った。

 

 

「おっちゃん、団子三十個追加で」

 

「さ、三十!?ね、姉ちゃんどうやって持つんだい?」

 

「一応術とか使えるしなんとかなる」

 

「は、はぁ」

 

 

やっぱり美味い。諏訪子には内緒で少し観光させて貰おう。

 

 

 

 

 

 





~~今日の狂夢『様』~~


ジャーパネット、ジャーパネット~~♪、夢のジャーパネットNEET~~♪


「はいという訳で狂夢だ。今回は新商品の紹介だぜ」

「絶対ロクな事が起こらないと思う、作者です」

「今回の商品はこちら“プロア●ティブ“だ」

「プロア●ティブ?お肌に塗るあれですか?」

「そうそう、人間時代では俺達も使ってたんだぜ」

「........使ってたのかよ」

「まあ、使ってみやがれ!ほら」

「は、はいはい(まあプロア●ティブならいいか)」

「ほらよ」

「ありがとうございます。では」


ヌリヌリヌリヌリ


「どうだ、作者?」

「........」

「作者?」

「........目がぁ!!目がぁ!!」


ピチューん


「........あ、作者が塗ったのって........」



名前:テロアクティブ

効力:肌に塗ると強力な毒が襲いかかります。特に目が一番痛いので取扱説明書をご覧下さい。
尚、この商品を使用して事故が起きた場合、我が社は一切責任を取りません。

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