東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~ 作:キメラテックパチスロ屋
等しく平等
by白咲狂夢
楼夢side
「........というわけで戦争になりました」
「やっぱりか........そう簡単に交渉にのってくれるわけないよね」
諏訪子はかすれた声で小さく呟く。恐らく俺がいない間に戦争をした時の事を考えていたのだろう。
「どうしよう........私じゃあ大和には勝てない。それだったら、大人しく国を明け渡した方が........」
「諏訪子........」
「諏訪子様........」
諏訪子は誰に語り掛ける事もなく一人でブツブツと呟く。その表情は不気味にも笑っていた。
ーー狂気
そう呼ぶに今の諏訪子はふさわしい。
「ハッ........ハハハハハ、当たり前だよね。強い者が出て来たら弱い者が負けるのは........だったら国を明け渡して私なんか消えた方が........」
「諏訪子!!!」
俺はそのあまりにも情けない諏訪子の姿に俺は怒鳴る。
「なっ何さ!?」
「諏訪子........一応言っておく........お前が国を明け渡すのは自由だ」
「だったらーーーー」
俺に喋る前に諏訪子の言葉は遮られる。そして、俺は続ける。
「もし、お前が国を明け渡したら........早奈はどうなる?」
「!?」
「もし、お前が国を明け渡したら........慕っていた民達はどうなる?」
「........っ!」
「別に諦めるなとは言ってない。戦いでは時には退く事も大事だ。。だが、もしお前が国を明け渡せば全てが終わる。頭を冷やせ、そして周りを見ろ。今のお前は........一人じゃねえだろ?」
「!!」
諏訪子は思い出したかのように首を上げ、早苗の前に立つ。そしてその一言に己の気持ちを込めて、謝る。
「早奈........弱気になって、ごめんなさい」
「いえ、いいですよ........信じてますから」
「うん」
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
「さてと、修行の準備はできたか?」
「出来たよー。神奈子でもなんでもかかってこい!」
『おい、楼夢この餓鬼大丈夫か?』
「(現時点じゃ神奈子には勝てない。その為の修行だろ?)」
『ふーん。まあ修行メニューは作っておいたから感謝しろ』
「(はいはい、サンキュー)」
今回諏訪子はデタラメに修行したって勝てない。その為に大和に行った時に神奈子を観察してたのだ。俺はあの時巫山戯たが、全て神奈子に悟られない為の布石に過ぎない。
おまけに俺の相手はあの天照と
俺はあの大和の神社で神奈子や天照の他に一つ巨大な神力を感じた。しかもその神力の持ち主を俺は知っている。
つまり、俺は事実上の二対一になるのだ。対策の一つか二つ練らないと面倒な事になる。
『んじゃ餓鬼始めんぞー、って聞こえないの忘れてた』
「諏訪子ー始めるぞ」
「うん!」
ーー狂夢『様』の修行メニューその①
ーー階段ダッシュ
「ダラァァァァァァァ!!!」
「ヒィィィィィ!!!流石にこれは予測してないよォォォォォォ!!!」
俺と諏訪子は洩矢神社の長いことで有名な階段で階段ダッシュをしている。え、諏訪子が絶叫しているのは?それは階段ダッシュを全速力で五百往復走らねばならないのだ。
『ガンバー、あと残り四百往復だぜ☆』
「諏訪子ー大丈夫か?あと四百往復らしい」
「四百ゥゥゥゥ!!!やめて、もうケロちゃんのライフはもう0よ!!!」
そんなこんなで
ーー狂夢『様』の死行メニューその②
ーー筋トレ
「よーし早速........おい諏訪子」
「ああ、お花畑が見えるよ」
『駄目だコイツ早くなんとかしないと』
「はぁ、しゃーない」
俺は能力で水を作り出しそれを氷結させる。すると手の平サイズの氷が出来上がる。俺はそれを諏訪子の服の中に入れる。
「ヒャウッ!!」
「おーし、じゃあやるぞ」
「ちょちょっと待って!筋力を上げる理由は?私は基本的に弾幕を使うから必要ないと思うけど?」
「ああ、確かに今までのお前には必要ない。だが俺が見た限り神奈子の筋肉の質はお前より圧倒的に高い。ただでさえ神力で負けてるお前が更に不利になる。その為の筋肉の修行だ」
「ぐぐっ」
「理解出来たならさっさとやるぞ」
今回鍛える筋肉は腹筋と腕の筋肉だ。神奈子の筋肉の質から、彼女は中間距離で戦う。そして諏訪子も中間距離で戦うタイプのようだ。俺に出来る事は神奈子と諏訪子の身体能力の差を無くす事。
俺にはそれしか出来ない。
ーー狂夢『様』の死行メニューその③
ーー
「今日最後のトレーニングだ。全力で来い」
「勿論、手加減はしないよ!」
『さーて始まりました練習試合。実況は白咲狂夢がお送り致します』
「お前は黙ってろ!!」
『もっと........アツくなれよォ!!!』(修造)
「なにごちゃごちゃ言ってん........の!」
諏訪子は俺に向けて弾幕を放つ。そして時には能力を使い岩などで攻撃して来る。
俺は桜の花弁のような形をした弾幕を放つ。それは小さいが楼夢はそれを一瞬で一万個創り出し飛ばす。
『おーと楼夢ここで弾幕を出した!桃色の波のような全包囲攻撃に餓鬼はどうする!?』
「ちょお........それはないで........しょ!!」
諏訪子は能力で土の壁を作り弾幕を防ごうとする。だが一万の弾幕の前では数秒しか持たない。だがその数秒は脱出には充分過ぎる。
「お返しだ!」
諏訪子は愛用の鉄のチャクラムを全て取り出し楼夢に投げる。その数約二十個。
『チャクラムの雨が楼夢に降り注ぐ!これで........』
「これで........止めだぁ!!」
「........それでやられる程俺は甘くないぜ」
瞬間、舞姫がきらりと青白く光る。青白い剣先から放たれるのは三日月を描く斬撃。
「霊刃“森羅万象斬“」
「ふぁっ!?」
諏訪子のチャクラムは全て青の斬撃に呑み込まれる。そして
ドゴオオオオン
ピチューん
『「あ........」』
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
此処は精神世界。この世界には天をも貫く無数の摩天楼の群れがある。そしてその中の一つにこの世界の主神ーー白咲狂夢は住んでいた。その住処に辿りつける可能性は約数十億分の一。つまり、彼の住処に辿り着く事はほぼ不可能なのである。そう、ただ一人を覗いて........
「はぁー、疲れたな」
「ったく、てめえはなんでまた関係ない事に首を突っ込んでんだか。お陰で俺はてめえらの死行メニューを考えなきゃいけねえハメになったんだぞ」
「そういうわりには作ってくれたじゃん。」
「今回だけは負ける訳にはいかないだけだ」
そう言い狂夢の瞳は緋色に光る。今まで俺は気付かなかったがどうやら八岐大蛇になった影響で俺の
狂夢は俺に5枚のトランプを配る。
現在俺達は狂夢が住んでいるビルの一室でポーカーをしている。このビルは半壊しているので、入口はない。だから窓から入る事になる。そしてビルの中に入ると自動的に狂夢の家にワープするようだ。
この家にはいろいろな部屋がある。狂夢が今まで作った発明品がある部屋、そしてその研究室、他にも普通の家庭なら必ずあるキッチンなどがあった。どうやらこの家は狂夢が空間を弄っているみたいだ。中でも一際大きい部屋は“時狭間の部屋“と呼ばれる部屋だった。
この部屋には地球が誕生してから起こった大きな出来事を記した本が大量にある。よって部屋の天井は見る事が出来ず棚も大量にあった。狂夢に聞いた所どうやら本の数は億を超えているようだ。ちなみに作者は全て狂夢である。どうやら彼の【森羅万象を司る程度の能力】で過去に起こった出来事を見る事が出来るらしい。
........とまあそんな事より今はポーカーだ。俺はカードを2枚チェンジし宣言する。
「勝った!九のフォー・オブ・ア・カインド」
「残念。ロイヤルストレートフラッシュ。俺の勝ちだな」
そう言い狂夢はニヤニヤする。コイツがやったことは分かっている。イカサマだ。狂夢は普段引きこもってゲームをしていて、ゲーム関連の物で狂夢に勝てる物はいない。特にポーカーのようなイカサマし放題のこのゲームではコイツは無敵だ。まあ気付けなかった俺が悪いんだが。
殴りたい、その笑顔。
「そう言えば頼んでいた物が出来たぜ」
狂夢は巫女服の袖から片方しかないピアスを取り出す。ピアスの先には瑠璃色の光を放つ水晶が埋め込まれていた。
「いい出来........だがなんでピアスなんだ?」
「お前に似合いそうだったから。良かったね☆」
「良くねえよ!後お前も俺と同じ顔だろうが!」
「まあまあ。そんなことより作戦の方は出来たのか?」
「まあ........な」
「肝に銘じておけ。俺達“
「ーーーー敗北は許されない........か。分かってるぜ、そんなこと」
「ならいい」
狂夢はトランプをシャッフルし始める。どうやらまだまだ二人のゲーマーの戦いは続くようだ........
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
「........姉さん。お呼びですか?」
此処は大和の神社。その一室では二人の男と女の最高神が話し合っていた。
男の神の名は須佐之男命。かつて伝説の大妖怪“八岐大蛇“と戦った神である。彼は今自分の姉に呼ばれこの部屋に来た。
「ええ、須佐之男。実は聞きたい事があるんです」
姉と呼ばれた彼女は天照大御神。先日楼夢に喧嘩を売った太陽の最高神だ。
「........なんですか?」
須佐之男は天照の聞きたい事に疑問を持つ。なぜなら彼女は須佐之男よりも頭の回転が早く彼女が須佐之男に何か聞いても答えられない事が多いのだ。
「私は........ハゲてるように見えますか?」
「いやいや姉さんのどこを見たらハゲてるんですか!どうしたんですか一体!?」
「実は........この前諏訪子の使者として来た妖怪にハゲ神って言われたんです........グスン」
「ああ、姉さん泣かないで!こんなところで泣いたら........」
「ウ“ワ“ァ“ァ“ァ“ァ“ァ“ン!!!私はハゲてないもん!!ううぅ........」
天照はあまりのショックに泣き出す。カリスマブレイクと言う奴である。
「(ああ、姉さんが今まで作り上げてきた威厳が崩れてゆく........)」
天照は意外に精神攻撃に弱かった。
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
「ちなみに狂夢」
「なんだ?」
「リビングにサンドバッグがあったんだがそれは?」
「良いだろ別に」
「それにサンドバッグに張り付けてある写真の人って天照じゃあ........」
「........」
「あ、逃げんなゴラァ!!」
~~今日の狂夢~~
「三年E組ーーーー」
「「「「「教えて、狂八先生!!」」」」」
「
「諸事情によりこれから三日間の間投稿出来ません。そして今話4000文字突破しました。作者です」
「さーて今回は何について説明するんだ?」
「今回はこの小説での霊力・妖力・神力について説明したいと思います」
「はいはい、まず霊力・神力・妖力はそれぞれの種族が使える事は知ってるな。そしてこの三つの力にはそれぞれ得意な事や性質が違う。例えば妖力は妖怪が持っていて主に攻撃や身体能力強化に使われる。そしてこの力は傷を治すのに向いていない。例えば右腕が消し飛ばされたとする。そして妖力でそれを無理矢理治そうとすると、グチュグチュと言う音を立てながら新しい右腕が生えてくる。この時再生能力を上げて無理矢理治したので腕が生えてくる時は発狂するほど痛い。つまり妖力は攻撃や身体能力強化にしか使えないと言う事だ。
次に霊力は主に人間が持っていて攻撃の他に結界術や回復にも使える便利な力だ。これの弱点は霊力は身体能力強化にはあまり向いていないと言う事だ。そして傷を治す時はその傷の深さによって膨大な量の霊力を必要とする。つまり傷は治せるが大きな傷を治すと大量の霊力を消費するという事だ。
霊力と妖力は互いに混ぜ合わない性質を持っている。つまり、霊力と妖力を合わせた術は作る事が出来ないと言う事だ。例外に、楼夢は能力で二つの形を無理矢理結びつける事も出来る。
最後に神力は主にバランス型だ。得意な事も無ければ弱点も無い。唯一のデメリットは誰かに信仰されてなければ力は使えないと言う事だ。
神力は霊力・妖力との相性が良くこの力を使えば霊力や妖力を混ぜた術を作る事が出来る。
これでいいな?」
「はい、いつも通り長い説明ありがとうございます」
「あぁん?」
「いやなんでもないっす。それにしても今話で色々な謎が出て来ましたね。狂夢さんが渡した不思議なピアス、そして“白塗の巫女“。他にも楼夢さんは何故死んだのか、など?」
「楼夢の過去編はいつやるんだ?
「多分前編が終わった後ですね。つまりまだまだ先と言う事です」
「成程ね。じゃあ俺はサンドバッグ叩きに行くからチャオチャオ」
ドゴオオオオン
「(一体誰を殺す気なんだろう?)」