東方蛇狐録~超古代に転生した俺のハードライフな冒険記~   作:キメラテックパチスロ屋

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人は黒く

血は朱く

そして世界は灰色


嗚呼、もし私が白ならば全てを染め上げられるのに


by白咲楼夢


突撃!諏訪大戦

朝ーーそれは全ての始まりでもあり、終わりでもある。そして今日はそれぞれの始まりを示していた。

 

 

 

 

 

「そろそろ出発のお時間です。須佐之男様」

 

「ああ、神奈子。........行きましょう姉さん」

 

「........ええ、全てはーーーー」

 

 

 

 

ーーーー大和の平和の為に

 

 

 

 

 

ーーある者は己の国の平和の為

 

 

 

 

 

「さあ、気合い入れて行きましょう!」

 

「うん!この一ヶ月の地獄の死行の成果を見せてやる!!」

 

「おいおいそれじゃあまるで俺が鬼のようだと言っているようじゃないか。まったく........まあさっきの団子が最後の晩餐にならない事を祈ってるぜ」

 

「「あかん、それフラグや!!」」

 

 

 

 

 

ーーある者は守るべき愛人達の為

 

 

 

 

ーーそしてある者は........

 

 

 

 

ドッゴォォォォォン

 

 

 

「オッシャァァァ!覚悟しろよハゲ照らす大微髪!!このサンドバッグのようにグチャグチャにしてくれるわ!」

 

 

 

 

 

ーーある者は自らの誇りの為に戦う。

 

 

 

 

ーーそして運命の戦争が今始まる。

 

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

「........着いたか」

 

 

現在俺達は指定された平原にいる。向こうに見えるのは大和の軍だろう。流石に多い。取り敢えず此処ならいくら地形破壊しても文句は言われないので嬉しい。

 

俺は緋色の望遠鏡(スカーレット・テレスコープ)を開き大和の軍に向けて視界をズームする。大和の軍の中心にいるのは........ハゲ照らすと須佐之男と神奈子か。まあ最初はこの軍を全滅させなきゃね。

 

 

『楼夢!速攻でハゲ照らすを倒すぞ!』

 

「(戦わない癖に何威張ってんだよ。まずは軍からだ)」

 

『何言ってやがる!俺はセコンドとして戦うんだよ!』

 

「(寝言は寝てる時に言いやがれ!!)」

 

 

さてこいつの事よりまずは軍の方からだな。諏訪子が持っている兵はミシャグジと呼ばれる白い蛇と早奈だけだ。対してあちらは数えて約一万の神兵を持っている。まあ、一万なんて今の俺には余裕だけどな。

 

 

「楼夢、そろそろ始まるよ」

 

「はいはい、まあ二人共死ぬなよ」

 

「お役に立てるかどうかわかりませんが私、頑張ります!」

 

「私は死んでも信仰がある限り生き返るから大丈夫」

 

「........死亡フラグ乙」

 

 

俺らがそう話し合っていると大和の軍勢が唸り声を上げて突撃して来た。どうやら始まったようだ。

 

 

「........始まったね。総員散開!大和の神兵を蹴散らせ!!」

 

「んじゃ俺は大和の軍勢を皆殺しにして来るぜ」

 

 

そう言うと俺は大和の部隊の内の一つに突っ込む。いけない、どうやら狂夢がいるせいで言葉が少し乱暴になってるようだ。

 

 

大和の軍には全部で八個の部隊がある。そしてそれら全てで敵を包囲して倒す。まあ俺には都合が良い。

 

 

俺は瞬歩で神兵の目の前に移動しその首を綺麗に狩る。首があった場所からは噴水のように血が溢れ出ていた。

 

神というのは信仰があれば何度でも蘇る。つまり今回はわざわざ手加減して戦う必要はないのだ。

 

 

「き、貴様ァ!!よくもーーーー」

 

「五月蝿い、“竜の息吹“」

 

 

俺は【八岐大蛇状態】になり尻尾の口から灼熱の炎を吐き出す。神兵達は炎に巻き込まれ数十名が息絶える。

 

 

「「アハハハハ!!さあ、もっと私達を楽しませろよ!!!」」

 

 

桃色の蛇狐は高らかに笑い狂う。その左目は血のようにも見える緋色に染まり、右目は瑠璃色の凍てつく光を放っていた。

 

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

 

此処は大和の部隊の中で最も強力な神々が集まっている一番隊。その中では一人の神兵が己の軍の大将に報告しに来ていた。

 

 

「神奈子様!八部隊の内六番隊が........全滅しました!!」

 

 

その事を聞いた時大和の神々はざわざわと話始める。ある者は全く信じず、ある者は不安で押し潰されそうになる。天照は皆に指示を出し落ち着かせる。だが彼女も内心は驚いていた。当たり前だろう。各部隊には千を超える神兵が陣を組んでいる。その内の一部隊が約十分で全滅したのだ。驚くなと言う方が無理だろう。そして天照に新たな凶報がやって来た。

 

 

「神奈子様!!三番隊に巨大な流星群が降り注いで、間もなく壊滅寸前です!!」

 

「神奈子様!!御報告です........七番隊........が急に氷付けにされ........私以外が........全滅しました」

 

 

その報告で神奈子達の背筋が凍る。だがこの中で須佐之男だけが冷静だった。

 

 

「七番隊を全滅させたのは誰だ!?答えろ!!」

 

 

須佐之男はそう生き残った神兵に問う。

 

 

「桃色の........髪を持つ........妖怪」

 

 

そう呟くと神兵は力尽きる。そしてその事を聞いた須佐之男から大量の冷や汗が溢れ出ていた。

 

 

「(桃色の妖怪!?........そんな........まさか!?)」

 

 

須佐之男の脳裏に一人の妖怪の顔が浮かぶ。そして最悪の事を考えた須佐之男は全兵に命令する。

 

 

「各隊に伝えろ!各部隊は互いに協同しその妖怪を倒す事だけを考えろ!!」

 

「しかし、それでは諏訪の兵達が........」

 

「諏訪の兵と祟り神は俺と姉さんがなんとかする!急げ!奴が此処に来たら不味い!」

 

「ハッ!」

 

 

周りの神達が動き出す。須佐之男は各部隊と言った。つまり、此処一番隊も動かなければならないのだ。そして大将を守る者が一人もいなくなるこの馬鹿げた策に天照は疑問を立てる。

 

 

「何故一番隊まで行かせたのです?お陰で我々の周りの兵は0です」

 

「奴が本当に此処にいるなら大和の全部隊でも全滅する可能性がある。つまり奴が戦っている間に諏訪の神を倒せばいいんですよ」

 

「........成程、貴方にしては考えましたね。そしてもう一つ、貴方はあの妖怪について何か知っているようですが........」

 

「........ええ、知ってます。あいつはーーーー」

 

 

 

→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→

 

 

 

「オラオラァ!!死ねぇ!!」

 

「吹っ飛べゴミクズ共!!」

 

「「「ウワァァァァァ!!」」」

 

「破道の九十“黒棺(くろひつぎ)

 

「「「ひっ........ギャアァァァァァァ!!!」」」

 

 

俺は霊力で造られた黒い長方形で神兵達を囲い中で圧殺する。どうやら俺も狂夢もすっかりヒートアップしているようだ。

 

現在俺は七千を超える大和の軍勢と戦っている。それぞれの三つの部隊をどうやって全滅させたかと言うと、俺の【八岐大蛇状態】の時のみ使える木、火、土、金、水、風、光、闇の力を持つ蛇達の内、火、土、水の力を使って敵を倒した。ただそれだけである。でも流石に空から巨大な岩を流星群みたいに落としたのはやり過ぎた。

さてそんな事よりどうやら各部隊が俺に集中して集まっているようだ。まあ、楽しいからいいとしよう。

 

 

「「死に晒せ!!“二十二枚のタロットスペル“『(タワー)』」」

 

 

無数の稲妻が神兵達を串刺しにする。今のは俺ではなく、狂夢が勝手に攻撃したのだ。俺も興奮しているせいで狂夢を上手く制御出来ていないようだ。

 

 

「「邪魔だァ!!破道の八十八“飛竜撃賊震天雷砲“!!」

 

 

俺らは周りの神兵に青白い巨大な閃光を放ち消し飛ばす。だが後残り六千人程いる。........一気に決めるか。

 

俺は左耳に付けてあるピアスの水晶を触る。すると水晶はピアスから外れて占いで使われる程の水晶玉と同じくらいの大きさになる。

 

この水晶玉の名は“魔水晶(ディアモ)“。この水晶玉にはあらゆる術式を使う時に必要になる。他には霊力を妖力に変えたりする等の事が出来る。つまるところ、これは大きな術式を創り出す時や、使う時に大きな助けになってくれるのだ。

 

 

「軍相八寸退くに能わず」

 

 

俺は魔水晶(ディアモ)を左手に持ち術の詠唱を始める。

 

 

「青き閂 白き閂 黒き閂 赤き閂

 

相贖いて大海に沈む

 

“竜尾の城門“ “虎咬の城門“

 

“亀鎧の城門“ “鳳翼の城門“」

 

 

俺は大和の軍勢を囲むようにそれぞれ竜、虎、亀、鳳凰の門を出現させる。

 

 

「“四獣塞門(しじゅうさいもん)“」

 

 

俺は大和の軍勢を超巨大な結界に閉じ込める。魔水晶(ディアモ)のお陰で通常の百倍以上の大きさの結界を貼る事が出来るようになった。

だがこの結界はただ閉じ込める為の物ではない。

 

俺は指をパチンと鳴らす。すると、虎咬の城門が少しだけ開く。

俺は右手に膨大な量の霊力、妖力、神力を込める。通常、霊力と妖力は相性が悪いが魔水晶(ディアモ)の能力で上手く調和させている。

 

 

楼夢の右の手の平の上に七色の光が集まり始める。その光はオーロラのようにも見え、とても幻想的な色であった。やがてその光はバチバチと音を立てながら眩しい程に輝き出す。

 

 

「天災“天の光(ユニバースレイ)

 

 

楼夢は右手に集まった光を虎咬の城門に向けて放つ。そして........

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーオーロラの光が地から天にある物全てを貫いた。

 

 

 




ども、皆さん作者です。現在精神世界で狂夢さんの家の中にいます。というか閉じ込められました。どうやら防犯対策の為に私を閉じ込めたようです。

........ていうかこんな世界に来客なんて来るかよ!


「宅配便でーす!」


........(゜Д゜)

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